本日公表された2026年8月末の営業毎旬報告によると、総資産は644.7兆円となり、前月から3,663億円増加した。国債残高は519.9兆円で、前月比は+5,458億円にとどまり、7月の+10,395億円から増加幅が縮小した。当座預金は424.3兆円まで減少し、当座預金/総資産比率は65.8%と、直近12ヶ月で最も低い水準を記録した。
【速報】QTフロー分析:国債前月比の増加幅が縮小
8月の国債前月比は+5,458億円で、7月の+10,395億円から半減した。2026年に入ってからの非償還月(増加月)の前月比は1万円台前半の水準が続いていたが、8月はこの中で最も小さい増加額となった。
日銀のバランスシートでは、3か月ごとに大口の償還が発生し国債残高が急減する構造が続いている。直近では2026年6月に-147,932億円の大幅減少があり、その後7月・8月は小幅な増加でリバランスする局面にあった。8月の増加ペースの鈍化は、この回復局面がすでに一段落しつつあることを示している。次の大口償還月に向けて、増加ペースがどこまで続くかが当面の観察点となる。
【速報】ストック分析:国債比率80.7%、政策資産は6.0%で安定
国債比率(対総資産)は80.7%となり、7月の80.6%からわずかに上昇した。この12ヶ月では79%台から81%台の狭いレンジで推移しており、国債の相対的な比重には大きな変化が見られない。
政策資産比率(ETF+J-REIT+社債)は6.0%で、7月の6.1%からわずかに低下した。ETF残高は前月比263億円減少し、2026年1月以降続いているETF残高の緩やかな漸減トレンドが継続している。社債比率は0.2%まで低下しており、社債の圧縮も進行している。
| 月 | 国債比率(%) | ETF比率(%) | 政策資産比率(%) |
|---|---|---|---|
| 2026-06 | 81.0 | 5.8 | 6.1 |
| 2026-07 | 80.6 | 5.7 | 6.1 |
| 2026-08 | 80.7 | 5.7 | 6.0 |
この表からは、国債比率がやや高止まりする一方、ETFを中心とした政策資産の縮小が小幅ながら続いている構図が読み取れる。
【文脈】12ヶ月累計に見るパッシブQTの進行度
国債前月比の12ヶ月累計は8月時点で-51.7兆円となり、7月の-49.5兆円からさらに減少幅が拡大した。この累計値は2026年5月の-47.6兆円から3か月連続で悪化(減少方向に拡大)しており、償還を通じたパッシブQTが年間ベースで着実に進行していることを示している。
貸付金比率は11.1%で、7月の11.2%からほぼ横ばいとなった。2025年6月時点の13.2%と比較すると、貸付金の圧縮も緩やかに進んでいる。
当座預金/総資産比率は65.8%まで低下し、この12ヶ月で最低水準を更新した。同比率は2025年6月の73.7%から段階的に低下を続けており、負債側の流動性構造が縮小方向にシフトしていることが確認される。8月単月の当座預金変化は-136,903億円と、月次変動テーブルの中でも大きめの減少幅となった。
発行銀行券は114.9兆円で、過去数値との比較データは提供されていないものの、総資産に対する規模として大きな変化は見られない。
【文脈】企業センチメントとQT環境
日銀短観によると、2026年Q2の業況判断DIは大企業製造業が22、大企業非製造業が37となり、いずれも2025年Q3以降改善傾向が続いている。中小製造業DIも2025年Q3の1から2026年Q2の9まで持ち直しており、企業部門の景況感は総じて改善方向にある。
先行き判断DIは大企業製造業が14、大企業非製造業が29と、最近の判断より慎重な水準にとどまっている。バランスシートの縮小方向への調整が続く中でも、企業の業況判断DIの改善自体は継続しており、QTの進行と企業センチメントの悪化が同時に起きている様子は、提供データからは確認されない。
先行き展望
当面の注目点は以下の通り。
- 国債前月比の増加ペースがさらに鈍化するか、次の大口償還(過去のパターンでは3か月サイクル)に向けた動き
- 当座預金/総資産比率が65%台からさらに低下するか、その場合の負債構成の変化
- ETF・社債の残高圧縮が加速するかどうか、政策資産比率6%割れの可能性
- 12ヶ月累計QTペース(8月時点で-51.7兆円)が今後さらに拡大するか
次回の営業毎旬報告および日銀短観の次回調査结果は、これらのトレンドの継続性を確認する重要な材料となる。
用語集
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| 営業毎旬報告 | 日本銀行が10日ごとに公表するバランスシート状況の報告。総資産・国債・当座預金などの残高が把握できる。 |
| パッシブQT | 日銀が保有国債を能動的に売却せず、償還を迎えた国債の再投資を抑制することで自然に資産規模が縮小していく量的引き締めの形態。 |
| フロー効果 | 国債の月次購入・減少量が市場の需給や価格形成に与える影響。QTペースの変化を評価する際に用いられる概念。 |
| ストック効果 | 中央銀行が累積的に保有する資産残高が、長期金利水準やタームプレミアムを抑圧する効果。 |
| 当座預金/総資産比率 | 日銀の負債側における当座預金(準備預金)が総資産に占める割合。金融機関に供給された流動性の規模を示す指標。 |
| 政策資産比率 | ETF・J-REIT・社債の合計が総資産に占める割合。伝統的な国債買入れとは異なる非伝統的金融緩和資産の比重を示す。 |
| 日銀短観 | 日本銀行が四半期ごとに実施する企業短期経済観測調査。業況判断DIなどで企業の景況感を定量化する。 |
| 業況判断DI | 企業が自社の業況を「良い」「さほど良くない」「悪い」で回答し、良いの回答率から悪いの回答率を引いた指数。 |
本コラムは日本銀行公表の営業毎旬報告データ、FRED(FRBバランスシート)、ECB統計データ等をAIが統合分析して自動生成した日銀バランスシート分析記事です。特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。