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TOPIX 初回定期入替の結果 — プライム=TOPIX ではなくなる、10 月 30 日からの新ルールを整理する

JPX 総研は 2026 年 10 月 7 日、TOPIX の初回定期入替の結果を公表した。10 月 30 日から TOPIX はプライム・スタンダード・グロースの全市場から流動性で選ぶ指数になり、継続採用されない 683 銘柄は約 2 年かけて段階的にウエイトを下げる。新ルール・結果の数字・移行措置・日程を公表資料に沿って整理する。

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TOPIXJPX株価指数市場制度

JPX 総研は 2026 年 10 月 7 日、TOPIX(東証株価指数)の初回定期入替の結果を公表した。実施は 10 月 30 日。これを境に、TOPIX は「プライム市場を主な対象とする指数」から、プライム・スタンダード・グロースの全市場区分から流動性の基準で毎年選び直す指数に変わる。

要点は 3 つある。

  • プライム=TOPIX ではなくなる。 スタンダード・グロース市場の 46 銘柄(移行措置銘柄を除く)が構成銘柄になる一方、プライム市場の銘柄でも基準を満たさなければ外れていく
  • 外れる 683 銘柄は即時除外ではない。 「移行措置銘柄」として 2026 年 10 月から四半期ごと 8 段階でウエイトを下げ、2028 年 7 月に 0% になる。2027 年 10 月の再評価で継続基準を満たせば 50% で低減が止まる
  • 銘柄数は 1,636 → 1,669 → 986+α。 ただし市場カバー率は 97.4% から 96.4% とほぼ維持され、構成銘柄の売買代金(中央値)は 3 倍超になる

以下、公表資料に沿って順に整理する。

何が変わったか — 見直し後の TOPIX ルール

今回の見直しは、2022 年 4 月の市場区分再編を受けた「第一段階の見直し」(2025 年 1 月末に完了)に続く「第二段階」にあたる。JPX 総研は、TOPIX に約 160 兆円(2026 年 6 月)の連動資産があることを踏まえ、指数の連続性を保ちながら移行を段階的に進めるとしている。

項目見直し前見直し後
対象市場プライム市場(市場区分再編時の構成銘柄でスタンダード・グロースを選んだ銘柄も含む)プライム・スタンダード・グロース市場
定期入替なし年 1 回、10 月最終営業日(基準日は 8 月最終営業日)
追加基準(構成銘柄でない銘柄)—年間売買代金回転率 0.2 以上 かつ 浮動株時価総額の累積比率で上位 96% 以内
継続基準(構成銘柄)—年間売買代金回転率 0.14 以上 かつ 上位 97% 以内
非定期の追加プライム市場への新規上場・市場区分の変更(2026 年 10 月まで)全市場区分の新規上場で、浮動株時価総額が累積比率上位 95% の最低水準を上回る銘柄(2026 年 11 月以降)

追加基準より継続基準をゆるくしているのは、指数の安定性と投資効率のための「バッファ・ルール」で、基準の境目にある銘柄が毎年出入りするのを抑える狙いがある。上場廃止などによる非定期の除外と、1 銘柄 10% のウエイトキャップは変わらない。

基準に使う 2 つの指標は次のとおり定義されている。

  • 年間売買代金回転率: 基準日が属する月以前 12 か月の月次回転率の合計。月次回転率は「東証の売買立会における日次売買代金の中央値 × 営業日数 ÷ 月末最終営業日の浮動株時価総額」
  • 浮動株時価総額の累積比率: 整理銘柄・特別注意銘柄でなく回転率の条件を満たす銘柄を、浮動株時価総額の大きい順に並べ、上から累積した割合。今回の水準は、上位 97% 以内が約 420 億円、96% 以内が約 610 億円、95% 以内が約 770 億円

10 月 7 日に公表された結果

定期入替前(2026 年 8 月末)定期入替後(2026 年 10 月末)移行完了時(2028 年 7 月末)
銘柄数1,6361,669(うち移行措置 683)986 +再評価で継続する銘柄
浮動株時価総額の合計775 兆円778 兆円766 兆円
市場カバー率97.4%97.9%96.4%
浮動株時価総額(中央値)約 590 億円約 610 億円約 1,600 億円
1 日あたり売買代金(中央値)約 4.8 億円約 5.0 億円約 15.4 億円

※ 市場カバー率は、3 市場の全銘柄の浮動株時価総額の合計に占める TOPIX 構成銘柄の割合。浮動株時価総額と市場カバー率は 2026 年 8 月最終営業日時点のデータに、調整係数・移行係数を反映した試算。売買代金は 2026 年 8 月の平均。将来時点の銘柄数は 10 月 7 日時点で判明している追加・除外を反映した試算値。

銘柄数はおよそ 4 割減る一方、時価総額で見た市場のカバーはほとんど変わらない。外れるのは時価総額や売買代金が小さい銘柄が中心で、その結果として浮動株時価総額と売買代金の中央値が大きく上がる、という設計である。

新たに追加されるのは 35 銘柄(スタンダード 23・グロース 12)。たとえば日本マクドナルドホールディングス、ワークマン、セリア、ヨネックス、千代田化工建設(いずれもスタンダード)、フリー、タイミー、アストロスケールホールディングス(いずれもグロース)などが含まれる。これに既存の構成銘柄を加えると、移行措置銘柄を除くスタンダード・グロース市場の構成銘柄は 46 銘柄になる。

指数の性格もほぼ保たれる。JPX 総研の集計では、業種別ウエイトの変化は最大でも銀行業 +0.2%・サービス業 -0.1%、加重 PER は 21.1 → 21.2、加重 PBR は 1.88 → 1.90、加重配当利回りは 1.85% → 1.83% にとどまる。規模別では超大型の Core30 のウエイトが 42.3% → 44.6% に上がり、小型(TOPIX Small)は 7.2% → 5.5% に下がる。

移行措置 — 683 銘柄は 8 段階でウエイトを下げる

初回の定期入替で継続採用されない 683 銘柄は、すぐには外れない。浮動株時価総額に「移行係数」を掛け、四半期ごとに 12.5 ポイントずつ下げていく。

適用2026 年 10 月2027 年 1 月4 月7 月10 月2028 年 1 月4 月7 月
移行係数(再評価で継続基準を満たさない銘柄)87.5%75.0%62.5%50.0%37.5%25.0%12.5%0%
移行係数(再評価で継続基準を満たす銘柄)87.5%75.0%62.5%50.0%50.0%50.0%50.0%50.0%

ここで重要なのが 2027 年 10 月の再評価である。移行措置銘柄のうち、その時点で継続基準(年間売買代金回転率 0.14 以上・累積比率で上位 97% 以内)を満たす銘柄は、低減が 50% で止まり、構成銘柄として残る。JPX 総研はこれを「上場会社の経営改善の取組みを反映」する仕組みと位置づけている。逆に言えば、移行措置銘柄にとっては、この 1 年間の流動性と時価総額が指数に残れるかどうかを左右することになる。

683 銘柄の内訳を構成銘柄一覧から数えると、プライム市場が 572 銘柄、スタンダード市場が 110 銘柄、グロース市場が 1 銘柄。プライム市場に上場していることは、もはや TOPIX に入る条件ではない。

規模別指数の入れ替えと新指数「TOPIX Next-tier」

同じ 10 月 30 日に、規模別の指数(TOPIX ニューインデックスシリーズ)も定期選定で入れ替わる。

  • TOPIX Core30: 入る — フジクラ、パナソニック ホールディングス、村田製作所、住友商事/出る — セブン&アイ・ホールディングス、第一三共、ダイキン工業、本田技研工業、ソニーフィナンシャルグループ
  • TOPIX100(Core30+Large70): 新たに入る — INPEX、キオクシアホールディングス、レゾナック・ホールディングス、イビデン、JX 金属、IHI/外れる — LINE ヤフー、SUBARU、ユニ・チャーム、西日本旅客鉄道、ソニーフィナンシャルグループ

Core30 から外れる 5 銘柄のうち 4 銘柄は Large70 に移るため TOPIX100 には残り、ソニーフィナンシャルグループは Mid400 に移る。

規模別指数の選定では、移行措置銘柄は移行係数を掛けた後の時価総額で順位が付く。

あわせて、新しい指数 TOPIX Next-tier が 10 月 30 日に算出を始める。TOPIX に選ばれない銘柄(移行措置銘柄を含む)のうち、一定の流動性がある銘柄で構成する指数で、10 月 7 日時点の予定構成銘柄は 704 銘柄。

これからの日程

時期内容
2026 年 10 月 30 日(金)初回定期入替。新規追加 35 銘柄の採用、移行措置銘柄の移行係数 87.5% の適用、TOPIX Next-tier の算出開始
2026 年 11 月以降全市場区分の新規上場が、基準を満たせば非定期で TOPIX に追加される
2027 年 1 月・4 月・7 月移行係数を 75.0% → 62.5% → 50.0% へ
2027 年 10 月移行措置銘柄の再評価。継続基準を満たす銘柄は 50% で低減を停止
2028 年 1 月・4 月・7 月残る移行措置銘柄の移行係数を 25.0% → 12.5% → 0% へ
2028 年 10 月第 2 回の定期入替。以後、毎年 10 月

投資家として確かめておきたいこと

  • 保有・関心銘柄の扱いを一次資料で確かめる。 JPX 総研の「TOPIX 初回定期入替における選定結果及び構成銘柄一覧」には、新規追加・移行措置・構成銘柄の一覧が市場区分付きで載っている
  • 「プライム市場上場」と「TOPIX 構成銘柄」を区別する。 今後は、プライム市場でも TOPIX に入らない銘柄と、スタンダード・グロース市場でも TOPIX に入る銘柄が並存する。スクリーニングや比較の条件に市場区分を使っている場合は、その前提を見直す必要がある
  • 2027 年 10 月の再評価の基準を押さえる。 移行措置銘柄が指数に残れるかは、年間売買代金回転率 0.14 以上・累積比率で上位 97% 以内(今回の水準で約 420 億円)という具体的な基準で決まる
  • 規模別指数の区分が変わる銘柄に注意する。 Core30・Large70・Mid400 などの区分を参照する指標や比較は、10 月 30 日を境に対象が変わる

出典


本コラムは、日本取引所グループ(JPX 総研)の公表資料をもとに IR Tracker が作成した解説記事です。指数の構成や数値は公表時点のもので、今後の再評価・非定期の追加などで変わることがあります。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。