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99832026 通期プライムIFRS

ファーストリテイリング(9983) 2026年度通期決算

2026年度通期の売上高は3兆9,634億円(前年同期比+16.6%)、営業利益は7,431億円(同+31.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

小売/小売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥39633.9億¥34005.4億+16.6%
営業利益¥7431.3億¥5642.6億+31.7%
税引前利益¥8025.1億¥6505.7億+23.4%
純利益¥5841.4億¥4591.5億+27.2%
ROE20.1%19.7%-

Executive Summary

海外ユニクロの高成長と利益率改善により、売上収益の伸びを大きく上回る営業増益となった決算である。売上収益は3兆9,633.9億円(前年比+16.6%)、営業利益は7,431.3億円(同+31.7%)で、営業利益率は18.7%と前期の16.6%から2.1pt上昇した。当期利益(連結)は5,841.4億円(同+27.2%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,425.2億円(同+25.2%)となった。増益の主因は海外ユニクロの営業利益が+44.9%と伸びたことに加え、粗利率が55.2%(前期53.8%)へ改善したことである。税引前利益は8,025.1億円(同+23.4%)で、営業増益率より低いのは金融収益の減少による。

業績変動要因

【売上高】増収の中心は海外ユニクロで、売上収益は2兆4,111.4億円(+26.2%)となり、連結の約60.8%を占める。国内ユニクロは1兆848.4億円(+5.7%)、GUは3,367.2億円(+1.8%)と伸びは小幅だった。グローバルブランドは1,285.6億円(△2.3%)と唯一の減収である。連結増収額約5,628億円のうち、海外ユニクロが約5,008億円を占め、成長の海外依存が鮮明である。

【損益】営業利益は+1,788.7億円増加し、増益率は売上収益の伸びを上回った。粗利率は約1.4pt改善した。販管費は+15.1%の増加で売上収益の伸びを下回り、販管費率は37.1%(前期37.6%)に低下した。グローバルブランドは営業損失9.5億円から営業利益44.5億円へ黒字転換した。一方、金融収益は744.6億円(前期991.4億円)と減少した。その結果、税引前利益の伸びは営業利益の伸びより小さくなった。結論として、増収増益である。

セグメント別分析

海外ユニクロが利益成長の中心である。営業利益は4,481.2億円(+44.9%)、利益率は18.6%(前期16.2%)で、報告セグメント合計の営業利益6,821.2億円の約65.7%を占める。

国内ユニクロは営業利益1,966.5億円(+6.6%)、利益率18.1%と安定的に推移した。GUは328.8億円(+7.8%)、利益率9.8%である。グローバルブランドは利益率3.5%と低水準ながら、黒字転換した。ユニクロ両事業と他事業の利益率差は大きく、事業構成の変化が連結利益率に影響する構造である。

主要財務指標

【収益性】ROEは21.2%(前期20.2%)で、営業利益率は18.7%(前期16.6%)、基本的EPSは1,768.08円(同+25.3%)である。親会社帰属ベースの純利益率は13.7%で、利益率の改善がROE上昇の主因である。【キャッシュ品質】営業CFは7,885.9億円(+35.8%)で、親会社帰属利益の約1.45倍となった。小計(運転資本変動前)は9,664.8億円で、減価償却費は2,372.5億円である。【投資効率】有形固定資産の取得は799.1億円(前期1,355.4億円)と減少し、減価償却費の約0.34倍にとどまる。ただし、使用権資産や無形資産への支出は含まない。【財務健全性】自己資本比率は62.6%(前期58.9%)に上昇し、流動比率は約3.22倍である。リース負債は流動・非流動合計で5,883.6億円である。BPSは9,274.27円となった。

キャッシュフロー分析

営業CFは7,885.9億円と前期の5,806.2億円から大幅に増加し、利益成長が現金創出に結びついた。棚卸資産の増加で757.2億円が流出した一方、仕入債務の増加で710.2億円が流入し、運転資本の影響はほぼ相殺された。投資CFは△3,168.9億円で、前期の△5,789.2億円から支出が縮小した。内訳は定期預金や投資有価証券の預入・取得と回収が中心で、有形固定資産の取得は799.1億円である。営業CFと投資CFの合計であるFCFは4,717.0億円となったが、金融資産の出入りを含むため、反復的な余剰資金とは区別して見る必要がある。財務CFは△4,290.6億円で、配当支払1,779.3億円、非支配持分への配当342億円、社債償還700億円、リース負債返済1,456.5億円が主な支出である。現金及び現金同等物は1兆75.9億円で、前期から1,143.5億円増加した。

収益の質

収益の質は、営業CFが親会社帰属利益を上回る点で良好である。営業CFは親会社帰属利益の約1.45倍で、利益の現金裏付けは強い。一方、営業CFは減価償却費等を含むEBITDA9,803.8億円の約0.80倍にとどまる。税引前利益と営業利益の差は金融収益744.6億円と金融費用150.8億円によるもので、金融収益は前期比で246.8億円減少した。包括利益は8,787.3億円と当期利益を2,945.9億円上回った。主因は在外営業活動体の換算差額1,672.8億円とキャッシュ・フロー・ヘッジ1,270.5億円で、純資産の増加には評価・換算変動が含まれる。

業績予想・ガイダンス

次期の業績予想は、売上収益4兆4,500億円(前期比+12.3%)、営業利益8,300億円(同+11.7%)で、増収増益を見込む。親会社帰属利益は5,600億円(同+3.2%)、EPSは1,825.06円である。営業利益の伸びに比べ、親会社帰属利益の伸びは小さい。当期に744.6億円計上した金融収益の水準が、予想の前提としてどう置かれているかが論点となる。

年間配当は900円を予想し、当期の850円から50円増加する。予想EPSベースの配当性向は約49.3%である。

株主還元

年間配当は850円(中間320円、期末530円)で、前期の240円から大幅に増加した。親会社帰属利益ベースの配当性向は48.1%(前期35.4%)に上昇した。自己株式の取得は実質ゼロのため、総還元性向も同水準である。配当支払額1,779.3億円は営業CF7,885.9億円の約22.6%で、キャッシュフロー面の余力は大きい。次期は900円への増配を予想している。

リスク要因

  1. 海外ユニクロへの集中: 同事業は売上の60.8%、報告セグメント営業利益の約65.7%を占める。売上は+26.2%と成長が速い。進出国の消費動向や為替の変動が、連結業績に与える影響は大きい。

  2. 在庫水準: 棚卸資産は6,172.4億円で、前期比+20.8%と売上収益の伸び16.6%を上回った。売上原価ベースの在庫回転日数は約127日である。値下げや評価損が生じた場合、改善した粗利率55.2%に影響しうる。

  3. リース・固定負担と評価変動: リース負債は5,883.6億円、年間返済額は1,456.5億円で、売上が鈍化しても残る固定的な支払である。また、包括利益の2,945.9億円は為替換算とヘッジが中心で、資本水準は市場環境により変動しうる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
自己資本利益率21.2%7.8% (3.6%–13.4%)+13.4pt
営業利益率18.7%3.5% (1.1%–7.9%)+15.2pt
純利益率14.7%2.8% (1.0%–6.1%)+11.9pt

収益性の3指標はいずれも業種のIQR上限を上回る位置にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)16.6%5.0% (2.0%–13.5%)+11.6pt

売上高成長率も業種のIQR上限を上回る水準にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 利益率の改善が増益の中心である。粗利率は約1.4pt改善し、販管費率は低下した。営業利益率は18.7%と前期から2.1pt上昇しており、売上規模の拡大に伴うレバレッジが表れている。

  2. 利益の現金化とバランスシートの改善が進んだ。営業CFは親会社帰属利益の約1.45倍、自己資本比率は62.6%に上昇した。ただし在庫は売上を上回るペースで増えており、在庫水準と粗利率の推移は継続して確認すべき点である。

  3. 増配が進む中、次期予想は増収増益である。配当は240円から850円へ増加し、次期は900円を予想している。ただし親会社帰属利益の予想は+3.2%にとどまり、営業利益の伸びとの差が注目される。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)11,488円
base(基準)12,402円
bull(強気)12,898円
算出前提値
1株純資産(BPS)9,274円
調整後予想EPS1,875.2円
株主資本コスト r8.99%(10年国債 2.99% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向49.3%
予想EPSの信頼度調整×1.028(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.34倍 / 6.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 12,057円〜12,763円、ω±0.1で 12,326円〜12,520円。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-09 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。