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99622027 第1四半期プライムJGAAP

ミスミグループ本社(9962) 2027年度第1四半期決算

2027年度第1四半期の売上高は1,314億円(前年同期比+32.3%)、営業利益は178.4億円(同+85.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

商社・卸売/卸売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1314.4億¥993.7億+32.3%
営業利益¥178.4億¥96.3億+85.3%
持分法投資損益---
経常利益¥178.3億¥102.7億+73.6%
純利益¥117.4億¥72.6億+61.8%
ROE3.0%1.9%-

Executive Summary

増収増益に加え、営業利益の伸び率が売上高の伸び率を大きく上回り、収益性改善を伴う決算となった。売上高は1,314.4億円(前年比+32.3%)、営業利益は178.4億円(同+85.3%)、経常利益は178.3億円(同+73.6%)、純利益は117.4億円(同+61.8%)。増収の主因はFA事業を中心とした海外需要拡大、増益の主因は粗利拡大による固定費吸収である。

業績変動要因

【売上高】売上高1,314.4億円は前年比+32.3%。セグメント別ではFA事業が515.5億円(+53.6%)と最大の伸びを示し、VONA事業556.8億円(+24.5%)、金型部品事業242.1億円(+14.9%)が続く。地域別では中国315.3億円(+50.1%)、アメリカ188.6億円(+63.9%)と海外が牽引し、日本も475.4億円(+13.5%)と安定成長している。

【損益】粗利率は47.2%(前年46.2%)へ改善し、販管費率33.7%も相対的に低下した結果、営業利益率は13.6%と前年9.7%から3.9pt拡大した。経常利益は営業利益とほぼ同水準で、金融費用の影響は限定的である。特別損失として減損損失1.6億円を計上したが税引前利益177.1億円への影響は小さい。純利益117.4億円(純利益率8.9%)は前年比+61.8%。結論として増収増益であり、粗利拡大と固定費吸収による正の営業レバレッジが顕著である。

セグメント別分析

FA事業は売上高515.5億円(+53.6%)、営業利益81.3億円(+107.3%)、利益率15.8%(前年比+4.1pt)と全社利益の45.6%を占める最大の牽引役である。VONA事業は売上高556.8億円(+24.5%)、営業利益67.8億円(+88.9%)、利益率12.2%(同+4.2pt)。金型部品事業は売上高242.1億円(+14.9%)、営業利益29.3億円(+38.5%)、利益率12.1%(同+2.1pt)。全セグメントで増収増益かつ利益率改善が確認され、特にFA事業の伸びが全社成長を主導している。地域別売上では中国が31,530百万円(前年21,010百万円、+50.1%)、アメリカが18,856百万円(前年11,506百万円、+63.9%)、アジアが23,107百万円(前年15,814百万円、+46.1%)と海外全域で高成長した一方、日本も47,535百万円(前年41,865百万円、+13.5%)と安定している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率13.6%(前年9.7%)、純利益率8.9%(前年7.3%)へ改善し、粗利率47.2%を背景に営業レバレッジが働いている。【キャッシュ品質】営業CF113.0億円は純利益117.4億円に対し0.97倍で概ね対応するが、EBITDA対比の現金転換率は低めであり、売上債権28.2億円増・棚卸資産6.8億円増・賞与引当金21.9億円減という運転資本の増加負担がキャッシュ創出を抑制している。【投資効率】ROEは3.0%(四半期実績ベース)であり、四半期利益を年換算した参考値では相応の水準となる。総資産回転率は低いが自己資本比率の高さが特徴的な資本構成である。【財務健全性】自己資本比率81.7%、現金及び預金1,085.1億円、流動資産3,059.0億円に対し流動負債693.6億円と流動性は極めて厚く、支払利息0.8億円に対し利益水準は十分に大きい。

キャッシュフロー分析

営業CFは113.0億円で前年比+132.6%と大幅に増加し、純利益117.4億円に対して概ね対応した水準にある。ただし売上債権が28.2億円増加、棚卸資産が6.8億円増加、賞与引当金が21.9億円減少するなど運転資本の負担が重く、営業CF小計144.0億円から法人税等32.9億円を支払った後の水準にとどまっている。投資CFは有形固定資産取得等でマイナス0.9億円と小幅であり、フリーキャッシュフローは112.1億円の黒字を確保した。財務CFは配当金支払92.6億円、自社株買い41.6億円を中心にマイナス140.7億円となり、株主還元がキャッシュ流出の主因である。現金及び現金同等物期末残高は1,038.9億円で、財務基盤は総じて安定的に推移している。

収益の質

営業利益178.4億円と経常利益178.3億円はほぼ一致しており、営業外損益は受取利息等の収益5.7億円と支払利息・為替差損等の費用5.7億円が相殺し合う構成で、経常的な収益構造に依存した利益といえる。特別損失として減損損失1.6億円を計上したが、税引前利益177.1億円に対する影響は限定的であり、一時的要因が利益水準を大きく歪める状況にはない。包括利益は178.6億円で純利益117.4億円との乖離が大きいが、その主因は為替換算調整額60.2億円であり、海外子会社の円換算による調整であって事業損益の質を損なうものではない。営業CFと純利益の比率が概ね1倍前後で推移している点は、発生主義利益への過度な依存がないことを示す一方、売上債権・棚卸資産の増加という運転資本負担が今後の収益の現金化速度を左右する論点として残る。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対するQ1進捗率は、売上高が24.7%(通期5,320.0億円)、営業利益が26.6%(同670.0億円)、経常利益が26.5%(同673.0億円)と、標準的な四半期進捗(25%)を上回るか同水準で推移している。通期成長率は売上高+20.5%、営業利益+40.7%が計画されており、Q1実績の伸び率(売上+32.3%、営業利益+85.3%)はこれを上回るペースにある。当四半期において業績予想および配当予想の修正が行われており、上振れ方向でのモニタリングが継続的な焦点となる。

株主還元

通期の1株当たり配当予想は59.45円で、通期予想EPS169.67円に対する配当性向は約35.0%と算定される。Q1における配当金支払額は92.6億円、自社株買いは41.6億円で、両者を合わせた株主還元総額は134.2億円であった。同四半期のフリーキャッシュフロー112.1億円との比較では、還元総額がこれをやや上回っており、配当のみであれば持続的な水準にあるものの、自社株買いを含めた総還元性向で見る場合は現金創出力とのバランスを継続的に確認する必要がある。

リスク要因

  1. 海外需要・製造業設備投資サイクルへの感応度: FA事業は営業利益の45.6%を占め、製造業の設備投資動向に業績が左右されやすい構造にある。中国売上高315.3億円(構成比24.0%)、アメリカ188.6億円(同14.3%)と海外比率が高く、現地需要・通商環境の変化が影響し得る。

  2. 運転資本負担によるキャッシュ転換の弱さ: 売上債権28.2億円増、棚卸資産6.8億円増という運転資本の積み増しが続いており、増収局面での利益の現金化速度が課題となる。多品種・短納期供給を支える在庫保有という事業特性の裏返しでもある。

  3. のれん・減損関連リスク: のれんは438.7億円で純資産の11.3%を占め、Fictiv Inc.買収に関連する部分を含む。当期は減損損失1.6億円を計上しており、規模は小さいものの買収事業の収益性は継続的な検証対象となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(trading)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率13.6%4.3% (1.7%–6.9%)+9.3pt
純利益率8.9%3.8% (1.5%–5.1%)+5.1pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を大きく上回り、収益性は業種内で相対的に高い水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)32.3%3.1% (-0.6%–11.7%)+29.2pt

売上高成長率は業種中央値を大幅に上回り、業種内でも突出した増収ペースにある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高+32.3%に対し営業利益+85.3%となり、粗利拡大と固定費吸収による正の営業レバレッジが明確に表れている。FA事業の高成長(+53.6%)と利益率改善(15.8%)が全社収益性向上の中核となっている。

  2. 自己資本比率81.7%、流動比率441%相当の高流動性など財務健全性は高水準にある一方、売上債権・棚卸資産の増加により営業CFの伸びが利益成長にやや遅れている点は、増収局面における運転資本管理の論点として観察される。

  3. 通期計画に対するQ1進捗は売上高24.7%、営業利益26.6%と概ね順調であり、当四半期に業績予想・配当予想の修正が行われている点は決算データ上の特筆事項である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,599円
base(基準)1,618円
bull(強気)1,651円
算出前提
1株純資産(BPS)1,467円
調整後予想EPS187.6円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向35.0%
予想EPSの信頼度調整×1.037(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.10倍 / 8.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,573円〜1,665円、ω±0.1で 1,614円〜1,623円。

注記:

  • のれん償却 11.7円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。