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97902027 第1四半期プライムJGAAP

福井コンピュータホールディングス(9790) 2027年度第1四半期決算

2027年度第1四半期の売上高は40.8億円(前年同期比+3.3%)、営業利益は17.1億円(同+1.8%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥40.8億¥39.5億+3.3%
営業利益¥17.1億¥16.8億+1.8%
経常利益¥17.6億¥17.1億+3.1%
純利益¥12.0億¥11.5億+4.5%
ROE(年換算)16.0%15.3%-

Executive Summary

2027年度第1四半期は増収増益となったが、営業利益の伸びは売上高成長を下回り営業レバレッジは弱含んだ。売上高40.8億円(前年同期比+3.3%)、営業利益17.1億円(同+1.8%)、経常利益17.6億円(同+3.1%)、親会社株主に帰属する純利益12.0億円(同+4.5%)。増収は主力の建築システム事業・測量土木システム事業の伸長が牽引した一方、販管費が売上高成長率を上回るペースで増加し、営業利益率は前年同期の42.4%から41.8%へ0.6pt低下した。

業績変動要因

【売上高】売上高は40.8億円で前年同期比+3.3%増収。建築システム事業(20.5億円、+4.9%)と測量土木システム事業(19.9億円、+2.0%)が増収を牽引し、両事業で全社売上の98.8%を占める。一方でITソリューション事業は0.5億円と同-9.6%の減収となり、全社成長への寄与は限定的である。

【損益】粗利益率は83.1%と前年同期の79.6%から3.5pt改善したが、販管費が16.9億円と前年同期比+14.5%増加し、増収率3.3%を上回った。この結果、営業利益率は41.8%(前年同期42.4%)へ0.6pt低下し、営業利益の伸び(+1.8%)は売上高の伸び(+3.3%)を下回った。経常利益は受取利息・受取配当金の増加により営業利益より高い成長率(+3.1%)となり、純利益は12.0億円(+4.5%)と経常段階を上回る伸びを示した。総じて増収増益ではあるが、販管費増による利益率低下を伴う増収増益と結論できる。

セグメント別分析

測量土木システム事業がセグメント利益率43.6%で最大の利益寄与を担い、建築システム事業(利益率38.9%)とともに全社営業利益のほぼ全額を形成する。測量土木システム事業のセグメント利益は8.7億円で前年同期比-0.2%とわずかに減少し、売上増加を利益成長に転換できていない。建築システム事業はセグメント利益8.0億円(+1.7%)と増収増益を維持した。ITソリューション事業はセグメント利益0.01億円(-87.5%)まで縮小し、収益性は2.1%と他事業に比べ大きく劣後する。投資事業はセグメント利益ゼロ近傍で全社への影響は僅少である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率41.8%、純利益率29.4%はいずれも高水準だが、営業利益率は前年同期の42.4%から0.6pt低下しており、粗利益率改善(+3.5pt)を販管費増加が相殺した構図が読み取れる。【キャッシュ品質】現金及び預金211.2億円、売掛金8.2億円(前年同期比-25.1%)、棚卸資産0.5億円(同-27.4%)と、営業債権・在庫は減少傾向にあり回収効率の改善を示唆する。【投資効率】年換算ROEは16.0%で、純利益率主導の資本効率となっており、資産回転率や財務レバレッジへの依存度は小さい。EPSは57.99円で前年同期比+4.5%。【財務健全性】自己資本比率83.9%(前年同期81.7%)、流動比率は流動資産227.7億円/流動負債53.9億円で約422%と極めて高く、負債資本倍率も低位にあり、財務基盤は保守的である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の個別開示はないが、BS推移から資金動向を確認できる。現金及び預金は211.2億円で前年同期の240.9億円から減少した一方、投資有価証券は60.2億円(前年同期比+28.4%)へ増加しており、余剰資金の一部を有価証券投資に振り替えた可能性がある。売掛金は8.2億円と前年同期比-25.1%で減少し、営業債権の回収は良好に進んでいる。前受金は34.3億円と契約負債として流動負債に一定の規模で存在し、継続課金・保守型ビジネスに伴う資金の先受けが資金繰りを支えている。純利益12.0億円に対し利益剰余金は259.5億円から前年同期比で見ると積み上がりが続いており、内部留保を原資とした投資・株主還元余力は大きい。

収益の質

経常利益と純利益の主な源泉は本業の営業利益であり、営業外収益は0.6億円(受取利息0.4億円、受取配当金0.2億円)と売上高の1.4%程度に過ぎず、一時的要因による利益押し上げは見られない。実効税率は法人税等5.7億円/税引前利益17.6億円で約32.0%であり、税引前利益から純利益への転換は前年同期と概ね同水準で安定している。包括利益は14.2億円で純利益12.0億円を上回り、その差はその他有価証券評価差額金2.3億円によるもので、投資有価証券の市場価格変動が純利益を超える押し上げ要因となっている。この乖離は本業の収益力とは別の要因であり、収益の質を評価する際は営業利益・純利益ベースの本業指標を基軸とすべきである。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対するQ1進捗率は売上高24.5%、営業利益24.8%、経常利益24.9%、純利益26.4%であり、標準的な25%進捗からの乖離は小さい。ただし通期予想自体は営業利益68.95億円(前期比-5.1%)、経常利益71.0億円(同-5.2%)と減益を見込んでおり、Q1の増益基調(営業利益+1.8%)とは方向が異なる。当四半期において業績予想・配当予想の修正はなく、会社側は年間を通じた販管費増や事業構成の変化を前提とした計画を維持している。今後の四半期で通期計画との整合性を確認する必要がある。

株主還元

通期配当予想は1株当たり77.00円である。期中平均株式数20,675,187株から算定される年間配当総額は約15.9億円で、通期純利益予想45.39億円に対する配当性向は約35.1%となる。現金及び預金211.2億円、利益剰余金259.5億円、自己資本比率83.9%という財務基盤を踏まえると、この配当性向の水準は利益・現金水準に対して過大ではない。当四半期時点で配当予想の修正はない。

リスク要因

  1. 主力2事業への依存: 建築システム事業と測量土木システム事業が売上高の98.8%、営業利益の実質的全額を占める。両事業は建設投資・公共工事など市場需要の循環的変動を受けやすく、需要鈍化時の業績への影響が大きい。

  2. ITソリューション事業の収益性低下: 売上高が前年同期比-9.6%、セグメント利益が0.01億円(同-87.5%)まで縮小しており、利益率2.1%と他事業に比べ大きく劣後する。回復の遅れは投資回収の長期化につながる可能性がある。

  3. 販管費増加による利益率圧迫: 販管費は前年同期比+14.5%と増収率3.3%を上回るペースで増加し、営業利益率を0.6pt低下させた。この増加が一時的な成長投資か固定費構造の上昇かにより、今後の収益性トレンドが左右される。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率41.8%8.0% (2.4%–15.8%)+33.8pt
純利益率29.4%5.9% (1.6%–10.7%)+23.5pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を大幅に上回り、収益性は業種内で高位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)3.3%9.3% (0.4%–16.9%)−6.0pt

売上高成長率は業種中央値を下回り、収益性の高さに比して成長性は業種内で相対的に低い水準にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 粗利益率は前年同期比3.5pt改善したが、販管費増加(+14.5%)がこれを上回り営業利益率は0.6pt低下した。収益性のトレンドを見る上で、費用増加が成長投資か固定費化かの見極めが今後の観察ポイントとなる。

  2. 通期会社予想は営業利益・経常利益ともに前期比5%程度の減益を前提としている一方、Q1は増益で進捗している。この方向性の違いは、年間を通じた費用構造や事業構成変化を反映した計画である可能性を示す。

  3. 投資有価証券は60.2億円(前年同期比+28.4%)に増加し、総資産の16.8%を占める。その他有価証券評価差額金は9.7億円で純利益を上回る包括利益の一因となっており、本業以外の市場変動が財務指標に与える影響は今後の確認事項である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,663円
base(基準)1,713円
bull(強気)1,774円
算出前提
1株純資産(BPS)1,451円
調整後予想EPS230.2円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向35.1%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.18倍 / 7.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,665円〜1,763円、ω±0.1で 1,706円〜1,722円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。