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97352027 第1四半期プライムJGAAP

セコム(9735) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益4%増

2027年度第1四半期の売上高は2,985億円(前年同期比+3.6%)、営業利益は334.7億円(同+3.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

セコム株式会社

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥2984.5億¥2879.9億+3.6%
営業利益¥334.7億¥322.2億+3.9%
経常利益¥390.8億¥393.3億−0.7%
純利益¥260.1億¥271.5億−4.2%
ROE1.7%1.8%-

Executive Summary

主力のセキュリティサービスを中心に増収増益を確保したが、非営業損益の縮小と税負担増により最終減益となった。売上高は2984.5億円(前年比+3.6%)、営業利益は334.7億円(同+3.9%)と底堅い。一方、経常利益は390.8億円(同-0.7%)、純利益(連結)は260.1億円(同-4.2%)で、増収増益から一段下の利益段階で減益に転じている。粗利率は31.6%と改善したが、販管費率も20.4%へ上昇し営業利益率は11.2%とほぼ横ばいで、営業段階の増益は主にトップライン拡大による。

業績変動要因

【売上高】売上高は2984.5億円、前年比+3.6%の増収。セグメント別では主力のSecurityServicesが1673.1億円(+2.0%)で全体の56.1%を占め、FireProtectionServices404.7億円(+12.2%)、InsuranceServices156.8億円(+7.4%)、GeospatialInformationServices99.9億円(+7.1%)が成長を牽引した一方、その他事業は148.2億円(-2.0%)とやや減少した。

【損益】営業利益は334.7億円(+3.9%)で、粗利率31.6%(前年31.3%)への改善が寄与した。セグメント利益ではFireProtectionServicesが12.8億円(+410.8%)と大幅増益、BPOICTも23.1億円(+21.2%)と伸長した一方、InsuranceServicesは23.0億円(-24.4%)と減益、GeospatialInformationServicesは-15.7億円と赤字が継続した。経常利益は390.8億円(-0.7%)で、投資事業組合運用益や持分法損益の縮小が押し下げ要因となった。純利益は260.1億円(-4.2%)で、法人税等129.2億円(実効税率約33.2%、前年比上昇)が最終益をさらに圧迫した。全体としては増収増益だが、経常段階以降で減益に転じる増収一部減益型の決算である。

セグメント別分析

セグメント間の収益性格差が明確である。SecurityServicesは営業利益319.4億円・利益率19.1%で全社利益の大半を稼ぐ中核事業であり、売上+2.0%・利益+2.6%と安定成長を継続している。FireProtectionServicesは売上+12.2%、営業利益+410.8%と急回復し、案件進捗の改善が寄与したとみられるが利益率は3.2%とまだ低水準にとどまる。BPOICTは営業利益+21.2%と増益率が高く、効率改善が進んでいる。対照的にInsuranceServicesは増収ながら営業利益-24.4%と減益し、GeospatialInformationServicesは-15.7億円の営業損失が継続しており、ポートフォリオ内の構造的な収益格差が課題として残る。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は11.2%で前年(11.2%)から実質横ばい、純利益率は8.7%程度で前年から低下している。粗利率は31.6%(前年31.3%)へ改善したが、販管費率20.4%(前年20.1%)の上昇がその効果を相殺した。【キャッシュ品質】売掛金・受取手形は1177.2億円と前年(1809.3億円)から大きく減少し、買掛金・支払手形も342.8億円(前年488.6億円)へ縮小しており、運転資本構成に変化がみられる。【投資効率】ROEは1.7%(四半期ベース)、自己資本比率は68.4%(前年67.3%)で財務健全性は高いが、資本効率は低位にとどまる。【財務健全性】総資産21786.6億円に対し純資産14903.2億円、自己資本比率68.4%と保守的な資本構成で、現金及び預金3931.6億円と投資有価証券4932.4億円を厚く保有している。

キャッシュフロー分析

本決算にはキャッシュフロー計算書の明細は開示されていないため、バランスシートの変動から資金動向を確認する。現金及び預金は3931.6億円で前年同期の3949.8億円からほぼ横ばいであり、資金水準は安定している。一方、売掛金・受取手形が1177.2億円と前年比632.1億円減少、買掛金・支払手形も145.8億円減少しており、運転資本の圧縮が進んだ。長期借入金は168.0億円と前年比71.5億円増加し、資金調達の長期化が進んでいる。全体として、資産・負債の圧縮が同時進行しつつ、現金水準を維持する保守的な資金運営が続いている。

収益の質

経常的な事業損益が業績の大半を占め、特別損益の影響は極めて軽微である。特別利益1.6億円、特別損失3.1億円と、いずれも売上高に対して0.1%未満にとどまり、一時的要因による利益の歪みは小さい。営業外収益67.2億円のうち、投資事業組合運用益29.8億円と受取配当金7.4億円が中心だが、いずれも前年(投資事業組合益47.4億円)から縮小しており、非営業収益への依存度はむしろ低下している。純利益が営業増益にもかかわらず減益となった主因は、持分法損益の縮小(14.4億円、前年22.9億円)と実効税率の上昇であり、経常利益と純利益の乖離は主に税負担増によるもので、構造的な収益の質の歪みは限定的と評価できる。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対する進捗率は、売上高22.7%、営業利益20.2%、経常利益22.2%、純利益(親会社株主帰属)22.8%であり、四半期の標準的な進捗率25%を下回っている。特に営業利益・経常利益の進捗率は25%対比でそれぞれ-4.8pt、-2.8ptと相対的に遅れが目立つ。通期予想は売上高+4.5%、営業利益+3.2%、経常利益-3.4%(EPS263.57円、DPS120円)であり、上期以降の主力セグメントの積み上げが進捗改善の鍵となる。

株主還元

会社予想の年間配当は1株当たり120円で、当四半期時点で配当予想の修正は行われていない。予想EPS263.57円に基づく配当性向は約45.5%であり、現預金3931.6億円と自己資本比率68.4%という健全な財務基盤を踏まえると、配当の持続性に懸念は小さい。前年配当は50円(中間または期別の値)であり、年間ベースでの配当水準の推移については通期実績の確定を待つ必要がある。

リスク要因

  1. セグメント集中リスク: SecurityServicesが売上の56.1%、営業利益の大半を占めており、同事業の単価動向や稼働率変動が全社業績に与える影響が大きい。

  2. 収益性の分散: GeospatialInformationServicesが-15.7億円の営業損失を継続しており、InsuranceServicesも営業利益-24.4%と減益となるなど、セグメント間の収益格差が固定費負担や案件ミックスの影響を受けやすい構造にある。

  3. コスト上昇による利益率圧迫: 販管費率が20.4%(前年20.1%)に上昇し、人件費(給料及び手当222.4億円、前年比+4.7%)や賃借料の増加が売上成長(+3.6%)を上回るペースで進んでおり、営業レバレッジが弱まる可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率11.2%8.1% (2.3%–15.9%)+3.1pt
純利益率8.7%5.9% (1.6%–10.7%)+2.8pt

収益性指標は業種中央値を上回り、同業内では上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)3.6%9.3% (0.4%–16.9%)−5.7pt

売上成長率は業種中央値を下回り、成長性の面では相対的に見劣りする位置づけとなっている。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 増収増益の中核事業と減益の最終損益という二層構造がみられる。営業利益は+3.9%の増益だが、経常利益-0.7%、純利益-4.2%と利益段階が進むほど減益幅が拡大しており、非営業損益と税負担の動向が最終利益を左右している。

  2. セグメント間の収益格差が拡大方向にある。FireProtectionServicesの大幅増益(+410.8%)やBPOICTの伸長(+21.2%)が確認できる一方、GeospatialInformationServicesの赤字継続とInsuranceServicesの減益(-24.4%)が併存しており、ポートフォリオ内の損益改善余地が今後の構造的な観察点となる。

  3. 販管費率の上昇(20.4%、前年20.1%)が粗利率改善(31.6%)の効果を相殺し、営業利益率は実質横ばいとなっている。人件費や賃借料の伸びが売上成長を上回る傾向が続く場合、営業レバレッジの動向がモニタリングポイントとなる。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,179円
base(基準)3,260円
bull(強気)3,342円
算出前提
1株純資産(BPS)3,259円
調整後予想EPS286.4円
株主資本コスト r8.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向45.5%
予想EPSの信頼度調整×1.087(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.00倍 / 11.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,170円〜3,355円、ω±0.1で 3,260円〜3,260円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。