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97162027 第2四半期プライムJGAAP

乃村工藝社(9716) 2027年度第2四半期決算 減収・営業益24%減

2027年度第2四半期の売上高は733.2億円(前年同期比-9.0%)、営業利益は52.6億円(同-23.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥733.2億¥805.3億−9.0%
営業利益¥52.6億¥69.0億−23.7%
経常利益¥54.3億¥70.3億−22.8%
純利益¥34.1億¥44.4億−23.2%
ROE(年換算)11.2%14.3%-

Executive Summary

第2四半期累計は減収減益で、売上減少を上回る利益の落ち込みと、運転資本の改善による営業CFの急増が対照的な決算となった。売上高は733.2億円(前年比△9.0%)、営業利益は52.6億円(同△23.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は34.1億円(同△23.2%)だった。営業利益率は前年同期の8.6%から7.2%へ低下した。粗利率は20.3%から20.1%へ小幅な低下にとどまり、売上減少下でも販管費が増加したことが利益率低下の主因である。営業CFは97.9億円(前年同期34.5億円)に拡大した。ただし売上債権の減少と契約負債の増加が寄与しており、利益水準の改善を伴うものではない。

業績変動要因

【売上高】売上高は733.2億円で、前年同期の805.3億円から72.1億円減少した。ディスプレイ事業の単一セグメントのため、セグメント別の内訳は開示されていない。契約負債は88.9億円へ増加しており、前受けは積み上がっている。一方で売上計上は前年を下回った。

【損益】売上総利益は147.7億円(前年163.5億円)、粗利率は20.1%と、前年同期の20.3%からほぼ横ばいだった。販管費は94.6億円から95.0億円へ増え、販管費率は13.0%となった。減収で固定的な費用を吸収できず、営業利益は52.6億円(同△23.7%)に減少した。特別損失は0.0億円で、前年同期の減損損失1.8億円がなくなった。そのため税引前利益の減少率(△21.2%)は営業利益よりやや小さい。純利益は34.1億円(同△23.2%)だった。以上より、減収減益と結論づけられる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は7.2%(前年同期8.6%)、年換算ROEは11.2%である。EPS(基本)は30.57円(前年39.82円)だった。ROEの低下は純利益率の悪化が主因である。【キャッシュ品質】営業CFは97.9億円で、純利益の約2.9倍に当たる。運転資本変動前の営業CF小計は120.4億円だった。売上債権の減少90.4億円と契約負債の増加56.3億円が押し上げ、仕入債務の減少30.4億円が押し下げた。この水準は運転資本要因に依存しており、恒常的な水準とは区別して見る必要がある。【投資効率】設備投資は0.8億円で、減価償却費4.3億円を大きく下回る。無形固定資産の取得3.8億円を加えた投資額は約4.7億円である。フリーCFは91.5億円となった。【財務健全性】自己資本比率は66.3%(前年同期65.1%)、流動比率は約286%である。現金及び預金231.4億円に流動性有価証券189.8億円があり、財務の厚みは大きい。

キャッシュフロー分析

営業CFは97.9億円と前年同期の34.5億円から大きく増加し、フリーCFは91.5億円となった。主因は売上債権・契約資産の減少90.4億円と契約負債の増加56.3億円で、仕入債務の減少30.4億円や法人税等の支払24.0億円が一部相殺した。投資CFは△6.4億円と小規模にとどまった。財務CFは△47.2億円で、大半は配当金支払46.6億円である。フリーCFは配当支払額の約2.0倍にあたり、現金及び現金同等物の期末残高は420.2億円(前年同期375.5億円)となった。運転資本の改善は期間的要因を含むため、下期以降の反動の有無が現金創出の持続性を測る観点となる。

収益の質

営業利益52.6億円に対し経常利益は54.3億円で、営業外収益2.0億円(受取利息1.1億円、受取配当金0.5億円など)が営業外費用0.3億円(為替差損)を上回った。特別損失は0.0億円で、純利益への一時的影響は限定的である。前年同期は減損損失1.8億円などの特別損失があったが、当期はこれがなく、利益の質は比較的素直である。実効税率は37.1%(法人税等20.1億円÷税引前利益54.2億円)だった。包括利益は34.1億円で純利益34.1億円とほぼ同水準であり、為替換算調整額0.7億円などのその他包括利益の影響は小さい。アクルーアルはマイナスで、利益に対し現金化が先行しているが、その主因は運転資本の変動である。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高1,680.0億円(前期比+3.3%)、営業利益134.0億円(同+4.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益92.5億円(同+1.3%)で、当四半期の修正はない。上期の進捗率は売上高43.6%、営業利益39.3%、純利益36.9%で、いずれも単純な50%を下回る。営業利益134.0億円の達成には、下期に81.4億円(上期比約1.5倍)が必要となる。下期の売上高は946.8億円、営業利益率は約8.6%が求められ、上期の7.2%からの改善が前提となる。

株主還元

第2四半期末の配当は1株22円で、通期予想配当は44円である。通期予想純利益92.5億円に対する予想配当性向は、自己株式を除く株式数ベースで約53%となる。上期の現金支払配当46.6億円に対し、上期フリーCFは91.5億円で約2.0倍をカバーした。現預金・有価証券を合わせた流動性も厚く、当面の配当原資は潤沢である。ただし営業CFは運転資本要因を含むため、利益の回復状況と併せて見る必要がある。

リスク要因

  1. 下期偏重の業績計画: 通期営業利益予想の進捗率は39.3%で、下期に81.4億円(営業利益率約8.6%)が必要となる。案件の売上計上時期がずれると、達成の難易度が変わる。

  2. 運転資本変動による営業CFの振れ: 当期の営業CFには売上債権の減少90.4億円と契約負債の増加56.3億円が含まれる。売掛金・受取手形は293.3億円で総資産の約32%を占める。回収や前受けの動向次第では、営業CFが反動で縮小し得る。

  3. 販管費負担と採算: 販管費は95.0億円と前年より増えた。粗利率は20.1%(前年20.3%)と小幅に低下し、完成工事補償引当金も3.8億円(前年1.4億円)へ増えた。減収局面で費用が先行すると、利益率の戻りが鈍化する。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率7.2%9.5% (4.2%–15.5%)−2.3pt
純利益率4.7%7.0% (3.3%–11.7%)−2.4pt

営業利益率・純利益率はいずれも中央値を下回るが、IQRの範囲内に位置している。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−9.0%8.2% (1.7%–16.8%)−17.2pt

売上高成長率は中央値を17.2pt下回り、IQRの下限(1.7%)も割り込んでいる。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 減収下で販管費が増加し、営業利益率が8.6%から7.2%へ低下した。粗利率はほぼ維持されており、利益の落ち込みは費用の硬直性によるものと読み取れる。

  2. 営業CF97.9億円は強いが、売上債権の減少と契約負債の増加という運転資本要因が大きい。利益水準の改善ではなく、現金の質を見る際は両者を区別する必要がある。

  3. 通期予想は下期の営業利益81.4億円(上期比約1.5倍)を前提とする。自己資本比率66.3%と厚い流動性が財務面の下支えとなる一方、下期の案件計上と採算が決算上の焦点である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)619円
base(基準)637円
bull(強気)659円
算出前提値
1株純資産(BPS)545円
調整後予想EPS86.9円
株主資本コスト r9.99%(10年国債 2.99% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向53.1%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.17倍 / 7.3倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 620円〜655円、ω±0.1で 635円〜640円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-09 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。