記事一覧に戻る
96972027 第1四半期プライムJGAAP

株式会社カプコン 2027年度 第1四半期 決算

株式会社カプコンの2027年度第1四半期決算レポート

株式会社カプコン

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥704.1億¥455.0億+54.7%
営業利益¥410.5億¥246.0億+66.9%
経常利益¥414.5億¥228.8億+81.1%
純利益¥291.8億¥172.3億+69.3%
ROE10.2%6.4%-

Executive Summary

主力のデジタルコンテンツ事業における大型タイトルおよびカタログ販売の好調により、大幅な増収増益となった。売上高は704.1億円(前年比+54.7%)、営業利益は410.5億円(同+66.9%)、経常利益は414.5億円(同+81.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は291.6億円(同+69.2%)といずれも二桁の伸び率を記録した。営業利益の伸び率が売上高の伸びを上回り、営業利益率は58.3%と前年の54.1%から改善している。この改善は、高マージンのデジタルコンテンツ事業の売上構成比上昇と、それに伴う粗利率・販管費率双方の改善によるものである。

業績変動要因

【売上高】売上高は704.1億円で前年比+54.7%の増収となった。セグメント別ではデジタルコンテンツが546.5億円(構成比77.6%、YoY+83.0%)と全体を牽引し、アミューズメント施設も67.6億円(同+20.6%)と増収。一方でアミューズメント機器は71.0億円(同-9.2%)、その他事業は19.0億円(同-14.6%)と減収であった。

【損益】営業利益は410.5億円(YoY+66.9%)と増収率を上回る伸びとなり、営業利益率は58.3%で前年54.1%から+4.2pt改善した。粗利率は69.3%(前年68.1%、+1.2pt)、販管費率は11.0%(前年14.1%、-3.1pt)とともに改善し、営業レバレッジが発現している。経常利益は414.5億円(YoY+81.1%)で、受取利息中心の営業外収益5.6億円と為替差損中心の営業外費用1.6億円がほぼ相殺し、税引前利益414.5億円とほぼ同水準となった。特別損益の計上はない。法人税等122.7億円(実効税率29.6%)を控除後、親会社株主に帰属する当期純利益は291.6億円(YoY+69.2%)となった。増収増益。

セグメント別分析

デジタルコンテンツが売上・利益ともに事業の中核を担う。売上546.5億円(YoY+83.0%)、営業利益376.0億円(YoY+87.5%)、利益率68.8%と全社利益率58.3%を大きく上回る。アミューズメント機器は売上71.0億円(YoY-9.2%)、営業利益40.5億円(YoY-17.6%)と減収減益ながら利益率57.0%と高水準を維持した。アミューズメント施設は売上67.6億円(YoY+20.6%)と増収したものの、営業利益9.0億円(YoY-4.5%)、利益率13.3%にとどまり、全社平均を大きく下回る。その他事業(キャラクタービジネス等)は売上19.0億円(YoY-14.6%)、営業利益12.7億円(YoY-7.5%)、利益率66.6%であった。全社営業利益に対するデジタルコンテンツの寄与度は9割超に達しており、事業ポートフォリオがデジタルコンテンツに大きく偏重している構造が確認できる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は58.3%(前年54.1%)、純利益率は41.4%(前年37.9%)といずれも改善した。粗利率69.3%(前年68.1%)の上昇は、デジタルコンテンツの高マージン化とカタログ販売比率の上昇を反映している。【キャッシュ品質】営業CFは271.5億円で、親会社株主帰属純利益291.6億円に対する比率は0.93倍である。営業利益に減価償却を加えたEBITDA422.3億円に対する営業CF比率は0.64倍にとどまり、法人税等の支払145.6億円や賞与引当金の取り崩し55.5億円が押し下げ要因となっている。【投資効率】ROEは10.2%であった。自己資本比率84.1%(前年78.8%)が高水準にあることから、自己資本の積み上がりに対してROEは相対的に抑制された水準にある。【財務健全性】現金及び預金1,612.1億円は総資産3,413.1億円の47.2%を占め、流動資産2,577.2億円に対し流動負債387.1億円と流動比率は約666%に達する。有利子負債はほぼなく、財務レバレッジは低位に抑えられている。

キャッシュフロー分析

営業CFは271.5億円で前年の51.7億円から大幅に増加した。純利益の拡大に加え、売上債権の減少158.0億円がプラスに寄与した一方、法人税等の支払145.6億円と賞与引当金の減少55.5億円がマイナス要因となった。投資CFは210.6億円のプラスで、設備投資37.4億円などの支出を、定期預金の払戻250.2億円が上回ったことによる。この結果、フリーキャッシュフロー(営業CF+投資CF)は482.1億円となり、配当金支払106.6億円を含む財務活動支出110.5億円を十分に上回る水準を確保した。現金及び現金同等物の期末残高は1,407.5億円となり、前年同期の1,028.3億円から積み増しが進んでいる。

収益の質

当期は特別損益の計上がなく、利益は本業の営業活動を中心に構成されている。営業外収益5.6億円は売上高の0.8%にとどまり、受取利息5.1億円が主因で一過性要因への依存は低い。営業外費用1.6億円のうち為替差損1.2億円が含まれるが、経常利益414.5億円に対する影響は軽微であり、経常利益と税引前利益414.5億円はほぼ一致している。法人税等122.7億円(実効税率29.6%)を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は291.6億円となった。包括利益は296.9億円で純利益との差は5.3億円にとどまり、為替換算調整額+7.9億円がプラス、繰延ヘッジ損益-2.7億円がマイナスに寄与しているが、いずれも規模は小さく乖離は限定的である。営業CFが純利益の0.93倍にとどまる点は、税金支払や賞与引当金の減少という運転資本要因によるものであり、利益の質を大きく損なうものではないが、キャッシュ転換のタイムラグとして留意される。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画に対し、売上高は33.5%(70.4/210.0億円)、営業利益は49.5%(41.1/83.0億円)、経常利益は49.9%(41.5/83.0億円)、純利益は50.3%(29.2/58.0億円)の進捗となった。第1四半期の標準的な進捗率25%を大きく上回り、特に利益項目は通期計画の約半分をすでに達成している。この前倒しは大型タイトルおよびカタログ販売の好調な滑り出しによるものとみられる。会社は業績予想・配当予想をいずれも修正しておらず、進捗の高さが直ちに通期計画の変更を意味するものではない点に留意が必要である。

株主還元

年間配当予想は1株23.00円で、前期実績の20円から増配計画となっている。期中平均株式数約4.18億株を基に算出すると年間配当総額は約96億円と見込まれ、通期純利益予想580億円に対する配当性向は約16.6%の水準である。第1四半期のフリーキャッシュフロー482.1億円は、想定年間配当総額を大きく上回っており、現金創出力に対して配当負担は限定的といえる。自己株買いに関する開示はなく、還元指標は配当性向で評価される。

リスク要因

  1. デジタルコンテンツ事業への集中: 売上高の77.6%、営業利益の9割超をデジタルコンテンツが占めており、主力フランチャイズのタイトルサイクルや発売タイミングが四半期業績の変動要因となりうる。

  2. 運転資本の回転効率: 売上債権175.1億円は前年比-47.4%減少したが、営業CFの純利益に対する比率は0.93倍、EBITDAに対する比率は0.64倍にとどまり、現金転換のタイムラグが確認される。

  3. 通期計画に対する進捗の前倒し: 営業利益・純利益の進捗率が約50%と第1四半期として高水準であり、上期の好調な滑り出しが下期以降のタイトル投入ペースにより変動する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率58.3%8.0% (2.2%–15.8%)+50.3pt
純利益率41.4%5.8% (1.5%–10.7%)+35.7pt

収益性は業種中央値を大幅に上回り、IT・通信業種内でも突出した水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)54.7%9.3% (0.2%–16.9%)+45.4pt

売上成長率も業種中央値を大きく上回り、業種内トップ水準の成長ペースを示している。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 収益性は業種ベンチマーク比較で突出しており(営業利益率58.3%、業種中央値8.0%)、デジタルコンテンツ事業の高マージン構造が全社収益を牽引している。

  2. 通期計画に対する第1四半期の進捗率は営業利益ベースで49.5%と高水準であり、四半期業績がタイトル発売タイミングに左右されやすい特性が確認できる。

  3. 財務基盤は自己資本比率84.1%、現金及び預金1,612.1億円と保守的であり、配当性向約16.6%の増配計画を実施する余力を有している。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)912円
base(基準)985円
bull(強気)1,020円
算出前提
1株純資産(BPS)686円
調整後予想EPS152.7円
株主資本コスト r9.15%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向16.6%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER1.44倍 / 6.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 955円〜1,015円、ω±0.1で 976円〜997円。

注記:

  • のれん償却 0.2円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 通期予想に対する純利益の進捗(50%)が標準(25%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。