| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥310.2億 | ¥329.1億 | -5.7% |
| 営業利益 | ¥33.3億 | ¥37.5億 | -11.1% |
| 経常利益 | ¥34.7億 | ¥39.5億 | -12.1% |
| 純利益 | ¥23.1億 | ¥27.3億 | -15.3% |
| ROE | 3.8% | 4.2% | - |
2027年3月期第1四半期は減収減益となり、主力の「業務&ソリューション」以外の2セグメントが全社利益を下押しした。売上高は310.2億円(前年比-5.7%)、営業利益は33.3億円(同-11.1%)、経常利益は34.7億円(同-12.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は23.1億円(同-14.4%)となった。粗利率は22.5%(前年21.9%)へ改善した一方、販管費率が11.7%(前年10.5%)へ上昇し、営業利益率は10.7%(前年11.4%)へ低下した。財務基盤は自己資本比率76.1%と厚く、通期会社計画に対する進捗は売上高21.8%、営業利益19.6%と、単純進捗率25%を下回る水準にとどまっている。
【売上高】3セグメントすべてが減収となり、全社売上高は310.2億円(前年比-5.7%)。売上構成比(セグメント計ベース)は業務&ソリューション42.4%(133.3億円、-3.4%)、テクノロジー&ソリューション35.0%(110.0億円、-2.0%)、プラットフォーム&サービス22.5%(70.8億円、-16.7%)で、プラットフォーム&サービスの減速幅が最も大きい。案件の検収・計上タイミングの後ろ倒しが影響しているとみられ、棚卸資産が前年比+127.3%(23.5億円)へ急増している点はデリバリー前案件の積み上がりを示唆する。
【損益】粗利率は22.5%(前年21.9%)へ+0.5pt改善した一方、販管費率が11.7%(前年10.5%)へ+1.2pt上昇し、営業利益率は10.7%(前年11.4%)へ-0.7pt低下、粗利改善分を販管費増が相殺した。経常利益は営業外収益(受取配当金0.9億円中心の1.5億円)が営業外費用0.2億円を上回り、営業利益を1.4億円上回る34.7億円。特別損益は固定資産売却益0.05億円のみで一時的要因は軽微であり、経常利益と純利益の差は主に法人税等11.6億円(実効税率33.4%)による。結論として減収減益。
セグメント別では収益性の明暗が分かれた。業務&ソリューションは売上133.3億円(-3.4%)ながら営業利益17.8億円(+4.1%)と増益を確保し、利益率は13.4%(前年12.4%程度から上昇)で全社最高水準、全社利益の下支え役となっている。一方、テクノロジー&ソリューションは売上110.0億円(-2.0%)に対し営業利益9.6億円(-22.2%)と大幅減益、利益率8.7%へ低下した。プラットフォーム&サービスは売上70.8億円(-16.7%)、営業利益5.9億円(-27.1%)、利益率8.3%とセグメント中で最も減速が大きい。高マージン事業への構成シフトが粗利率改善に寄与した可能性がある一方、2セグメントの採算悪化が全社の営業レバレッジを抑制する構図となっている。
【収益性】営業利益率10.7%(前年11.4%)、純利益率7.4%(親会社株主帰属ベース、前年8.2%)はいずれも前年から低下しており、粗利改善(+0.5pt)を販管費率上昇(+1.2pt)が上回ったことが主因。ROEは3.8%で、純利益率の縮小と総資産回転率(概算0.38倍)の伸び悩みが押し下げ要因となっている。【キャッシュ品質】売掛金は203.6億円(前年277.3億円、-26.6%)へ減少した一方、棚卸資産は23.5億円(同+127.3%)へ急増しており、請求・検収・回収のタイムラグを示すDSO・CCCの水準からも運転資本のキャッシュ化タイミングに留意が必要な状況がうかがえる。【投資効率】総資産回転率は概算0.38倍、EBIT/支払利息で算出したインタレストカバレッジは約834倍と、資本効率面では利益率の縮小が資産効率の重石となっている。【財務健全性】自己資本比率76.1%、流動比率306.0%(当座比率293.2%)、負債資本倍率は概算0.31倍と、いずれも高水準の財務健全性を維持している。
キャッシュ・フロー計算書の開示はないが、貸借対照表の推移から資金動向を確認できる。現金及び預金は258.8億円(前年297.8億円)へ減少した一方、流動有価証券は23.9億円(前年7.9億円)へ増加しており、現預金と有価証券を合算した資金水準は282.7億円(前年305.7億円)で約23.0億円の減少となった。この減少幅は自己株式の増加額28.5億円(74.9億円、前年46.5億円)とおおむね符合し、期中の自社株買いが資金流出の主因になったとみられる。売掛金は73.7億円減少した一方で棚卸資産が13.2億円増加しており、営業活動由来の資金創出は運転資本の内訳変化に左右される状況にある。今後は棚卸資産・仕掛案件のキャッシュ化進捗が資金動向を左右する鍵となる。
当期利益は本業中心で構成されており、営業外収益1.5億円は売上高の0.48%にとどまり、受取配当金0.9億円が中心で持続性は高い。特別損益は固定資産売却益0.05億円のみで、特別損失の計上はなく一時的要因の影響は極めて軽微である。経常利益34.7億円と税引前利益34.7億円の差はわずかで、経常利益から純利益23.1億円への乖離は主に実効税率33.4%相当の法人税等負担によるものであり、通常の税負担レンジに収まる。他方、包括利益27.2億円は純利益を上回り、有価証券評価差額金+3.8億円が主因となっている。この乖離はその他有価証券の時価変動によるもので当期の本業収益力を直接示すものではない。アクルーアルの観点では、棚卸資産の急増(+127.3%)が利益の質を評価するうえでの留意点であり、案件の検収進捗次第でキャッシュ化のタイミングにばらつきが生じる可能性がある。
通期会社計画(売上高1,420.0億円、営業利益170.0億円、経常利益173.5億円、純利益117.0億円)に対する第1四半期進捗率は、売上高21.8%、営業利益19.6%、経常利益20.0%、純利益19.7%といずれも単純進捗基準の25%を下回る。当四半期において業績予想の修正は行われていない。進捗の下振れは、検収・計上時期が下期に偏重する計画を前提としている可能性があり、通期計画の達成には第2四半期以降のセグメント収益性改善と検収の進捗加速が必要になる。
会社計画の年間配当予想は1株当たり38円(EPS予想75円に対する配当性向は約50.7%)で、当四半期において配当予想の修正はない。なお、2025年10月1日を効力発生日とする1株につき4株の株式分割が実施されており、第2四半期末の配当金は分割前、期末配当金は分割後の金額で示されるため年間配当金合計は単純合算されていない。配当政策とは別に、自己株式は74.9億円(前年46.5億円)へ拡大しており、自社株買いの実行が示唆される。現金及び預金258.8億円という手元流動性と負債水準の低さを踏まえると、配当の原資確保には相応の余力があるとみられる。
運転資本の膨張リスク: 棚卸資産が前年比+127.3%(23.5億円)へ急増する一方、売掛金は-26.6%(203.6億円)減少しており、請求・検収・回収のタイミングのばらつきがキャッシュ化に影響する可能性がある。
セグメント別収益性の格差拡大: テクノロジー&ソリューション(営業利益-22.2%)とプラットフォーム&サービス(同-27.1%)の減益が続いており、両セグメントの需要動向や採算改善の遅れが全社利益の下押し要因となり得る。
通期計画達成に向けた進捗の下振れ: 売上高・利益とも進捗率が19〜22%台にとどまり、単純進捗基準の25%を下回っている。下期における検収集中・マージン改善が計画達成の前提となっている。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 10.7% | 8.1% (2.3%–15.9%) | +2.7pt |
| 純利益率 | 7.5% | 5.9% (1.6%–10.7%) | +1.6pt |
業種中央値と比較すると、収益性は営業利益率・純利益率とも上位に位置している。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -5.7% | 9.3% (0.4%–16.9%) | -15.0pt |
成長性は業種中央値を大きく下回り、IT・通信業種の中では減速が目立つ位置づけにある。
※出所: 当社集計
粗利率は+0.5pt改善したが販管費率が+1.2pt上昇し、営業利益率は-0.7pt低下した。増収を伴わない販管費の先行増加は、下期の売上進捗次第で営業レバレッジの効き方が変わる要因として注目される。
業務&ソリューションが増益・高マージン(利益率13.4%)を維持する一方、テクノロジー&ソリューションとプラットフォーム&サービスは2桁減益となっており、セグメント間の収益構造の格差が拡大している。
自己資本比率76.1%、流動比率306.0%という財務健全性を背景に自己株式が28.5億円増加しており、棚卸資産の急増による運転資本効率の変化とあわせて、資本政策とキャッシュ創出のバランスが今後のモニタリングポイントとなる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 494円 |
| base(基準) | 511円 |
| bull(強気) | 532円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 390円 |
| 調整後予想EPS | 78.6円 |
| 株主資本コスト r | 9.65%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 50.7% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.31倍 / 6.5倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 497円〜526円、ω±0.1で 508円〜515円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。