記事一覧に戻る
95352027 第1四半期プライムJGAAP

広島ガス(9535) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益23%減

2027年度第1四半期の売上高は223.5億円(前年同期比+4.1%)、営業利益は7億円(同-22.6%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電気・ガス/電気・ガス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥223.5億¥214.7億+4.1%
営業利益¥7.0億¥9.1億−22.6%
経常利益¥7.2億¥9.9億−27.4%
純利益¥4.3億¥6.5億−34.2%
ROE0.6%0.9%-

Executive Summary

当期は増収減益となり、トップラインの伸長を利益率低下が打ち消す構図となった。売上高は223.5億円(前年214.7億円、+4.1%)と拡大したが、営業利益は7.0億円(前年9.1億円、-22.6%)、経常利益は7.2億円(前年9.9億円、-27.4%)、純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)は3.8億円(前年5.7億円、-32.9%)と減益が続いた。主因はガス事業の営業利益率急低下(0.9%)であり、燃料費調整のタイムラグが利益を圧迫した一方、LPG事業が増収増益で下支えした。

業績変動要因

【売上高】売上高は223.5億円(前年比+4.1%)で、ガス事業166.2億円(+3.0%)、LPG事業52.7億円(+2.8%)と両セグメントが増収に寄与した。売上構成比はガス事業が約74%、LPG事業が約24%を占め、ガス事業への依存度が高い。

【損益】営業利益は7.0億円(-22.6%)で、ガス事業の営業利益が1.4億円(-70.4%、利益率0.9%)と急低下したことが主因。LPG事業は4.7億円(+5.9%、利益率8.9%)と堅調を維持し、利益全体を下支えした。経常利益は7.2億円(-27.4%)、純利益は3.8億円(-32.9%)とさらに下振れし、経常利益からの下方乖離は法人税等負担(実効税率約40.4%)と持分法投資損益の悪化(持分法による投資損失0.89億円)が要因である。増収減益の結論となる。

セグメント別分析

セグメント別では、ガス事業の売上高166.2億円(+3.0%)に対し営業利益は1.4億円(-70.4%)、利益率0.9%へ急低下した。燃料費調整のタイムラグや価格ミックスの影響が示唆される。一方LPG事業は売上52.7億円(+2.8%)、営業利益4.7億円(+5.9%)、利益率8.9%と安定的で、セグメント間の利益率乖離が拡大し、全体利益に対するLPG事業の貢献度が相対的に高まっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は3.1%で前年から低下し、純利益率も1.7%程度にとどまる。ROEは0.6%と低水準で、税負担の重さ(実効税率約40.4%)と営業利益率の低下が主因となっている。【キャッシュ品質】営業外収益は2.2億円(うち受取配当金1.2億円)で売上比約1.0%と限定的であり、収益の大部分は本業由来である。【投資効率】総資産回転率は低く、資産効率面での改善余地が観察される。【財務健全性】自己資本比率は59.7%と高水準で、流動資産312.3億円に対し流動負債157.6億円と流動性は十分。有利子負債は長期借入金151.8億円・社債160.0億円が中心で、現金及び預金149.8億円との比較でも保守的な資本構成が維持されている。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の詳細開示はないが、BS推移からは資金動向を確認できる。現金及び預金は149.8億円で前年185.1億円から減少しており、固定資産投資や有利子負債の圧縮に資金が向けられた可能性がある。長期借入金は178.8億円から151.8億円へ減少し、負債圧縮が進む一方、投資有価証券は176.5億円から181.6億円程度へ増加した。流動比率は198%と高水準を維持し、短期的な資金繰りの安定性は確保されている。

収益の質

当期の収益は特別損益による歪みが確認されず、経常的な事業活動から生じたものが中心である。営業外収益2.2億円は売上高比約1.0%に留まり、受取配当金1.2億円が主要な構成要素で、収益の反復性は概ね良好である。一方で経常利益7.2億円から純利益3.8億円への乖離は約47%と大きく、法人税等2.9億円(実効税率約40.4%)と持分法による投資損失0.9億円が主因である。包括利益は6.0億円で純利益4.3億円を上回り、有価証券評価差額金の増加(+1.8億円)が寄与している。

業績予想・ガイダンス

通期計画に対する進捗率は、売上高が24.3%(92.0億円→920.0億円計画に対し223.5億円)とほぼ計画線上、営業利益は35.2%(20.0億円計画に対し7.0億円)と前倒しで進捗している。一方、経常利益は25.6%、純利益は17.5%程度と遅れが見られ、税負担の重さや持分法損益の悪化が純利益進捗を抑制している。通期計画では営業利益+26.2%、経常利益+7.6%の増益を見込んでおり、下期にかけての利益回復が計画達成の前提となる。

株主還元

会社計画の年間配当は12円(前年6円中間実績等)で、通期EPS予想32.01円に基づく配当性向は約37.5%である。期中平均株式数68,736千株を基に算定した年間配当総額は約8.2億円となり、現金及び預金149.8億円、自己資本比率59.7%という財務基盤を踏まえると、配当の持続性は確保されていると観察される。当四半期において配当予想の修正はない。

リスク要因

  1. ガス事業マージンの低下: ガス事業の営業利益率は0.9%まで急低下し、前年から70.4%の減益となった。燃料費調整のタイムラグが影響した可能性があり、原料価格動向と料金反映の時間差が継続的な観察点となる。

  2. 持分法投資損益の悪化: 持分法による投資損失が0.89億円発生し、経常利益から純利益への乖離(約47%)を拡大させた。関連会社の業績動向が連結純利益のブレ要因となっている。

  3. 税負担の重さ: 実効税率は約40.4%と高く、純利益率を圧迫している。税負担係数の正常化が今後の純利益進捗に影響する。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率3.1%11.6% (6.5%–43.3%)−8.5pt
純利益率1.9%8.3% (3.4%–32.0%)−6.4pt

収益性は業種中央値を大きく下回り、業種内では低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)4.1%6.4% (-2.5%–14.4%)−2.3pt

売上成長率も業種中央値をやや下回り、増収率は業種内で中位以下の水準にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 増収ながらガス事業のマージン急低下が連結減益の主因であり、LPG事業の安定収益が全体を下支えする構図が確認される。

  2. 営業利益の通期進捗率は35.2%と前倒しだが、純利益進捗は17.5%程度と遅れており、税負担と持分法損益が下押し要因となっている。

  3. 自己資本比率59.7%、流動比率198%と財務健全性は高水準を維持しており、収益性指標(ROE0.6%、営業利益率3.1%)との対比が今後の観察点となる。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)891円
base(基準)899円
bull(強気)907円
算出前提
1株純資産(BPS)1,091円
調整後予想EPS35.2円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向37.5%
予想EPSの信頼度調整×1.099(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.82倍 / 25.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 874円〜924円、ω±0.1で 892円〜903円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。