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95092027 第1四半期プライムJGAAP

北海道電力(9509) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益44%減

2027年度第1四半期の売上高は2,145億円(前年同期比+5.9%)、営業利益は244.5億円(同-44.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電気・ガス/電気・ガス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥2144.8億¥2025.0億+5.9%
営業利益¥244.5億¥439.0億−44.3%
経常利益¥187.6億¥416.6億−55.0%
純利益¥149.8億¥308.1億−51.4%
ROE3.1%6.5%-

Executive Summary

2026年度第1四半期は増収減益となり、収益性の鈍化が明確になった四半期である。売上高は2,144.8億円(前年同期2,025.0億円、+5.9%)と伸長したが、営業利益は244.5億円(前年439.0億円、-44.3%)、経常利益は187.6億円(前年416.6億円、-55.0%)、親会社株主に帰属する純利益は147.8億円(前年307.8億円、-52.0%)と、いずれも大幅な減益となった。主因は主力の北海道電力セグメントの利益縮小と、北海道電力ネットワークセグメントの損失転化、営業外費用(支払利息)の増加である。

業績変動要因

【売上高】売上高は2,144.8億円で前年同期比+5.9%の増収。セグメント別では主力の北海道電力(売上構成比77.3%)が1,658.6億円(+2.2%)、北海道電力ネットワークが380.7億円(+28.6%)と増収。ネットワークの伸びは託送収益の増加が寄与したとみられる一方、補助金原資である「その他の収益」は前年同期比で縮小している。

【損益】営業利益は244.5億円(-44.3%)、経常利益は187.6億円(-55.0%)と大幅減益。セグメント経常利益は北海道電力が212.0億円(前年373.3億円、-43.2%)へ縮小し、北海道電力ネットワークは-32.8億円(前年+44.9億円)と損失に転化した。営業外費用では支払利息が49.8億円(前年31.9億円)に増加し、金利負担が経常利益を一段と圧迫した。特別利益20.9億円の計上が純利益を一定程度下支えしたものの、親会社株主帰属純利益は147.8億円(-52.0%)と二桁減益にとどまった。増収減益であり、燃料費調整のタイムラグと送配電部門の採算悪化、金利負担増が収益性低下の主因である。

セグメント別分析

北海道電力(小売・発電)は売上1,658.6億円(+2.2%)と主力であるが、セグメント経常利益は212.0億円(前年373.3億円、-43.2%)と大幅縮小し、利益率は12.8%(前年比大幅低下)にとどまる。北海道電力ネットワークは売上380.7億円(+28.6%)と増収したものの、経常損失-32.8億円(前年+44.9億円)に転じ、送配電部門の採算悪化が全社業績の重石となった。その他セグメントは売上105.6億円(-0.8%)、経常利益26.9億円(+36.6%)と相対的に堅調。全社的には、増収が主力・ネットワーク双方で確認される一方、利益面ではネットワークの損失化が構造的な懸念点として浮上している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は11.4%(前年21.7%)、純利益率(親会社株主帰属ベース)は6.9%(前年15.2%)と、いずれも大幅に低下した。【キャッシュ品質】特別利益20.9億円は一過性であり、経常的な収益力の評価からは除外して捉える必要がある。棚卸資産は845.8億円と前年577.8億円から+46.4%増加し、燃料・資材の積み増しにより運転資本のキャッシュ拘束度が高まっている。【投資効率】ROEは3.1%で、純利益率の低下が主因となり前年から大きく後退している。総資産は25,356.7億円、純資産は4,878.7億円で、資産規模の拡大に対し利益の増加が追いついていない状況がうかがえる。【財務健全性】自己資本比率は19.2%(前年18.5%)とわずかに改善したが、長期借入金6,430.2億円、社債8,092.3億円と固定負債の厚みは大きく、営業利益に対する支払利息(49.8億円)の比率は前年より上昇しており、金利負担の増大が利益を圧迫する構図が続いている。

キャッシュフロー分析

本データにはキャッシュフロー計算書の詳細項目は含まれないが、貸借対照表の変化からは資金需要の高まりが読み取れる。棚卸資産が前年577.8億円から845.8億円へ+46.4%増加し、燃料・資材の積み増しに伴う運転資本の拡大がキャッシュを拘束している可能性がある。現金及び預金は1,600.0億円で前年1,846.1億円から減少しており、長期借入金は前年5,403.3億円から6,430.2億円へ+19.0%増加した一方、社債は8,592.3億円から8,092.3億円へ-5.8%減少している。資金調達構成が長期借入へシフトする形で、運転資本需要と設備投資資金の確保が図られたことがうかがえる。

収益の質

当期の収益には一時的要因の寄与が確認される。特別利益20.9億円(前年12.1億円)は非経常項目であり、経常的な利益創出力の評価からは除外して捉える必要がある。営業外収益18.2億円のうち受取配当金7.3億円が主要項目であり、恒常的な収益源として一定の安定性を持つ一方、営業外費用は75.1億円と前年37.5億円から拡大し、うち支払利息49.8億円が主因となっている。包括利益は185.9億円(前年360.6億円)で、純利益149.8億円との差は主に退職給付に係る調整額-14.5億円によるもので、純利益と包括利益の乖離は前年よりも縮小している。総じて、当期の利益は特別利益への依存度がやや高まっており、経常収益力の実態は開示された経常利益187.6億円が示す水準に近いとみられる。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高9,700.0億円(+13.3%)、営業利益480.0億円(-34.5%)、経常利益300.0億円(-51.1%)である。第1四半期の進捗率は売上高22.1%、営業利益5.1%、経常利益は187.6/300.0=62.5%と算出され、指標間で進捗のばらつきが大きい。営業利益の進捗が薄い一方、経常利益は上期偏重の進捗となっており、特別利益の計上や営業外収支の期間差が影響している可能性がある。当四半期時点で業績予想・配当予想の修正は行われておらず、会社側は下期にかけての燃料費調整の反映進展や送配電部門の採算改善を前提とした計画を維持しているとみられる。

株主還元

通期の配当予想は1株当たり33.00円であり、通期EPS予想100.27円に対する配当性向は約32.9%となる。当四半期時点で配当予想の修正は行われていない。自己株式は発行済株式215,292千株のうち9,942千株を保有しており、自社株買いに関する新たな開示は確認されない。現行は配当を中心とした株主還元であり、自己資本比率19.2%・高水準の有利子負債を踏まえると、配当原資の確保状況は今後の業績動向とともにモニタリングが必要な局面にある。

リスク要因

  1. 送配電部門の採算悪化: 北海道電力ネットワークの経常損益は前年+44.9億円から当期-32.8億円へ悪化し、増収下での損失転化が確認される。送配電コストの効率化と託送料金制度の運用状況が今後の焦点となる。

  2. 金利負担の増大: 支払利息は49.8億円と前年31.9億円から拡大し、営業利益に対する支払利息の比率は前年より上昇している。長期借入金は6,430.2億円(+19.0%)へ増加しており、金利環境の変化に対する感応度が高まっている。

  3. 運転資本の膨張: 棚卸資産は845.8億円と前年から+46.4%増加し、燃料・資材の積み増しによるキャッシュ拘束が生じている。回収サイクルとあわせて資金繰りの動向を注視する必要がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率11.4%11.6% (6.5%–43.3%)−0.2pt
純利益率7.0%8.3% (3.4%–32.0%)−1.3pt

営業利益率・純利益率ともに業種中央値をわずかに下回り、収益性は業種内でやや平均的な水準にとどまる。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)5.9%6.4% (-2.5%–14.4%)−0.5pt

売上高成長率も業種中央値をわずかに下回り、成長性は業種内で中位程度に位置する。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 増収にもかかわらず営業利益・経常利益・純利益がいずれも二桁の減益となり、利益率は営業利益率11.4%(前年21.7%)へ大きく低下した。増収減益の構造は、送配電部門の損失転化と金利負担増という2つの構造要因に起因する。

  2. 北海道電力ネットワークが経常損失に転化した点は、増収セグメントであっても採算が伴わない事例として注目される。同部門のコスト構造と料金制度の運用状況は、通期業績の回復度合いを左右する要素となる。

  3. 通期進捗は売上高22.1%に対し営業利益5.1%と大きく下回る一方、経常利益は62.5%と上期偏重の進捗となっており、指標間のばらつきが大きい。特別利益への依存度や下期の燃料費調整反映の進み方が、今後の進捗の均衡を左右するとみられる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,045円
base(基準)2,072円
bull(強気)2,099円
算出前提
1株純資産(BPS)2,376円
調整後予想EPS110.3円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向32.9%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.87倍 / 18.8倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,015円〜2,132円、ω±0.1で 2,062円〜2,079円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(67%)が標準(25%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 46%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。