| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1822.5億 | ¥1756.4億 | +3.8% |
| 営業利益 | ¥235.1億 | ¥226.4億 | +3.8% |
| 経常利益 | ¥269.7億 | ¥226.6億 | +19.0% |
| 純利益 | ¥197.9億 | ¥153.5億 | +28.9% |
| ROE | 4.0% | 3.2% | - |
四国電力の2026年度第1四半期は増収増益となり、特に経常利益・純利益が二桁増益となったことで利益の質が改善した四半期である。売上高は1,822.5億円(前年同期比+3.8%)、営業利益は235.1億円(同+3.8%)、経常利益は269.7億円(同+19.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は197.3億円(同+29.1%、連結ベースの当期純利益は197.9億円・同+28.9%)となった。営業利益からの上乗せは持分法投資利益の拡大(6.7億円→24.9億円)が主因であり、経常段階以降の伸び率が営業利益を上回る構図となっている。通期会社計画に対する進捗率は営業利益63.5%、経常利益67.4%、純利益65.8%とQ1として高水準だが、通期計画自体は増収・大幅減益(営業利益YoY▲45.5%)を見込んでおり、下期の反動要因の有無が注目点となる。
【売上高】売上高は1,822.5億円で前年同期比+3.8%。セグメント別(セグメント間取引消去前ベース)では発電・販売事業が1,509.2億円(+1.7%、構成比61.8%)と主力を占め、送配電事業538.9億円(+2.4%)、情報通信事業126.5億円(-2.0%)、エネルギー事業73.2億円(+10.5%)、建設・エンジニアリング事業100.3億円(+4.6%)、その他92.5億円(+15.9%)と続く。エネルギー事業・その他・建設エンジニアリングの伸び率が高く、情報通信事業のみ減収となった。
【損益】営業利益は235.1億円(+3.8%)、営業利益率12.9%は前年同期(12.9%)からほぼ横ばい。経常利益は269.7億円(+19.0%)と営業利益の伸びを大きく上回り、主因は持分法投資利益の増加(24.9億円、前年6.7億円)である。営業外収益は55.4億円で受取配当金4.2億円・受取利息2.8億円等を含み、営業外費用20.8億円(支払利息20.2億円)を十分に上回った。親会社株主に帰属する当期純利益は197.3億円(+29.1%)で、法人税等69.2億円(実効税率約25.9%)控除後も増益幅を維持した。特別損益の計上はなく、結論として増収増益である。
発電・販売事業は売上1,509.2億円(+1.7%)、セグメント利益211.5億円(前年185.6億円、+14.0%)と主力かつ最大の増益貢献先である。送配電事業は売上538.9億円(+2.4%)、セグメント損失5.2億円(前年12.3億円の損失)と赤字幅が縮小した。情報通信事業は売上126.5億円(-2.0%)、利益28.9億円(前年29.4億円、-1.6%)とわずかな減益。エネルギー事業は売上73.2億円(+10.5%)、利益19.5億円(前年13.6億円、+43.7%)と大幅増益で、建設・エンジニアリング事業も売上100.3億円(+4.6%)、利益5.5億円(前年4.4億円、+27.1%)と増益した。その他事業は売上92.5億円(+15.9%)、利益8.5億円(前年6.1億円、+39.7%)。全体として発電・販売とエネルギー事業の増益、送配電の赤字縮小が経常利益の押し上げに寄与した。
【収益性】営業利益率は12.9%で前年同期(12.9%)からほぼ横ばい(+0.1pt程度)、一方で親会社株主帰属ベースの純利益率は10.8%と前年の8.7%から+2.1pt改善しており、経常段階以降の収益性向上が純利益率を押し上げている。【キャッシュ品質】包括利益は195.0億円(親会社株主分194.4億円)で、連結純利益197.9億円をわずかに下回り、差異は繰延ヘッジ損益▲18.2億円や退職給付に係る調整額▲8.1億円といった評価性のOCI項目によるもので、事業収益の実態を大きく歪めるものではない。【投資効率】ROEは4.0%(四半期ベース)で、電力設備投資が総資産に占める比重が大きい装置産業特性を反映し総資産回転率は低位にとどまる。【財務健全性】自己資本比率は28.5%で前年同期の27.4%から+1.1pt改善した一方、流動資産2,885.2億円に対し流動負債2,994.6億円と流動比率は96.3%で1倍を下回っており、短期の資金繰り動向はモニタリングが必要な水準にある。
キャッシュ・フロー計算書の開示はないため、貸借対照表の増減から資金動向を確認する。現金及び預金は519.8億円で前年同期の786.0億円から▲33.9%減少し、手許流動性は縮小した。一方で有利子負債は長期借入金4,149.0億円(前年4,643.0億円)、社債3,545.0億円(前年4,070.0億円)といずれも圧縮され、有利子負債合計は7,914億円と総資産の約45.9%に相当する。流動負債は前年から+35.0%増加し固定負債は▲9.9%減少しており、負債構成が長期から短期へシフトした形跡がみられる。運転資本面では売掛金787.6億円(前年874.9億円、▲10.0%)、棚卸資産413.3億円(前年425.3億円、▲2.8%)といずれも減少方向にあり、四半期ベース(91日)で換算した売上債権回転日数は約39日、棚卸資産回転日数は約220日相当となる。
今四半期の増益は経常的な事業損益の改善によるところが大きく、特別損益の計上はない。経常利益の押し上げ要因である持分法投資利益24.9億円(前年6.7億円)は、関連する事業会社の業績連動によるものであり、一時的要因ではなく経常的な収益源として位置づけられる。包括利益は195.0億円と親会社株主に帰属する当期純利益197.3億円をやや下回っており、差異は繰延ヘッジ損益▲18.2億円や退職給付に係る調整額▲8.1億円等の評価性項目により生じている。経常利益269.7億円から親会社株主帰属当期純利益197.3億円への変換過程では、法人税等69.2億円(実効税率約25.9%)が主たる控除項目であり、税負担面での特殊要因は見受けられない。
通期会社計画(売上高9,250.0億円、営業利益370.0億円、経常利益400.0億円、EPS147.00円)に対するQ1進捗率は、売上高19.7%、営業利益63.5%、経常利益67.4%、純利益(親会社株主帰属)65.8%と、いずれも単純進捗基準の25%を大幅に上回る。一方で通期計画自体は売上高YoY+21.4%の増収を見込みつつ、営業利益YoY▲45.5%・経常利益YoY▲41.1%と大幅な減益を予想しており、Q1の高進捗と通期計画の減益見通しとの間にギャップがある。当四半期において業績予想・配当予想の修正は行われていない。
会社予想配当は年55.00円で、予想EPS147.00円に対する配当性向は約37.4%となる。当四半期において配当予想の修正は行われておらず、自社株買いに関する言及はない。Q1時点での通期純利益進捗率が65.8%と高水準にあることを踏まえると、現時点の配当計画は利益進捗との比較において整合的な水準にある。
流動性・満期構成リスク: 流動資産2,885.2億円に対し流動負債2,994.6億円と流動比率96.3%で1倍を下回る。現金及び預金も519.8億円(前年786.0億円、▲33.9%)と減少しており、短期の資金繰り動向の確認が必要である。
燃料価格・調整タイムラグリスク: 電気事業は燃料費調整制度により燃料価格・為替変動の影響を受けやすい構造にあり、送配電事業は当期もセグメント損失5.2億円(前年12.3億円の損失)を計上しており、収益性の変動要因として残る。
レバレッジリスク: 自己資本比率は28.5%(前年27.4%)に改善したものの、有利子負債合計は長期借入金4,149.0億円・社債3,545.0億円等で7,914億円と総資産の約45.9%を占め、金利環境変化に対する感応度はモニタリング対象となる。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 12.9% | 13.4% (9.8%–53.2%) | -0.5pt |
| 純利益率 | 10.9% | 9.4% (7.2%–39.5%) | +1.4pt |
営業利益率は業種中央値をわずかに下回るが、純利益率は中央値を上回っており、経常段階以降の収益性は業種内で相対的に良好な位置づけにある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 3.8% | 10.7% (2.1%–15.7%) | -6.9pt |
売上高成長率は業種中央値を下回っており、トップライン成長の伸びは業種内で相対的に緩やかな水準にある。
※出所: 当社集計
Q1の通期進捗率は営業利益63.5%、経常利益67.4%、純利益65.8%といずれも高水準である一方、通期会社計画は大幅減益(営業利益YoY▲45.5%)を見込んでおり、上期と下期の業績パターンの違いが決算データから読み取れる。
持分法投資利益が前年6.7億円から24.9億円に拡大し、経常利益の伸び率(+19.0%)が営業利益の伸び率(+3.8%)を上回る主因となっており、この収益源が今後も経常的に寄与するかが利益構造の理解上のポイントとなる。
現金及び預金の減少(▲33.9%)と流動比率96.3%(1倍未満)が同時に観察されており、財務健全性面では自己資本比率の改善(28.5%、前年27.4%)とのコントラストが見られる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 2,202円 |
| base(基準) | 2,243円 |
| bull(強気) | 2,283円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 2,406円 |
| 調整後予想EPS | 161.7円 |
| 株主資本コスト r | 9.15%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 37.4% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.93倍 / 13.9倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 2,180円〜2,308円、ω±0.1で 2,237円〜2,246円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。