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95072027 第1四半期プライムJGAAP

四国電力(9507) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益4%増

2027年度第1四半期の売上高は1,823億円(前年同期比+3.8%)、営業利益は235.1億円(同+3.8%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

四国電力株式会社

電気・ガス/電気・ガス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1822.5億¥1756.4億+3.8%
営業利益¥235.1億¥226.4億+3.8%
経常利益¥269.7億¥226.6億+19.0%
純利益¥197.9億¥153.5億+28.9%
ROE(年換算)16.1%12.9%-

Executive Summary

四国電力のFY2027第1四半期は増収増益となり、営業外損益・税負担の改善が純利益の大幅増を主導した。売上高は1822.5億円(前年比+3.8%)、営業利益は235.1億円(同+3.8%)、経常利益は269.7億円(同+19.0%)、純利益は197.9億円(同+28.9%)となった。営業利益の伸びは売上増とほぼ同率にとどまったが、経常段階以降は持分法投資利益の増加と法人税負担率の低下が加わり、増益率が段階的に拡大する構図となった。発電・販売事業の増益と送配電事業の赤字縮小が全社業績を支えている。

業績変動要因

【売上高】売上高は1822.5億円で前年比+3.8%増収。セグメント別では発電・販売事業が1399.2億円(+3.0%)で全体の中核を占め、送配電事業185.9億円(+4.3%)、エネルギー事業64.2億円(+14.0%)が高成長、情報通信事業101.0億円(+1.4%)は伸び悩みが見られる。

【損益】営業利益は235.1億円(+3.8%)で売上成長とほぼ同率にとどまり、営業採算自体の改善は限定的。一方、経常利益は269.7億円(+19.0%)と営業利益を大きく上回る伸びを示し、持分法投資利益24.9億円(前年6.7億円)の増加が主因である。純利益は197.9億円(+28.9%)とさらに高い伸びとなり、実効税率の低下(法人税等69.2億円)が寄与した。セグメント損益では発電・販売事業の経常利益が211.5億円(+14.0%)と拡大し、送配電事業は損失が12.3億円から5.2億円へ縮小した。情報通信事業は増収ながら経常利益28.9億円(-1.6%)と減益であり、非電気分野で収益性に濃淡が見られる。結論として増収増益である。

セグメント別分析

発電・販売事業はセグメント利益211.5億円で全体の78.4%を占める主力事業であり、外部顧客売上高1399.2億円(+3.0%)に対し利益率15.1%と高い採算を確保した。送配電事業は売上185.9億円(+4.3%)に対し損失5.2億円(前年12.3億円の損失)で、赤字は縮小したが依然マイナスであり、託送収入や系統投資の影響を受けやすい構造にある。情報通信事業は売上101.0億円(+1.4%)に対し利益28.9億円(-1.6%)で減益、エネルギー事業は売上64.2億円(+14.0%)に対し利益19.5億円(+43.7%)と高成長・高採算を両立した。建設・エンジニアリング事業は売上44.3億円(+4.7%)、利益5.5億円(+27.1%)と増収増益である。利益の絶対額は発電・販売事業への依存度が高く、非電気事業の多角化収益は相対的に小規模である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率12.9%は前年同期12.9%からほぼ横ばい、純利益率10.9%は前年同期8.7%から2.2pt改善した。経常利益率は14.8%で前年同期12.9%から1.9pt上昇し、営業外損益の改善が利益率向上の主因となっている。【キャッシュ品質】営業外収益55.4億円のうち持分法投資利益24.9億円が主要な構成要素であり、経常利益の9.2%に相当する。税引前利益267.1億円に対し純利益197.9億円の比率は74.1%で、実効税率は前年より低下した。【投資効率】年換算ROEは16.1%で、純利益率10.9%・総資産回転率0.42倍・財務レバレッジ3.51倍の組み合わせにより構成され、レバレッジ寄与度が大きい。総資産に対する固定資産比率は83.3%と高く、設備集約型事業の特性を反映している。【財務健全性】自己資本比率28.5%は前年同期27.4%から改善したが、流動比率は96.3%と100%を下回り、流動資産2885.2億円に対し流動負債2994.6億円が上回る状態にある。現金及び預金は519.8億円で前年同期786.0億円から33.9%減少しており、短期資金余力の低下が観察される。

キャッシュフロー分析

CF計算書データの開示はないため、BS変動から資金動向を分析する。現金及び預金は519.8億円で前年同期786.0億円から266.3億円減少し、同時に長期借入金は4149.0億円(前年4643.0億円から494.0億円減)、社債は3545.0億円(前年4070.0億円から525.0億円減)とそれぞれ圧縮された。長期有利子負債の削減が進む一方で現金水準も低下しており、資金は負債返済や設備投資、あるいは短期資金である流動負債(2994.6億円、前年比+777.2億円)への振替に配分されたと見られる。流動負債の増加と現金減少が同時に進んだことは、資金構成が短期化した可能性を示唆し、資金調達構造の変化として留意される点である。

収益の質

営業利益235.1億円に対し経常利益269.7億円は34.6億円上振れており、この差は営業外損益によるものである。営業外収益55.4億円は売上高の3.0%に相当し、その主要項目は持分法投資利益24.9億円で、経常利益の9.2%を占める恒常的とはいえない性質の収益である。営業外費用20.8億円のうち支払利息20.2億円が大半を占め、前年同期比17.7%増加している。税引前利益267.1億円に対する純利益197.9億円の比率は74.1%であり、法人税等69.2億円の負担率は前年より低下し、これが純利益の増益率を押し上げた一因となっている。経常利益と純利益の乖離は主に法人税等の負担水準によるものであり、一時的な特別損益による乖離ではない。以上から、当期の増益は営業段階の実力向上よりも、持分法投資利益と税負担軽減という非営業要因に依存する部分が大きい。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対するQ1進捗率は、売上高19.7%(標準的な25%を下回る)、営業利益63.5%、経常利益67.4%、純利益65.8%と、利益進捗が売上進捗を大きく上回る。通期予想は売上高9250.0億円(+21.4%)に対し営業利益370.0億円(-45.5%)、経常利益400.0億円(-41.1%)と減益を見込んでおり、会社計画は下期に売上が増加する一方で採算が大きく低下する前提となっている。燃料費調整のタイムラグ、電源稼働状況、燃料・卸電力市場価格の変動が下期業績の変動要因となりうる。業績予想・配当予想の修正はない。

株主還元

通期配当予想は1株55.0円である。期中平均株式数204,372,587株から算出した年間配当総額は概算112.4億円であり、通期純利益予想300.0億円に対する予想配当性向は約37.5%で、一般的な安定配当レンジ内に位置する。前年同期の1株配当は25円であったが、これは中間配当実績であり通期の増配・減配を単純比較することはできない。Q1純利益197.9億円は通期予想の65.8%に達しているが、通期計画自体が下期の利益減少を前提としているため、Q1業績のみをもって配当余力の拡大と判断することはできない。現金及び預金の減少や流動比率96.3%を踏まえると、配当の持続性は利益水準に加え資金調達・設備投資動向にも左右される。

リスク要因

  1. 流動性リスク: 流動比率96.3%、流動負債2994.6億円が流動資産2885.2億円を上回り、運転資本はマイナス109.4億円である。現金及び預金は前年同期比33.9%減の519.8億円となっており、短期資金余力の低下が観察される。

  2. レバレッジ・金利上昇リスク: 有利子負債は長期借入金4149.0億円、社債3545.0億円で構成され、支払利息は前年同期比17.7%増の20.2億円となった。自己資本比率28.5%は改善しているが、負債への依存度は依然高く、金利上昇局面での資金調達コスト増が経常利益を圧迫する可能性がある。

  3. 通期計画の下期減益前提: Q1の営業利益・経常利益進捗率はそれぞれ63.5%、67.4%と高水準だが、通期予想は前年比営業利益-45.5%、経常利益-41.1%を見込む。この前提の妥当性は、燃料費調整制度のタイムラグや電源稼働状況、卸電力市場価格の動向に左右される。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率12.9%11.6% (6.5%–43.3%)+1.3pt
純利益率10.9%8.3% (3.4%–32.0%)+2.5pt

自社の収益性指標は業種中央値を上回り、電力業種内で相対的に良好な水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)3.8%6.4% (-2.5%–14.4%)−2.6pt

売上高成長率は業種中央値を下回り、収益性面での優位に対しトップライン成長は相対的に緩やかである。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 当期の増益は営業利益率の改善(前年同期比ほぼ横ばい)よりも、持分法投資利益の増加と実効税率の低下という非営業要因に大きく依存している。経常利益・純利益段階での増益率が営業利益を大きく上回る構図は、増益の持続性を評価する上で確認すべき点である。

  2. 通期会社計画はQ1の高進捗(営業利益63.5%、経常利益67.4%)に対し、下期の大幅な利益減少を前提としている。燃料費調整のタイムラグや電源稼働状況が計画前提の妥当性を左右する構造的要素として観察される。

  3. 現金及び預金が前年同期比33.9%減少し、流動比率が96.3%と100%を下回る一方、長期借入金・社債は圧縮されている。資金構成の短期化が進んでいる可能性があり、資金調達動向のモニタリングが有用な観察点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,194円
base(基準)2,235円
bull(強気)2,275円
算出前提
1株純資産(BPS)2,406円
調整後予想EPS161.7円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向37.4%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.93倍 / 13.8倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,173円〜2,300円、ω±0.1で 2,229円〜2,239円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(66%)が標準(25%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。