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95012027 第1四半期プライムJGAAP

東京電力ホールディングス(9501) 2027年度第1四半期決算

2027年度第1四半期の売上高は1兆4,812億円(前年同期比+3.9%)、営業損失は342.7億円(赤字転落)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電気・ガス/電気・ガス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥14812.0億¥14251.2億+3.9%
営業利益−¥342.7億¥647.0億−153.0%
経常利益¥114.3億¥1012.8億−88.7%
純利益−¥97.8億−¥8578.7億+98.9%
ROE−0.3%−25.1%-

Executive Summary

東京電力ホールディングスの2027年3月期第1四半期は、増収ながら営業損失に転落し減益となった決算で、コア収益力の低下が最大の注目点である。売上高は1,481.2億円(前年1,425.1億円)で前年同期比+3.9%となったが、営業利益は-34.3億円(前年64.7億円)で約99.0億円の悪化となった。経常利益は11.4億円(前年101.3億円、-88.7%)にとどまったが、持分法投資損益77.8億円の寄与により黒字を確保した。純利益は-9.8億円(前年-857.9億円)と赤字幅は大幅に縮小したものの、小幅な最終赤字が継続している。増収の主因は送配電(パワーグリッド)と再生可能エネルギー事業の伸長だが、小売事業(エナジーパートナー)の採算悪化が営業損益を圧迫した構図である。

業績変動要因

【売上高】売上高は1,481.2億円で前年比+3.9%の増収。セグメント別ではパワーグリッド(3,504.2億円、+29.6%)とホールディングス(552.2億円、+58.0%)、リニューアブル(226.2億円、+100.8%)が伸長した一方、売上の55.1%を占める最大セグメントのエナジーパートナーは10,521.5億円で-5.0%の減収となった。

【損益】営業利益は-342.7億円と前年の647.0億円から大幅悪化し、営業利益率は-2.3%(前年+4.5%程度)へ悪化した。経常段階では持分法投資損益(777.9億円、前年574.9億円から増加)が下支えし114.3億円の黒字を確保したが、特別損失157.0億円の計上もあり税引前利益は-43.3億円、純利益は-97.8億円となった。セグメント利益(経常利益ベース)ではエナジーパートナーが-509.3億円、パワーグリッドが-312.2億円と赤字化し、ホールディングス(3,027.4億円)とフュエル&パワー(567.0億円)、リニューアブル(281.8億円)の黒字寄与を大きく相殺している。結論として、増収減益である。

セグメント別分析

セグメント利益(経常利益ベース)の序列は、ホールディングス3,027.4億円(前年比+85.7%)が最大の利益寄与セグメントとなり、次いでフュエル&パワー567.0億円(+43.8%)、リニューアブル281.8億円(+19.5%)が黒字を確保した。一方、エナジーパートナーは-509.3億円(前年比-266.4%)、パワーグリッドは-312.2億円(前年比-238.8%)と、主力2セグメントが前年の黒字から一転して赤字化した。売上高の過半を占めるエナジーパートナーの採算悪化は、全社収益に対する下振れ感応度を高めている。売上構成比は電気事業営業収益が中心で、電気・ガス料金負担軽減支援事業に基づく補助金96.4億円(前年92.8億円)も収益の一部を構成している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は-2.3%で前年の+4.5%程度から大幅に悪化し、経常利益率も0.8%(前年7.1%)に低下した。純利益率は-0.7%とマイナスが継続している。【キャッシュ品質】現金及び預金は6,009.6億円で前年の9,372.3億円から-3,362.7億円(-35.9%)減少し、資金クッションが薄化している。売掛金・受取手形は6,080.3億円と売上規模に対して大きく、回収サイクルには留意が必要である。【投資効率】ROEは-0.3%で、純利益率・総資産回転率・財務レバレッジのいずれも低位な組み合わせとなっており、資本効率は改善余地がある。【財務健全性】自己資本比率は22.3%で前年の21.8%からやや改善したが、社債3,401.0億円・短期借入金29,753.2億円と負債構成は高水準で、支払利息290.4億円の負担が営業外損益を圧迫している。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の直接データは開示範囲に含まれないが、貸借対照表の変化から資金動向を分析すると、現金及び預金は前年同期の9,372.3億円から6,009.6億円へ-3,362.7億円(-35.9%)減少しており、手元流動性が縮小した。流動資産全体も20,275.7億円と前年の23,498.0億円から減少している一方、短期借入金は29,753.2億円と前年からやや増加しており、短期資金への依存度が高まっている構図がうかがえる。営業損益が赤字化する中で支払利息290.4億円の負担が重く、手元資金の減少はこの利払い負担や運転資本の増加を反映していると考えられる。特別損失157.0億円の計上や社債3,401.0億円の残高も、資金繰りを評価する上で留意すべき要素である。

収益の質

当期の収益構造は、本業である電気・ガス事業からの営業利益がマイナスとなる中、経常段階の黒字を持分法投資損益777.9億円(前年574.9億円から増加)が支えている点に質的な特徴がある。営業外収益897.2億円は売上高の約6.1%に達し、その主成分は持分法投資利益であり、事業本体の稼ぐ力とは別のボラティリティを伴う要因である。特別損失157.0億円は一時的要因として計上されており、経常利益114.3億円から税引前利益-43.3億円への転落に影響した。支払利息290.4億円は営業利益(-342.7億円)を上回る規模であり、金利負担が損益全体に対して重石となっている。以上から、経常黒字の内訳は本業以外の要因への依存度が高く、収益の質は前年同期に比べて低下していると評価できる。

株主還元

通期配当予想は1株当たり0円(無配)であり、当四半期において配当予想の修正はない。純利益が-97.8億円の赤字であることに加え、流動比率46.2%・現金/短期負債0.20倍と短期の資金余力が限定的であることを踏まえると、当面は内部留保の維持と負債対応を優先する方針と整合的である。配当性向は純利益が赤字のため算出上意味を持たず、無配方針が継続している状況である。

リスク要因

  1. 小売・送配電事業の採算悪化: エナジーパートナーが-509.3億円、パワーグリッドが-312.2億円のセグメント利益(経常利益ベース)となり、前年の黒字から赤字転落した。売上の55.1%を占めるエナジーパートナーの不振は全社収益への影響が大きい。

  2. 金利負担と短期資金依存: 支払利息290.4億円は当期営業利益(-342.7億円)を上回る規模で、短期借入金29,753.2億円に対し現金及び預金は6,009.6億円にとどまる。手元資金は前年から-3,362.7億円(-35.9%)減少しており、資金クッションの薄化が確認できる。

  3. 経常利益の営業外依存: 経常利益114.3億円のうち、持分法投資損益777.9億円が主要な下支え要因となっており、本業の営業損益(-342.7億円)とは対照的な構造となっている。関連会社業績の変動が経常利益に与える影響は相対的に大きい。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(utilities)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率−2.3%11.6% (6.5%–43.3%)−13.9pt
純利益率−0.7%8.3% (3.4%–32.0%)−9.0pt

営業利益率・純利益率ともに業種中央値を大きく下回り、収益性は業種内で低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)3.9%6.4% (-2.5%–14.4%)−2.5pt

売上高成長率は業種中央値をやや下回るが、IQRレンジの範囲内にとどまる。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 増収にもかかわらず営業損益が-342.7億円へ悪化し、営業利益率は-2.3%へ低下した。小売・送配電セグメントの赤字化が主因であり、増収が利益に結びつかない構造が観察される。

  2. 経常利益114.3億円の内訳は持分法投資損益777.9億円への依存度が高く、本業の営業損益とは異なる収益源が経常段階を支えている点が構造的な特徴として観察される。

  3. 現金及び預金が前年から-3,362.7億円(-35.9%)減少し、短期借入金29,753.2億円との対比で流動性の変化が確認される。配当は無配継続で、内部留保の維持が優先されている状況が読み取れる。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。