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94742027 第1四半期プライムJGAAP

ゼンリン(9474) 2027年度第1四半期決算 減収3%

2027年度第1四半期の売上高は137.3億円(前年同期比-3.3%)、営業損失は10.1億円。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社ゼンリン

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥137.3億¥141.9億−3.3%
営業利益−¥10.1億−¥3.0億−231.5%
経常利益−¥8.7億−¥0.6億−1401.7%
純利益−¥2.5億−¥1.2億−105.0%
ROE−0.5%−0.2%-

Executive Summary

売上高の減収に加えて粗利率低下と販管費率上昇が重なり、営業損益・経常損益の赤字が前年から拡大したことが本決算の要点である。売上高は137.3億円(前年141.9億円、YoY-3.3%)、営業利益は▲10.1億円(前年▲3.0億円)、経常利益は▲8.7億円(前年▲0.6億円)となり、いずれも赤字幅が拡大した。親会社株主に帰属する当期純損失は2.4億円(前年1.2億円の損失)にとどまったが、これは投資有価証券売却益1.2億円と段階取得に係る差益3.9億円を含む特別利益5.2億円の計上によって圧縮された結果であり、事業本体の経常的な収益力は悪化している。

業績変動要因

【売上高】売上高は137.3億円で前年比-3.3%(-4.6億円)の減収となった。当社は「位置情報サービス関連事業」の単一セグメントであるため事業別の増減要因は開示されていないが、案件の検収時期のずれ等が影響した可能性がある。

【損益】売上原価率は65.3%(前年61.6%)へ上昇し、粗利率は34.7%(前年38.4%、-3.7pt)に低下した。販管費は57.7億円で前年57.6億円とほぼ横ばいだったが、売上減少により販管費率は42.0%(前年40.6%、+1.4pt)へ上昇し、負の営業レバレッジが顕在化した。この結果、営業損失は10.1億円(前年3.0億円の損失)に拡大した。営業外収益は受取配当金の減少(0.6億円、前年2.25億円)により1.9億円にとどまり、営業外費用には為替差損0.4億円が含まれ、経常損失は8.7億円(前年0.6億円の損失)に拡大した。特別利益5.2億円(段階取得に係る差益3.9億円、投資有価証券売却益1.2億円)の計上により税引前損失は3.6億円に圧縮され、税金費用のマイナス(税負担軽減効果1.1億円)も加わり、親会社株主に帰属する当期純損失は2.4億円となった。結論として、本決算は減収減益である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は-7.4%(前年-2.1%、-5.3pt悪化)、純利益率(親会社株主帰属ベース)は-1.8%(前年-0.8%程度)で、粗利率34.7%(前年38.4%)の低下と販管費率42.0%(前年40.6%)の上昇が収益性悪化の背景にある。【キャッシュ品質】キャッシュフロー計算書の詳細開示はないが、現金及び預金は118.6億円(前年115.4億円)と積み増しを維持しており、営業損失下でも資金繰りは安定している。【投資効率】ROEは-0.5%で、純利益率の悪化が主因であり、総資産回転率(売上高/総資産)は0.195と低水準にとどまる。【財務健全性】自己資本比率は68.5%(前年67.9%、+0.6pt)と高水準を維持し、総資産702.7億円(前年720.1億円)・純資産481.4億円(前年489.0億円)はいずれも縮小したものの、有利子負債(短期借入金12.8億円・長期借入金3.0億円、合計15.8億円)は総資産の2.2%と僅少で、財務基盤は保守的である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示はないため、貸借対照表の推移から資金動向を確認する。現金及び預金は118.6億円で前年同期の115.4億円から3.2億円増加した。売掛金は75.9億円と前年の123.3億円から47.3億円減少し、回収の進捗もしくは案件ミックスの変化が示唆される。一方、前受金は99.6億円と前年の85.7億円から13.8億円増加しており、契約に基づく前受収益が積み上がっている。買掛金は17.5億円と前年の24.3億円から6.8億円減少した。無形固定資産(ソフトウェア含む)は159.8億円と前年の151.7億円から8.0億円増加しており、開発投資が継続している。営業損失を計上する中でも現金残高が維持されている点は、投資有価証券売却等の資産売却や前受金の積み上がりが下支えした可能性を示す。

収益の質

営業損失は10.1億円で、経常的な事業収益力は前年から悪化している。営業外収益1.9億円のうち受取配当金は0.6億円で前年の2.25億円から大幅に減少し、営業外費用には為替差損0.4億円が含まれる。特別利益5.2億円の内訳は段階取得に係る差益3.9億円と投資有価証券売却益1.2億円であり、いずれも一過性の要因である。この特別利益計上により税引前損失は3.6億円に圧縮され、税金費用のマイナス(税負担軽減効果1.1億円)も加わり、親会社株主に帰属する当期純損失は2.4億円まで縮小した。包括利益は2.3億円のプラスとなり当期純損失との間に乖離が生じているが、これは有価証券評価差額金5.1億円の増加によるものであり、事業の経常収益力改善を示すものではない点に留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期予想(売上高660億円、営業利益36億円、経常利益39億円、純利益25億円)に対し、業績予想・配当予想の修正はいずれも無しとされている。Q1の売上進捗率は20.8%(137.3億円/660億円)で、単純な4分の1基準の25%を4.2pt下回った。営業利益・経常利益はいずれも赤字であり、通期の黒字計画に対する進捗は大きく遅れている。前受金の積み上がり(99.6億円)は将来の売上化余地を示す一方、下期における案件検収の進捗が計画達成の前提となる。

株主還元

配当予想は1株当たり21円で、前年実績の21円から据え置きとなっている。発行済株式数から自己株式を控除した約5,339万株に基づくと年間配当総額は概算11.2億円となり、通期純利益計画25億円に対する配当性向は約45%である。現金及び預金118.6億円の水準を踏まえると、当該配当性向は現時点で維持可能な範囲にあると考えられる。

リスク要因

  1. 負の営業レバレッジ: 売上高が前年比-3.3%減少する一方、販管費はほぼ横ばいで販管費率が42.0%(前年40.6%、+1.4pt)へ上昇し、営業利益率は-7.4%(前年-2.1%)まで悪化した。売上減少局面での固定費硬直性が収益性を圧迫している。

  2. 特別利益依存の収益構造: 親会社株主に帰属する当期純損失2.4億円は、段階取得に係る差益3.9億円と投資有価証券売却益1.2億円を含む特別利益5.2億円によって圧縮された結果であり、これらを除いた経常的収益力は税引前損失3.6億円よりもさらに厳しい水準にある。

  3. のれん増加に伴うモニタリング: のれんは16.7億円(前年9.9億円、+68.4%)へ増加し、段階取得による連結範囲拡大を反映している。純資産比では3.5%と現時点で高水準ではないが、収益性悪化が続く場合は減損リスクの観点で注視が必要である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率−7.4%8.0% (2.2%–15.8%)−15.4pt
純利益率−1.8%5.8% (1.5%–10.7%)−7.6pt

収益性は営業利益率・純利益率ともに業種中央値を大きく下回り、業種内で劣位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−3.3%9.3% (0.2%–16.9%)−12.6pt

売上成長率も業種中央値を下回り、増収基調にある業種平均に対して減収が目立つ。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業損失は前年の3.0億円から10.1億円へ拡大し、粗利率-3.7ptと販管費率+1.4ptが重なる負の営業レバレッジが顕在化している。

  2. 特別利益5.2億円(段階取得差益3.9億円、投資有価証券売却益1.2億円)により最終損失は2.4億円に圧縮されたが、これらを除いた経常的な収益力の回復度合いが今後の焦点となる。

  3. 通期計画(売上660億円・営業利益36億円)に対しQ1売上進捗率は20.8%(標準25%対比-4.2pt)にとどまり、利益面は赤字であるため、下期における案件消化・収益性改善が計画達成の前提となる。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)789円
base(基準)798円
bull(強気)809円
算出前提
1株純資産(BPS)902円
調整後予想EPS49.1円
株主資本コスト r9.65%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向44.8%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.89倍 / 16.3倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 777円〜821円、ω±0.1で 795円〜801円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。