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94682027 第1四半期プライムJGAAP

株式会社KADOKAWA 2027年度 第1四半期 決算

株式会社KADOKAWAの2027年度第1四半期決算レポート

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥682.5億¥648.4億+5.3%
営業利益¥12.6億¥23.2億-45.5%
経常利益¥24.1億¥23.5億+2.5%
純利益¥-40.1億¥37.1億-208.3%
ROE-1.5%1.3%-

Executive Summary

2026年4-6月期(Q1)は増収ながら特別損失の計上で純損益が赤字転落しており、トップラインの底堅さとボトムラインの脆弱化が併存する決算となった。売上高は682.5億円(前年648.4億円、+5.3%)、営業利益は12.6億円(前年23.2億円、-45.5%)、経常利益は24.1億円(前年23.5億円、+2.5%)、連結純利益は▲40.1億円(前年37.1億円、-208.3%)で、親会社株主に帰属する当期純利益は▲45.4億円(前年28.6億円)となった。経常利益は営業外収益(受取配当・為替差益等)の下支えで小幅増益を確保したが、特別損失53.8億円の計上により最終赤字に転じた。

業績変動要因

【売上高】売上高は682.5億円、前年比+5.3%の増収。セグメント別では出版・IP創出(379.7億円、+10.2%、構成比55.6%)とアニメ・実写映像(124.8億円、+26.1%)が牽引した一方、ゲームは54.2億円と-37.4%の大幅減収となった。教育・EdTechは47.9億円(+9.1%)、Webサービスは53.7億円(+0.3%)とほぼ横ばいで、出版・IP創出への売上依存度が高い構造が続く。

【損益】営業利益は12.6億円と前年比-45.5%の大幅減益で、粗利率は33.1%と前年(約36.1%)から低下し、原価上昇と製作費先行が利益を圧迫した。セグメント損益ではゲームが13.9億円(マージン25.7%)と最大の利益寄与を維持したが前年比-58.9%に縮小し、アニメ・実写映像は増収にもかかわらず-6.6億円の営業損失に転落し全社利益率を押し下げた。経常利益は営業外収益(為替差益2.5億円、受取配当3.0億円等)に支えられ+2.5%の増益を確保したが、特別損失53.8億円(投資有価証券評価損等)の計上により税引前利益は▲29.7億円、法人税等10.4億円の負担も加わり連結純利益は▲40.1億円の赤字となった。結論として、増収減益(特別損失要因により最終段階では増収経常増益・純損失転落)の構図である。

セグメント別分析

出版・IP創出は売上379.7億円(+10.2%)、営業利益11.9億円(前年比+222.8%、マージン3.1%)と増収増益で全社最大の売上構成比(構成比約55%)を占める。アニメ・実写映像は売上124.8億円(+26.1%)と大きく伸びた一方、営業損失▲6.6億円(前年+1.4億円から悪化)に転落し、制作費先行と回収タイミングのずれが利益率を圧迫した。ゲームは売上54.2億円(-37.4%)と減収したが、営業利益13.9億円・マージン25.7%と依然全社最高の採算性を維持し、利益への寄与は最大である。Webサービスは売上53.7億円(+0.3%)、営業利益5.9億円(-14.1%)、教育・EdTechは売上47.9億円(+9.1%)、営業利益8.9億円(+4.3%)と安定成長を示した。地域別では日本545.9億円(構成比80.0%)、米国68.5億円、アジア48.9億円、その他19.3億円で、日本市場への依存度が高い。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は1.9%で前年3.6%から-1.7pt低下、経常利益率は3.5%とほぼ前年並みを維持したが、連結純利益率は-5.9%(前年5.7%)と純利益段階で大きく悪化した。【キャッシュ品質】営業CFは▲20.7億円で連結純利益▲40.1億円との比率は0.51倍にとどまり、在庫増加(棚卸資産+31.8億円の資金拘束)と契約負債の減少(-18.0億円)が運転資本を悪化させ、営業段階のキャッシュ転換効率は低い。【投資効率】ROEは-1.5%と前年同期の実績(前年純利益ベースでは概ね1%台)から低下し、当期の特別損失計上が主因である。総資産は3760.4億円で前年から-4.8%減少し、資産効率(総資産回転率)は低位である。【財務健全性】自己資本比率は71.4%と極めて高く、現金及び預金945.9億円に対し有利子負債は長短合計で約9.1億円と僅少であり、財務レバレッジへの依存はほぼない。

キャッシュフロー分析

営業CFは▲20.7億円で前年(▲19.5億円)から小幅悪化し、棚卸資産の増加(-31.8億円)や契約負債の減少(-18.0億円)など運転資本の悪化が主因である。投資CFは+123.8億円のプラスとなったが、これは定期預金の取り崩し等による資金移動が中心であり、設備投資は-13.5億円に抑制されている。財務CFは-144.4億円で、長期借入金の返済負担が前年から大幅に軽減された一方、資金流出は継続している。フリーキャッシュフロー(営業CF+投資CF)は+103.1億円と一見潤沢だが、営業活動起点の現金創出力は弱く、キャッシュの厚みは主に手元資金の取り崩しによって支えられている構図である。現金及び預金は945.9億円と依然厚く、短期的な資金繰りへの懸念は小さい。

収益の質

当期の経常的な収益構造は、コアの営業利益12.6億円に加え、営業外収益11.9億円(受取配当3.0億円、為替差益2.5億円等、売上比1.7%)が上乗せされる形で経常利益24.1億円を形成しており、営業外収益の比重は限定的で経常収益の質は概ね維持されている。一方、特別損失53.8億円は投資有価証券評価損等を含む一時的要因であり、純損益への影響が大きく、経常利益24.1億円と連結純利益▲40.1億円との乖離の主因となっている。アクルーアルの観点では、営業CFが▲20.7億円と純利益(▲40.1億円)を下回るペースでの現金化にとどまっており、在庫や契約負債の変動を伴う運転資本の悪化が利益の現金への転換効率を低下させている点は、収益の質を評価する上でモニタリングが必要な要素である。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画に対する進捗率は、売上高が22.7%(3003.0億円中682.5億円)、営業利益が12.5%(101.0億円中12.6億円)、経常利益が20.1%(120.0億円中24.1億円)で、四半期の標準的な進捗目安(約25%)と比較すると営業利益の遅れが目立つ。会社は当第1四半期に業績予想の修正を実施している一方、配当予想は修正なしで年間30.00円を維持している。通期の営業利益成長+24.7%・経常利益成長+2.6%という前提の実現には、アニメ・実写映像の採算改善と下期のタイトル寄与が前提となる進捗ペースである。

株主還元

通期の配当予想は年間30.00円で、前年配当情報との比較において修正はなく維持されている。通期の親会社株主帰属純利益予想10.0億円を分母とした場合の配当性向は極めて高い水準となるが、当期は四半期時点で純損失を計上しており、配当原資は当期利益ではなく利益剰余金737.6億円および手元現金945.9億円といった既存の内部留保・手元資金に依存する構図である。自己資本比率71.4%という財務基盤の厚さが、当面の配当継続を支える背景となっている。

リスク要因

  1. アニメ・実写映像セグメントの採算悪化: 売上は+26.1%と伸長した一方、営業損失▲6.6億円(前年+1.4億円)に転落し、制作費の先行計上と配信・興行収入の回収タイミングのずれが利益率を圧迫している。

  2. 運転資本悪化によるキャッシュ品質の低下: 棚卸資産が+31.8億円増加し契約負債が-18.0億円減少したことで営業CFは▲20.7億円となり、純損益との現金化ギャップが生じている。

  3. 特別損失計上に伴う一時的な純損益悪化: 特別損失53.8億円(投資有価証券評価損等)の計上により、経常段階では小幅増益であったにもかかわらず連結純利益は▲40.1億円の赤字となった。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率1.9%8.1% (2.3%–15.9%)-6.2pt
純利益率-5.9%5.9% (1.6%–10.7%)-11.8pt
収益性は業種中央値を営業利益率・純利益率ともに大きく下回り、業界内での相対的な収益力は低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)5.3%9.3% (0.4%–16.9%)-4.0pt
売上成長率は業種中央値を下回るものの、IQR下限(0.4%)は上回っており、業界内での成長ペースは中位以下に位置する。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. トップラインは出版・IP創出とアニメ・実写映像の伸長により増収を確保したが、粗利率低下とアニメの赤字化により営業利益率は1.9%(前年比-1.7pt)に縮小しており、コア収益力の変化に注目される。

  2. 経常利益は営業外収益に支えられ小幅増益を確保した一方、特別損失53.8億円の計上により連結純利益は赤字に転じており、経常利益と純利益の乖離要因が一時的項目であるか否かが今後の焦点となる。

  3. 営業CFが純損益を下回るペースにとどまり、棚卸資産増加・契約負債減少といった運転資本の変動がキャッシュ品質に影響している点は、決算の質を評価する上で継続的な確認が必要な事実である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,244円
base(基準)1,245円
bull(強気)1,248円
算出前提
1株純資産(BPS)1,603円
調整後予想EPS12.1円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向100.0%
予想EPSの信頼度調整×0.850(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.78倍 / 103.1倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,212円〜1,280円、ω±0.1で 1,234円〜1,252円。

注記:

  • のれん償却 6.3円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 10%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。