| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥14873.2億 | ¥14157.3億 | +5.1% |
| 営業利益 | ¥3142.5億 | ¥2594.7億 | +21.1% |
| 税引前利益 | ¥3084.7億 | ¥2567.0億 | +20.2% |
| 純利益 | ¥2214.6億 | ¥1780.0億 | +24.4% |
| ROE | 3.9% | 3.2% | - |
KDDIの2027年3月期第1四半期は増収増益となり、特に利益成長が売上成長を大きく上回る収益性改善が特徴的な決算となった。売上高は14,873.2億円(前年比+5.1%)、営業利益は3,142.5億円(同+21.1%)、税引前利益は3,084.7億円(同+20.2%)、純利益(親会社株主帰属)は1,954.7億円(同+22.1%)となった。営業利益率は21.1%と前年同期比で改善しており、TelecomCore事業のマージン拡大と販管費抑制が主因である。なお、営業活動によるキャッシュフローは前年同期の3,311.0億円から一転して▲1,135.3億円となり、法人税支払や運転資本の逆回転が影響している。
【売上高】売上高は14,873.2億円で前年同期比+5.1%増加した。主力のTelecomCoreが同+3.7%と安定成長を続けたほか、PersonalGrowthが+7.9%、BusinessGrowthが+12.3%と非通信・法人領域が増収を牽引した。モバイル通信収入の伸長とAIインテグレーション等の成長領域拡大が全体の増収に寄与している。
【損益】営業利益は3,142.5億円(前年比+21.1%)と増収率を大きく上回る伸びとなった。売上総利益率は43.8%(前年41.6%)へ改善し、販管費は3,555.5億円と前年の3,626.2億円から減少した。持分法投資利益も113.7億円(前年95.0億円)と増益に寄与している。税引前利益は3,084.7億円(+20.2%)、純利益(親会社株主帰属)は1,954.7億円(+22.1%)で、経常的な利益改善が中心であり、大きな特別損益は確認されない。結論として増収増益であり、増益率が増収率を大きく上回る質の高い利益成長といえる。
主力事業はTelecomCoreで、売上高10,645.1億円(構成比71.6%)、営業利益2,107.1億円(全社営業利益の約67%)を占める。同セグメントの営業利益は前年比+19.5%と増益し、利益率は19.8%へ改善した。モバイル通信収入の安定成長とコスト効率化が牽引役である。
PersonalGrowthは売上2,611.8億円(+7.9%)、営業利益554.9億円(+9.3%)、利益率21.2%と4セグメント中最も高い収益性を示す。BusinessGrowthは売上1,334.3億円(+12.3%)、営業利益184.5億円(+21.6%)と増収増益率が最も高いが、利益率は13.8%とTelecomCore・PersonalGrowthに劣後する。全社的な増益は主力のTelecomCoreの利益拡大が最大の寄与要因であり、成長セグメントがそれを補完する構図である。
収益性: ROE 3.9%(四半期実績)、営業利益率21.1%、純利益率(親会社株主帰属ベース)13.1% キャッシュ品質: 営業CF▲1,135.3億円に対し純利益2,214.6億円(連結)であり、営業CF/純利益は▲0.51倍とマイナス。FCFは▲2,579.2億円 投資効率: 設備投資830.0億円に対し減価償却1,736.3億円(推定)、設備投資/減価償却は0.5倍未満で更新投資水準にとどまる 財務健全性: 自己資本比率27.2%(前年26.6%)、流動資産5,207.1億円/流動負債9,766.5億円から流動比率は約0.53倍
営業CFは▲1,135.3億円と前年同期の3,311.0億円から大幅悪化し、純利益との乖離が大きい。主因は法人税等の支払1,710.8億円、仕入債務の減少1,277.2億円、その他運転資本の減少700.9億円である。 投資CFは▲1,443.8億円で、設備投資830.0億円が主要因。 財務CFは▲371.0億円で、配当支払1,515.8億円が計上される一方、短期借入の増加等が一部相殺している。 FCF(営業CF+投資CF)は▲2,579.2億円とマイナス。 現金創出評価は、法人税支払や運転資本変動という季節性要因が中心であるものの、当四半期単体では要モニタリングの水準にある。
税引前利益3,084.7億円と純利益2,214.6億円(連結)の乖離は法人税等870.1億円の計上によるもので、実効税率は約28.2%であり異常な水準ではない。 金融収益59.3億円・金融費用116.2億円はネットで56.9億円の費用となり、売上高比では小幅(0.4%未満)にとどまる。 営業CFが純利益を大幅に下回っており、当四半期の利益は運転資本変動により現金裏付けが弱い状態にある。この点は一時的な季節要因(法人税支払時期・仕入債務の減少)による部分が大きいとみられる。
通期予想(売上高64,100億円、営業利益12,100億円)に対する進捗率は、売上高23.2%、営業利益26.0%となり、標準進捗(25%)に対し営業利益は先行、売上高はやや遅れている。 業績予想・配当予想ともに当四半期の修正はない。利益進捗が売上進捗を上回る背景には、TelecomCoreの利益率改善と販管費抑制がある。
当四半期の配当支払額は1,515.8億円で、通期配当予想は84.00円/株(前期実績配当は年40円台の中間相当)である。1株当たり四半期純利益51.34円に基づく単純換算の配当性向は高水準にあるが、通期ベースでのEPS予想196.29円に対する予想配当性向は約42.8%である。 自己株式取得に関しては、取得のための預け金250.0億円を財務活動キャッシュフローに計上しており、配当と合わせた総還元の枠組みが継続している。
【短期】通期業績予想(営業利益12,100億円)に対する上期進捗の確認、金融事業の預金増強に伴う損益動向の推移。
【長期】AIインテグレーション・データセンター等ビジネスグロース領域の成長投資回収、事業ポートフォリオ見直し(ダイベストメント)によるキャッシュ創出の進捗。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 21.1% | 8.1% (2.3%–15.9%) | +13.1pt |
| 純利益率 | 14.9% | 5.9% (1.6%–10.7%) | +9.0pt |
| 自社の収益性は業種中央値を大きく上回り、IT・通信業種内で高水準に位置する。 |
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 5.1% | 9.3% (0.4%–16.9%) | -4.2pt |
| 売上成長率は業種中央値を下回り、成熟した通信事業を主軸とする構造を反映している。 |
※出所: 当社調べ
事業集中リスク: TelecomCoreが売上の71.6%、営業利益の約67%を占め、料金競争や接続料規制の変更が業績全体に与える影響度が高い。
流動性・満期構成リスク: 流動資産5,207.1億円に対し流動負債9,766.5億円で、流動比率は約0.53倍にとどまる。短期借入・金融事業預金等の比率が高く、資金繰り状況のモニタリングが求められる。
キャッシュフローの季節性リスク: 営業CFが▲1,135.3億円となり、法人税支払や仕入債務減少等の運転資本変動が影響した。通期での平準化が見られるか確認が必要である。
営業利益率21.1%は業種中央値8.1%を大きく上回り、前年同期からも改善している。販管費抑制と主力事業のマージン拡大という構造的な収益性向上が観察される。
通期進捗率は営業利益26.0%、純利益ベースでも標準進捗を上回る一方、売上高進捗は23.2%とやや遅れており、利益先行型の進捗となっている点が決算上の特徴である。
当四半期の営業キャッシュフローがマイナスとなり、純利益との乖離が大きい点は、決算の質を評価するうえで注視すべき事実である。法人税支払時期や運転資本変動という季節性要因が主因とみられる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 1,489円 |
| base(基準) | 1,545円 |
| bull(強気) | 1,602円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 1,347円 |
| 調整後予想EPS | 185.6円 |
| 株主資本コスト r | 8.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 42.8% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×0.945(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.15倍 / 8.3倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 1,502円〜1,590円、ω±0.1で 1,540円〜1,552円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 1株あたりの値は株式分割を最新基準に調整しています。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。