クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥618.7億 | ¥603.8億 | +2.5% |
| 営業利益 | ¥51.1億 | ¥48.3億 | +5.7% |
| 経常利益 | ¥69.0億 | ¥63.0億 | +9.5% |
| 純利益 | ¥51.2億 | ¥44.8億 | +14.4% |
| ROE(年換算) | 5.0% | 4.7% | - |
Executive Summary
名港海運は増収増益となり、営業本業の伸長に加え受取配当金等の非営業収益が利益を押し上げた点が今回の決算の特徴である。売上高は618.7億円(前年比+2.5%)、営業利益は51.1億円(同+5.7%)、経常利益は69.0億円(同+9.5%)、純利益(連結の当期純利益)は51.2億円(同+14.4%)となった。経常利益の伸びが営業利益の伸びを上回った主因は、受取配当金11.5億円を中心とする営業外収益18.3億円の押し上げ効果である。親会社株主に帰属する当期純利益は48.7億円(同+16.1%)で、EPSは162.60円(前年140.23円)となった。
業績変動要因
【売上高】売上高は618.7億円で前年比+2.5%の増収。セグメント別では主力の港湾運送およびその関連が606.6億円(連結売上の約98%)、賃貸が15.8億円を占め、港湾運送セグメントの拡大が全体の増収を牽引した。賃貸セグメントは売上規模は小さいものの利益率36.8%と高く、収益構造の一部を補完している。
【損益】営業利益は51.1億円(同+5.7%)で、港湾運送セグメントの利益率は7.4%と前年から改善している。経常利益は69.0億円(同+9.5%)となり、営業利益の伸びを上回ったのは受取配当金11.5億円を中心とする営業外収益18.3億円の寄与によるもの。特別損益は利益1.5億円・損失0.9億円と小規模で、純利益への影響は限定的である。純利益は51.2億円(同+14.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は48.7億円(同+16.1%)となった。増収増益であり、非営業収益の寄与を伴う利益成長という特徴がある。
セグメント別分析
港湾運送およびその関連セグメントは売上606.6億円、営業利益45.1億円(利益率7.4%)で連結業績の中核を担う。前年同期の売上591.3億円・利益42.9億円(利益率7.3%)から増収増益となり、利益率もわずかに改善した。賃貸セグメントは売上15.8億円(前年12.5億円)、営業利益5.8億円(前年5.3億円)で、利益率36.8%と高収益性を維持しており、連結利益への貢献度は売上規模に比して大きい。
主要財務指標
【収益性】営業利益率は8.3%で前年から改善し、粗利率は22.1%、販管費率は13.9%である。純利益率は約8.3%だが、営業外収益(受取配当金11.5億円等)の寄与が大きく、本業のみによる収益性とは区別して捉える必要がある。【キャッシュ品質】営業活動によるキャッシュフローの開示はないが、売掛金は148.9億円と前年比増加しており、回収サイクルの動向はモニタリングの余地がある。【投資効率】ROE(年換算)は5.0%で、総資産回転率は低水準にとどまり、投資有価証券の積み増し(前年比+40.5%、284.0億円→399.2億円)が資産効率に影響している。【財務健全性】自己資本比率は80.5%と高水準で、現金及び預金314.7億円を含め手元資金は厚く、財務基盤は安定している。
キャッシュフロー分析
キャッシュフロー計算書の開示はないが、バランスシートの動きから資金動向を捉えることができる。現金及び預金は314.7億円で前年の325.9億円からやや減少しており、この間に投資有価証券が284.0億円から399.2億円へと115.1億円増加している。この動きは、手元資金の一部を証券投資に配分したことを示唆する。総資産は1706.8億円(前年1539.3億円)、純資産は1373.4億円(前年1263.4億円)と拡大し、利益剰余金の積み上がりと有価証券評価差額の増加(200.7億円、前年124.6億円)が純資産増加を支えている。有利子負債は限定的であり、資金調達面での外部依存は低いといえる。
収益の質
当期の利益成長は、営業利益(本業由来)の伸長に加え、受取配当金11.5億円を中心とする営業外収益18.3億円の寄与が大きい点に留意が必要である。経常利益69.0億円に対し営業利益は51.1億円で、両者の差の主因は非営業収益であり、この部分は市況や投資先企業の配当政策に左右されやすく、恒常的な収益源としての持続性は本業の利益ほど高くない。一方、特別損益は利益1.5億円・損失0.9億円と小規模で一時的要因としての影響は限られる。包括利益は120.6億円と純利益51.2億円を大きく上回り、有価証券評価差額金75.0億円の増加が主因である。この乖離は、当期の包括的な財務成果の一部が市場価格変動による評価益に依存していることを示しており、純利益ベースでの収益力評価とは区別して理解する必要がある。
業績予想・ガイダンス
会社の通期業績予想は売上高810.0億円(前年比-0.6%)、営業利益59.0億円(同-5.9%)、経常利益75.0億円(同-6.0%)である。第3四半期累計の売上高618.7億円は通期予想の76.4%に達しており、進捗は順調に見えるが、通期予想自体は前年を下回る計画であり、第4四半期の減収を前提とした保守的な見通しとなっている。累計営業利益51.1億円は通期予想59.0億円の86.6%に達しており、上期までの利益進捗は予想に対して先行している状況である。
株主還元
配当は中間35円(会社データのDividendPerShareQ2)で、通期の会社予想は70円である。前年の年間配当は46円(前年中間23円を含む)であったのに対し、通期予想70円は増配計画となる。EPS予想173.74円に対する配当予想70円から算出される配当性向は約40.3%である。現金及び預金314.7億円、自己資本比率80.5%という財務基盤を背景に、配当の支払い余力は確保されている。
リスク要因
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非営業収益への依存: 経常利益69.0億円のうち営業外収益は18.3億円を占め、その約63%を受取配当金11.5億円が構成する。投資先の配当政策変更や市況変化により、この収益源は変動しやすい。
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投資有価証券の評価変動リスク: 投資有価証券は399.2億円まで積み増しが進んでおり(前年比+40.5%)、純資産への評価差額金の影響(200.7億円)が大きい。市況悪化時には評価差額の縮小により純資産・包括利益に影響が及ぶ可能性がある。
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事業環境の景気循環性: 主力の港湾運送事業は貨物取扱量が経済活動・貿易動向に依存するため、景気変動により売上・利益が影響を受けやすい構造にある。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 8.3% | 4.7% (1.8%–12.4%) | +3.5pt |
| 純利益率 | 8.3% | 6.5% (3.6%–13.5%) | +1.8pt |
収益性は業種中央値を上回り、業種内では上位グループに位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 2.5% | 5.7% (-1.0%–11.6%) | −3.1pt |
売上高成長率は業種中央値を下回り、成長スピードでは業種内で中位から下位に位置する。
※出所: 当社調べ
決算上の注目ポイント
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増収増益ではあるが、経常利益の伸長(+9.5%)は受取配当金を中心とする営業外収益の増加に支えられている面があり、本業(営業利益+5.7%)の伸長と区別して捉えることが決算理解のポイントとなる。
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投資有価証券が前年比+40.5%(399.2億円)に増加し、純資産の評価差額金も200.7億円まで拡大している。包括利益120.6億円が純利益51.2億円を大きく上回る背景には、この評価益の増加がある。
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通期会社予想は減収減益(売上-0.6%、営業利益-5.9%)を見込んでおり、第3四半期累計での増益基調とは対照的な計画となっている点は、決算データ上の注目ポイントである。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 3,741円 |
| base(基準) | 3,785円 |
| bull(強気) | 3,811円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 4,587円 |
| 調整後予想EPS | 191.1円 |
| 株主資本コスト r | 10.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 40.3% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.83倍 / 19.8倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 3,684円〜3,892円、ω±0.1で 3,761円〜3,802円。
注記:
- 通期予想に対する純利益の進捗(94%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
- 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
- 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。