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93052027 第1四半期プライムJGAAP

ヤマタネ(9305) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益78%減

2027年度第1四半期の売上高は223.8億円(前年同期比+1.1%)、営業利益は4.4億円(同-78.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

商社・卸売/卸売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥223.8億¥221.3億+1.1%
営業利益¥4.4億¥20.1億−78.1%
持分法投資損益---
経常利益¥5.4億¥21.6億−75.1%
純利益¥9.8億¥14.4億−31.6%
ROE(年換算)6.3%9.1%-

Executive Summary

売上高は前年並みを維持したが、粗利率の悪化と販管費増加により営業利益が急減した増収減益の決算となった。売上高は223.8億円(前年比+1.1%)、営業利益は4.4億円(同-78.1%)、経常利益は5.4億円(同-75.1%)、純利益は9.8億円(同-31.6%)となった。純利益の落ち込みが相対的に小幅なのは、投資有価証券売却益10.9億円を含む特別利益11.0億円が寄与したためであり、本業の収益力は営業利益・経常利益に表れた大幅な悪化として捉える必要がある。

業績変動要因

【売上高】売上高は223.8億円で前年比+1.1%とほぼ横ばい。セグメント別では物流関連が65.1億円(同+4.5%)、不動産関連が12.2億円(同+3.8%)、情報関連が4.2億円(同+2.7%)と増収した一方、最大セグメントの食品関連は142.4億円(同-0.6%)とわずかに減収した。

【損益】売上総利益は25.0億円(前年比-31.3%)へ大きく減少し、粗利率も16.4%から11.2%へ低下した。一方で販管費は20.6億円(同+26.6%)と増加し、粗利縮小と固定費増加が重なり営業利益は4.4億円(同-78.1%)まで落ち込んだ。経常利益は営業外収益の受取配当金4.3億円に支えられたものの5.4億円(同-75.1%)にとどまった。純利益9.8億円は投資有価証券売却益10.9億円による一時的な押し上げを含んでおり、本業ベースでは減益基調である。結論として、増収減益の決算である。

セグメント別分析

不動産関連はセグメント利益5.5億円(前年比+3.2%)、利益率44.4%と全社で最も高い採算性を維持し、利益の中心的な柱となった。物流関連は売上高が4.5%増加した一方でセグメント利益は4.9億円(同-12.7%)と減少し、コスト増を価格転嫁できていない可能性がある。食品関連は売上高142.4億円と全社の過半を占める最大セグメントだが、セグメント利益は0.4億円(同-97.2%)へ急減し、利益率も0.3%まで低下した。この食品関連の急減益が全社営業利益悪化の主因である。情報関連は小規模ながら黒字転換し、利益0.1億円(同+188.9%)と改善した。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は2.0%で前年同期の9.1%から大幅に低下し、純利益率は4.4%となった。粗利率は11.2%と前年の16.4%から縮小しており、コスト構造の悪化が収益性低下の中心にある。【キャッシュ品質】純利益9.8億円のうち投資有価証券売却益10.9億円が含まれており、営業利益4.4億円との乖離が大きいため、本業の経常的な収益創出力は営業利益・経常利益で評価すべきである。【投資効率】ROE(年換算)は6.3%であり、資本効率は限定的な水準にある。【財務健全性】自己資本比率は35.8%で前年と同水準を維持している。流動資産313.1億円に対し流動負債334.3億円と流動比率は1倍を下回り、短期の資金繰り管理が重要な局面にある。

キャッシュフロー分析

本決算ではキャッシュフロー計算書の詳細開示はないが、BS推移から資金動向を分析すると、現金及び預金は77.5億円で前年の80.3億円から減少した。売掛金は91.9億円とほぼ横ばい、棚卸資産は70.8億円と前年の80.5億円から減少しており、在庫圧縮による運転資金の改善効果がみられる。一方、流動負債が流動資産を上回るマイナス運転資本の状態にあり、短期借入金は110.8億円と前年の101.8億円から増加している。純利益9.8億円には投資有価証券売却益10.9億円が含まれるため、当期の資金創出力は営業利益4.4億円の水準を基準に評価することが妥当であり、資産売却に依存しない資金繰り体質の構築が課題となる。

収益の質

当期の利益の質は、経常的な収益力と一時的要因が明確に分離される構造となっている。営業利益4.4億円は前年比78.1%減と本業の収益力低下を直接示す一方、経常利益5.4億円は営業外収益4.5億円のうち受取配当金4.3億円に支えられた側面が大きい。さらに純利益9.8億円には投資有価証券売却益10.9億円を含む特別利益11.0億円が計上されており、これを除けば本業ベースの収益はより弱いものとなる。包括利益はマイナス0.4億円で純利益9.8億円を大きく下回り、その他有価証券評価差額金がマイナス10.5億円悪化したことが主因である。これは保有する投資有価証券の時価変動が純資産に与える影響を示しており、当期純利益の水準のみで収益の持続性を判断することは適切でない。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想に対する進捗は、売上高が22.7%と概ね順調な一方、利益面では大きく遅れている。売上高予想985.6億円に対する進捗率は22.7%、営業利益予想41.1億円に対しては10.7%、経常利益予想36.1億円に対しては14.9%にとどまり、いずれも四半期の標準的な進捗目安である25%を下回る。会社の通期予想自体も営業利益で前年比-29.9%、経常利益で同-34.1%を織り込んでおり、増収でも利益率回復を前提としない慎重な見通しとなっている。通期予想の達成には、食品関連の採算回復や物流関連のコスト転嫁が鍵となる。当第1四半期において業績予想および配当予想の修正は行われていない。

株主還元

通期配当予想は1株当たり85円で、前年の年間配当実績から増配水準にある。通期純利益予想44.0億円と期中平均株式数を用いた概算では、予想配当性向は約40.8%となり、一般的な持続可能性の目安を下回る水準にある。ただし、通期利益予想には食品関連・物流関連の収益回復が前提として織り込まれており、配当の安定性は本業の利益回復状況に左右される。当第1四半期において配当予想の修正は行われていない。

リスク要因

  1. 食品関連セグメントの採算悪化: 売上高142.4億円と全社最大規模を占める食品関連のセグメント利益が前年同期比-97.2%の0.4億円に急減した。仕入・販売価格や商品構成の変動が全社利益に直結する構造であり、モニタリングが必要である。

  2. 流動性および利払い余力: 流動資産313.1億円に対し流動負債334.3億円と流動比率は1倍を下回る水準にある。支払利息は前年比+47.0%の3.4億円に増加しており、営業利益水準に対する利払い負担の重さが確認できる。

  3. 利益の一時的要因への依存: 純利益9.8億円には投資有価証券売却益10.9億円が含まれ、営業利益4.4億円との乖離が大きい。資産売却益を除いた経常的な収益力は相対的に弱く、包括利益もマイナス0.4億円となっている。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(trading)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率2.0%4.3% (1.7%–6.9%)−2.3pt
純利益率4.4%3.8% (1.5%–5.1%)+0.6pt

営業利益率は業種中央値を下回るが、純利益率は特別利益の押し上げにより中央値を上回っている。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)1.1%3.1% (-0.6%–11.7%)−2.0pt

売上高成長率は業種中央値を下回り、トップライン拡大の勢いは相対的に弱い水準にある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高がほぼ横ばいを維持する一方、粗利率が529bp低下し販管費が26.6%増加したことで、営業利益は78.1%減少した。増収の裏側でコスト構造が悪化している点が今期決算の構造的な特徴である。

  2. 純利益9.8億円は投資有価証券売却益10.9億円によって下支えされており、営業利益4.4億円との乖離が大きい。決算数値を評価する際は、資産売却益を除いた本業の収益動向を確認することが重要である。

  3. 事業別では不動産関連の高採算(利益率44.4%)が全社利益を下支えする一方、最大セグメントの食品関連が急減益となっており、事業ポートフォリオ間の収益性格差が拡大している。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,744円
base(基準)2,764円
bull(強気)2,801円
算出前提
1株純資産(BPS)2,966円
調整後予想EPS216.9円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向40.6%
予想EPSの信頼度調整×1.037(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.93倍 / 12.7倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,689円〜2,843円、ω±0.1で 2,758円〜2,769円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。