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93042027 第1四半期プライムJGAAP

澁澤倉庫(9304) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益18%増

2027年度第1四半期の売上高は209.3億円(前年同期比+4.5%)、営業利益は11.9億円(同+18.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

運輸・物流/倉庫・運輸関連業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥209.3億¥200.2億+4.5%
営業利益¥11.9億¥10.1億+18.2%
経常利益¥18.2億¥14.4億+25.6%
純利益¥30.0億¥18.3億+63.9%
ROE4.2%2.7%-

Executive Summary

澁澤倉庫の2027年3月期第1四半期は、営業増益に加え特別利益の計上により純利益が大幅増となった好決算。売上高は209.3億円(前年比+4.5%)、営業利益は11.9億円(同+18.2%)、経常利益は18.2億円(同+25.6%)、純利益は30.0億円(同+63.9%)となった。増収に加え物流事業の稼働・単価改善で営業利益率が改善したほか、投資有価証券売却益11.4億円等の特別利益25.6億円が純利益を押し上げた。

業績変動要因

【売上高】売上高は209.3億円で前年比+4.5%増収。主力の物流事業が194.7億円(同+4.7%)と全体を牽引し、不動産事業は14.6億円(同+2.8%)と底堅く推移した。売上構成比は物流93.0%、不動産7.0%で、物流事業への依存度が高い構造は変わらない。

【損益】営業利益は11.9億円で前年比+18.2%、営業利益率は5.7%と前年から改善した。物流事業の営業利益は12.1億円(同+37.5%、利益率6.2%)と大きく伸長し、不動産事業は7.7億円(同+3.9%、利益率52.8%)で高採算を維持した。経常利益は18.2億円(同+25.6%)で、受取配当金3.6億円を含む営業外収益6.9億円が寄与した。純利益は30.0億円(同+63.9%)となったが、投資有価証券売却益11.4億円、固定資産売却益2.3億円を含む特別利益25.6億円の計上が主因であり、経常利益からの上振れ幅が大きい。総じて増収増益であり、営業段階の改善に加え一時的要因が純利益を押し上げた決算といえる。

セグメント別分析

物流事業は売上194.7億円(前年比+4.7%)、営業利益12.1億円(同+37.5%)、利益率6.2%と、増収を上回る増益で営業レバレッジが発現した。不動産事業は売上14.6億円(同+2.8%)、営業利益7.7億円(同+3.9%)、利益率52.8%と高採算を維持し、安定的な収益基盤となっている。セグメント利益合計19.8億円から全社費用(調整額)7.8億円を差し引き、連結営業利益11.9億円となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率5.7%は前年5.0%から改善し、純利益率は14.3%と前年9.1%から大きく上昇したが、これは特別利益計上による押し上げが主因である。ROEは4.2%で、純利益率の上昇にもかかわらず総資産回転率が0.16倍程度と低いことが資本効率を抑制している。【キャッシュ品質】営業CFは▲0.9億円と純利益30.0億円との乖離が大きく、法人税等の支払17.2億円や売上債権の増加9.5億円が影響している。【投資効率】設備投資6.3億円に対し減価償却費7.4億円で、投資は減価償却の範囲内に収まっている。【財務健全性】自己資本比率は55.8%、現金及び預金は129.4億円で、流動資産325.9億円に対し流動負債186.9億円と流動性には余裕がある一方、長期借入金131.0億円・社債130.2億円と長期負債への調達移行が進んでいる。

キャッシュフロー分析

営業CFは▲0.9億円で、純利益30.0億円との間に大きな乖離がある。法人税等の支払17.2億円と売上債権の増加9.5億円が資金を圧迫し、運転資本変動前の小計12.9億円から大きく落ち込む形となった。投資CFは▲12.3億円で、設備投資6.3億円に加え有価証券関連の投資が影響している。財務CFは25.3億円のプラスで、長期借入や社債発行により資金を調達し、自社株買い3.1億円や配当支払を実施した。フリーCFは▲13.2億円と資金創出力が不足しており、財務活動による資金調達で補填する構図となっている。

収益の質

当四半期の純利益は特別利益25.6億円の影響を大きく受けており、投資有価証券売却益11.4億円、固定資産売却益2.3億円に加え、その他の補償金収入等が押し上げ要因となっている。経常利益18.2億円と純利益30.0億円の乖離は+65%超に及び、コア収益力を上回る一時的な水準である点に留意が必要である。営業外収益は6.9億円で、受取配当金3.6億円が主要な構成要素であり、金融収益は恒常的な収益基盤として一定の寄与を続けている。一方で営業CFが純利益を大きく下回っており、利益の現金化には運転資本や税支出の影響で時間差が生じている。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対する進捗率は、売上高23.3%(900.0億円に対し209.3億円)、営業利益22.5%(53.0億円に対し11.9億円)となり、四半期の標準的な進捗(25%)にやや届いていない。経常利益は18.2億円で通期60.0億円に対し30.3%と先行し、純利益は30.0億円で通期72.0億円想定に対し41.6%と大きく前倒している。純利益の進捗の高さは特別利益計上によるもので、通期計画に対しては一時益の反動が生じない前提となっている点に留意が必要である。

株主還元

年間配当予想は1株90円で、通期EPS予想128.87円に基づく配当性向は約70%となる。当四半期は配当支払18.5億円、自社株買い3.1億円を実施し、総還元額は21.6億円に達したが、当四半期のフリーCF▲13.2億円ではこれを充当できていない。なお2025年10月付で1株につき4株の株式分割を実施しており、配当額の期間比較には分割影響の考慮が必要である。

リスク要因

  1. 事業集中リスク: 物流事業が売上の93.0%を占め、当該事業の需要動向や価格改定の進捗が連結業績に直接影響する構造にある。

  2. キャッシュフロー品質リスク: 営業CFが▲0.9億円と純利益30.0億円を大きく下回り、法人税支払17.2億円や売上債権の増加9.5億円が資金創出を圧迫している。

  3. 資産価格変動リスク: 投資有価証券352.6億円を保有し、当四半期も売却益11.4億円を計上するなど、市況変動が包括利益や純資産のボラティリティ要因となっている。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(transport)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率5.7%7.1% (4.3%–8.6%)−1.4pt
純利益率14.3%5.9% (2.8%–8.5%)+8.5pt

営業利益率は業種中央値を下回るが、純利益率は特別利益の影響もあり業種中央値を大きく上回っている。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)4.5%3.3% (0.2%–7.6%)+1.2pt

売上高成長率は業種中央値を上回り、レンジの上位に位置する。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は5.7%に改善し、物流事業の利益率も6.2%へ上昇するなど、本業の収益性改善が進んでいることが確認できる。

  2. 純利益の伸び+63.9%は投資有価証券売却益等の特別利益25.6億円の計上が主因であり、コア収益力の伸びとは水準が異なる点がデータから読み取れる。

  3. 営業CFと純利益の乖離が大きく、通期での営業キャッシュ創出力の推移が今後の決算データで確認すべきポイントとなる。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,280円
base(基準)1,315円
bull(強気)1,323円
算出前提
1株純資産(BPS)1,266円
調整後予想EPS141.8円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向69.8%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER1.04倍 / 9.3倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,281円〜1,351円、ω±0.1で 1,314円〜1,317円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(42%)が標準(25%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。