| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥6727.3億 | ¥5487.0億 | +22.6% |
| 営業利益 | ¥207.8億 | ¥367.9億 | -43.5% |
| 経常利益 | ¥225.1億 | ¥359.2億 | -37.3% |
| 純利益 | ¥197.8億 | ¥236.4億 | -16.3% |
| ROE | 1.4% | 1.6% | - |
当四半期は増収減益となり、売上原価の増加が売上高の伸びを上回ったことで採算が悪化した局面である。売上高は6,727.3億円(前年同期比+22.6%)と拡大したが、売上原価が+29.2%増加し粗利率は12.3%(前年16.7%)へ低下、営業利益は207.8億円(同-43.5%)、経常利益は225.1億円(同-37.3%)にとどまった。親会社株主に帰属する当期純利益は194.1億円(同-15.4%)で、投資有価証券売却益20.5億円などの一時的要因が減益幅を緩和した。主力の航空事業は売上+24.9%と牽引した一方、営業利益は-48.7%と採算が大きく悪化しており、増収の中身はコスト吸収面での課題を映す結果となった。
【売上高】売上高は6,727.3億円で前年同期比+22.6%の増収。外部顧客向け売上構成比は航空事業が90.8%と大宗を占め、商社事業4.7%、航空関連事業2.2%、旅行事業1.6%が続く。航空事業の増収は需要回復による座席供給・搭乗率の改善が主因とみられ、航空関連事業(+7.4%)、商社事業(+7.9%)も増収基調が続いた一方、旅行事業のみ-9.3%の減収となった。
【損益】売上原価は5,901.1億円で前年比+29.2%と、売上高の伸び(+22.6%)を上回るペースで増加し、粗利率は12.3%(前年16.7%)へ約440bp低下した。販管費は618.4億円(同+12.4%)に増加したが売上比の販管費率は9.2%(前年10.0%)に低下しており、コスト圧迫の主因は売上原価段階にある。この結果、営業利益は207.8億円(同-43.5%)、営業利益率は3.1%(前年6.7%)へ低下した。経常利益は225.1億円(同-37.3%)で営業利益を17.3億円上回り、受取利息の増加(25.2億円、同+76.6%)と支払利息の減少(46.7億円、同-24.9%)が下支えした。特別利益として投資有価証券売却益20.5億円を計上し、一時的要因として純利益を押し上げた。税引前利益245.6億円から法人税等47.8億円(実効税率19.5%)、非支配株主帰属純利益3.7億円を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は194.1億円(同-15.4%)。増収減益。
航空事業は売上高6,208.3億円(前年比+24.9%)でセグメント計7,772.1億円の79.9%を占める中核事業だが、営業利益は181.5億円(同-48.7%)、利益率2.9%と採算悪化が最も大きい。航空関連事業は売上926.5億円(+7.4%)、営業利益49.2億円(+54.3%)、利益率5.3%と全セグメント中最も収益性が高く、増益に転じた。商社事業は売上374.6億円(+7.9%)、営業利益10.7億円(-19.8%)、利益率2.9%とやや悪化。旅行事業は売上139.3億円(-9.3%)と減収したが、営業利益は1.4億円(+169.3%)と改善した。全社の営業減益は主力の航空事業における採算悪化がほぼ全てを説明しており、航空関連事業の改善が一定程度相殺している。
【収益性】営業利益率は3.1%で前年同期6.7%から3.6pt低下し、純利益率(親会社株主帰属ベース)も2.9%で前年4.2%から1.3pt低下した。粗利率12.3%(前年16.7%)の低下が主因で、原価上昇が収益性を圧迫している。【キャッシュ品質】契約負債(前受金)は6,537.0億円で前年同期比+9.5%増加し、現金及び預金5,728.0億円に短期有価証券6,369.7億円を加えた手元流動性は厚い。【投資効率】ROEは1.4%で、純利益率2.9%、総資産回転率0.17倍、財務レバレッジ2.79倍の各要素に分解できる。回転率の低さとレバレッジ効果が限定的な中、純利益率の低下がROE水準を押し下げている。【財務健全性】自己資本比率は35.9%で前年同期37.7%から1.8pt低下した。長期借入金7,924.9億円を中心とする有利子負債を抱える一方、流動資産18,299.1億円が流動負債12,376.6億円を上回り、短期的な資金繰りには余裕がある。
現金及び預金は5,728.0億円で前年同期の5,527.9億円から+3.6%増加し、資金の厚みは維持されている。契約負債(前受金)は6,537.0億円で前年同期比+569億円増加しており、需要の先行指標であると同時に運転資金面でのキャッシュ創出に寄与している。一方、自己株式は1,517.4億円で前年同期の1,015.6億円から+49.4%増加しており、自社株取得による資金流出が資本政策上の主要な変動要因となっている。有形固定資産は15,485.9億円で前年同期の15,267.7億円から増加しており、機材投資など継続的な設備投資が資金需要として発生している。営業段階の収益性低下と自己株式取得の拡大が同時に進行しており、投資・株主還元と手元流動性のバランスに留意する局面にある。
経常的な収益構造は営業利益207.8億円に営業外収支の純額17.3億円(営業外収益79.7億円、営業外費用62.4億円)を加えた経常利益225.1億円で構成され、売上高比の営業外収益は1.2%にとどまり収益への依存度は限定的である。特別利益20.5億円は投資有価証券売却益によるもので一時的要因にあたり、経常的な収益力とは区別して評価する必要がある。税引前利益245.6億円に対し法人税等47.8億円で実効税率は19.5%となり、税負担面での特殊要因は大きくない。一方、包括利益は-119.8億円(親会社株主分-124.6億円)と、親会社株主に帰属する当期純利益194.1億円との間に大きな乖離が生じている。この乖離は主に繰延ヘッジ損益の悪化(前年同期895.8億円から581.9億円へ縮小、△313.9億円)によるもので、損益計算書上の利益と包括的な株主価値の変動方向が一致していない点は収益の質を評価するうえで留意が必要である。
通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が24.3%(6,727.3億円/27,700.0億円)で単純進捗基準の25%に近い水準にある一方、営業利益は13.9%(207.8億円/1,500.0億円)、経常利益は16.4%(225.1億円/1,370.0億円)と、利益段階での進捗は相対的に遅れている。親会社株主に帰属する当期純利益は通期予想960.0億円に対し20.2%(194.1億円)の進捗である。売上原価上昇による粗利率低下が利益進捗の遅れの主因であり、下期にかけたコストコントロールや収入面での改善が計画達成の前提になる。当四半期時点で業績予想の修正は行われていない。
通期の配当予想は1株当たり30円で、会社予想EPS209.26円に基づく配当性向は約14.3%である。当四半期時点で配当予想の修正はない。自己株式は1,517.4億円(発行済株式484,294千株に対し自己株式48,308千株)で前年同期の1,015.6億円から増加しており、自社株取得を通じた株主還元も進行している。なお、普通株式とは別に社債型種類株式が発行されており、2027年3月期の年間配当予想は175.00円と、普通株式とは異なる配当条件が設定されている。
収益性悪化に伴うコスト吸収力: 営業利益率は3.1%で前年同期6.7%から低下し、売上原価の伸び+29.2%が売上高の伸び+22.6%を上回った。燃料費や空港使用料等のコスト増加が続く場合、価格転嫁の遅れが採算改善を制約する可能性がある。
包括利益のボラティリティ: 包括利益は-119.8億円で、親会社株主に帰属する当期純利益194.1億円との乖離が大きい。繰延ヘッジ損益は前年同期895.8億円から581.9億円へ縮小しており、ヘッジ評価の変動が純資産に与える影響をモニタリングする必要がある。
資本政策と財務健全性のバランス: 自己資本比率は35.9%で前年同期37.7%から低下し、自己株式は同+49.4%増加した。有利子負債は長期借入金7,924.9億円を中心に高水準で推移しており、投資・株主還元と財務健全性の両立が課題となる。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 3.1% | 7.1% (2.3%–8.5%) | -4.0pt |
| 純利益率 | 2.9% | 4.9% (0.7%–5.9%) | -2.0pt |
収益性指標はいずれも業種中央値を下回り、コスト上昇の影響が同業比でも相対的に大きい。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 22.6% | 4.1% (3.3%–11.2%) | +18.5pt |
売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、トップラインの回復ペースは同業内で突出している。
※出所: 当社集計
増収減益の構造: 売上高は+22.6%増加した一方、売上原価が+29.2%増加し粗利率が440bp低下した。トップラインの回復に対しコスト吸収が課題であることが読み取れる。
セグメント間の収益性格差: 主力の航空事業は営業利益-48.7%と採算が大きく悪化した一方、航空関連事業は+54.3%の増益となり、事業ポートフォリオ内での収益性のばらつきが拡大している。
通期進捗の利益段階での遅れ: 売上高進捗24.3%に対し営業利益進捗13.9%、経常利益進捗16.4%と、利益段階の進捗が相対的に遅れている。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 2,519円 |
| base(基準) | 2,553円 |
| bull(強気) | 2,589円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 2,754円 |
| 調整後予想EPS | 221.7円 |
| 株主資本コスト r | 10.65%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 14.3% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.060(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.93倍 / 11.5倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 2,481円〜2,627円、ω±0.1で 2,546円〜2,557円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。