| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥4927.2億 | ¥4782.8億 | +3.0% |
| 営業利益 | ¥2191.7億 | ¥2212.2億 | -0.9% |
| 経常利益 | ¥2085.5億 | ¥2075.3億 | +0.5% |
| 純利益 | ¥1443.6億 | ¥1462.6億 | -1.3% |
| ROE | 2.7% | 2.8% | - |
当四半期は増収減益となり、労務費・修繕費等のコスト増が増収効果を吸収した点が特徴である。売上高は4,927.2億円(前年同期比+144.4億円、+3.0%)、営業利益は2,191.7億円(同-20.5億円、-0.9%)、経常利益は2,085.5億円(同+10.2億円、+0.5%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,426.6億円(同-25.5億円、-1.8%)となった。新幹線収入の増加や流通業の大幅増収が売上を押し上げた一方、前年度の大阪・関西万博反落と労務単価上昇に伴う修繕費増加が営業利益を圧迫した。
【売上高】売上高は4,927.2億円で前年同期比+3.0%の増収。主力の運輸業は新幹線の定期外収入を中心に前期比+1.3%(セグメント計ベース)の増収となり、訪日外国人利用の増加が寄与した一方、前年度の大阪・関西万博開催による押し上げ効果の反落が伸び率を抑制した。流通業は百貨店・駅店舗売上の増加により+8.6%、その他事業も+5.1%と高成長を維持し、非運輸事業が全社増収を牽引した。
【損益】営業利益は2,191.7億円で前年同期比-0.9%の減益。労務単価上昇に伴う修繕費の増加等、営業費の伸びが増収を上回ったことが主因である。経常利益は運用利息の増加による営業外収益の拡大(前期比+41.2%)が営業減益を相殺し、同+0.5%の小幅増益を確保した。特別損益は特別利益3.4億円・特別損失10.5億円といずれも軽微で、一時的要因の影響は限定的である。親会社株主に帰属する純利益は1,426.6億円(同-1.8%)となり、防衛特別法人税の適用開始による税負担増が経常利益からの下振れ要因となった。結論として、当四半期は増収減益である。
営業利益ベースでは運輸業が主力事業であり、セグメント営業利益合計(調整前)に占める割合は93.1%に達する(売上面でもセグメント計に占める割合は75.7%)。運輸業の営業利益は2,043.8億円で前年同期比-2.4%となり、労務費・修繕費の増加が全社減益の主因となった。一方、流通業は営業利益42.9億円(+33.8%)、その他事業は36.7億円(+57.1%)と大幅増益で、利益率はそれぞれ9.1%、6.1%と運輸業(50.5%)を大きく下回るものの、増益率の高さが全社利益を下支えした。不動産業は売上-5.9%の減収ながら営業利益は+3.4%増の71.4億円、利益率31.8%を確保し、収益性の底堅さを示した。セグメント間の利益率格差は依然として大きく、全社利益は引き続き運輸業の動向に大きく左右される構造にある。
収益性: ROE 2.7%(当四半期実績、非年換算)、営業利益率44.5%(前年46.2%、-1.7pt)、純利益率28.9%(親会社株主帰属ベース、前年30.4%、-1.4pt)。 財務健全性: 自己資本比率48.6%(前年46.6%、+2.0pt)、流動比率198.0%(流動資産1,470.4億円/流動負債742.7億円)。 資本集約度: 総資産10兆8,042.4億円に対し固定資産が93,338.7億円(総資産の86.4%)を占め、建設仮勘定2兆4,681.1億円を含む鉄道インフラ資産への投資負担が構造的に大きい業種特性を反映している。
現金及び預金は3,492.5億円で、前期末3,456.9億円から+35.6億円増加した。建設仮勘定は2兆4,681.1億円(前期末比+268.6億円)に拡大し、中央新幹線関連を含む大型投資による資金需要が投資活動を通じて高水準で継続していることを示唆する。長期借入金4,356.9億円、社債6,995.9億円はいずれもほぼ横ばいで推移し、財務活動を通じた調達構造は安定的である。現金残高の積み増しと有利子負債の安定は、投資超過局面においても資金繰りに余裕があることを示す。現金創出評価: 標準
経常利益2,085.5億円は営業利益2,191.7億円に営業外収支(-106.1億円)を反映した値で、営業外収益は99.9億円(売上高比2.0%)、営業外費用は206.0億円(支払利息117.5億円が中心)である。特別損益は特別利益3.4億円・特別損失10.5億円といずれも僅少で、経常的な収益力を歪める要因は限定的である。税引前利益2,078.4億円に対し法人税等634.8億円(実効税率相当30.5%)が控除され、親会社株主に帰属する純利益は1,426.6億円となった。経常利益と純利益(親会社株主帰属ベース)の乖離幅は約31.6%と大きいが、これは税負担(防衛特別法人税の適用開始を含む)及び非支配株主帰属損益(17.0億円)によるもので、一時的要因によるものではない。包括利益は1,502.4億円と連結純利益1,443.6億円を上回り、有価証券評価差額金+82.8億円が押し上げに寄与した一方、退職給付に係る調整額は-24.3億円とマイナス寄与した。
通期予想に対する進捗率は、売上高24.7%(標準進捗25%とほぼ同水準)に対し、営業利益31.2%、経常利益31.9%、純利益(親会社株主帰属ベース)31.9%といずれも標準を6pt以上上回るペースで、利益の進捗が前倒しとなっている。当第1四半期時点で業績予想・配当予想の修正はいずれも実施されていない。通期営業利益予想7,020.0億円は前期比-15.4%の減益計画であり、当第1四半期(同-0.9%)対比で下期以降のコスト増加・投資負担拡大を織り込んだ計画とみられる。
会社は当期の通期配当予想を1株当たり32.00円としており、当第1四半期において配当予想の修正は行われていない。予想EPS470.05円に基づく配当性向は約6.8%で、現金及び預金3,492.5億円、自己資本比率48.6%という財務基盤を踏まえると、大型投資を継続しながらも配当負担は小さい水準にある。自己株式は発行済株式数1,001,177千株の5.1%にあたる51,117千株で、株主還元は配当を中心とした構成である。
【短期】労務費・修繕費など営業費増加の推移、及び通期営業利益予想(7,020.0億円、前期比-15.4%)に対する進捗率の変化が短期的な注目点となる。
【長期】中央新幹線関連を含む建設仮勘定2兆4,681.1億円の大型投資動向と、資産化後の減価償却負担・稼働率が中長期の収益構造を左右する。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 44.5% | 7.1% (2.3%–8.5%) | +37.4pt |
| 純利益率 | 29.3% | 4.9% (0.7%–5.9%) | +24.4pt |
営業利益率・純利益率とも業種中央値を大幅に上回り、業種内で最上位水準に位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 3.0% | 4.1% (3.3%–11.2%) | -1.1pt |
売上成長率は業種中央値をやや下回り、成長性は業種内で中位水準にとどまる。
※出所: 当社集計
コストインフレリスク: 修繕費が労務単価上昇により増加し、営業利益率は44.5%と前年46.2%から-1.7pt低下した。人件費・保全費の上昇が続く場合、営業レバレッジの逆回転が継続する可能性がある。
需要反落リスク: 前年度は大阪・関西万博開催による特需があり、その反落が運輸業のセグメント営業利益を-2.4%押し下げた要因の一つである。一過性の押し上げ効果剥落後の実力ベースの需要動向を見極める必要がある。
税負担増加リスク: 防衛特別法人税の適用開始により法人税等が増加し、税引前利益2,078.4億円に対し法人税等634.8億円(実効税率約30.5%)となった。制度要因による税負担増が純利益の伸びを圧迫する構造は当面継続する見込みである。
営業利益率は44.5%と前年46.2%から低下したものの、業種中央値7.1%を大幅に上回る水準を維持しており、収益構造の相対的な強さは変わっていない。
通期進捗率は営業利益31.2%・経常利益31.9%と標準(25%)を上回るペースで、上期に利益が前倒しで積み上がっている点は、下期のコスト増加局面での計画達成力を評価する上での参考材料となる。
配当性向は約6.8%と低水準にとどまり、大型投資(建設仮勘定2兆4,681.1億円)を継続しながら安定配当を維持できる財務余力の大きさを示している。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 5,505円 |
| base(基準) | 5,588円 |
| bull(強気) | 5,679円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 5,530円 |
| 調整後予想EPS | 498.0円 |
| 株主資本コスト r | 8.65%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 6.8% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.060(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.01倍 / 11.2倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 5,425円〜5,759円、ω±0.1で 5,587円〜5,590円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。