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90032027 第1四半期プライムJGAAP

相鉄ホールディングス(9003) 2027年度第1四半期決算

2027年度第1四半期の売上高は787.9億円(前年同期比+4.9%)、営業利益は119.4億円(同+7.5%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

運輸・物流/陸運業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥787.9億¥750.8億+4.9%
営業利益¥119.4億¥111.0億+7.5%
経常利益¥111.0億¥102.4億+8.4%
純利益¥81.4億¥73.5億+10.7%
ROE3.9%3.6%-

Executive Summary

2027年3月期第1四半期は、不動産・ホテル事業の高採算がけん引し増収増益となった。売上高は787.9億円(前年750.8億円、YoY+4.9%)、営業利益は119.4億円(前年111.1億円、YoY+7.5%)、経常利益は111.0億円(前年102.4億円、YoY+8.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は81.4億円(前年73.5億円、YoY+10.7%)といずれも増益を確保した。営業利益率は15.1%と前年から改善し、増収幅を上回る利益成長で営業レバレッジが効いた形である。一方、流通事業が営業損益ベースで赤字に転じており、セグメント間の収益性格差が拡大している点が特徴である。

業績変動要因

【売上高】売上高787.9億円は前年比+4.9%。セグメント別では不動産(187.6億円、構成比23.8%、YoY+11.7%)が最大の伸び率を示し、その他事業(56.8億円、+12.3%)も高い伸びとなった。ホテル(188.7億円、+2.3%)、運輸(114.8億円、+2.8%)、流通(240.0億円、+1.7%、売上構成比では最大の30.5%)は前年並みの増収にとどまった。

【損益】営業利益119.4億円(YoY+7.5%)の増益は、収益性の高い不動産(利益率26.7%)とホテル(同23.4%)の増収がけん引した結果である。不動産セグメントは売上+11.7%に対し営業利益+31.9%と増収を上回る増益となり、全社の利益率改善に寄与した。一方、流通は売上+1.7%の増収にもかかわらず営業損益が-1.4億円と赤字に転じ、運輸・その他事業の営業利益もそれぞれ-6.9%、-24.8%と減益となった。営業外では支払利息12.2億円(前年9.6億円)の増加が経常利益の伸び(+8.4%)を営業利益の伸び(+7.5%)対比で圧縮する方向に働いたが、特別損益はほぼ相殺(特別利益0.9億円、特別損失0.9億円)で一時的要因の影響は限定的である。以上より、当四半期は増収増益に分類される。

セグメント別分析

不動産事業は売上187.6億円(YoY+11.7%)、営業利益50.0億円(YoY+31.9%)、利益率26.7%と全セグメント中最高収益率を維持し、増収増益の中核を担った。ホテル事業は売上188.7億円(YoY+2.3%)と最大の売上規模を持つが、営業利益は44.1億円(YoY-3.0%)とわずかに減益、利益率23.4%は高水準を保つものの前年からの改善余地がある。運輸事業は売上114.8億円(YoY+2.8%)に対し営業利益20.1億円(YoY-6.9%)と減益、利益率17.5%は3番目の水準となった。流通事業は売上240.0億円(YoY+1.7%)と最大の売上構成比を持つが、営業損益は-1.4億円と前年同期の黒字(0.3億円弱)から赤字転化しており、全社利益率を押し下げる要因となっている。その他事業(ビルメンテナンス等)は売上56.8億円(YoY+12.3%)と高い伸びを示したが、営業利益は6.7億円(YoY-24.8%)と減益であった。セグミックスは不動産・ホテルへの利益集中度が高まる一方、流通の収益性悪化が全社ポートフォリオの課題として顕在化している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は15.1%(前年14.8%程度)、純利益率は10.3%(前年9.8%)といずれも改善しており、高採算の不動産・ホテル事業の売上構成比上昇が寄与している。ROEは3.9%で、純利益率の改善が寄与する一方、総資産回転率の低さと自己資本比率26.2%という資本構成が水準を抑制している。【キャッシュ品質】売掛金は144.5億円(前年209.5億円)、買掛金は70.2億円(前年95.3億円)へといずれも縮小し、運転資本は圧縮方向にある。棚卸資産は969.0億円で総資産の12.1%を占め、在庫水準は高めである。【投資効率】有形固定資産5,446.4億円が総資産の68.1%を占める装置産業型の資産構成であり、当四半期の税引前利益ベースの資産効率は限定的である。【財務健全性】自己資本比率は26.2%(前年25.0%)とわずかに改善した。流動比率は113.7%、棚卸資産を除いた当座比率は46.1%と短期流動性はタイトで、現金及び預金150.6億円に対し短期借入金717.3億円と、現金/短期借入比率は0.21倍にとどまる。有利子負債(長期借入金・社債・1年内償還社債・短期借入金・リース債務の合計)は約4,568億円で、純資産2,095.1億円に対する比率は約2.2倍と高水準である。営業利益ベースのインタレストカバレッジは約9.8倍(営業利益119.4億円÷支払利息12.2億円)であり、現時点での利払い負担の耐性は確保されている。

キャッシュフロー分析

現金及び預金は150.6億円で前年同期の181.4億円から30.8億円減少した。売掛金は144.5億円(前年209.5億円)、買掛金は70.2億円(前年95.3億円)へといずれも減少し、運転資本圧縮の方向にあるが、これは主に売上債権の回収進捗と支払サイトの短縮が相殺し合った結果とみられる。棚卸資産も969.0億円(前年995.5億円)へ小幅減少している。資金調達面では、短期借入金が717.3億円(前年672.4億円)へ増加した一方、長期借入金は1,943.8億円(前年1,983.6億円)、社債は1,600.0億円(前年1,750.0億円)へといずれも減少しており、長期債務の圧縮と短期資金への一部シフトが観察される。未払法人税等も37.3億円(前年79.0億円)へ大幅に減少しており、納税タイミングの影響で短期負債が軽減された形である。

収益の質

当四半期の利益は営業活動由来が中心であり、営業外収益は4.0億円(受取配当金1.6億円、為替差益0.5億円等)で売上高比0.5%程度と規模は小さい。特別利益0.9億円(固定資産売却益0.4億円等)と特別損失0.9億円(固定資産除却損等)はほぼ相殺され、一時的要因の純効果は軽微であり、営業利益から純利益に至る過程は概ね経常的な項目で説明できる。経常利益111.0億円と税引前利益111.0億円との差はわずかで、純利益81.4億円との差は法人税等29.6億円(実効税率26.7%)によるものである。一方、包括利益は100.0億円と純利益81.4億円を18.6億円上回っており、この乖離は主に有価証券評価差額金+24.3億円(その他有価証券の含み益拡大)によるもので、退職給付に係る調整額-4.5億円が一部相殺している。支払利息は12.2億円(前年9.6億円)と増加しており、金利負担の増勢は今後の利益の質に対する留意点である。

業績予想・ガイダンス

通期計画(売上高3,213.0億円、営業利益370.0億円、経常利益327.0億円、純利益221.0億円)に対する第1四半期の進捗率は、売上高24.5%、営業利益32.3%、経常利益33.9%、純利益36.8%となった。単純進捗の目安である25%と比較すると、営業利益・経常利益・純利益はいずれもこれを上回っており、特に純利益は+11.8ptの前倒しとなっている。これは不動産・ホテル事業の高採算による収益貢献が上期に厚く出ている可能性を示唆する。なお、通期計画は前年比で営業利益-4.7%、経常利益-8.4%の減益を見込んでおり、第1四半期の増益基調とは方向性が異なる点には留意が必要である。当四半期において業績予想・配当予想の修正は行われていない。

株主還元

年間配当予想は1株35円で、前年実績30円から増配となっている。予想EPS230.28円に対する配当性向は35円÷230.28円で15.2%となり、保守的な水準にある。配当総額ベースでも、予想純利益221.0億円に対する配当性向は概ね同水準の15.2%と算出され、指標間の整合はとれている。高い財務レバレッジの下でも、現時点の配当性向の低さは内部留保を通じた財務基盤維持と両立し得る水準である。

リスク要因

  1. 流通セグメントの収益性悪化: 流通事業は売上240.0億円(YoY+1.7%)の増収にもかかわらず、営業損益は-1.4億円と前年から赤字に転じた。全セグメント中最大の売上構成比(30.5%)を持つだけに、収益性の改善動向が全社利益率に与える影響は大きい。

  2. 財務レバレッジと金利負担の増加: 有利子負債は約4,568億円で純資産2,095.1億円に対し約2.2倍の水準にあり、支払利息は12.2億円と前年の9.6億円から増加している。自己資本比率は26.2%とわずかに改善しているものの、金利環境が変化した場合の利払い負担の増減幅には注意を要する。

  3. 短期流動性とリファイナンス構造: 現金及び預金150.6億円に対し短期借入金は717.3億円と、現金/短期借入比率は0.21倍にとどまる。棚卸資産を除いた当座比率も46.1%とタイトであり、短期資金繰りは短期借入への依存度が相対的に高い構造にある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率15.1%7.1% (2.3%–8.5%)+8.1pt
純利益率10.3%4.9% (0.7%–5.9%)+5.4pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を大きく上回り、収益性は業種内で上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)4.9%4.1% (3.3%–11.2%)+0.8pt

売上高成長率は業種中央値をわずかに上回るが、IQR上限(11.2%)との比較では相対的に緩やかな伸びにとどまる。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 不動産・ホテル事業の高採算(利益率26.7%、23.4%)が全社の営業利益率改善(15.1%)をけん引しており、セグメントミックスの変化が収益性向上の主因となっている。

  2. 通期計画に対する純利益進捗率は36.8%と、単純進捗25%を大きく上回る前倒しとなった。ただし通期会社計画自体は前年比減益(営業利益-4.7%、経常利益-8.4%)を見込んでおり、上期と下期での業績パターンの違いに留意した確認が有用である。

  3. 流通セグメントの営業損益赤字転化と、有利子負債対純資産比率約2.2倍という財務レバレッジの高さは、今後の決算データで継続的に確認すべき構造的な変化点である。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,274円
base(基準)2,344円
bull(強気)2,360円
算出前提
1株純資産(BPS)2,183円
調整後予想EPS253.3円
株主資本コスト r9.15%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向15.2%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER1.07倍 / 9.3倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,276円〜2,414円、ω±0.1で 2,340円〜2,350円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(37%)が標準(25%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。