- 売上高: 2,810.16億円
- 営業利益: 1,028.46億円
- 当期純利益: 851.61億円
- 1株当たり当期純利益: 92.20円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 2,810.16億円 | 2,933.04億円 | -4.2% |
| 売上総利益 | 1,200.83億円 | 1,196.49億円 | +0.4% |
| 販管費 | 172.36億円 | 178.56億円 | -3.5% |
| 営業利益 | 1,028.46億円 | 1,017.92億円 | +1.0% |
| 営業外収益 | 143.95億円 | 100.65億円 | +43.0% |
| 営業外費用 | 85.07億円 | 66.12億円 | +28.7% |
| 経常利益 | 1,087.35億円 | 1,052.44億円 | +3.3% |
| 税引前利益 | 1,241.16億円 | 1,057.05億円 | +17.4% |
| 法人税等 | 389.55億円 | 319.29億円 | +22.0% |
| 当期純利益 | 851.61億円 | 737.76億円 | +15.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 851.61億円 | 737.76億円 | +15.4% |
| 包括利益 | 1,116.24億円 | 987.81億円 | +13.0% |
| 支払利息 | 82.06億円 | 64.12億円 | +28.0% |
| 1株当たり当期純利益 | 92.20円 | 78.95円 | +16.8% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 12,264.49億円 | 12,270.86億円 | -6.37億円 |
| 現金預金 | 592.31億円 | 591.72億円 | +59百万円 |
| 固定資産 | 60,156.69億円 | 59,586.04億円 | +570.65億円 |
| 有形固定資産 | 45,845.43億円 | 45,817.95億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 30.3% |
| 粗利益率 | 42.7% |
| 流動比率 | 137.0% |
| 当座比率 | 137.0% |
| 負債資本倍率 | 1.83倍 |
| インタレストカバレッジ | 12.53倍 |
| 実効税率 | 31.4% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -4.2% |
| 営業利益前年同期比 | +1.0% |
| 経常利益前年同期比 | +3.3% |
| 税引前利益前年同期比 | +17.4% |
| 当期純利益前年同期比 | +15.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +15.4% |
| 包括利益前年同期比 | +13.0% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 936.00百万株 |
| 自己株式数 | 12.35百万株 |
| 期中平均株式数 | 923.63百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,771.81円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Housing | 186.12億円 | -40.33億円 |
| RealEstateLeasing | 1,211.87億円 | 581.28億円 |
| RealEstateSelling | 1,225.33億円 | 489.41億円 |
| Step | 161.04億円 | 46.17億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 10,700.00億円 |
| 営業利益予想 | 3,200.00億円 |
| 経常利益予想 | 3,000.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 2,230.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 239.67円 |
| 1株当たり配当金予想 | 52.00円 |
2027年度Q1の住友不動産は、売上減少下でも高粗利案件と賃貸の増益で営業増益を確保し、純利益は二桁増と力強い出足。売上高は2,810.16億円で前年比-4.2%だが、営業利益は1,028.46億円で+1.0%、経常利益は1,087.35億円で+3.3%。純利益は851.61億円で+15.4%と伸長し、特別利益160.61億円(主に投資有価証券売却益159.73億円)が下支え。粗利益率は42.7%で前年から+190bp改善、営業利益率も36.6%と前年の34.7%から+190bp拡大。純利益率は30.3%と前年の25.1%から+520bp改善し、収益構造が一段と高付加価値化。販管費率は6.13%で前年6.09%から+4bpと横ばい圏、トップライン逆風下でもコストコントロールは良好。営業外では受取利息・配当金142.78億円が増加し、支払利息82.06億円を十分にカバー、インタレストカバレッジは12.53倍と強固。バランスシートは総資産7.24兆円、純資産2.56兆円で自己資本比率35.4%、長期借入金中心(有利子負債3.04兆円、Debt/Capital 54.3%)の安定調達構造。流動比率137%で短期資金の安全域を確保し、短期負債比率0.7%・現金/短期負債2.99倍と満期ミスマッチは限定的。セグメントは不動産賃貸が売上+7.5%、営利+9.8%で牽引し、販売は減収・小幅減益も高マージンを維持、ハウジングは赤字縮小、ステップは減益。通期進捗は売上26.3%と概ね水準並みだが、営業利益32.1%、経常36.2%、純利益38.2%と前倒しで、賃貸の増益と一時益の寄与が背景。ROEは3.3%(四半期ベース)で、純利益率改善にもかかわらず総資産回転率0.039と資産回転の低さが資本効率の重石。特別利益の寄与が大きく、経常的利益との峻別が必要。今後は賃貸の稼働・賃料改定の進ちょく、販売引渡しの季節性、金利動向が利益の質と持続性を左右。投資有価証券の評価・売却益依存度にも留意が必要。総じて、賃貸の堅調さとコスト管理で利益体質は改善、一方で資本効率の底上げ(回転率の改善・資産ポートフォリオ最適化)が中期課題。
ROE=純利益率(30.3%)×総資産回転率(0.039)×財務レバレッジ(2.83)=約3.3%と分解され、今期の改善寄与が最も大きいのは純利益率の上昇。純利益率は+520bp改善(特別利益増と営業利益率+190bpが牽引)、総資産回転率は売上減少で低位横ばい、レバレッジは大きな変化なし。ビジネス上の背景は、賃貸セグメントの増収・高マージン化と販売での採算性向上により粗利率が上昇、販管費は抑制的で営業レバレッジが効いたこと、加えて受取配当金の増加と投資有価証券売却益の計上。純利益率の改善のうち、営業改善は持続性が見込める一方、特別利益の寄与は一時的。懸念すべきは資産回転率0.039の低さで、巨額の賃貸資産を背景に売上の伸びが相対的に鈍く、ROE拡大のボトルネックとなっている。費用面では販管費成長率(-3.5%程度)は売上成長率(-4.2%)より緩やかで悪化兆候は限定的だが、金利上昇局面では支払利息の増勢が営業改善を相殺するリスクがある。
売上は-4.2%と調整局面だが、セグメントミックス改善(賃貸比率上昇)で利益は増加。賃貸は売上+7.5%・営利+9.8%と牽引、販売は-11.0%・営利-3.4%も39.9%の高マージンを維持。粗利率+190bp、営業利益率+190bpとマージン再拡大のトレンドが確認できる。営業外収益の増加と特別利益の計上により最終利益は大幅増で、今期の利益の質は「営業改善+一時益」の混合。通期進捗は売上26.3%で季節性範囲内、利益は営業32.1%・純利益38.2%と前倒し。賃貸の稼働・賃料改定、販売の引渡し計画が計画通り進めば上振れ余地がある一方、特別利益は通期反復を前提にしないのが妥当。資本効率の観点では、総資産回転率の改善(非中核資産の圧縮・資産入替)が中期的なEPS成長を左右する。
流動比率137%・当座比率137%で短期流動性は良好。D/Eは1.83倍、Debt/Capital 54.3%とやや高めだが、長期借入金中心(長期借入金3.02兆円、社債1.8千億円)で満期構成は安定。短期負債比率0.7%に加え、現金/短期負債2.99倍で満期ミスマッチリスクは低位。インタレストカバレッジ12.53倍と金利耐性は十分。繰延税金負債が1,499.98億円と増加しており、含み益計上資産(投資有価証券等)の市況変動リスクには注意。オフバランスの大型債務の示唆は確認されず、総じて財務安全性は許容範囲。
総資産: +564.3億円(+0.8%)- 投資有価証券や建設仮勘定の増加が寄与。資産積上げにより回転率は低位維持。純資産: +894.8億円(+3.6%)- 当期純利益とその他包括利益(評価差額金の増加)計上による増加。社債: -300.0億円(-14.3%)- 償還進捗により負債の満期構成が改善。流動負債: -391.6億円(-4.2%)- 短期負債の圧縮で流動性指標が改善。
営業利益増と受取配当金の積み上がり、支払利息のコントロールにより、金利費用は十分にカバーされている(インタレストカバレッジ12.53倍)。一方、当期純利益は特別利益160.61億円の寄与を含むため、キャッシュ創出力の評価では経常的な営業キャッシュ創出(賃貸キャッシュフロー)に重心を置くべき。販売用不動産は5,335.86億円と総資産比約7.4%で在庫の積み上がり圧力は限定的、運転資本の突発的な悪化リスクは抑制されている。利払負担は増勢(支払利息82.06億円、前年比+28%)であり、金利上昇がキャッシュコンバージョンの逆風となる点はモニターが必要。
会社計画の年間DPSは52円、期初予想EPS239.67円に対する配当性向は約21.7%と保守的。今期Q1の純利益は851.61億円と早期進捗で、利益ベースの分配余力は十分。長期・安定賃貸キャッシュフローに支えられるうえ、負債の長期化で配当原資の安定性は高い。金利上昇や販売の引渡しタイミングずれがあっても、現状の配当性向水準であれば持続可能性は高いと評価する。
ビジネスリスクとして、不動産市況サイクルによる賃料改定・稼働率の変動(賃貸の利益寄与が大きいため感応度が高い)、分譲引渡しタイミングの偏在による売上・利益の季節性とボラティリティ、建設コストインフレによる開発採算の圧迫(原材料・人件費上昇)、投資有価証券の評価・売却益依存度上昇に伴う収益のブレ拡大が挙げられます。
財務リスクとしては、金利上昇による支払利息の増加(支払利息82.06億円、前年比増)、レバレッジ水準の相対的高さ(Debt/Capital 54.3%、D/E 1.83倍)、含み益の縮小に伴う繰延税金負債評価の変動リスク(繰延税金負債1,499.98億円)が挙げられます。
主な懸念事項としては、ROIC 1.3%と資本効率が低位で、総資産回転率0.039がROE拡大のボトルネック、Q1純利益の進捗が高い一方で特別利益160.61億円の一時性が通期の見通し評価を難しくする、金利環境の変化がキャッシュ創出と投資余力に与える影響が挙げられます。
重要ポイントとして、売上減少下でも粗利率・営業利益率がともに+190bp改善、賃貸の牽引で利益体質は強化、純利益は+15.4%と大幅増だが、特別利益160.61億円の一時性を織り込む必要、財務は長期負債中心で安定、インタレストカバレッジ12.53倍と金利耐性は現時点十分、ROIC 1.3%・総資産回転率0.039と資本効率が課題、資産入替・非中核圧縮がテーマ、通期進捗は利益が前倒し、経常ベースの持続性が確認できれば上振れ余地が挙げられます。
注視すべき指標は、賃貸の稼働率・賃料改定率とテナント更新動向、販売引渡し計画の消化率(四半期進捗)、支払利息の伸び率と平均調達コスト、投資有価証券の評価・売却方針(特別利益の再現性)、総資産回転率と資産入替(売却)額です。
セクター内ポジションについては、大手デベロッパー内で、賃貸ポートフォリオの規模と高マージンが強み。資本効率(ROIC・回転率)は同業上位に比べ劣後しやすく、金利上昇局面の耐性は中庸〜良好。配当は保守的で下方耐性が高い。