| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥51.0億 | ¥50.1億 | +1.7% |
| 営業利益 | ¥16.3億 | ¥14.8億 | +10.2% |
| 経常利益 | ¥17.4億 | ¥15.4億 | +12.6% |
| 純利益 | ¥12.1億 | ¥10.7億 | +12.5% |
| ROE | 1.4% | 1.3% | - |
2027年3月期第1四半期は増収増益となり、特に営業利益率の改善と投資収益の増加が経常段階の伸びを牽引した。売上高は51.0億円(前年同期比+1.7%)、営業利益は16.3億円(同+10.2%)、経常利益は17.4億円(同+12.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は12.1億円(同+12.5%)といずれも前年同期を上回った。営業利益率は31.9%で前年同期の29.5%から改善し、粗利率上昇と販管費抑制が寄与した。経常利益の伸びが営業利益の伸びを上回った背景には、受取配当金2.6億円を含む営業外収益の増加がある。
【売上高】当社は土地建物賃貸事業の単一セグメントであり、事業別内訳の開示はない。売上高は51.0億円で前年同期比+1.7%の増収となり、賃貸収入が安定的に推移したことが背景とみられる。大幅な変動要因は確認されない。
【損益】営業利益16.3億円(+10.2%)は、売上原価が30.1億円(前年比▲1.0%)に減少し粗利率が41.0%(前年39.5%)へ改善したことが主因。販管費も4.6億円(▲7.6%)に減り、販管費率は9.1%(前年10.0%)へ低下した。経常利益17.4億円(+12.6%)は営業利益の伸びに加え、受取配当金2.6億円を含む営業外収益3.5億円の増加が押し上げた一方、支払利息は前年0.7億円から1.2億円へ増加し金利負担は拡大した。特別損益は特別利益0.04億円のみでほぼ発生しておらず、一時的要因の影響は軽微。親会社株主に帰属する当期純利益12.1億円(+12.5%)は経常利益の伸びとほぼ整合的で、実効税率も30.8%(前年30.3%)とおおむね平常水準。総じて増収増益。
【収益性】営業利益率31.9%(前年同期29.5%)、純利益率23.7%(前年同期21.4%)でともに改善しており、コスト効率化と賃貸収益の底堅さを反映している。【キャッシュ品質】包括利益は40.2億円で純利益12.1億円を大幅に上回り、差額28.1億円は投資有価証券評価差額金+17.3億円、土地再評価差額金+9.0億円、為替換算調整+1.7億円など市況連動的なその他包括利益の増加によるもので、実現利益とは性質が異なる。【投資効率】ROE(四半期実績ベース、年率換算前)は1.4%で、総資産1860.3億円に対する売上・利益水準からみて資産効率は限定的であり、資産重厚な賃貸不動産事業の構造的特徴を反映している。【財務健全性】自己資本比率は45.4%(前年43.8%)へ改善した一方、有利子負債は845.8億円(短期借入金83.3億円、長期借入金262.5億円、社債500.0億円)で自己資本844.6億円とほぼ同水準にある。流動比率は107.9%、インタレストカバレッジは13.35倍で、利払い負担への耐性は一定水準確保されている。
現金及び預金は108.9億円で前年同期比▲60.2億円(▲35.6%)減少した一方、投資有価証券は412.3億円で前年同期比+12.2%増加し、有形固定資産も1299.1億円で+1.2%増加している。負債面では短期借入金が83.3億円(前年70.4億円、+18.4%)へ増加した一方、長期借入金は262.5億円(前年283.8億円、▲7.5%)へ減少し、社債は500.0億円で横ばいとなった。これらの動きから、長期借入の返済を進めつつ短期資金への一部シフトが生じ、現金を圧縮して投資有価証券や固定資産へ資金を配分した可能性が示唆される。手元流動性は流動比率107.9%、現金対短期借入金1.31倍と一定水準を維持しているが、現金残高の減少幅は資金動向として注視される。
特別損益は特別利益0.04億円のみでほぼ発生しておらず、経常利益と当期純利益の連動性は高い。ただし経常利益17.4億円の一部は、受取配当金2.6億円(売上高比5.2%)や投資事業組合運用益0.5億円など、賃貸事業本来の収益力(営業利益16.3億円)とは異なる投資性収益によって形成されている点に留意が必要である。包括利益40.2億円は純利益12.1億円を大幅に上回り、差額28.1億円の大半は投資有価証券評価差額金+17.3億円や土地再評価差額金の変動+9.0億円など市況連動的な評価性項目によるもので、当期の実現利益とは性質が異なるアクルーアル要素が大きい。したがって、賃貸事業の経常的収益と、配当金収入・有価証券評価といった市況感応度の高い項目とを区別して収益の持続性を評価する必要がある。
通期計画に対する進捗率は、売上高24.9%(51.0/205.0億円)、営業利益29.6%(16.3/55.0億円)、経常利益38.6%(17.4/45.0億円)、純利益17.2%(12.1/70.0億円)となった。営業利益・経常利益は四半期基準(25%)を上回るペースで進捗している一方、純利益は下回っており、下期の税負担や費用計上を織り込んでいる可能性がある。特に経常利益の進捗率の高さは、受取配当金などQ1に計上された営業外収益の寄与が大きく、通期では平準化する可能性がある。会社は当四半期に業績予想を修正しており、通期計画は前年比で売上高+1.2%、営業利益▲2.6%、経常利益▲19.7%と、経常段階で減益を見込む内容である。Q1実績の増益基調と通期計画の方向性が異なる点はモニタリングが必要。
通期配当予想は1株15円(株式分割後ベース)で、株式分割を考慮しない場合の年間配当金は60円00銭に相当する。当四半期の配当予想修正はない。予想EPS73.37円に対する配当性向は15円/73.37円で約20.4%となり、保守的な水準にとどまる。自己株式は発行済株式数97,622千株の約2.3%(2,218千株)を保有するにとどまり、当期における大規模な自社株買いの実施は確認されない。
賃貸市況リスク: 当社は土地建物賃貸事業の単一セグメントであり、賃料水準や稼働率の変動が業績に直接反映される事業構造にある。具体的な感応度は資料に記載がないため定量化はできないが、収益の大部分が単一事業に依存する点は構造的な留意事項である。
金利上昇リスク: 支払利息は前年同期0.7億円から1.2億円へ+69.4%増加した。有利子負債合計は845.8億円(社債500.0億円、長期借入金262.5億円、短期借入金83.3億円)で自己資本844.6億円とほぼ同水準にあり、金利上昇局面では利払い負担がさらに拡大しうる。ただしインタレストカバレッジは13.35倍で、現時点では一定の耐性を有する。
投資有価証券の市況感応度: 投資有価証券は412.3億円で総資産の22.2%を占め、前年同期比+12.2%増加した。評価差額金の変動(当期+17.3億円)は包括利益を通じて純資産に反映されるため、市況変動が財務指標に影響しやすい。加えて現金及び預金は前年同期比▲35.6%(▲60.2億円)減少しており、流動性バッファの推移も注視点となる。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 31.9% | 7.1% (1.9%–16.0%) | +24.9pt |
| 純利益率 | 23.7% | 4.4% (2.2%–10.8%) | +19.2pt |
営業利益率・純利益率ともに業種中央値を大幅に上回り、業種内でも高収益な部類に位置づけられる。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 1.7% | 4.5% (-12.6%–22.7%) | -2.7pt |
売上高成長率は業種中央値をやや下回り、成長性よりも収益性で優位に立つ構図がうかがえる。
※出所: 当社集計
営業利益率31.9%は前年同期29.5%から改善し、業種中央値7.1%を大幅に上回る(INDUSTRY_BENCHMARK参照)。粗利率改善と販管費抑制という構造的な収益性向上が確認できる。
経常利益の伸び(+12.6%)が営業利益の伸び(+10.2%)を上回った背景には受取配当金など投資収益の増加がある。一方で通期計画は経常利益が前年比▲19.7%となる見通しで、Q1実績の増益基調とは方向性が異なる点はモニタリングが必要。
現金及び預金が前年同期比▲35.6%(▲60.2億円)減少する一方、投資有価証券は+12.2%増加しており、資金配分の変化が進行している。有利子負債845.8億円は自己資本規模に匹敵する水準であり、財務レバレッジの推移が今後の注目点となる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 851円 |
| base(基準) | 864円 |
| bull(強気) | 874円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 885円 |
| 調整後予想EPS | 78.0円 |
| 株主資本コスト r | 9.65%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 20.4% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.062(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.98倍 / 11.1倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 839円〜889円、ω±0.1で 863円〜864円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。