| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1944.2億 | ¥2087.9億 | -6.9% |
| 営業利益 | ¥398.5億 | ¥340.3億 | +17.1% |
| 経常利益 | ¥314.1億 | ¥279.1億 | +12.5% |
| 純利益 | ¥237.2億 | ¥209.7億 | +13.1% |
| ROE | 3.8% | 3.5% | - |
東京建物の2026年12月期第2四半期は、住宅事業の引渡減少による減収の一方、ビル事業の拡大と高マージン化、加えて特別利益の計上により増益を確保した決算である。売上高は1,944.2億円(前年比-6.9%)、営業利益は398.5億円(同+17.1%)、経常利益は314.1億円(同+12.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は233.6億円(同+13.7%)となった。ビル事業が売上・利益の伸長を牽引した一方、住宅事業の落ち込みと支払利息の増加が上振れを一部相殺している。
【売上高】減収の主因は住宅事業の引渡減少で、同事業売上は384.4億円と前年比-62.5%となった。一方でビル事業は売上1,182.5億円(同+61.7%)と大幅増収し、全社売上の60.8%を占めるに至った。アセットサービス事業も268.6億円(同+22.9%)と伸長しており、収益構成は住宅から賃貸・アセットマネジメント領域へシフトしている。
【損益】営業利益率は20.5%となり、前年16.3%から4.2pt改善した。改善の主因はビル事業の営業利益が401.3億円(同+122.7%、利益率33.9%)と大幅増益となったことで、住宅事業の営業利益29.7億円(同-83.2%)の落ち込みを補って余りある結果となった。経常利益は営業利益ほど伸びておらず、支払利息が91.3億円(前年58.6億円から+55.9%)に増加したことが営業外費用を押し上げた。特別利益57.0億円(投資有価証券売却益32.0億円、固定資産売却益24.5億円)を特別損失11.0億円が下回り、税引前利益を押し上げている。全体としては減収増益であり、増益の内訳はビル事業の構造的なマージン改善と一時的な資産売却益の双方に支えられている。
ビル事業が売上1,182.5億円(構成比60.8%、前年比+61.7%)、営業利益401.3億円(同+122.7%、利益率33.9%)と全社利益の中核を担う。住宅事業は売上384.4億円(同-62.5%)、営業利益29.7億円(同-83.2%、利益率7.7%)と大幅に縮小し、引渡計上時期の影響で四半期変動が大きい。アセットサービス事業は売上268.6億円(同+22.9%)、営業利益38.6億円(同+9.7%、利益率14.4%)と安定成長を維持している。その他事業は売上108.7億円(同-3.4%)、営業利益2.6億円(同-67.4%)と縮小した。セグミックスはビル事業への集中度が高まっており、全社マージン改善の主因である一方、オフィス・商業用不動産市況への感応度は相対的に高まっていると解釈できる。
【収益性】営業利益率は20.5%で前年16.3%から4.2pt改善、純利益率(親会社株主に帰属する当期純利益ベース)は12.0%で前年9.8%から2.2pt改善した。両指標の改善はビル事業の高マージン化による収益ミックスの変化を反映している。【キャッシュ品質】現金及び預金は942.8億円で前期末比580.1億円減少し、在庫(販売用不動産・仕掛販売用不動産合計)は7,206.6億円と前期末比17.7%増加しており、利益計上に対して現預金の裏付けは相対的に弱含んでいる。【投資効率】ROE(親会社株主帰属当期純利益ベース)は3.8%で前期3.5%から0.3pt改善、BPSは2,929.73円で前期2,846.85円から2.9%増加した。総資産回転率は中間期ベースで7.9%と低水準にとどまり、資産規模の拡大が回転率の重石となっている。【財務健全性】自己資本比率は25.0%で前期26.0%から1.0pt低下した。有利子負債は1兆5,350.8億円で前期末比14.2%増加し、総資産に対する比率は62.0%(前期59.1%から2.9pt上昇)となった。営業利益に対する支払利息のカバー倍率(インタレストカバレッジ)は4.36倍で、前期の5.81倍から低下しており、支払利息の増加ペースが営業利益の伸びを上回っている点はモニタリングが必要な項目である。
キャッシュフロー計算書の開示はないが、貸借対照表の増減からは投資・在庫の積み増しが資金流出の主因であることが読み取れる。土地は925.1億円、建物及び構築物は608.9億円それぞれ増加し、開発・保有資産の拡充が進んだ。同時に販売用不動産が661.9億円、仕掛販売用不動産が423.5億円増加しており、開発パイプラインの積み上がりが在庫として顕在化している。これらの資産取得・在庫積み増しに対応する形で現金及び預金は580.1億円減少し、短期借入金は171.1億円増加しており、外部調達で資金需要を補う構図となっている。この動きは、当期の利益成長が投資・在庫の先行投下を伴っており、在庫が売上・現金へ転換する下期以降の進捗が資金繰り面での焦点となることを示している。
経常的な収益改善はビル事業の高マージン化が主因であり、営業外収益は受取配当金24.0億円を中心に33.4億円にとどまる一方、営業外費用は支払利息91.3億円を中心に117.8億円に達し、営業外収支は差引84.4億円のマイナスとなっている。特別利益57.0億円(投資有価証券売却益32.0億円、固定資産売却益24.5億円)は特別損失11.0億円を大きく上回り、税引前利益360.2億円のうち特別損益差引の押し上げ効果は46.0億円に相当し、一時的要因として区別する必要がある。包括利益は295.4億円(親会社株主分292.2億円)で、為替換算調整額47.1億円の寄与により親会社株主に帰属する当期純利益233.6億円を58.6億円上回っており、この差異は本業の経常的な収益力を示すものではない点に留意が必要である。在庫積み増しと現金減少の組み合わせは、当期利益計上に対する現預金の裏付けが相対的に弱いことを示唆している。
通期計画に対する進捗率は、売上高37.1%、営業利益37.8%、経常利益37.6%、純利益(親会社株主帰属ベース)35.9%といずれも期中標準の50%を10ポイント以上下回っている。この背景には住宅事業の引渡が下期に集中する計画や、上期に積み増した在庫・資産の下期以降の売上転化が織り込まれている可能性が考えられる。会社は当四半期に業績予想および配当予想の修正を行っており、通期計画は営業利益+10.2%、経常利益+6.8%の増益を見込む内容となっている。下期における住宅事業の引渡実行とビル事業の高採算維持が、通期計画達成の前提として位置づけられる。
中間配当は1株当たり61円で、前年同期の48円から13円増配された。通期配当予想は126円で、会社予想EPS313.54円に基づく配当性向は40.2%となる。当四半期には配当予想の修正が行われており、期末配当は差し引き65円が想定される計算となる。自己株式は前期末比15.3億円増加しており、配当に加えた株主還元の継続が示唆される。自己資本比率25.0%、流動資産8,901.2億円に対し流動負債2,444.0億円と短期の支払余力は厚く、当面の配当実行に大きな制約は見られない。
セグメント集中リスク: ビル事業が売上高の60.8%、営業利益の大宗を占めており、オフィス・商業用不動産市況の変動に対する業績感応度が相対的に高い。
財務レバレッジと金利負担: 有利子負債は1兆5,350.8億円(総資産比62.0%)で前期末比14.2%増加した。営業利益に対する支払利息のカバー倍率は4.36倍で前期の5.81倍から低下しており、金利上昇局面での利益圧迫余地がある。
在庫積み増しと住宅事業の変動性: 販売用不動産・仕掛販売用不動産の合計は7,206.6億円で前期末比17.7%増加し、住宅事業の売上は-62.5%と大幅に減少した。在庫の売上転化が下期に後ろ倒しになった場合、資金拘束が長期化するリスクがある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 20.5% | – | – |
| 純利益率 | 12.2% | – | – |
自社の営業利益率20.5%はビル事業の高マージン化を反映した水準であり、業種内での相対評価は中央値データの拡充後に精査が必要である。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -6.9% | – | – |
売上高は前年比減収だが、これは住宅事業の引渡計上タイミングによる影響が大きく、利益率の改善と併せて評価する必要がある。
※出所: 当社集計
ビル事業の営業利益率が33.9%まで高まり、収益ミックスの改善が全社の営業利益率を4.2pt押し上げた。この構造変化が一過性か継続的なマージン改善かは、次期以降のビル事業の稼働状況・賃料改定動向の確認が重要となる。
税引前利益360.2億円のうち特別損益差引は46.0億円のプラス寄与であり、当期増益の一部は投資有価証券・固定資産の売却による一時的要因に依存している。
通期計画に対する進捗率は売上高37.1%、純利益35.9%と下期偏重であり、在庫として積み増された販売用・仕掛販売用不動産(合計7,206.6億円)の売上転化と住宅事業引渡の実行状況が、通期計画達成の確認ポイントとなる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 3,049円 |
| base(基準) | 3,106円 |
| bull(強気) | 3,153円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 2,930円 |
| 調整後予想EPS | 333.1円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 40.2% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.062(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.06倍 / 9.3倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 3,020円〜3,197円、ω±0.1で 3,102円〜3,113円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。