記事一覧に戻る
87662027 第1四半期プライムIFRS

東京海上ホールディングス株式会社 2027年度 第1四半期 決算

東京海上ホールディングス株式会社の2027年度第1四半期決算レポート

金融(除く銀行)/保険業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高---
営業利益---
税引前利益¥3781.7億¥3391.9億+11.5%
純利益¥2868.9億¥2666.8億+7.6%
ROE3.4%3.3%-

Executive Summary

2027年3月期第1四半期は、投資損益の拡大と保険引受採算の改善により増収増益となった。保険収益は2,047.1億円ではなく20,471.3億円(以下億円表記)、税引前利益は3,781.7億円(前年3,391.9億円、+11.5%)、親会社株主に帰属する四半期利益は2,643.0億円(前年2,559.6億円、+3.3%)となった。なお連結の四半期利益は2,868.9億円(前年2,666.8億円、+7.6%)で、非支配株主帰属分の増加により親会社株主帰属利益の伸びは相対的に小さい。増益の主因は投資損益の伸長(金利収益+6.9%、その他投資損益の増加)と保険サービス損益の改善(3,516.8億円、前年3,152.9億円)であり、一方で保険金融損益はマイナス幅が拡大し増益を一部相殺した。

業績変動要因

【売上高】保険収益は2兆471.3億円で前年同期の1兆8,227.8億円から+12.3%増加した。セグメント別では海外保険事業が修正純利益1,643.3億円(+9.2%)と全社利益を牽引し、国内保険事業は988.2億円(-14.9%)と減益、うち国内損害保険は772.4億円(-20.8%)と大きく落ち込んだ一方、国内生命保険は215.8億円(+16.2%)と増益で一部を補完した。ソリューション事業は14.8億円(-49.6%)と小規模ながら減益となった。

【損益】投資損益は4,217.6億円(前年3,005.2億円、+40.3%)と大幅増加し、金利収益も2,049.5億円(+6.9%)と底上げした。一方、保険金融損益は▲2,676.8億円と前年の▲1,783.4億円からマイナス幅が拡大しており、負債側の割引率変動が利益を圧迫している。一般管理費は1,919.7億円(前年1,694.2億円、+13.3%)と増加したが、収益拡大がこれを吸収した。結果として税引前利益は+11.5%増加し、増収増益の決算となった。

セグメント別分析

海外保険事業が修正純利益1,643.3億円(+9.2%)と最大の利益貢献セグメントとなり、全社の増益を実質的に牽引した。国内保険事業は988.2億円(-14.9%)と減益で、内訳では国内損害保険が772.4億円(-20.8%)と保険金融損益の悪化や再保険損益の影響で大きく減益、国内生命保険は215.8億円(+16.2%)と増益し一部を相殺した。ソリューション事業は14.8億円(-49.6%)と規模は小さいが減益が目立つ。全体として海外の成長力と国内損害保険の採算悪化という対照的な構図が確認できる。

主要財務指標

【収益性】親会社株主帰属の四半期利益は2,643.0億円(前年比+3.3%)、税引前利益は3,781.7億円(+11.5%)と増収増益であり、税引前利益の伸びが最終利益の伸びを上回っている点は、法人税負担や非支配株主帰属利益の増加(226億円、前年107億円)が影響している。ROEは3.4%(四半期実績)で、年率換算では概ね13%程度に相当する水準にある。【キャッシュ品質】包括利益は3,753.8億円(前年1,848.8億円)と純利益を大きく上回り、在外営業活動体の換算差額+881.3億円や保険契約に係る割引率変動差額+794.1億円がその主因である。【投資効率】EPS(基本)は138.25円(前年133.49円、+3.6%)、希薄化後138.16円。【財務健全性】自己資本比率は24.3%(前年24.1%)とほぼ横ばいで、総資産33兆6,769.8億円、純資産8兆3,231.4億円といずれも増加している。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示はないが、現金及び現金同等物は前期末の2兆3,324.1億円から当第1四半期末に2兆7,909.6億円へ+4,585.5億円(+19.7%)増加しており、短期的な資金創出は良好とみられる。投資有価証券は21兆2,172.3億円(前期末21兆627.3億円)とほぼ横ばいで、保険契約負債は20兆5,438.4億円(前期末20兆2,191.2億円)へ増加し、事業成長に伴うプレミアム流入が資金増加の背景にあると考えられる。自己株式は▲2,327.2億円(前期末▲3,041.6億円)と残高が減少しており、自己株式の消却または処分が実施されたことがうかがえる。

収益の質

当期利益の源泉は、経常的な保険サービス損益(3,516.8億円)と金利収益(2,049.5億円)に加え、市場環境に左右される投資損益(4,217.6億円)の両輪で構成されている。その他の収益918.5億円とその他の費用224.3億円はネットでプラス寄与し、その他の費用は前年103.1億円から大幅に増加している点はモニタリングが必要である。保険金融損益は▲2,676.8億円とマイナス幅が拡大しており、割引率変動などの評価要因が最終利益を圧迫する構造になっている。親会社株主帰属利益2,643.0億円に対し包括利益は3,531.2億円(親会社所有者分)と大きく上回っており、この乖離は主に在外営業活動体の換算差額の改善(前年▲1,242.4億円→当期+881.3億円)と保険契約に係る割引率変動差額の拡大(+794.1億円)によるもので、実現損益ではなく評価要因が中心である点に留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期の会社計画は親会社株主帰属純利益8,300億円、EPS441.83円、DPS245円である。当第1四半期の親会社株主帰属利益2,643.0億円は通期計画に対して31.8%の進捗となり、単純な四分の一(25%)を上回るペースにある。業績予想・配当予想の修正はいずれも無しとされている。上期に投資損益や金利収益が押し上げ要因として働いたことが進捗の良さに寄与しているとみられ、下期以降の保険金融損益や市場変動の影響が通期進捗の均衡に影響する可能性がある。

株主還元

会社計画のDPSは245円で、想定EPS441.83円に基づく配当性向は約55.5%(245円÷441.83円)である。期中平均株式数約19億1,164万株、利益剰余金は7兆2,374.7億円、現金及び現金同等物は2兆7,909.6億円と、配当の原資となる内部留保・現金は厚みがある。自己株式残高は前期末▲3,041.6億円から当期末▲2,327.2億円へ減少しており、自己株式の活用(消却等)が進んでいることがうかがえるが、当四半期における新規の自己株式取得方針についての開示はない。

リスク要因

  1. レバレッジと保険負債構造のリスク: 自己資本比率は24.3%であり、負債合計25兆3,538.3億円に対し保険契約負債が20兆5,438.4億円と大半を占める。金利・スプレッド変動局面では保険金融損益(当期▲2,676.8億円)のボラティリティが資本に影響を及ぼしやすい構造にある。

  2. 国内損害保険の採算悪化: 国内損害保険の修正純利益は772.4億円と前年同期比-20.8%の減益となった。保険サービス損益や再保険損益の変動が影響しており、国内引受採算の動向が今後の収益に影響する。

  3. 評価要因による資本変動リスク: その他の包括利益は+884.95億円(前年▲818.0億円)と大きく振れ、在外営業活動体の換算差額や保険契約に係る割引率変動差額が資本に影響を与えている。これらは市場変動に連動するため、今後も資本の振れ幅として注視される。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマークデータなし ※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 海外保険事業が修正純利益1,643.3億円(+9.2%)と全社利益の牽引役となっており、地域分散による収益構造の安定化が確認できる一方、国内損害保険の減益(-20.8%)とのコントラストが明確である。

  2. 通期進捗率は31.8%と四半期単純進捗の25%を上回っており、上期における投資損益・金利収益の押し上げが寄与した形である。下期以降の保険金融損益の動向が通期進捗の均衡を左右する点は決算データから読み取れる注目点である。

  3. 包括利益(3,753.8億円)が純利益(連結2,868.9億円)を大きく上回る状態が続いており、為替・金利関連の評価要因による資本の押し上げが観察される。この評価要因主導の資本増強は、実現収益とは異なる性質を持つ点で決算構造の理解に資する。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。