| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥220.1億 | ¥188.3億 | +16.9% |
| 営業利益 | ¥-1.2億 | ¥3.0億 | -140.9% |
| 経常利益 | ¥-1.1億 | ¥3.6億 | -130.9% |
| 純利益 | ¥-0.8億 | ¥3.0億 | -125.6% |
| ROE | -0.2% | 0.6% | - |
増収にもかかわらず粗利率の急悪化により営業損益が前年の黒字から赤字に転落し、収益性の質が焦点となる決算である。売上高は220.1億円(前年188.3億円、YoY+16.9%)と二桁増収を確保した一方、営業利益は-1.2億円(前年3.0億円)、経常利益は-1.1億円(前年3.6億円)といずれも赤字に転落した。親会社株主に帰属する当期純利益は-1.11億円(前年2.72億円、YoY-140.8%)で、EPSは-6.13円(前年15.03円)となった。主因は売上総利益率が23.1%から19.0%へ約4.1pt低下したことで、販管費率の改善(21.5%→19.5%)では吸収しきれなかった。
【売上高】売上高は220.1億円(前年188.3億円、YoY+16.9%)と二桁の増収となった。単一セグメント(情報ネットワークソリューションサービス事業)であるため事業別内訳は開示されていないが、案件量の拡大が増収を牽引したとみられる。
【損益】売上総利益は41.8億円(前年41.8億円弱から-4.1%)に減少し、粗利率は19.0%で前年23.1%から4.1pt悪化した。販管費は43.0億円(+6.1%)に増加したものの、売上高対比では19.5%と前年21.5%から2.0pt改善しており、固定費コントロール自体は効いている。しかし粗利率悪化の影響がこれを上回り、営業利益は-1.2億円(前年3.0億円)の赤字に転落した。営業外収益は受取配当金0.4億円を中心に0.5億円を計上したが、支払利息0.3億円を含む営業外費用0.4億円がこれを相殺し、経常利益も-1.1億円の赤字となった。特別損失は固定資産除却損等で0.03億円と僅少であり、一時的要因の影響は限定的である。親会社株主に帰属する当期純利益は-1.11億円(前年2.72億円)で、結論として増収減益(営業赤字転落)である。
【収益性】営業利益率は-0.6%(前年+1.6%)、経常利益率は-0.5%(前年+1.9%)、純利益率(親会社株主帰属ベース)は-0.5%(前年+1.4%)といずれも悪化した。粗利率19.0%は前年23.1%から4.1pt低下しており、収益性悪化の主因となっている。【キャッシュ品質】現金及び預金は453.3億円(前年433.7億円)と潤沢な水準を維持し、流動比率は約278%(流動資産671.3億円/流動負債241.5億円)と高い。一方で棚卸資産は71.9億円と前年比+68.8%増加しており、在庫の積み上がりが確認できる。【投資効率】ROEは-0.2%で、純利益率の悪化が主因である。自己資本比率は58.4%(前年55.1%)に上昇し、資本構成は保守的な水準を維持している。【財務健全性】有利子負債は短期借入金37.5億円、長期借入金41.0億円の合計78.5億円で、総資産808.7億円に対し比率は限定的である。退職給付に係る負債37.4億円が中長期のキャッシュアウト要因として存在する。
キャッシュフロー計算書のデータは開示されていないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は453.3億円で前年433.7億円から増加し、資金繰りの逼迫は見られない。一方、棚卸資産は71.9億円と前年比+29.3億円(+68.8%)増加し、案件の仕掛在庫が積み上がっている状況がうかがえる。売掛金は121.7億円で前年比-119.8億円(-49.6%)減少し、買掛金も93.8億円で-44.6億円(-32.3%)減少した。売掛金の大幅減少と買掛金の圧縮が同時に進んでおり、運転資本の構成変化が資金繰りに影響を与えやすい局面にある。在庫増加と買掛金圧縮の組み合わせは、短期的な資金創出力を弱める要因となり得る。
営業外収益0.5億円は受取配当金0.4億円が中心であり、経常的な性質の収益である。特別損失は固定資産除却損等で0.03億円と僅少で、一時的要因が損益に与えた影響はほぼない。包括利益は-0.5億円、うち親会社株主分は-0.85億円で、親会社株主に帰属する当期純利益-1.11億円との間に約0.26億円の差異がある。この乖離は有価証券評価差額金+0.1億円、退職給付に係る調整額+0.1億円など、その他の包括利益項目によるもので比較的小幅である。今期の損益悪化は特別損益ではなく営業損益(粗利率悪化)に起因しており、収益の質としては一過性ではなく本業の採算変化を反映したものと解釈できる。
通期予想は売上高1070.0億円(YoY+3.2%)、営業利益87.0億円(YoY+6.4%)、経常利益87.0億円(YoY+4.6%)、EPS予想315.64円、配当予想190円で、当四半期時点で予想修正は行われていない。第1四半期実績の進捗率は、売上高が220.1億円で通期比20.6%と概ね順調な水準だが、営業利益・経常利益はいずれも赤字であるため進捗率はマイナスとなっている。通期計画の達成には、第2四半期以降での粗利率の正常化と高採算案件の計上が前提となる。
通期配当予想は190円で、予想EPS315.64円を前提とした配当性向は約60.2%となる。当第1四半期は親会社株主帰属純利益が赤字であるが、配当予想の修正は行われていない。現金及び預金453.3億円と自己資本比率58.4%という財務基盤は分配の下支えとなり得るが、通期の利益進捗が計画を下回って推移する場合、配当性向のさらなる上昇余地について今後の業績動向を踏まえた確認が必要となる。
プロジェクト採算悪化リスク: 売上総利益率が23.1%から19.0%へ4.1pt低下し、案件ミックスや価格転嫁の遅れが採算を圧迫している。粗利率の推移が今後の収益性回復の鍵となる。
運転資本効率の悪化: 棚卸資産が前年比+68.8%増加する一方、売掛金は-49.6%、買掛金は-32.3%とそれぞれ大きく減少しており、在庫滞留とキャッシュ創出力の鈍化が懸念される。
営業外費用の増加による損益圧迫: 支払利息が0.3億円(前年比増加)となり、営業利益が赤字の状況下で金利負担が経常損益をさらに押し下げている。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | -0.6% | 8.1% (2.3%–15.9%) | -8.6pt |
| 純利益率 | -0.3% | 5.9% (1.6%–10.7%) | -6.2pt |
自社の収益性は営業利益率・純利益率ともに業種中央値を大きく下回り、業種内で低位に位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 16.9% | 9.3% (0.4%–16.9%) | +7.6pt |
売上高成長率は業種中央値および上位四分位に並ぶ水準で、トップラインの拡大は業種内でも高い部類に入る。
※出所: 当社集計
売上高は+16.9%の二桁増収を確保した一方、粗利率が23.1%から19.0%へ4.1pt悪化し、営業損益が前年の黒字から赤字に転落した。増収と減益(赤字転落)が併存する構図であり、トップラインの拡大が収益性に直結していない点が今期の特徴である。
棚卸資産が前年比+68.8%増加する一方、売掛金・買掛金がともに大きく減少しており、運転資本構造の変化が確認できる。在庫の水準推移は、今後の売上計上タイミングや採算改善の指標として観察に値する。
通期計画に対する進捗は、売上高が20.6%と概ね順調な一方、営業利益・経常利益はマイナス進捗であり、下期偏重の計画達成シナリオが前提となっている。予想修正は行われていないため、第2四半期以降の実績が計画の信頼性を測る材料となる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 2,735円 |
| base(基準) | 2,800円 |
| bull(強気) | 2,880円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 2,569円 |
| 調整後予想EPS | 331.0円 |
| 株主資本コスト r | 9.65%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 60.2% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.09倍 / 8.5倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 2,725円〜2,879円、ω±0.1で 2,795円〜2,808円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。