記事一覧に戻る
81292027 第1四半期プライムJGAAP

東邦ホールディングス(8129) 2027年度第1四半期決算

2027年度第1四半期の売上高は3,978億円(前年同期比+5.8%)、営業利益は24.6億円(同-35.8%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

商社・卸売/卸売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥3977.7億¥3758.1億+5.8%
営業利益¥24.6億¥38.4億−35.8%
持分法投資損益---
経常利益¥38.1億¥44.4億−14.1%
純利益¥23.5億¥33.6億−29.9%
ROE0.9%1.2%-

Executive Summary

当四半期は増収減益となり、売上増加を上回る粗利率の低下と特別損失の増加が最終利益を押し下げた。売上高は3,977.7億円(前年比+5.8%)、営業利益は24.6億円(同-35.8%)、経常利益は38.1億円(同-14.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は23.5億円(同-29.9%)となった。主力の医薬品卸売事業が増収を牽引した一方、粗利率が7.4%(前年8.0%)へ低下したことに加え、セグメント間消去・全社費用の拡大と特別損失6.2億円の計上が重なり、増収の効果を減益要因が上回る結果となった。

業績変動要因

【売上高】売上高は3,977.7億円で前年同期比+5.8%増加した。主力の医薬品卸売事業(売上構成比92.9%)が3,845.7億円(+6.2%)と全体を牽引し、調剤薬局事業は249.8億円(+1.5%)、医薬品製造販売事業は29.5億円(+0.2%)とそれぞれ増収を確保した。一方、その他周辺事業は15.1億円(-7.3%)と減収であった。

【損益】営業利益は24.6億円で前年同期比-35.8%の減益となった。売上総利益は294.8億円(粗利率7.4%、前年8.0%から-0.6pt)と粗利率が悪化し、販管費率は6.8%(前年7.0%から-0.2pt改善)にとどまったため粗利悪化を吸収しきれなかった。セグメント別営業利益は医薬品卸売31.1億円(-25.2%)、調剤薬局1.1億円(-38.6%)、製造販売0.9億円(+85.7%)、その他周辺0.5億円(-68.9%)で、セグメント間消去・全社費用が-8.96億円(前年-6.95億円)へ拡大し連結営業利益をさらに圧縮した。経常利益は営業外収益14.4億円(受取配当金4.6億円等)に支えられ38.1億円(-14.1%)にとどまったが、特別損失6.2億円(前年2.3億円)の計上により税引前利益は32.0億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は23.5億円(-29.9%)となった。結論として増収減益。

セグメント別分析

医薬品卸売事業は売上3,845.7億円(+6.2%)、営業利益31.1億円(-25.2%)で利益率0.8%となり、連結営業利益の大半を占めるが利益率は低下した。調剤薬局事業は売上249.8億円(+1.5%)に対し営業利益1.1億円(-38.6%)、利益率0.5%へ低下し、4セグメント中で最も採算悪化が目立つ。医薬品製造販売事業は売上29.5億円(+0.2%)ながら営業利益0.9億円(+85.7%)と改善し利益率3.1%を確保したが、連結規模への影響は限定的である。その他周辺事業は売上15.1億円(-7.3%)、営業利益0.5億円(-68.9%)と縮小した。セグメント間の内部取引消去・全社費用の調整額は-8.96億円で前年-6.95億円から拡大しており、各セグメント利益合計33.6億円に対し連結営業利益は24.6億円にとどまっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は0.6%で前年同期1.0%から-0.4pt低下し、純利益率も0.6%で前年0.9%から-0.3pt低下した。粗利率は7.4%で前年8.0%から-0.6pt悪化しており、収益性低下は主に売上原価率の上昇に起因する。【キャッシュ品質】現金及び預金は1,020.6億円で前年末比+146.98億円(+16.8%)増加した一方、売上債権は3,582.5億円(+3.2%)、棚卸資産は972.9億円(+8.3%)と増加し、買掛金も4,570.7億円(+10.3%)と拡大しており、運転資本の膨張が進行している。【投資効率】ROEは0.9%(第1四半期実績ベース)で、営業外収益における受取配当金4.6億円が経常利益を下支えしている。【財務健全性】自己資本比率は34.4%で前年同期36.6%から-2.2pt低下したが、有利子負債は短期・長期合計で約54億円と小規模にとどまり、営業利益ベースの利息カバレッジは約117倍(営業利益24.6億円÷支払利息0.2億円)と高水準を維持している。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の個別開示はないが、貸借対照表の動きから資金動向を確認すると、現金及び預金は1,020.6億円で前年末から+146.98億円(+16.8%)増加した。一方で売上債権が+111.66億円(+3.2%)、棚卸資産が+74.63億円(+8.3%)増加しており、事業拡大に伴う運転資本の積み増しが資金需要を高めている。これに対し買掛金が+428.23億円(+10.3%)増加し、仕入債務の伸長が運転資本増加に伴う資金負担を一定程度相殺した形となっている。有利子負債は短期・長期合計で約54億円と小さく、借入を通じた資金調達ではなく内部資金と取引条件の活用によって資金繰りが維持されている状況がうかがえる。

収益の質

経常的な収益は本業である医薬品卸売を中心に確保されているが、当期は特別損失6.2億円(前年2.3億円)の計上が税引前利益を押し下げており、一時的要因の影響が前年より拡大した。営業外収益は14.4億円で売上高比0.36%にとどまり、受取配当金4.6億円が主要構成要素であることから、営業外収益への依存度は限定的である。包括利益は8.5億円で、親会社株主に帰属する当期純利益23.5億円を大きく下回っており、その他有価証券評価差額金が-14.7億円と悪化したことが主因である。この純利益と包括利益の乖離は、保有有価証券の時価変動が会計上の利益の質に影響を与えていることを示している。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画に対する第1四半期の進捗率は、売上高24.9%(3,977.7億円/16,010.0億円)、営業利益16.7%(24.6億円/148.0億円)、経常利益23.0%(38.1億円/166.0億円)、純利益18.3%(23.5億円/129.0億円)となった。売上高は単純進捗率25%に概ね沿う一方、営業利益・純利益の進捗はこれを下回っており、粗利率の低下と特別損失の計上が利益進捗の遅れにつながっている。会社は当第1四半期時点で業績予想・配当予想のいずれも修正していない。

株主還元

会社は通期配当予想として1株当たり180.00円を計画しており、当第1四半期時点で配当予想の修正は行われていない。通期予想EPS197.67円に基づく配当性向は約91.1%(180円/197.67円)で高水準にある。自己株式取得に関する言及はなく、株主還元は配当のみで構成されている。手元現金1,020.6億円と有利子負債約54億円という保守的な財務構成が配当原資の下支えとなる一方、当第1四半期の純利益進捗は18.3%にとどまっており、通期利益の実現状況が今後の配当方針の前提となる。

リスク要因

  1. 収益性(粗利率)低下リスク: 粗利率は7.4%で前年8.0%から-0.6pt低下しており、医薬品卸売事業における仕切価・薬価改定等によるスプレッド縮小が利益率に直接影響する構造にある。

  2. 事業セグメント集中リスク: 売上高の92.9%を医薬品卸売事業(3,845.7億円)が占め、同事業の営業利益は前年比-25.2%の減益となっており、単一事業への依存度の高さが連結損益の変動要因となっている。

  3. 運転資本増加リスク: 売上債権は3,582.5億円(+3.2%)、棚卸資産は972.9億円(+8.3%)と増加しており、売上増加を上回るペースでの資金拘束が進行すれば資金効率に影響を及ぼす可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(trading)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率0.6%4.3% (1.7%–6.9%)−3.6pt
純利益率0.6%3.8% (1.5%–5.1%)−3.2pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を大きく下回っており、収益性は業種内で低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)5.8%3.1% (-0.6%–11.7%)+2.7pt

売上高成長率は業種中央値を上回っており、トップライン拡大ペースは業種内で相対的に高い。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高は+5.8%の増収を確保した一方、粗利率が-0.6pt低下したことで営業利益は-35.8%の減益となり、増収が必ずしも増益に結びつかない収益構造が確認できる。

  2. 特別損失6.2億円の計上とその他有価証券評価差額金の悪化(-14.7億円)により、包括利益(8.5億円)は親会社株主に帰属する当期純利益(23.5億円)を大きく下回っており、利益の質を評価する上で一時的要因の影響度に留意が必要である。

  3. 通期計画に対する進捗率は売上高24.9%に対し営業利益16.7%・純利益18.3%と利益進捗がやや遅れており、下期における粗利率の動向が通期業績を左右する構造となっている。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,598円
base(基準)3,617円
bull(強気)3,650円
算出前提
1株純資産(BPS)4,073円
調整後予想EPS204.9円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向91.1%
予想EPSの信頼度調整×1.037(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.89倍 / 17.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,522円〜3,716円、ω±0.1で 3,603円〜3,626円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。