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80512027 第1四半期プライムJGAAP

株式会社 山善 2027年度 第1四半期 決算

株式会社 山善の2027年度第1四半期決算レポート

株式会社 山善

商社・卸売/卸売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1458.6億¥1261.4億+15.6%
営業利益¥28.9億¥17.3億+66.8%
持分法投資損益---
経常利益¥31.6億¥17.9億+76.6%
純利益¥20.4億¥18.6億+9.2%
ROE1.4%1.3%-

Executive Summary

売上高2桁成長のなか営業増益率が+66.8%と大幅に伸長し、増収増益で決算期をスタートした。売上高は1458.6億円(前年比+15.6%)、営業利益は28.9億円(同+66.8%)、経常利益は31.6億円(同+76.6%)、純利益は20.4億円(同+9.2%)となった。主力の生産財関連事業の需要拡大とミックス改善が増益を牽引した一方、前年に計上された投資有価証券売却益の剥落が純利益の伸びを抑制している。

業績変動要因

【売上高】売上高は1458.6億円で前年比+15.6%。セグメント別では、生産財関連(売上構成比64.5%、940.8億円、+21.5%)が最大の伸長を示し全体を牽引した。住建(237.6億円、+13.2%)も堅調に拡大したが、家庭機器(270.3億円、+1.4%)はほぼ横ばいにとどまった。

【損益】粗利率は15.4%、販管費率は13.4%で、営業利益率は2.0%と前年から改善した。生産財関連の営業利益は28.4億円(+136.6%)と急伸し、利益率も3.0%に上昇したことが全社増益の主因である。一方、家庭機器は営業利益10.2億円(-26.6%)と減益となり、収益ミックス面での課題が残る。「その他・調整」区分は営業損失17.7億円と損失が拡大しており、全社費用の増加が利益率の上限を抑制している。経常利益は営業増益に加え、前年の為替差損から差益への反転(0.9億円)や受取利息増(2.2億円)が寄与し+76.6%と大幅増加した。特別損益は僅少(特別利益0.02億円のみ)で、前年に計上された投資有価証券売却益(約10.1億円)が今期は発生していない点が、純利益の伸びが+9.2%にとどまった主因である。総括すると、増収増益であり、特に本業の収益性改善が明確な決算内容である。

セグメント別分析

生産財関連が売上構成比64.5%・利益構成比の大半を占める最大セグメントで、売上940.8億円(+21.5%)、営業利益28.4億円(+136.6%)、利益率3.0%と大幅な増収増益を記録した。住建は売上237.6億円(+13.2%)、営業利益7.6億円(+39.5%)、利益率3.2%と増収増益。家庭機器は売上270.3億円(+1.4%)とほぼ横ばいながら、営業利益10.2億円(-26.6%)と減益し、利益率は最も高い3.8%だが低下傾向にある。その他・調整区分は営業損失17.7億円(前年比損失拡大24.2%)で、報告セグメントに帰属しない全社費用の増加が反映されている。全社利益の伸長は生産財関連への依存度が高く、家庭機器の収益性回復が今後の課題となる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は2.0%で前年の1.4%(前年営業利益17.3億円/売上1261.4億円)から改善し、純利益率は1.4%となっている。ROEは1.4%、自己資本比率は40.4%(前年39.3%)。【キャッシュ品質】現金及び預金は779.4億円で総資産の21.7%を占め、有価証券(流動)229.9億円を含めると流動性資産は厚い。売掛金・受取手形800.0億円、棚卸資産529.5億円と運転資本は増加傾向にあり、売上成長を上回るペースでの膨張が見られる。【投資効率】総資産回転率は約0.406倍(売上1458.6億円/総資産3592.2億円)で、ディストリビューター業として標準的水準にある。【財務健全性】自己資本比率40.4%、長期借入金は0.2億円と僅少であり、固定負債436.1億円のうち大半は退職給付関連やリース債務等で構成される。EPSは21.57円(前年21.37円、+0.9%)、BPSは1621.34円(前年1612.56円)と緩やかに増加している。

キャッシュフロー分析

本決算にはキャッシュフロー計算書の詳細は開示されていないため、バランスシートの変化から資金動向を分析する。現金及び預金は779.4億円と前年同期の881.4億円から減少し、その一方で棚卸資産は529.5億円(前年比+20.6%相当)、投資有価証券は395.9億円(前年比+22.1%相当)と増加している。これは案件進捗に伴う在庫積み上がりや、営業資産への資金配分が進んだことを示唆する。契約負債は175.5億円と前年から大きく増加しており、前受金の増加が運転資金の一部を緩和する方向に働いていると考えられる。売掛金・受取手形は800.0億円と依然高水準にあり、回収効率の観点からは改善余地がある。全体として、事業拡大に伴う運転資本の膨張が資金動向の特徴であり、現金水準の変化はその裏返しといえる。

収益の質

当期の利益は経常的な収益に依存した構成であり、特別利益は0.02億円と僅少にとどまる。前年同期には投資有価証券売却益として約10.1億円が計上されていたため、その剥落が純利益の伸びを+9.2%に抑えた主因であり、逆に言えば当期の利益はより本業由来の質が高いと評価できる。営業外収益4.8億円は売上高の0.33%程度と規模は小さいが、受取配当金1.5億円、為替差益0.9億円、受取利息2.2億円が寄与し、前年の為替差損からの反転が経常利益を押し上げた。営業利益から経常利益への上振れは限定的であり、収益の質は概ね良好といえる。一方で、包括利益67.7億円は純利益20.4億円を大きく上回っており、その差は投資有価証券の評価差額35.8億円や為替換算調整額11.9億円によるもので、事業由来ではなく資産評価要因が大きい点には留意が必要である。加えて、売掛金・棚卸資産の高水準はアクルーアルの滞留を示し、営業キャッシュフローが純利益に劣後するリスクを内包している。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高5850.0億円(前年比+8.0%)、営業利益150.0億円(同+24.6%)、経常利益154.0億円(同+18.4%)で、増収増益計画となっている。当第1四半期の進捗率は売上高25.0%とほぼ標準的な水準にある一方、営業利益は19.3%、経常利益は20.5%と、単純進捗率25%を下回っている。これは下期偏重の計画配分や、全社費用(その他・調整区分の損失)の先行計上を反映している可能性がある。売上進捗が標準的である点は、主力の生産財関連の需要が年間を通じて堅調に推移する見通しを示唆している。なお、当四半期において業績予想の修正が行われている一方、配当予想の修正はない。

株主還元

通期の配当予想は56.00円、EPS予想は115.92円であり、これらに基づく配当性向は約48.3%となる。前年の配当は20円(前期基準)であり、通期予想56円は年間としての水準を示す。現金及び預金779.4億円に対し有利子負債(短期借入金200.9億円、長期借入金0.2億円等)は限定的であり、財務健全性を踏まえると配当の安全性は相応に確保されていると考えられる。なお、自社株買いに関する開示はなく、本レポートでは配当性向のみを評価指標とする。

リスク要因

  1. 需要循環リスク: 生産財関連事業への依存度が売上構成比64.5%と高く、製造業の設備投資サイクルが鈍化した場合、業績への影響が大きい構造となっている。

  2. 運転資本の滞留リスク: 棚卸資産529.5億円、売掛金・受取手形800.0億円と高水準であり、売上成長(+15.6%)を上回るペースでの資産膨張が見られる。キャッシュ創出が利益成長に追随しないリスクがある。

  3. 製品ミックス悪化リスク: 家庭機器セグメントは営業利益が前年比-26.6%となっており、この状態が継続すれば全社の利益率改善を制約する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(trading)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率2.0%4.3% (1.7%–6.9%)-2.3pt
純利益率1.4%3.8% (1.5%–5.1%)-2.4pt

収益性指標は業種中央値を下回り、営業利益率・純利益率ともに業種内では低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)15.6%3.1% (-0.6%–11.7%)+12.5pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、業種内でも高い成長を示している。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高2桁成長と営業利益率+61bp改善により、営業増益率+66.8%と好調なスタートとなった。生産財関連事業の需要拡大が全社業績の主な牽引役となっている。

  2. 業績予想に対する第1四半期の利益進捗率は19~21%と、単純進捗25%を下回っており、下期偏重の計画配分または全社費用の先行計上が示唆される。今後の四半期進捗のモニタリングが有用と考えられる。

  3. 棚卸資産・売掛金の高水準は、事業拡大に伴う運転資本の増加を反映している。売上成長とキャッシュ創出のバランスは、今後の決算における確認ポイントとなる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,505円
base(基準)1,516円
bull(強気)1,537円
算出前提
1株純資産(BPS)1,621円
調整後予想EPS120.2円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向48.3%
予想EPSの信頼度調整×1.037(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.94倍 / 12.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,475円〜1,559円、ω±0.1で 1,513円〜1,519円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。