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80352027 第1四半期プライムJGAAP

東京エレクトロン(8035) 2027年度第1四半期決算

2027年度第1四半期の売上高は7,324億円(前年同期比+33.3%)、営業利益は2,114億円(同+46.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥7323.9億¥5495.9億+33.3%
営業利益¥2114.1億¥1446.9億+46.1%
経常利益¥2156.3億¥1473.5億+46.3%
純利益¥1643.4億¥1178.0億+39.5%
ROE(年換算)30.7%22.8%-

Executive Summary

半導体製造装置需要の拡大を背景に、増収率を上回る営業増益を達成し、収益性が明確に改善した決算である。売上高は7,323.9億円(前年比+33.3%)、営業利益は2,114.1億円(同+46.1%)、経常利益は2,156.3億円(同+46.3%)、純利益は1,643.4億円(同+39.5%)となった。販管費増加率(20.2%)が売上成長率を下回ったことによる営業レバレッジが増益率を押し上げた一方、実効税率の上昇が純利益の伸びを営業利益より低める方向に働いた。

業績変動要因

【売上高】売上高は7,323.9億円で前年同期比+33.3%。半導体製造装置の単一セグメント事業であり、半導体メーカー・ファウンドリーの設備投資拡大が需要を牽引した。事業セグメントの区分開示はないため、需要の裾野は連結全体の伸びから読み取る形になる。

【損益】営業利益は2,114.1億円(同+46.1%)、営業利益率は28.9%で前年同期の26.3%から2.5pt改善した。粗利率も46.8%(前年46.2%)へ上昇し、販管費増加率が売上成長を下回る営業レバレッジが利益率改善の主因である。経常利益は2,156.3億円(同+46.3%)で営業利益をわずかに上回り、営業外損益はネットで小幅な利益にとどまるため、利益改善は本業起因である。特別損益は差引約1.3億円の損失で影響は限定的。純利益は1,643.4億円(同+39.5%)となり、実効税率が23.7%(前年22.5%)に上昇したことが増益率を営業利益より抑えた。総括すると増収増益である。

セグメント別分析

当社は「半導体製造装置」の単一セグメントで事業を運営しており、セグメント別の営業損益開示は省略されている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率28.9%(前年26.3%)、純利益率22.4%(前年21.4%)はいずれも改善しており、研究開発費720.5億円(売上高比9.8%)という高水準の投資を維持しつつ利益率を高めている点が特徴である。【キャッシュ品質】年換算DSOは68日、DIOは176日、CCCは210日と、いずれも一般的な警戒水準を上回り、増収が資金回収の遅れを伴っている可能性を示す。製品保証引当金は411.9億円で売上高比5.6%と相対的に重い。【投資効率】ROE(年換算)は30.7%と高水準で、純利益率22.4%と総資産回転率(概算約1.0倍)が主な牽引役であり、財務レバレッジへの依存度は低い。【財務健全性】自己資本比率72.5%、流動資産1兆8,030.2億円に対し流動負債6,848.7億円と、資本構成は保守的で短期債務への耐性は高い。

キャッシュフロー分析

CF計算書の明細は開示されていないため、BS変動から資金動向を分析する。現金及び預金は4,096.1億円で前年同期の4,512.5億円から減少しており、投資有価証券は2,254.5億円から3,433.0億円へ+52.3%増加した。売掛金は5,258.98億円から5,440.7億円へ増加、棚卸資産も2,860.5億円から2,895.0億円へ増加しており、増収局面で運転資本(売上債権・在庫)への資金投下が進んだことがうかがえる。一方で流動負債の前受金は2,704.9億円から2,943.3億円に増加しており、顧客からの前受という形での資金調達が運転資本の一部を支えている。全体として、事業拡大に伴う資金の内部循環が進み、投資有価証券への配分も積極化している構図である。

収益の質

経常利益は営業利益をわずかに上回る水準で推移し、営業外収益は受取配当金11.6億円を含む49.5億円、営業外費用は為替差損5.0億円を含む7.3億円と、いずれも売上高比では小さく、利益の大半は本業由来である。特別損益は特別利益0.1億円、特別損失1.4億円と差引1.3億円の損失で、四半期利益に対する影響は軽微であり、一時的要因による利益の押し上げ・押し下げは実質的にない。一方で包括利益は2,491.9億円と純利益1,643.4億円を848.5億円上回り、その他有価証券評価差額金の増加(806.1億円)が主因である。このアクルーアル的な差異は評価損益に基づくものであり、本業の現金収益力とは区別して捉える必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高1兆6,200億円(前期比+37.3%)、営業利益4,580億円(同+51.1%)、経常利益4,640億円(同+51.2%)である。Q1進捗率は売上高45.2%、営業利益46.2%、経常利益46.5%と、単純な四分の一(25%)を大幅に上回っている。Q1の営業利益率28.9%に対し、通期予想達成に必要な残存期間の営業利益率は27.8%と算出され、会社計画は下期にかけての採算のやや平準化を織り込んでいる可能性がある。当四半期は業績予想・配当予想ともに修正が行われており、期末配当額は次回中間期決算時に通期予想と併せて開示予定とされている。

株主還元

配当予想は修正が行われているが、2027年3月期の期末配当額は現時点で未定であり、通期連結業績予想と合わせて第2四半期決算発表時に開示される予定である。前年の配当実績は1株当たり264円であったが、当期の配当性向を算出するための期末配当額が未確定のため、確定的な配当性向の記述は行わない。

リスク要因

  1. 半導体設備投資サイクルへの依存: 単一の半導体製造装置セグメントで事業を展開しており、需要の分散効果が限定的である。Q1の高成長(+33.3%)は業界の投資拡大局面を反映するが、循環性の強い業界特性上、需要変動の影響を直接受けやすい構造である。

  2. 運転資本の拘束: 年換算DSO 68日、DIO 176日、CCCは210日に達し、いずれも一般的な警戒水準を上回る。売掛金5,440.7億円、棚卸資産2,895.0億円という規模を踏まえると、増収局面での資金回収・在庫効率が構造的な監視項目となる。

  3. 製品保証・品質コスト: 製品保証引当金は411.9億円で売上高比5.6%であり、高額・高精度装置特有の保証対応コストの重さを示す。今後の積み増し動向は利益率の持続性に影響する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率28.9%8.7% (4.2%–14.3%)+20.2pt
純利益率22.4%7.1% (3.2%–10.6%)+15.3pt

自社の営業利益率・純利益率は業種中央値を大幅に上回り、製造業の中でも高い収益性水準に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)33.3%6.2% (-1.1%–14.6%)+27.1pt

売上高成長率も業種中央値を大きく上回り、業種内では成長性の観点でも上位に位置する。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高+33.3%に対し営業利益+46.1%、営業利益率は2.5pt改善しており、販管費増加率が売上成長を下回る営業レバレッジが明確に効いている。研究開発費(売上高比9.8%)を維持しながらの利益率改善は、投資と収益性を両立できている点で構造的な強さを示す。

  2. 通期予想に対するQ1進捗率は営業利益46.2%と標準進捗を大きく超えるが、残存期間に必要な営業利益率は27.8%とQ1実績よりやや低く、会社計画自体が下期の一定の採算変化を想定している点は決算データから確認できる事実である。

  3. 増収増益の裏側で、DSO・DIO・CCCの水準は運転資本の拡大を伴っていることを示しており、成長の質を評価する上での補完的な観察点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)5,670円
base(基準)6,055円
bull(強気)6,204円
算出前提
1株純資産(BPS)4,713円
調整後予想EPS844.3円
株主資本コスト r8.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER1.28倍 / 7.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 5,880円〜6,238円、ω±0.1で 6,020円〜6,108円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(47%)が標準(25%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。