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80142027 第1四半期プライムJGAAP

蝶理(8014) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益11%増

2027年度第1四半期の売上高は758.5億円(前年同期比+6.0%)、営業利益は36.5億円(同+11.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

蝶理株式会社

商社・卸売/卸売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥758.5億¥715.8億+6.0%
営業利益¥36.5億¥32.9億+11.2%
持分法投資損益---
経常利益¥41.0億¥32.8億+25.0%
純利益¥31.0億¥25.0億+23.9%
ROE3.0%2.4%-

Executive Summary

蝶理の当第1四半期は、化学品事業の増収増益と営業外損益の正常化により、増収増益決算となった。売上高は758.5億円(前年比+6.0%)、営業利益は36.5億円(同+11.2%)、経常利益は41.0億円(同+25.0%)、純利益は31.0億円(同+23.9%)となった。粗利率改善に加え、為替差損の縮小と持分法投資利益の増加が経常段階以下の伸びを押し上げた。

業績変動要因

【売上高】売上高は758.5億円で前年比+6.0%増収。セグメント別では化学品事業が403.6億円(構成比53.2%、+7.1%)と主力で牽引し、繊維事業は351.9億円(構成比46.4%、+4.4%)と底堅く推移した。

【損益】営業利益は36.5億円(+11.2%)、営業利益率4.8%(前年4.6%から+0.2pt改善)。粗利率は14.4%と前年比+0.3pt改善し、販管費率は9.5%とほぼ横ばい。経常利益は41.0億円(+25.0%)と営業利益の伸びを上回ったが、これは営業外収益の増加(受取配当・持分法損益の改善)と為替差損の縮小(前年3.3億円→当期0.5億円)による。特別損益はほぼゼロで一時的要因は軽微。純利益は31.0億円(+23.9%)。増収増益。

セグメント別分析

セグメント利益(税引前利益ベース)は化学品事業22.4億円(前年比+12.9%、利益率5.6%)、繊維事業15.7億円(同-5.5%、利益率4.5%)となった。化学品が利益成長を牽引する一方、繊維事業は増収ながら利益率が前年から低下しており、コストまたは価格競争の影響がうかがえる。なお、当第1四半期より従来の「機械事業」を「その他」区分へ統合し、セグメント利益の算定基礎を税引前利益から営業利益ベースに変更している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率4.8%(前年4.6%から改善)、純利益率4.1%(前年3.5%から改善)。ROEは3.0%で、純利益率の改善が主因だが、総資産回転率0.50倍と低水準にとどまり資本効率の重石となっている。【キャッシュ品質】売掛金528.4億円、棚卸資産185.9億円と運転資本が厚く、売上成長に対し在庫・債権の増加が先行する傾向がみられる。【投資効率】無形固定資産50.8億円(総資産比3.4%)と限定的で、M&A関連の負担は小さい。【財務健全性】自己資本比率69.0%と高水準で、現金及び預金269.2億円に対し有利子負債は小規模にとどまり、財務基盤は保守的。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書は開示範囲外だが、貸借対照表の変化から資金動向を読み取れる。現金及び預金は前年同期比で減少しており、売掛金・電子記録債権・棚卸資産といった運転資本項目が積み上がる一方、買掛金は減少している。これは売上成長に伴い在庫・債権の伸びが仕入債務の伸びを上回っていることを示唆し、営業活動によるキャッシュ創出のタイミングが遅れやすい構造にあると解釈できる。自己資本比率69.0%と潤沢な手元資金を背景に、当面の資金繰りへの影響は限定的とみられる。

収益の質

経常的な収益が中心で、特別損益はほぼ計上されておらず一時的要因の影響は軽微である。営業外収益は6.6億円(売上高比0.9%)で、受取配当金1.7億円、持分法投資利益2.0億円などから構成され、過度な依存はみられない。一方、為替差損は前年の3.3億円から0.5億円へ縮小しており、これは市況・為替相場に左右される性質を持つため、今後の反復性には留保が必要である。税引前利益41.0億円に対し純利益31.0億円(実効税率約24.2%)と整合的であり、経常利益と純利益の乖離は限定的である。

業績予想・ガイダンス

通期計画(売上高3200億円、営業利益145億円、経常利益150億円、純利益105億円)に対する第1四半期の進捗率は、売上高23.7%、営業利益25.2%、経常利益27.3%、純利益29.5%となった。売上高の進捗はやや標準線(25%)を下回るものの、利益面は概ね計画線上ないし先行しており、営業外の追い風が寄与している。当第1四半期時点で業績予想・配当予想の修正は行われていない。

株主還元

通期配当予想は1株当たり171円(前年配当72円との単純比較は基準変更等の可能性があり留意)で、通期EPS予想426.04円に基づく配当性向は約40.1%となる。有利子負債が小規模で現金及び預金が269.2億円と潤沢な財務基盤を踏まえると、当該配当水準の原資は十分に確保されているとみられる。

リスク要因

  1. 運転資本の積み上がり: 売掛金528.4億円、棚卸資産185.9億円と、売上成長に対し運転資本の伸びが先行しており、キャッシュ創出のタイミングが遅延しやすい構造にある。

  2. セグメント間の収益性格差: 繊維事業の利益率は4.5%と前年から低下しており、化学品事業(利益率5.6%)との格差が拡大している。価格競争や原材料コストの影響が想定される。

  3. 為替感応度: 営業外損益における為替差損は前年3.3億円から当期0.5億円へ縮小しており、この改善が為替相場の変動により反転する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率4.8%4.3% (1.7%–6.9%)+0.5pt
純利益率4.1%3.8% (1.5%–5.1%)+0.3pt

収益性は業種中央値をいずれも上回り、業種内では中位〜やや上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)6.0%3.1% (-0.6%–11.7%)+2.9pt

売上成長率は業種中央値を大きく上回るが、IQR上限(11.7%)には届かず業種内では上位圏内にとどまる。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益・純利益とも二桁増益となり、粗利率改善と営業外損益の正常化(為替差損縮小、持分法利益増加)が収益性向上に寄与した。化学品事業が利益成長の牽引役となっている。

  2. 一方で売掛金・棚卸資産の増加により運転資本が拡大しており、資産回転率は0.50倍と低水準にとどまる。ROE3.0%の背景には、この資産効率の低さが構造的に影響している。

  3. 繊維事業のセグメント利益率が前年から低下しており、化学品事業との収益性格差が今後の全社利益率の変動要因になり得る点は、決算データ上の注目ポイントである。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)4,271円
base(基準)4,315円
bull(強気)4,393円
算出前提
1株純資産(BPS)4,238円
調整後予想EPS441.7円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向40.1%
予想EPSの信頼度調整×1.037(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.02倍 / 9.8倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 4,197円〜4,440円、ω±0.1で 4,314円〜4,318円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。