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80122027 第1四半期プライムJGAAP

長瀬産業(8012) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益66%増

2027年度第1四半期の売上高は2,797億円(前年同期比+17.9%)、営業利益は170.1億円(同+65.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

商社・卸売/卸売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥2797.2億¥2373.1億+17.9%
営業利益¥170.1億¥102.5億+65.9%
持分法投資損益---
経常利益¥180.5億¥106.6億+69.3%
純利益¥150.3億¥77.1億+95.0%
ROE3.3%1.8%-

Executive Summary

当第1四半期は全セグメントが2桁増収となり、営業レバレッジの効果で増益率が売上成長を大きく上回る増収増益決算となった。売上高は2797.2億円(前年同期比+17.9%)、営業利益は170.1億円(同+65.9%)、経常利益は180.5億円(同+69.3%)、純利益(連結)は150.3億円(同+95.0%、うち親会社株主に帰属する四半期純利益は146.6億円、同+95.2%)となった。増収の主因はマテリアル・エレクトロニクス・ライフサイエンスの主要3セグメントがいずれも前年比+17〜18%の増収を確保した点にあり、増益の主因は販管費率の低下による営業利益率の改善である。

業績変動要因

【売上高】売上高は2797.2億円で前年同期比+17.9%。セグメント別ではマテリアルが1405.5億円(構成比50.2%、YoY+18.0%)で最大、ライフサイエンスが904.4億円(32.3%、+17.3%)、エレクトロニクスが495.9億円(17.7%、+18.0%)と続き、主要3セグメントがいずれも2桁増収した。その他事業は12.3億円(0.4%、-24.5%)と減収だが、全体への影響は軽微である。

【損益】営業利益は170.1億円(+65.9%)、営業利益率6.1%は前年同期4.3%から+1.8pt改善した。売上原価の伸び(+16.4%)が売上高の伸び(+17.9%)を下回り粗利率は19.7%(前年約18.7%)に上昇、一方で販管費は+11.9%増の381.4億円にとどまり販管費率は13.6%と前年から-0.8pt低下、増収に対して費用が相対的に抑制された結果、営業レバレッジが顕在化した。経常利益は180.5億円(+69.3%)で、営業外収益19.7億円(受取配当10.1億円等)が営業外費用9.3億円(支払利息8.6億円等)を上回り、経常利益は営業利益を上回る水準を維持した。特別損益は特別利益0.9億円、特別損失0.3億円と純額でほぼ中立で一時的要因の影響は小さい。純利益(連結)は150.3億円(+95.0%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は146.6億円(+95.2%)で、営業段階の改善がボトムラインまで一貫して反映された。以上より増収増益と結論できる。

セグメント別分析

当第1四半期より従来の5セグメント体制を「マテリアル」「エレクトロニクス」「ライフサイエンス」の3セグメントに集約し、全社共通費用の配賦方法も見直された。マテリアルは売上高1405.5億円(構成比50.2%)、営業利益81.9億円(YoY+63.2%)、利益率5.8%で規模と利益額の両面で最大の牽引役となった。エレクトロニクスは売上高495.9億円、営業利益49.3億円(YoY+60.4%)、利益率9.9%と4セグメント中最も高い収益性を示し、製品ミックス改善の中心となっている。ライフサイエンスは売上高904.4億円、営業利益29.1億円(YoY+36.6%)、利益率3.2%で増収は続くが利益率は他セグメントより低位にとどまる。その他事業は売上高12.3億円、営業利益1.2億円(利益率10.1%)で規模は小さい。全社セグメント利益合計161.6億円に全社費用等+8.7億円、調整額-0.2億円を加えた170.1億円が営業利益に一致する。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は6.1%で前年同期4.3%から+1.8pt改善、純利益率(連結、150.3億円/2797.2億円)は5.4%で前年3.2%から+2.1pt改善した。粗利率19.7%、販管費率13.6%(前年14.4%)で、コスト構造の効率化が利益率改善に寄与している。【キャッシュ品質】ROE3.3%は当四半期の親会社株主帰属純利益146.6億円を期末株主資本で単純に割った水準で、EPS(基本)35.93円は前年17.40円から+106.5%増加、BPSは1,095.74円(前年1,043.19円)に上昇した。【投資効率】総資産は9421.2億円(前年8715.3億円から+8.1%)で、総資産回転率は低位にとどまり、売上拡大に対し資産効率の改善余地が残る。【財務健全性】自己資本比率は47.4%(前年48.8%から-1.4pt低下)で、総資産の拡大が売上債権・棚卸資産の増加を伴ったことが背景にあり、なお相対的には高い自己資本水準を維持している。

キャッシュフロー分析

営業活動によるキャッシュフローは-212.6億円で、前年同期の+7.0億円から流出に転じた。主因は増収に伴う運転資本の拡大で、売上債権が286.4億円、棚卸資産が150.3億円それぞれ資金を吸収し、仕入債務の増加+130.6億円による一部相殺を経てもなお大幅な流出となった。ここから法人税等の支払59.3億円、利息の受取12.9億円、利息の支払10.1億円等を加減して最終的な営業CFが確定している。投資活動によるキャッシュフローは-41.4億円で、うち設備投資が34.4億円を占め、減価償却費46.2億円を下回る水準にとどまり投資負担は抑制的である。財務活動によるキャッシュフローは+181.2億円で、コマーシャルペーパーや短期借入等による資金調達が運転資本の膨張を補う形となった。結果としてフリーキャッシュフロー(営業CF+投資CF)は-254.0億円となり、当四半期の自己創出キャッシュでは投資・配当を十分にカバーできておらず、下期以降の在庫・売上債権の回収進捗がキャッシュフロー改善の鍵となる。

収益の質

今期の利益は営業活動を中心とした経常的な収益で構成されており、特別利益0.9億円・特別損失0.3億円と一時的要因の影響は極めて限定的である。営業外収益19.7億円の主体は受取配当金10.1億円と為替差益2.4億円で、営業外費用9.3億円の主体は支払利息8.6億円であり、営業外収支は純額+10.4億円の押し上げ要因となった。一方で包括利益は276.9億円(親会社株主分270.8億円)と純利益150.3億円を大きく上回り、その差は為替換算調整額+55.4億円および有価証券評価差額金+78.5億円によるその他の包括利益の増加が主因である。これらの評価損益は市場価格や為替水準に依存し損益計算書上の恒常的な収益力を示すものではないため、純利益と包括利益の乖離は資産評価変動の影響として区別して捉える必要がある。加えて、営業CFが純利益を大きく下回っている点はアクルーアル(未回収の売上債権・在庫積み増し)の増加を反映しており、当期利益の現金化には運転資本の正常化が前提となる。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画は売上高10000.0億円(YoY+2.8%)、営業利益450.0億円(YoY+0.6%)、経常利益450.0億円(YoY+2.1%)、親会社株主に帰属する純利益345.0億円が示されている。第1四半期の進捗率は売上高28.0%、営業利益37.8%、経常利益40.1%、純利益(親会社株主帰属)42.5%で、単純な四半期基準(25%)をいずれも上回っており、利益面で先行して進捗している。ただし会社は中東情勢等の影響を踏まえ、今後の市場動向・需要を精査した上で第2四半期決算公表時に通期業績見通しを更新予定としており、当四半期の業績予想・配当予想自体には修正はない。

株主還元

通期の配当予想は1株当たり27.00円で、予想EPS84.59円に対する配当性向は約31.9%となる。なお2026年4月1日付で1株を4株に分割しており、前期実績の配当45円は分割前の額で記載されているため、当期予想27円との単純比較では実質的な増減配の判断はできない。当四半期の配当予想修正はなく、方針は継続されている。当四半期において自社株買いに関する実施は確認されず、株主還元は配当を中心とした構成となっている。

リスク要因

  1. 運転資本膨張によるキャッシュ創出力の低下: 営業CFは-212.6億円で、売上債権が286.4億円、棚卸資産が150.3億円増加したことが主因。増収が続く中で回収・在庫の適正化が進まなければ、キャッシュフローの改善が遅れる可能性がある。

  2. 通期業績見通しの不確実性: 会社は中東情勢の影響を踏まえ、第2四半期決算時に通期見通しを改めて更新する方針を示している。市況変動に応じて計画数値が変更される可能性がある。

  3. 原材料コスト・為替変動への感応度: 粗利率は19.7%と相対的に低い水準にあり、化学品原材料の価格や為替相場の変動が売上原価および利益率に影響を及ぼしやすい構造にある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(trading)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率6.1%4.3% (1.7%–6.9%)+1.8pt
純利益率5.4%3.8% (1.5%–5.1%)+1.6pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を上回り、収益性は同業内で相対的に高い水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)17.9%3.1% (-0.6%–11.7%)+14.8pt

売上高成長率は業種中央値を大幅に上回り、業種内でも高い増収ペースにある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 増収と営業レバレッジの両立: 全主要3セグメントが2桁増収となる中、販管費率が13.6%へ低下し営業利益率が+1.8pt改善した。エレクトロニクスが利益率9.9%と最も高く、セグメント別の収益性の差が製品ミックス変化の観察点となる。

  2. キャッシュフローと損益の乖離: 損益面では増収増益が明確である一方、営業CFは-212.6億円と純利益150.3億円を大きく下回る。売上債権・棚卸資産の増加が主因であり、損益の伸びがそのままキャッシュ創出に結びついていない点は決算の質を見る上での観察点となる。

  3. 通期進捗と見通し更新の予定: 営業利益・純利益の進捗率がいずれも四半期基準の25%を上回る一方、会社自身は中東情勢等を踏まえ第2四半期に通期見通しを更新するとしている。次回開示での計画修正の有無が今後の確認ポイントとなる。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,073円
base(基準)1,097円
bull(強気)1,097円
算出前提
1株純資産(BPS)1,096円
調整後予想EPS100.7円
株主資本コスト r9.15%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向31.9%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER1.00倍 / 10.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,066円〜1,129円、ω±0.1で 1,097円〜1,097円。

注記:

  • のれん償却 7.6円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 通期予想に対する純利益の進捗(42%)が標準(25%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。