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79842026 第2四半期プライムJGAAP

コクヨ(7984) 2026年度第2四半期決算 増収・営業益8%増

2026年度第2四半期の売上高は2,021億円(前年同期比+9.1%)、営業利益は190.3億円(同+7.6%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

コクヨ株式会社

情報通信・サービスその他/その他製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥2020.7億¥1852.1億+9.1%
営業利益¥190.3億¥176.9億+7.6%
経常利益¥204.3億¥174.4億+17.1%
純利益¥147.5億¥139.2億+5.9%
ROE(年換算)11.4%10.9%-

Executive Summary

2026年度第2四半期累計は、ファニチャー事業を中心とした増収に支えられ増収増益を確保したが、粗利率・営業利益率は前年から小幅に低下しており、増収の質は規模拡大先行型である。売上高は2020.7億円(前年比+9.1%)、営業利益は190.3億円(同+7.6%)、経常利益は204.3億円(同+17.1%、為替差益・受取利息等が押上げ)、純利益(親会社株主帰属)は147.0億円(同+6.4%)となった。営業利益率は9.4%で前年同期から約0.2pt低下し、増収に対して単位当たり採算はわずかに薄まっている。

業績変動要因

【売上高】売上高は2020.7億円で前年比+9.1%増。主力のファニチャー事業が1011.4億円(+10.1%)と最大の伸びを示し、ステーショナリー事業465.9億円(+8.7%)、ビジネスサプライ流通574.1億円(+8.1%)が続いた。インテリアリテール事業は118.0億円(+0.2%)とほぼ横ばいであった。

【損益】営業利益は190.3億円(+7.6%)で、売上成長率9.1%をやや下回り、粗利率は40.7%と前年から約16bp低下した。ビジネスサプライ流通事業は増収ながら営業利益が23.4億円(-12.1%)と減益となり、利益率は4.1%へ低下した。一方ファニチャー事業は183.7億円(+10.3%)と増収増益を維持し、全社利益成長を牽引した。経常利益は営業利益を13.9億円上回り、為替差益6.1億円等の営業外収益がその要因である。純利益は投資有価証券売却益10.5億円を含む特別利益と法人税等64.2億円(実効税率30.3%)を経て147.0億円となった。全体として増収増益だが、増益率が増収率を下回る点で、利益率面での改善余地が残る。

セグメント別分析

ファニチャー事業は外部売上高1011.4億円(前年比+10.1%)、セグメント利益183.7億円(+10.3%)、利益率18.2%と全社利益の中核を占め、報告セグメント利益合計253.8億円の約72%に相当する。ステーショナリー事業は売上465.9億円(+8.7%)、利益44.8億円(+10.0%)、利益率9.6%と安定した採算を維持した。ビジネスサプライ流通事業は売上574.1億円(+8.1%)に対し利益23.4億円(-12.1%)と減益で、利益率は4.1%へ低下しており、増収減益の状態にある。インテリアリテール事業は売上118.0億円(+0.2%)とほぼ横ばいだが利益4.6億円(+12.4%)と改善した。全社費用等の調整額は63.4億円のマイナスで前年の58.8億円から悪化し、セグメント利益合計の増加18.0億円に対し連結営業利益の増加は13.5億円にとどまった。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は9.4%、純利益率は7.3%で、いずれも前年同期(営業利益率約9.6%、純利益率約7.5%)からわずかに低下した。年換算ROEは11.4%と良好な水準を維持している。【キャッシュ品質】営業CFは118.3億円で純利益147.0億円に対し0.81倍にとどまり、買掛金186.1億円の減少が運転資本を圧迫した結果、営業CF/EBITDA(概算)は低位にある。【投資効率】設備投資80.6億円は減価償却費44.7億円の1.80倍で更新投資を上回る投資局面にあり、フリーCFは32.9億円である。【財務健全性】自己資本比率は74.6%、有利子負債は35.8億円と僅少で、現金及び預金984.3億円が大きく上回るネットキャッシュ状態にあり、財務基盤は保守的である。

キャッシュフロー分析

営業CFは118.3億円で前年同期比+38.4%となったが、純利益147.0億円に対しては0.81倍にとどまり、買掛金186.1億円の減少という運転資本の流出が現金創出を圧迫した。投資CFは85.4億円の流出で、設備投資80.6億円と無形固定資産取得を中心とし、減価償却費44.7億円の1.80倍に相当する投資強度の高さを示す。この結果フリーCF(営業CF+投資CF)は32.9億円となり、財務CFでは自社株買い75.7億円と配当支払いを中心に161.3億円の流出があった。フリーCFのみでは株主還元を完全に賄えていないが、現金及び預金984.3億円という厚い手元資金がこれを補完している。今後は買掛金減少の反動および運転資本効率の改善が、営業CFの安定的な拡大にとって重要な観察点となる。

収益の質

営業外収益は16.7億円で売上高の0.8%にとどまり、経常収益の大部分は本業由来である。経常利益204.3億円は営業利益190.3億円を13.9億円上回り、その差は為替差益6.1億円、受取利息2.1億円、受取配当金2.0億円等の営業外収益によるものであり、恒常的な収益構造の一部である。税引前利益211.7億円は経常利益をさらに7.5億円上回り、投資有価証券売却益10.5億円を中心とする特別利益と特別損失3.3億円の差額が寄与しており、この純額は一時的要因として区別すべきである。経常利益から純利益への乖離は法人税等64.2億円(実効税率30.3%)が主因である。営業CFが純利益を下回っている点は、運転資本変動(買掛金減少)によるものであり、アクルーアル要因としてキャッシュ創出力の観察が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想(売上高3900.0億円、営業利益270.0億円、経常利益268.0億円)に対する上期進捗率は、売上高51.8%、営業利益70.5%、経常利益76.2%、純利益72.4%であり、営業利益以下の進捗が標準的な50%を大きく上回っている。ただし上期利益には為替差益および投資有価証券売却益を中心とする特別損益純額が含まれるため、進捗の全てを恒常的な上振れとは評価しにくい。会社は業績予想を修正せず据え置いており、中東情勢に伴う原材料・物流費上昇の影響を通期予想に織り込んでいる。通期予想は売上高+8.4%に対し営業利益+2.9%、経常利益-1.6%を前提としており、下期の利益率圧迫を想定した内容である。

株主還元

当第2四半期の配当は1株当たり12.25円であり、これを親会社株主帰属純利益147.0億円に対して算定した上期配当性向は36.8%である。通期配当予想は1株当たり24.50円、通期純利益予想203.0億円をもとにした通期配当性向は約51.7%と推計され、60%未満の一般的な持続可能性目安に収まる。これに加え、当期は自社株買い75.7億円を実施しており、配当と自社株買いを合わせた総還元額は約131.6億円、上期純利益比では約89.5%に達する。なお、2025年7月1日付で1株につき4株の株式分割を実施しており、期末配当は分割後の金額で記載されている。

リスク要因

  1. 原材料・物流コスト上昇: 会社は中東情勢に伴う原材料・物流費上昇を通期予想に織り込んでいる。上期の粗利率は前年同期比約16bp低下しており、価格転嫁や調達効率化が不十分な場合、下期の利益率に追加的な下押し圧力となる可能性がある。

  2. キャッシュ転換効率の低下: 営業CFは純利益の0.81倍にとどまり、買掛金186.1億円の減少が主因となっている。これが一過性の決済タイミングであれば反動改善が見込まれるが、継続する場合は投資・還元余力を制約しうる。

  3. ビジネスサプライ流通事業の採算低下: 同事業は売上574.1億円(+8.1%)と増収である一方、営業利益は23.4億円(-12.1%)と減益で利益率は4.1%へ低下した。増収減益の構造が続く場合、全社利益率への影響が拡大する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率9.4%9.7% (5.4%–23.7%)−0.2pt
純利益率7.3%5.4% (1.3%–20.1%)+1.9pt

営業利益率は業種中央値をわずかに下回るが、純利益率は業種中央値を上回り、収益性は総じて業種内で中位から上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)9.1%10.6% (-3.4%–25.4%)−1.5pt

売上高成長率は業種中央値をやや下回るが、業種のIQR幅は広く、成長率は業種内で標準的な水準にある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高+9.1%、営業利益+7.6%と増収増益を維持したが、粗利率・営業利益率が前年から小幅に低下しており、増収が利益率改善に直結していない点は決算上の注目点である。

  2. 通期予想に対する上期利益進捗率が70%超と高いが、為替差益や投資有価証券売却益を含むため、下期のコスト動向を踏まえた恒常的な収益力の確認が必要である。

  3. 営業CFが純利益を下回り、現金転換効率が低下している点は、自社株買いを含む積極的な株主還元とのバランスにおいて、今後のモニタリングポイントとなる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)579円
base(基準)596円
bull(強気)601円
算出前提
1株純資産(BPS)605円
調整後予想EPS52.9円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向51.1%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.99倍 / 11.3倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 580円〜613円、ω±0.1で 596円〜596円。

注記:

  • のれん償却 0.2円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 通期予想に対する純利益の進捗(72%)が標準(50%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。