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79662027 第1四半期プライムJGAAP

リンテック(7966) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益18%増

2027年度第1四半期の売上高は831.8億円(前年同期比+7.9%)、営業利益は68.7億円(同+18.4%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

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クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥831.8億¥770.7億+7.9%
営業利益¥68.7億¥58.0億+18.4%
経常利益¥71.4億¥56.2億+27.2%
純利益¥54.0億¥38.2億+41.3%
ROE2.1%1.5%-

Executive Summary

売上高の増収を上回る営業増益・純利益増益となり、増収増益かつ利益の質改善を伴う決算である。売上高は831.8億円(前年比+7.9%)、営業利益は68.7億円(同+18.4%)、経常利益は71.4億円(同+27.2%)、純利益は54.0億円(同+41.3%)となった。主力の電子・光学関連の採算改善が全社利益率を押し上げ、営業利益率は8.3%、純利益率は6.5%へと前年から改善した。

業績変動要因

【売上高】売上高は831.8億円で前年比+7.9%。セグメント別では、最大構成比(約58%)の印刷材・産業工材関連が483.7億円(+7.2%)、電子・光学関連が255.4億円(+12.2%)と最も高い伸びを示し、洋紙・加工材関連は130.5億円(+0.5%)と緩やかな伸びにとどまった。増収は主力事業の需要拡大に加え、高成長の電子・光学関連が牽引した。

【損益】営業利益は68.7億円(+18.4%)で、売上成長率を上回る伸びとなり営業レバレッジが効いた。電子・光学関連はセグメント利益57.6億円(+21.5%)、利益率22.5%と全社利益の大半を稼ぎ、利益率も前年から改善した。一方、印刷材・産業工材関連は利益率1.7%と低採算が続く。経常利益は71.4億円(+27.2%)と営業利益の伸びを上回り、為替差益1.5億円を含む営業外収支の改善が寄与した。特別利益0.5億円(投資有価証券売却益等)は純利益に占める割合が小さく一時的要因の影響は限定的である。純利益は54.0億円(+41.3%)で、税負担が前年並みに収まったことも押し上げ要因となった。結論として増収増益であり、増益率が増収率を大きく上回る質の高い決算内容といえる。

セグメント別分析

電子・光学関連は売上255.4億円(+12.2%)、営業利益57.6億円(+21.5%)、利益率22.5%と全セグメント利益の約84%を占める中核事業である。印刷材・産業工材関連は売上483.7億円(+7.2%)と規模最大だが、営業利益8.0億円(+6.4%)、利益率1.7%と低採算構造が続く。洋紙・加工材関連は売上130.5億円(+0.5%)、営業利益3.0億円(+4.5%)と小規模ながら増収増益を維持した。全社利益成長は電子・光学関連への依存度が高く、同事業の需要動向が連結収益性を左右する構図である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は8.3%で前年から改善し、純利益率は6.5%へ上昇した。粗利率は26.0%、販管費率は17.7%であり、増収に伴う固定費吸収が利益率改善に寄与した。【キャッシュ品質】営業CFは34.7億円にとどまり、純利益54.0億円に対する比率は0.64倍と、利益に対するキャッシュ創出はやや弱い。売上債権が21.0億円、棚卸資産が5.9億円増加し運転資本が資金を圧迫した一方、仕入債務が21.1億円増加し一部を相殺した。【投資効率】ROE(四半期累計ベース)は2.1%で、年換算では概ね8%台と推計される。総資産回転率は年率換算で1倍前後であり、資産効率は概ね安定的に推移している。【財務健全性】自己資本比率は75.9%と極めて高く、現金及び預金547.5億円に対し有利子負債は小規模にとどまる。流動資産1984.8億円に対し流動負債648.1億円と流動性は厚く、財務基盤は総じて堅固である。

キャッシュフロー分析

営業CFは34.7億円で前年比-29.1%となり、純利益54.0億円の伸びに対してキャッシュ創出は遅れている。主因は売上債権21.0億円増加、棚卸資産5.9億円増加という運転資本の資金流出であり、仕入債務21.1億円増加が一部を相殺したものの吸収しきれていない。投資CFは35.5億円の支出で、設備投資28.6億円のほか事業取得関連支出を含む。営業CFから設備投資を差し引いたフリーキャッシュフローは0.8億円の小幅な赤字となった。財務CFは49.8億円の支出で、配当金支払35.8億円が主な内訳である。現金及び預金は547.5億円と厚く、有利子負債は小規模であるため、短期的な資金繰りの制約は限定的である。今後は売上債権回収と在庫回転の改善が、利益成長を営業キャッシュフローへ結びつける鍵となる。

収益の質

今期の増益は本業の増収・利益率改善による経常的な要因が中心であり、特別利益0.5億円(投資有価証券売却益等)の寄与は純利益の1%未満と小さく、一時的要因への依存は限定的である。営業外収益は為替差益1.5億円を含む3.7億円で、営業外費用1.0億円を上回り経常利益を押し上げたが、この為替差益は市況変動による性質を持つため持続性には留意が必要である。包括利益は65.8億円と純利益54.0億円を上回り、為替換算調整額12.8億円のプラスが主因であるが、これは資産評価上の変動であり本業の収益力とは区別すべきである。一方、営業CFが純利益を下回る点はアクルーアル(発生主義と現金主義の乖離)が運転資本増加により生じていることを示しており、利益の質という観点ではキャッシュ転換の遅れがモニタリングポイントとなる。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高342.0億円(前年比+7.1%)、営業利益27.5億円(同+9.3%)、経常利益27.5億円(同+7.1%)であり、当第1四半期時点の進捗率は売上高24.3%、営業利益25.0%、経常利益26.0%、純利益27.7%と概ね標準的な水準にある。業績予想および配当予想の修正はなく、Q1実績は現行計画と整合的である。純利益の進捗率が営業・経常利益をやや上回る点は、税負担や営業外収支が計画対比で良好に推移していることを示唆する。

株主還元

通期配当予想は年間120円であり、通期EPS予想297.79円に基づく配当性向は約40.3%となる。当第1四半期の配当支払額は35.8億円で、同四半期のフリーキャッシュフローは0.8億円の赤字であり単四半期ではFCFで配当をカバーしていないが、これは運転資本の季節的な増加によるものであり、現金及び預金547.5億円と低い有利子負債を踏まえると財務余力による吸収が可能な水準である。当第1四半期における自己株式取得は計上されておらず、ここでの数値は配当のみに基づく配当性向である。

リスク要因

  1. 事業集中リスク: 電子・光学関連がセグメント利益の約84%を占め、同事業の需要変動や顧客の設備投資調整が連結収益性に大きく影響する。

  2. 運転資本の悪化リスク: 売上債権が21.0億円、棚卸資産が5.9億円それぞれ増加し、営業CFは純利益の0.64倍にとどまる。回収・在庫回転の改善が進まなければキャッシュ創出力への影響が続く可能性がある。

  3. 低採算セグメントの構造リスク: 売上構成比最大の印刷材・産業工材関連は営業利益率1.7%と低水準であり、原材料価格や稼働率のわずかな変動が同セグメント利益を大きく左右しうる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率8.3%8.7% (4.2%–14.3%)−0.4pt
純利益率6.5%7.1% (3.2%–10.6%)−0.6pt

自社の収益性は業種中央値をやや下回るものの、IQRの範囲内に収まる水準である。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)7.9%6.2% (-1.1%–14.6%)+1.7pt

売上成長率は業種中央値を上回っており、増収ペースは相対的に速い。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高+7.9%増に対し営業利益+18.4%増、純利益+41.3%増と、増益率が増収率を大きく上回る決算内容であり、営業利益率・純利益率がともに前年から改善している。

  2. 電子・光学関連が利益率22.5%、利益貢献度約84%と収益の柱である一方、営業CF/純利益が0.64倍にとどまり、利益成長に対するキャッシュ創出のタイムラグが観察される。

  3. 通期会社予想に対する進捗率は各利益指標で25〜28%と標準的な範囲にあり、業績予想・配当予想は据え置かれている。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,910円
base(基準)3,971円
bull(強気)4,046円
算出前提
1株純資産(BPS)3,989円
調整後予想EPS383.5円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向40.3%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.00倍 / 10.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,862円〜4,085円、ω±0.1で 3,971円〜3,972円。

注記:

  • のれん償却 71.2円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。