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79622026 通期プライムJGAAP

キングジム(7962) 2026年度通期決算 減収・営業益110%増

2026年度通期の売上高は391.3億円(前年同期比-1.3%)、営業利益は11.3億円(同+109.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

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クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥391.3億¥396.4億−1.3%
営業利益¥11.3億¥5.4億+109.9%
経常利益¥15.1億¥8.4億+80.7%
純利益¥10.0億¥4.2億+11.0%
ROE3.8%1.8%-

Executive Summary

売上高は微減となったものの、粗利率改善と販管費抑制により営業利益・経常利益・純利益がいずれも大幅増益となり、収益体質の回復が鮮明になった決算である。売上高は391.3億円(前年比-1.3%)、営業利益は11.3億円(同+109.9%)、経常利益は15.1億円(同+80.7%)、純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)は10.0億円(同+135.8%)となった。増益の主因は粗利率が38.6%へ+1.1pt改善したことと販管費が前年比-2.6%に抑制されたことで、加えて受取配当金や為替差益などの営業外収益も経常利益を押し上げた。純利益には投資有価証券売却益を中心とする特別利益の押し上げも含まれており、この一時的要因を除いたコア収益力の持続性が今後の観察点となる。

業績変動要因

【売上高】売上高は391.3億円で前年比-1.3%の減収となった。セグメント別では文具事務用品事業が250.6億円(構成比64.1%、YoY-0.9%)、ライフスタイル用品事業が143.6億円(構成比36.6%、YoY-2.8%)と両セグメントとも減収であり、既存製品需要の伸び悩みが全体の売上を押し下げた。

【損益】営業利益は11.3億円(YoY+109.9%)、営業利益率は2.9%と前年の1.4%から+1.5pt改善した。改善要因は粗利率が38.6%(前年37.5%)へ拡大したことと、販管費が139.6億円(前年比-2.6%)へ抑制されたことで、減収下でも固定費コントロールが利益を押し上げた。経常利益は15.1億円(YoY+80.7%)で、受取配当金1.5億円・為替差益1.3億円などの営業外収益が上乗せに寄与した。特別損益は投資有価証券売却益1.8億円を中心にネットで+1.2億円のプラスとなり一時的要因として純利益を押し上げたが、実効税率38.8%の税負担により経常利益15.1億円から純利益10.0億円への乖離が生じている。総じて減収増益の決算である。

セグメント別分析

文具事務用品事業は売上250.6億円(YoY-0.9%)に対し営業利益6.6億円(YoY+72.6%、利益率2.6%)、ライフスタイル用品事業は売上143.6億円(YoY-2.8%)に対し営業利益4.5億円(YoY+243.5%、利益率3.1%)となった。両セグメントとも減収ながら大幅増益で、コスト構造改善が全社的に進んだことがうかがえる。特にライフスタイル用品事業は利益率が文具事務用品事業を上回り、前期の減損計上(旧エイチアイエムのれん減損1.2億円)の反動もあって利益の伸びが顕著である。当期は文具事務用品事業で遊休資産に係る減損0.4億円を計上しており、前期比で減損規模は縮小している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は2.9%で前年の1.4%から+1.5pt改善し、純利益率も2.6%(前年1.1%)へ拡大した。ROEは3.8%で、純利益の回復を反映して前年から改善している。【キャッシュ品質】営業CFは21.1億円で純利益10.0億円の2.1倍にあたり、利益の現金裏付けは良好である。【投資効率】総資産回転率は約1.05倍(売上391.3億円÷総資産373.5億円)で、経常利益ベースのROAは4.1%となっている。【財務健全性】自己資本比率は70.2%で前年の67.5%から改善し、流動比率は約317%、当座比率は約196%と流動性は厚い。現金及び預金68.3億円は有利子負債(短期借入35.0億円、1年内返済長期借入4.4億円、長期借入8.6億円の合計約48.0億円)を上回る水準にある。

キャッシュフロー分析

営業CFは21.1億円で前年の14.7億円から+44.0%増加し、純利益10.0億円の2.1倍にあたる水準で利益の現金化は良好である。運転資本面では棚卸資産の減少が3.2億円のプラス、仕入債務の増加が1.4億円のプラスとなった一方、売上債権の増加が1.7億円のマイナス要因となった。投資CFは-5.5億円で、主に設備投資5.9億円(減価償却費6.5億円に対し概ね同水準)が占めている。この結果フリーキャッシュフローは15.6億円を確保し、財務CF-18.8億円(短期借入純減10.4億円、長期借入返済4.4億円、配当金支払3.9億円)に充当した。現金及び現金同等物の期末残高は63.6億円で前期末とほぼ横ばいであり、資金繰りに大きな変化は見られない。

収益の質

経常利益15.1億円に対し純利益は10.0億円と5.1億円の乖離があり、主因は実効税率38.8%に相当する法人税等6.3億円の負担である。特別損益は投資有価証券売却益1.8億円を中心に特別利益1.8億円、減損損失0.4億円等を含む特別損失0.6億円が計上され、ネットで+1.2億円と純利益の約12%を押し上げており一時的要因の寄与が認められる。営業外収益5.2億円のうち受取配当金1.5億円・為替差益1.3億円は市況変動の影響を受けやすい非経常性の高い項目である。一方で包括利益は25.5億円と純利益を15.5億円上回り、有価証券評価差額金+8.2億円、為替換算調整額+4.5億円、退職給付に係る調整額+2.7億円がその他の包括利益として積み上がっている。営業CFが純利益を上回っており、アクルーアルの観点からは利益の現金裏付けは良好と評価できる。

業績予想・ガイダンス

本決算は2026年6月期の通期実績であり、開示されている業績予想は次期(2027年6月期)の会社計画である。次期計画は売上高420.0億円(YoY+7.3%)、営業利益14.4億円(YoY+27.6%)、経常利益16.2億円(YoY+7.2%)、EPS37.46円としており、増収増益を見込んでいる。営業利益の伸び率(+27.6%)が売上高の伸び率(+7.3%)を上回る計画であり、当期に進んだ粗利率改善・販管費抑制の継続を前提とした計画とみられる。

株主還元

当期の年間配当は15円(中間7円・期末8円)で、配当性向は42.2%(配当総額4.2億円÷純利益10.0億円)となった。前期は純利益が小幅であったため配当性向は92.6%と高水準だったが、当期は純利益の回復により配当性向は正常化している。フリーキャッシュフロー15.6億円は配当総額4.2億円を上回っており、配当の持続性を支えている。次期については現時点で7.00円の配当予想が開示されている。自社株買いに関する開示は確認されない。

リスク要因

  1. 棚卸資産水準リスク: 棚卸資産は92.3億円で総資産の24.7%を占め、売上原価240.4億円対比の在庫日数は約140日である。在庫水準の高さは資産効率や将来の評価損リスクに影響し得る。

  2. 事業セグメント集中リスク: 文具事務用品事業が売上高の64.1%、セグメント利益計の59.4%(6.6億円/11.1億円)を占めており、同事業の需要変動が全体業績に与える影響が大きい。

  3. 有価証券評価・為替変動リスク: 投資有価証券41.0億円(総資産の11.0%)を保有し、当期は評価差額金が+8.2億円増加した。また営業外損益に為替差益1.3億円を計上しており、市況・為替変動により今後の損益・純資産が変動しうる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率2.9%7.8% (4.6%–12.3%)−4.9pt
純利益率2.6%5.2% (2.3%–8.2%)−2.6pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を下回っており、収益性は業種内で見劣りする水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−1.3%3.7% (-0.4%–9.3%)−5.0pt

売上高成長率も業種中央値を下回っており、トップライン面では業種内で相対的に弱含みである。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 減収局面でも営業利益が前年比+109.9%と大きく伸びた点は、粗利率改善(+1.1pt)と販管費抑制(-2.6%)によるコスト構造の変化を示しており、売上減少下での利益率改善は収益体質強化の兆しと解釈できる。

  2. ライフスタイル用品事業の営業利益率(3.1%)が文具事務用品事業(2.6%)を上回った点は、収益源の多様化とポートフォリオ効果の進展を示している。

  3. 純利益には投資有価証券売却益を中心とする一時的要因が純利益の約12%を押し上げており、次期以降はこうした一時益を除いたコア収益力の継続が焦点となる。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)798円
base(基準)805円
bull(強気)814円
算出前提
1株純資産(BPS)928円
調整後予想EPS45.1円
株主資本コスト r9.65%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向18.7%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.87倍 / 17.8倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 783円〜829円、ω±0.1で 801円〜808円。

注記:

  • のれん償却 5.8円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。