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79512027 第1四半期プライムIFRS

ヤマハ(7951) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益201%増

2027年度第1四半期の売上高は1,163億円(前年同期比+12.0%)、営業利益は137.9億円(同+200.5%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

ヤマハ株式会社

情報通信・サービスその他/その他製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1163.3億¥1038.9億+12.0%
営業利益¥137.9億¥45.9億+200.5%
税引前利益¥147.8億¥37.9億+290.2%
純利益¥107.3億¥24.0億+347.2%
ROE2.2%0.5%-

Executive Summary

2027年3月期第1四半期は増収増益で、粗利益率改善と販管費率低下による本業収益力の向上が業績を牽引した。売上収益は1163.3億円(前年比+12.0%)、営業利益は137.9億円(同+200.5%)、税引前利益は147.8億円(同+290.2%)、純利益(親会社所有者帰属)は106.9億円(同+348.8%)となった。ただし営業利益137.9億円のうちその他収益47.6億円の寄与が大きく、事業利益(売上総利益-販管費)でみると92.9億円(同+97.7%)であり、本業ベースの改善度はやや緩やかとなる。増益の主因は楽器事業の大幅な増収増益である。

業績変動要因

【売上高】売上収益は1163.3億円で前年比+12.0%増収。セグメント別では楽器事業が776.8億円(同+16.8%)と全体を牽引し、音響機器事業は349.5億円(同+5.9%)、その他事業は37.0億円(同-15.0%)となった。楽器・音響機器の合計は連結売上の96.8%を占め、増収は主力2事業の需要拡大によるものである。

【損益】売上原価694.5億円、粗利率40.3%(前年37.3%から+3.0pt改善)。販管費は375.9億円(同+10.5%)と増収率を下回るペースで、販管費率は32.3%(同-0.4pt)に低下し、営業レバレッジが効いた。事業利益は92.9億円(同+97.7%)、事業利益率8.0%(前年4.5%から+3.5pt)。営業利益はその他収益47.6億円を含み137.9億円(同+200.5%)、営業利益率11.9%(同+7.4pt)。純利益は106.9億円(同+348.8%)で、増収増益の結果となった。

セグメント別分析

楽器事業は売上776.8億円(同+16.8%)、事業利益64.5億円(同+207.9%)、事業利益率8.3%(前年3.1%から+5.2pt)と、増益の中心的な役割を果たした。音響機器事業は売上349.5億円(同+5.9%)、事業利益28.2億円(同+21.7%)、事業利益率8.1%(同+1.0pt)と堅調に改善した。その他事業は売上37.0億円(同-15.0%)、事業利益0.2億円(前年2.8億円から減益)で、利益率は0.5%まで低下した。同事業ではゴルフ用品事業の終了決定があり、事業ポートフォリオ再編が進行中である。楽器事業の事業利益は連結事業利益92.9億円の約69%を占め、同事業の動向が全社業績に与える影響は大きい。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は11.9%で前年同期4.4%から大幅に上昇し、純利益率も9.2%(前年2.3%)へ改善した。事業利益(その他収益・費用除く本業ベース)の利益率は8.0%であり、報告営業利益率との差はその他収益の寄与によるものである。【キャッシュ品質】営業CFは162.6億円で親会社帰属純利益106.9億円の1.52倍にあたり、利益の現金化は良好である。【投資効率】ROEは2.2%(四半期実績ベース)であり、年換算では概ね8%台半ばの水準となる。自己資本比率77.2%の保守的な資本構成のもとでの水準であり、負債レバレッジには依存していない。【財務健全性】自己資本比率77.2%、現金及び現金同等物1209.1億円、流動資産3786.6億円に対し流動負債1028.5億円で、流動性は高い。棚卸資産は1610.4億円と総資産の25.2%を占め、在庫水準は運転資本効率の観点で継続的な確認対象となる。

キャッシュフロー分析

営業CFは162.6億円(前年比+219.3%)で、親会社帰属純利益106.9億円に対する比率は1.52倍と利益の現金化は良好である。営業債権の減少により95.6億円の資金流入が生じた一方、棚卸資産の増加により66.1億円、仕入債務の減少により47.9億円の資金流出があり、在庫積み増しと支払サイトの短縮が運転資本を圧迫した。投資CFは59.1億円の支出で、うち設備投資が36.7億円を占める。財務CFは3.9億円の支出で、配当金支払57.2億円を短期借入金の増加68.98億円等で一部相殺した。フリーCFは103.5億円となり、設備投資と配当金支払(合計93.9億円)を上回る内部資金創出があった。現金及び現金同等物は期首比119.6億円増加し1209.1億円となった。

収益の質

当四半期の増益は、粗利率改善と販管費率低下による本業ベースの事業利益92.9億円(同+97.7%)が中核である一方、営業利益137.9億円にはその他収益47.6億円が含まれ、営業利益の34.5%を占める。このため報告営業利益の増益率(+200.5%)は本業改善のペースを上回っており、収益性評価では事業利益ベースの改善を重視するのが妥当である。金融収支は金融収益11.4億円と金融費用1.4億円の差額約10.0億円の黒字で、税引前利益147.8億円への寄与は限定的である。営業CFが純利益の1.52倍と利益の現金裏付けは良好であり、大きなアクルーアル(会計上利益と現金創出のかい離)は見られない。ただし在庫増加・仕入債務減少という運転資本の悪化要素があり、今後の営業CFの持続性を注視する必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高4900.0億円、営業利益425.0億円(前年比+45.2%)、EPS70.47円、配当26.00円で、当四半期に業績予想の修正が行われている。第1四半期の進捗率は売上高23.7%、営業利益32.4%、EPS基準の進捗(親会社帰属利益ベース)34.5%であり、いずれも売上高進捗が利益進捗を下回る形となった。営業利益・純利益の進捗が標準的な25%を上回っているのは、当四半期に生じたその他収益の寄与を含むためであり、通期予想の営業利益率8.7%は第1四半期実績11.9%より低く設定されている点を踏まえる必要がある。

株主還元

当四半期の配当金支払額は57.2億円で、親会社帰属純利益106.9億円に対する配当性向は53.5%であった。自社株買いは実施されておらず、総還元性向は配当性向と同一である。通期予想の1株当たり配当26.00円と予想EPS70.47円に基づく通期予想配当性向は約36.9%となる。フリーCF103.5億円は配当金支払額を上回っており(カバー率1.81倍)、当四半期の配当は営業活動による現金創出で裏付けられている。当四半期の配当予想修正は行われていない。

リスク要因

  1. 運転資本効率の悪化: 棚卸資産は期首比87.7億円増加し1610.4億円(総資産の25.2%)となった。年換算ベースの在庫日数・回収期間は長期化傾向にあり、需要変動時の在庫評価損や資金効率の低下につながる可能性がある。

  2. 主力事業への収益依存: 楽器事業の事業利益64.5億円は連結事業利益92.9億円の約69%を占める。同事業の需要動向や製品ミックスの変化が全社業績に与える影響が大きい。

  3. 一時的収益要素への依存: 営業利益137.9億円のうちその他収益47.6億円が34.5%を占める。この要素を除いた事業利益ベースの利益率8.0%が、より持続的な収益力の水準として位置づけられる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率11.9%8.7% (4.2%–14.3%)+3.2pt
純利益率9.2%7.1% (3.2%–10.6%)+2.1pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を上回り、収益性は業種内で上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)12.0%6.2% (-1.1%–14.6%)+5.8pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、IQR上限に近い高成長水準にある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 増収増益の主因は楽器事業の大幅な増収(+16.8%)と利益率改善(事業利益率+5.2pt)であり、粗利率改善(+3.0pt)と販管費率低下(-0.4pt)が全社的な事業利益率の向上を支えた。

  2. 営業CFは純利益の1.52倍で利益の現金化は良好だが、棚卸資産の増加と仕入債務の減少が運転資本を圧迫しており、在庫水準の動向が今後のキャッシュフローの質を左右する。

  3. 通期業績予想は当四半期に修正されており、第1四半期の利益進捗(32~35%)は売上高進捗(23.7%)を上回るが、その一部はその他収益の寄与を含む点に留意が必要である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,023円
base(基準)1,037円
bull(強気)1,054円
算出前提
1株純資産(BPS)1,121円
調整後予想EPS73.9円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向36.9%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.93倍 / 14.0倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,008円〜1,067円、ω±0.1で 1,034円〜1,039円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。