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79172027 第1四半期プライムJGAAP

ZACROS(7917) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益3%減

2027年度第1四半期の売上高は414.2億円(前年同期比+5.4%)、営業利益は33.6億円(同-2.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

ZACROS株式会社

素材・化学/化学


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥414.2億¥393.1億+5.4%
営業利益¥33.6億¥34.6億−2.9%
経常利益¥34.4億¥36.0億−4.6%
純利益¥27.8億¥27.0億+2.9%
ROE2.6%2.6%-

Executive Summary

2027年3月期第1四半期は増収減益となり、純利益の増益は特別利益への依存度が高い点が注目される。売上高414.2億円(前年比+5.4%)に対し、営業利益は33.6億円(同△2.9%)、経常利益は34.4億円(同△4.6%)となった。一方、親会社株主に帰属する四半期純利益は25.4億円(同+3.7%)と増益を確保したが、これは特別利益7.3億円の計上が主因であり、税引前利益41.5億円は経常利益を7.1億円上回っている。営業利益率は8.1%で前年同期の8.8%から低下し、増収が必ずしも利益成長に結びついていない。

業績変動要因

【売上高】売上高は414.2億円(前年比+5.4%)。セグメント別では情報電子156.1億円(同+11.7%、構成比37.7%)、環境ソリューション94.8億円(同+9.8%)、産業インフラ109.9億円(同+0.8%)が増収に寄与した一方、ウェルネスは66.6億円(同△9.4%)と減収した。

【損益】営業利益は33.6億円(同△2.9%)と減益。環境ソリューションの営業利益が8.8億円(同+90.7%)と大幅改善し採算転換した一方、ウェルネスは前年3.2億円の黒字から1.1億円の営業損失に転落し、連結営業利益を約4.3億円押し下げた。産業インフラも増収ながら営業利益は11.4億円(同△14.8%)と減益し、利益率は約13%から約10%へ低下した。経常利益は34.4億円(同△4.6%)だが、特別利益7.3億円(主に一過性の要因)を計上したことで税引前利益は41.5億円となり、純利益は27.8億円(同+2.9%)と増益に転じた。結論として、本決算は増収減益であり、純利益の増益は特別損益に依存した非経常的な要因が大きい。

セグメント別分析

情報電子は売上高156.1億円(構成比37.7%、前年比+11.7%)、営業利益14.5億円(同+8.0%、利益率9.3%)で連結営業利益への寄与率が最大となり、主力事業として増収増益を維持した。環境ソリューションは売上高94.8億円(同+9.8%)、営業利益8.8億円(同+90.7%、利益率9.3%)と採算改善が顕著である。産業インフラは売上高109.9億円(同+0.8%)と横ばいながら、営業利益11.4億円(同△14.8%、利益率10.3%)と減益し、増収の利益転換効率が弱い。ウェルネスは売上高66.6億円(同△9.4%)、営業損失1.1億円(前年は営業利益3.2億円)と赤字転落し、全社収益性の主要な弱点となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率8.1%は前年同期の8.8%から低下し、純利益率6.7%も前年並みの水準にとどまる。ROEは2.6%(四半期実績ベース)であり、四半期利益を年換算した場合でも資本コストを大きく上回る水準には至っていない。【キャッシュ品質】税引前利益41.5億円に対し経常利益は34.4億円にとどまり、両者の乖離7.1億円は特別利益7.3億円によるもので、純利益の質は経常的な収益力より特別損益に依存している。【投資効率】自己資本比率は66.2%と高く、建設仮勘定142.6億円は有形固定資産696.8億円の20.5%を占め、投資規模は大きいが稼働開始後の収益寄与が今後の資本効率を左右する。【財務健全性】流動資産837.9億円に対し流動負債396.0億円で運転資本は441.9億円のプラス、有利子負債104.8億円に対し現金及び預金163.8億円と、財務基盤は保守的かつ健全である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の詳細開示はないが、貸借対照表の動向から資金繰りの方向性を確認できる。現金及び預金は163.8億円と前年の148.4億円から増加し、資金の積み増しが進んでいる。売掛金・受取手形は364.8億円と前年の354.1億円から増加しており、増収に伴う運転資本の拡大が見られる。棚卸資産は88.8億円と前年の95.4億円からやや減少し、在庫効率には改善の兆しがある。建設仮勘定142.6億円を含む活発な設備投資が継続しており、有形固定資産投資は資本集約型事業の特性を反映している。長期借入金72.2億円は前年からほぼ横ばいであり、大規模な資金調達には依存していない。

収益の質

純利益27.8億円(連結)のうち親会社株主帰属分は25.4億円で前年比+3.7%の増益だが、その質には留意が必要である。経常利益34.4億円に対し税引前利益は41.5億円と7.1億円上回っており、この乖離は特別利益7.3億円(固定資産売却益等を含む)の計上によるもので、特別損失は0.1億円にとどまる。営業外損益は収益1.6億円に対し費用0.8億円で純額0.8億円の利益寄与と小さく、経常利益と営業利益の差異は限定的である。したがって、純利益の前年比増益は本業の営業収益力ではなく非経常的な特別利益への依存度が高く、経常利益・営業利益は前年比でともに減益している点を踏まえると、収益の質は前年から低下したと評価できる。包括利益は30.8億円で純利益27.8億円と近い水準にあり、その他有価証券評価差額金1.8億円と為替換算調整額1.3億円がプラス方向に寄与している。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高1,760.0億円(前年比+11.0%)、営業利益112.0億円(同+1.3%)、経常利益115.0億円(同△6.5%)である。第1四半期の進捗率は売上高23.5%、営業利益30.0%、経常利益29.9%であり、いずれも単純進捗率25%を上回るが、経常利益は通期で前年比減益を計画している点に留意が必要である。親会社株主帰属純利益の通期予想65.0億円に対する進捗率は39.1%と高いが、これは特別利益の寄与を含むため、経常的な進捗としては営業利益・経常利益の水準がより実態を反映していると考えられる。当四半期において業績予想・配当予想の修正はない。

株主還元

通期配当予想は1株当たり36.00円である。通期EPS予想90.79円に基づく配当性向は約39.7%となる。利益剰余金811.5億円、自己資本比率66.2%という財務基盤を踏まえると、配当の継続的な支払いを支える余力は確保されている。なお、2025年10月1日付で株式分割(1株を4株に)が実施されており、期末配当金は分割前後の単純合算ができないため、通期配当合計の記載は行われていない。

リスク要因

  1. ウェルネス事業の採算悪化: 売上高は前年同期比△9.4%の66.6億円、営業損益は前年の営業利益3.2億円から営業損失1.1億円へ転落した。連結営業利益を前年差で約4.3億円押し下げており、赤字が継続すれば通期営業利益計画の下振れ要因となる。

  2. 産業インフラの利益率低下: 売上高は同+0.8%とほぼ横ばいながら、営業利益は同△14.8%の11.4億円、利益率は前年の約13%から約10.3%へ低下した。コスト増を販売価格に転嫁できない場合、採算圧迫が継続する可能性がある。

  3. 建設仮勘定の規模と投資効率: 建設仮勘定142.6億円は有形固定資産696.8億円の20.5%を占める。積極的な設備投資の表れである一方、稼働開始の後ずれや投資対効果の未達が生じた場合、資本効率への影響が懸念される。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率8.1%8.7% (4.2%–14.3%)−0.6pt
純利益率6.7%7.1% (3.2%–10.6%)−0.4pt

自社の収益性はいずれも業種中央値をやや下回るが、IQRのレンジ内にあり、突出した劣位ではない。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)5.4%6.2% (-1.1%–14.6%)−0.8pt

売上高成長率も業種中央値をやや下回るが、レンジの中央付近に位置する。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 増収にもかかわらず営業利益率は前年同期の8.8%から8.1%へ低下しており、売上成長が利益成長に十分転換できていない。情報電子・環境ソリューションの増益がウェルネスの赤字転落と産業インフラの減益に相殺された構図である。

  2. 純利益の前年比+3.7%増は、特別利益7.3億円の計上による非経常的な要因を含む。経常利益は同△4.6%の減益であり、経常的な収益力の観点では前年から悪化している点に留意が必要である。

  3. 財務健全性は流動比率・自己資本比率とも高水準で、設備投資を支える財務余力は厚い。今後はウェルネスの採算回復、産業インフラの利益率改善、および建設仮勘定に計上された投資の収益化状況が業績の持続性を判断する上での焦点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,227円
base(基準)1,257円
bull(強気)1,269円
算出前提
1株純資産(BPS)1,344円
調整後予想EPS99.9円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向39.6%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.94倍 / 12.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,222円〜1,293円、ω±0.1で 1,254円〜1,258円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(39%)が標準(25%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。