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78602027 第1四半期プライムJGAAP

エイベックス(7860) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益12%減

2027年度第1四半期の売上高は349.3億円(前年同期比+6.7%)、営業利益は12.8億円(同-12.4%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥349.3億¥327.4億+6.7%
営業利益¥12.8億¥14.6億−12.4%
経常利益¥13.7億¥14.4億−4.7%
純利益¥4.9億¥9.1億−46.0%
ROE(年換算)3.7%6.9%-

Executive Summary

当期は増収減益となり、売上拡大が利益に結びつかなかった点が最大の特徴である。売上高は349.3億円(前年比+6.7%)と増収を確保したが、営業利益は12.8億円(同-12.4%)、経常利益は13.7億円(同-4.7%)、純利益は4.9億円(同-46.0%)と各利益段階で減益となった。増収の主因はアニメ・映像事業の大幅拡大であり、一方で主力の音楽事業の採算悪化、特別損失の増加、実効税率の上昇が最終利益を大きく押し下げた。

業績変動要因

【売上高】売上高は349.3億円で前年比+6.7%の増収となった。セグメント別では、アニメ・映像事業が88.8億円(同+106.3%)と倍増し、連結売上構成比を12.8%から25.4%へ高めた。一方、連結売上の約73%を占める主力の音楽事業は256.9億円(同-7.8%)と減収し、海外事業も6.3億円(同-14.2%)と縮小した。増収の実質的な牽引役はアニメ・映像事業に集中している。

【損益】営業利益は12.8億円(同-12.4%)、営業利益率は3.7%で前年の4.5%から低下した。粗利率が28.7%へ低下する一方、販管費は売上成長率とほぼ同水準の+6.6%増加し、粗利低下を吸収できなかった。アニメ・映像事業の営業利益は11.9億円と連結営業利益の約93%を占め、音楽事業は3.5億円(同-77.7%)へ急減、海外事業は-2.6億円と赤字が拡大した。経常利益は13.7億円(同-4.7%)で営業外収支の改善が一部を補ったが、特別損失2.6億円の計上と法人税等6.2億円(実効税率55.6%)により純利益は4.9億円(同-46.0%)まで縮小した。増収減益である。

セグメント別分析

アニメ・映像事業は売上88.8億円(同+106.3%)、営業利益11.9億円(同+1946.6%)と大幅増収増益となり、利益率も13.4%へ上昇した。音楽事業は売上256.9億円(同-7.8%)、営業利益3.5億円(同-77.7%)と大幅減益し、利益率は1.3%に低下した。海外事業は売上6.3億円(同-14.2%)、営業損失2.6億円と赤字幅が拡大している。連結利益はアニメ・映像事業への依存度が極めて高く、音楽事業の採算回復と海外事業の収益化が今後の焦点となる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は3.7%で前年同期の4.5%から低下し、純利益率も1.4%と前年の2.8%から縮小した。【キャッシュ品質】実効税率は55.6%と高水準であり、税引前利益11.1億円に対し法人税等6.2億円が計上され、最終利益への転換効率を圧迫している。特別損失は2.6億円で前年の0.8億円から増加した。【投資効率】ROE(年換算)は3.7%にとどまり、売上成長が資本効率の改善に結びついていない。【財務健全性】自己資本比率は48.2%、現金及び預金は340.1億円と総資産の31.3%を占め、長期借入金は6.7億円にとどまり、借入依存度は低い水準にある。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示はないが、貸借対照表の変化から資金動向をみると、現金及び預金は340.1億円で前年の343.1億円からほぼ横ばいである。棚卸資産は19.1億円と前年の12.7億円から+50.0%増加し、無形固定資産も64.7億円と前年比+30.1%増加しており、コンテンツ制作・権利資産への投資が資産側で拡大している。流動資産784.4億円に対し流動負債540.8億円と流動比率は145.0%を確保しており、短期的な資金繰りには一定の余裕がある。

収益の質

経常利益13.7億円は営業利益12.8億円を上回り、営業外収支は概ね経常的な受取配当金・受取利息等で構成され、一時的な要因は限定的である。一方、純利益への影響は特別損失2.6億円の計上と実効税率55.6%という高税負担によるところが大きく、税引前利益11.1億円から純利益4.9億円への転換率は低い。この差は一過性の要素が中心であり、営業段階の収益力とは区別して評価する必要がある。包括利益は5.8億円で純利益4.9億円を上回り、為替換算調整額+1.3億円がプラスに寄与しているが、退職給付に係る調整額はマイナスである。

業績予想・ガイダンス

通期営業利益予想は60.0億円(前年比+46.9%)で、当期の進捗率は21.3%と標準的な25%をやや下回る。通期純利益予想3.2億円に対し、当期の親会社株主に帰属する純利益(4.25億円)の進捗率は13.3%にとどまり、標準進捗を11.7pt下回る。営業利益進捗の遅れは限定的だが、特別損失や高税負担の一巡と、音楽事業の採算回復が通期予想達成の焦点となる。業績予想・配当予想ともに期中の修正はない。

株主還元

通期配当予想は1株当たり50.00円、通期EPS予想75.28円に基づく予想配当性向は約66.4%である。これは配当のみを分子とした配当性向であり、自社株買いを含む総還元性向ではない。配当性向は持続可能性の目安である60%を上回るが、現金及び預金340.1億円、有利子負債6.7億円という低レバレッジの財務基盤が支払い能力を下支えしている。当期の純利益進捗率は13.3%にとどまり、通期後半での利益積み上げが配当方針の前提となる。

リスク要因

  1. 主力事業の採算悪化: 音楽事業は売上高が前年比-7.8%、セグメント利益が-77.7%となった。連結売上の約73%を占める最大事業の採算回復が遅れれば、アニメ・映像事業の好調のみでは利益成長の持続性が弱まる。

  2. 収益源の集中リスク: アニメ・映像事業は連結営業利益の約93%を占めており、作品・配信・ライセンス等の案件構成により四半期利益が振れやすい構造にある。

  3. 高税負担と一時的損失: 実効税率は55.6%と高水準であり、特別損失も2.6億円と前年の0.8億円から増加した。これらが継続する場合、通期純利益予想の達成確度を低下させる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率3.7%8.0% (2.4%–15.8%)−4.4pt
純利益率1.4%5.9% (1.6%–10.7%)−4.5pt

収益性は業種中央値を下回り、営業・純利益率ともに業種内で低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)6.7%9.3% (0.4%–16.9%)−2.6pt

売上成長率も業種中央値をやや下回り、IQR中央部に位置する水準である。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高は6.7%増加した一方、営業利益率・純利益率はそれぞれ前年から低下しており、増収の収益性への転換力は弱い。

  2. アニメ・映像事業は大幅増収増益で連結利益の主要な源泉となったが、音楽事業の大幅減益と海外事業の赤字拡大が連結収益の安定性を損なっている。

  3. 借入依存度は低く現金及び預金も340.1億円と厚いが、高税負担・特別損失・仕掛品残高の増加(前年比+50.0%)が当期純利益および利益の予見可能性に対する抑制要因となっている。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,107円
base(基準)1,122円
bull(強気)1,139円
算出前提
1株純資産(BPS)1,233円
調整後予想EPS78.9円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向66.4%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.91倍 / 14.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,092円〜1,153円、ω±0.1で 1,118円〜1,124円。

注記:

  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 53%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。