| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1001.4億 | ¥573.8億 | +74.5% |
| 営業利益 | ¥247.9億 | ¥95.4億 | +160.0% |
| 経常利益 | ¥246.6億 | ¥93.9億 | +162.7% |
| 純利益 | ¥160.4億 | ¥63.9億 | +154.4% |
| ROE | 20.4% | 9.9% | - |
薄膜・ファインケミカル等の高採算セグメントの伸長と貴金属需要の回復により、大幅な増収増益となる決算だった。売上高は1,001.4億円(前年比+74.5%)、営業利益は247.9億円(同+160.0%)、経常利益は246.6億円(同+162.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は160.3億円(同+147.9%)となった。売上の伸びを大幅に上回る利益成長は、製品ミックス改善と販管費の相対的抑制による強い営業レバレッジを反映している。
【売上高】売上高は1,001.4億円で前年573.8億円から+74.5%増加した。セグメント別では最大のファインケミカル・リサイクルが277.0億円(+5.2%)と底堅く推移する一方、サプライチェーン支援190.4億円(+148.8%)、薄膜180.3億円(+60.0%)、電子108.1億円(+83.0%)が高い伸びを示した。報告セグメント外の「その他」も178.6億円(+1212.5%)と急拡大したが、これは原材料在庫からの貴金属(イリジウム・ルテニウム)販売165.6億円を含む機動的な対応によるもので、非経常的な性質を含む。地域別では日本275.0億円(+24.6%)、アジア(日本以外)391.5億円(+172.1%)、北米141.0億円(+55.3%)、欧州193.9億円(+63.8%)と全地域で増収し、特にアジアの伸長が牽引した。
【損益】売上総利益は302.7億円(粗利率30.2%、前年24.7%から+5.5pt改善)。販管費は54.8億円(+17.8%)にとどまり、売上高の伸び率+74.5%を大きく下回ったことで営業利益率は24.8%(前年16.6%から+8.2pt)に拡大した。営業外損益はデリバティブ評価益14.4億円が支払利息9.4億円・為替差損12.0億円を概ね相殺し、経常利益246.6億円は営業利益とほぼ同水準にとどまった。特別損失として減損損失2.0億円(一時的要因)を計上したが影響は軽微で、親会社株主に帰属する当期純利益は160.3億円(+147.9%)、実効税率は約34.4%(法人税等84.2億円/税引前利益244.6億円)となった。増収増益であり、かつ利益率が構造的に改善している点が特徴の決算である。
セグメント利益(売上総利益ベース、合計302.7億円)は薄膜94.9億円(前年43.1億円から+120.5%)が最大の牽引役となり、ファインケミカル・リサイクル91.6億円(+41.9%)が続く。電子33.6億円(+94.4%)、サーマル23.3億円(+50.3%)も伸長した。サプライチェーン支援は23.3億円(前年0.4億円から急拡大)、報告セグメント外の「その他」も36.0億円(前年1.1億円から急拡大)と大きく伸びたが、両セグメントは貴金属原材料の在庫販売や市況要因の影響を受けやすく、薄膜・ファインケミカルと比べて収益の反復性はやや低い。全体として高採算セグメント(薄膜・ファインケミカル)が利益の約6割を占める構造で、利益率改善の主因となっている。
【収益性】営業利益率は24.8%(前年16.6%から+8.2pt)、純利益率(親会社株主帰属ベース)は16.0%(前年11.3%)、ROEは20.4%(前年10.4%程度から大幅上昇)。【キャッシュ品質】営業CFは157.6億円で純利益160.3億円に対し0.98倍と概ね整合するが、運転資本変動前の営業CF小計184.9億円との差分27.3億円は在庫・売掛金の増加による吸収であり、キャッシュ転換効率のモニタリングが必要な水準。【投資効率】総資産回転率は0.70回(前年0.46回)に改善し、EPSは652.00円(前年263.29円から+147.6%)、BPSは3,185.12円(前年2,622.14円から+21.5%)。【財務健全性】自己資本比率は54.9%(前年52.0%から+2.9pt)、流動比率は約215%(流動資産1,151.3億円/流動負債535.1億円)、有利子負債は138.0億円(自己資本比0.18倍)とレバレッジは低く、財務基盤は良好な水準にある。
営業CFは157.6億円で前年9.2億円から大幅に増加し、純利益160.3億円に対し0.98倍と概ね整合する水準にある。運転資本変動前の小計184.9億円に対し、棚卸資産の増加95.4億円と売上債権の増加40.4億円がキャッシュを吸収し、仕入債務の増加116.3億円がこれを部分的に相殺した結果、実際の営業CFは157.6億円となった。投資CFは-39.5億円で、設備投資30.1億円が中心である。財務CFは-172.9億円で、短期借入金134.0億円の全額返済、長期借入金の純返済14.0億円、配当金支払23.6億円が主な内訳となっている。この結果フリーCFは118.2億円となり、設備投資と配当支払を合算した資金需要を十分にカバーしている。増収局面における在庫・売掛金の積み上がりは、次期以降のキャッシュ転換効率の観点で注視点となる。
利益の中心は本業由来の営業利益247.9億円であり、営業外損益は収益20.7億円・費用22.0億円とほぼ相殺的でネット影響は限定的である。営業外収益にはデリバティブ評価益14.4億円が含まれる一方、営業外費用には為替差損12.0億円と支払利息9.4億円が計上されており、両者が概ね打ち消し合う構図となっている。特別損失は減損損失2.0億円のみで、親会社株主に帰属する当期純利益に対する比率は約1.3%にとどまり、一時的要因の影響は小さい。包括利益は162.1億円で純利益160.4億円との乖離は1.7億円と小さく、為替換算調整額0.4億円や退職給付に係る調整額1.2億円が主な差異要因であり、アクルーアル面での大きな乖離は見られない。一方で在庫・売掛金の増加が営業CFを圧縮している点は、利益の現金裏付けの観点でモニタリングを要する。
会社は次期の業績予想として売上高1,010.0億円(当期実績比+0.9%)、営業利益265.0億円(同+6.9%)、経常利益260.0億円(同+5.4%)、EPS719.53円、配当180円を公表している。当期は売上高+74.5%・営業利益+160.0%という急拡大を遂げたのに対し、次期計画は増収率が大幅に鈍化する保守的な想定となっている。これは当期の伸長要因であった原材料在庫からの貴金属販売やサプライチェーン支援の急拡大が非経常的な性質を含むことを踏まえた計画とみられる。
当期の配当は165円(期末)で、配当性向は25.3%(親会社株主に帰属する当期純利益160.3億円に対する配当総額40.6億円ベース)となった。次期は180円への増配を予定しており、直近公表の配当予想からの修正も開示されている。自己株式の取得実績はなく(ShareRepurchases 0)、株主還元は配当中心である。フリーCF118.2億円は配当金支払23.6億円を大きく上回り、財務レバレッジも低いことから、配当の持続性は良好な水準にあると見られる。
運転資本の膨張とキャッシュ転換: 棚卸資産が+56.5億円(+136.2%)、売上債権が+40.6億円(+117.7%)増加し、営業CFは運転資本変動前の小計184.9億円から157.6億円へ圧縮された。増収局面における在庫・債権の適正化が課題となる。
為替・デリバティブ評価の変動: 当期は為替差損12.0億円を計上する一方、デリバティブ評価益14.4億円がこれを相殺した。両者は市況・為替動向に左右されるため、次期以降の変動要因として留意が必要。
一時的・市況依存的な売上構成: 「その他」区分およびサプライチェーン支援の急拡大は、原材料在庫からの貴金属販売(売上高165.6億円)など機動的対応によるところが大きく、貴金属市況や需給動向に応じて変動しやすい構造である。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 24.8% | 7.6% (4.8%–11.9%) | +17.2pt |
| 純利益率 | 16.0% | 5.9% (2.6%–9.2%) | +10.2pt |
| 収益性は業種中央値を大きく上回り、営業利益率・純利益率とも上位に位置する。 |
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 74.5% | 3.3% (-0.8%–9.1%) | +71.2pt |
| 売上成長率は業種中央値を大幅に上回り、製造業平均と比較して突出した伸びを示している。 |
※出所: 当社集計
営業利益率24.8%(前年16.6%から+8.2pt)への急拡大は、薄膜・ファインケミカルの高採算ミックスと販管費の相対的抑制(伸び率+17.8%対売上高+74.5%)による営業レバレッジの表れであり、利益率の趨勢的改善が確認できる。
在庫・売掛金の積み上がりにより営業CFが運転資本変動前小計184.9億円から157.6億円へ圧縮されており、増収局面における運転資本管理が次期以降の実行課題となる。
次期会社計画は売上高+0.9%・営業利益+6.9%と当期実績から大幅に伸び率が鈍化する想定で、当期の急拡大要因(貴金属市況・原材料在庫販売等)の反動を織り込んだ保守的な計画とみられる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 4,429円 |
| base(基準) | 4,619円 |
| bull(強気) | 4,855円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 3,185円 |
| 調整後予想EPS | 754.5円 |
| 株主資本コスト r | 9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 25.0% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.45倍 / 6.1倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 4,484円〜4,759円、ω±0.1で 4,580円〜4,677円。
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。