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77472026 通期プライムJGAAP

朝日インテック株式会社 2026年度 通期 決算

朝日インテック株式会社の2026年度通期決算レポート

電機・精密/精密機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1454.2億¥1200.2億+21.2%
営業利益¥452.2億¥300.8億+50.3%
経常利益¥451.9億¥295.6億+52.8%
純利益¥321.5億¥127.9億+23.7%
ROE18.4%8.5%-

Executive Summary

朝日インテックの2026年6月期は、増収増益に加え利益率の顕著な改善を伴う決算となった。売上高は1454.2億円(前年比+21.2%)、営業利益は452.2億円(同+50.3%)、経常利益は451.9億円(同+52.8%)、純利益は321.5億円(同+23.7%、前年の特別損失縮小も寄与)となった。増収の主因はメディカル事業(+17.6%)・デバイス事業(+34.1%)の両輪成長で、粗利率は70.4%(前年67.6%)へ拡大し、販管費率をほぼ横ばいに抑えたことで営業利益率は31.1%(前年25.0%)へ大幅改善した。

業績変動要因

【売上高】売上高は1454.2億円で前年比+21.2%。セグメント別ではメディカル事業が1268.0億円(構成比87.2%、+17.6%)、デバイス事業が353.9億円(構成比24.3%、+34.1%、セグメント間内部売上含む)で、いずれも二桁成長を確保した。地域別では中国が378.0億円(前年288.2億円、+31.1%)、米国が321.3億円(同+21.8%)と海外拡大が牽引し、日本は208.4億円(+10.4%)にとどまった。

【損益】営業利益は452.2億円(+50.3%)、営業利益率は31.1%と前年25.0%から約6.1pt改善した。粗利率が70.4%(前年67.6%)へ拡大し、販管費率は39.4%とほぼ横ばいに維持されたため、増収分が高い比率で営業利益に転嫁された。経常利益は451.9億円(+52.8%)で営業外損益の影響は小幅(純額0.3億円のマイナス)。純利益は321.5億円(+23.7%)で、前年に計上した減損損失92.4億円が当期は10.6億円に縮小した効果が寄与した一方、税引前利益に対する純利益の伸び率が営業利益の伸びを下回っており、実効税率上昇(前年31.4%→当期28.1%は改善方向だが、前年は特損の影響で税負担率が歪んでいた点に留意)が影響している。結論として増収増益であり、増収率を上回る増益率という営業レバレッジの効いた決算である。

セグメント別分析

メディカル事業は売上1268.0億円(+17.6%)、営業利益461.9億円(+38.1%)、利益率36.4%と全社の稼ぎ頭であり、利益面では連結営業利益(452.2億円)を上回る規模を占める。デバイス事業は売上353.9億円(+34.1%)、営業利益84.8億円(+83.5%)、利益率24.0%と成長率・利益成長率ともにメディカル事業を上回り、収益性改善も顕著である。両セグションともに増収増益だが、全社費用調整額が94.6億円のマイナスとして連結利益から控除されており、セグメント合計利益546.8億円に対し連結営業利益は452.2億円となる。売上構成はメディカル事業に依存する構造が続くが、デバイス事業の高成長・利益率改善は分散化の兆しとして注目される。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は31.1%で前年25.0%から改善、純利益率は22.1%で前年10.6%から大幅上昇した。粗利率は70.4%(前年67.6%)へ拡大し、研究開発費は133.7億円(売上比9.2%)で高水準の投資を継続している。【キャッシュ品質】営業CFは400.9億円で前年比-1.1%とほぼ横ばい、純利益に対する営業CF倍率は約1.25倍と利益の裏付けは良好である一方、運転資本(棚卸資産-15.3億円、売上債権-15.9億円のキャッシュアウト)の増加がCF伸長を抑制している。【投資効率】ROEは18.4%で前年8.4%(純利益の伸びと自己資本の積み上がりを反映)から大幅に上昇し、自己資本比率は79.9%(前年77.9%)と資本効率と財務健全性を両立している。【財務健全性】流動資産1215.7億円に対し流動負債321.2億円、現金及び預金642.6億円と流動性は厚く、長期借入金は42.8億円まで圧縮されている。

キャッシュフロー分析

営業CFは400.9億円(前年405.4億円、-1.1%)とほぼ横ばいで推移し、純利益の増加ペースに対しては伸び悩んでいる。これは棚卸資産15.3億円・売上債権15.9億円の増加によるキャッシュアウトが、仕入債務22.7億円の増加による還流を上回ったことが要因であり、事業拡大に伴う運転資本の積み増しを示している。投資CFは-117.4億円で、うち設備投資は83.8億円と減価償却費88.0億円の範囲内に収まり、更新投資中心の抑制的な投資姿勢がうかがえる。財務CFは-199.7億円で、自社株買い105.5億円と配当支払いが主な流出要因である。フリーCF(営業CF+投資CF)は283.6億円を確保し、株主還元と成長投資を両立できる水準にある。

収益の質

当期利益の大宗は営業活動由来の経常的な利益で構成され、営業外損益は純額0.3億円のマイナスと軽微である。特別利益は投資有価証券売却益15.3億円、特別損失は減損損失10.6億円・投資有価証券評価損1.6億円が中心で、純額では約4.9億円のマイナスにとどまり、純利益321.5億円に対する影響は限定的である。前年は減損損失92.4億円が特別損失の大半を占めていたため、当期の特別損失縮小が純利益の押し上げ要因となった。包括利益は400.6億円で純利益321.5億円を上回っており、為替換算調整額73.7億円のプラスが主因であるため、この差異は本業の収益力そのものを示すものではない点に留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

会社は次期(2027年6月期)業績予想として、売上高1617.9億円(前年比+11.3%)、営業利益521.3億円(同+15.3%)、経常利益526.0億円(同+16.4%)を計画している。当期実績の増収率(+21.2%)・増益率(+50.3%)を下回るペースへの鈍化を織り込んだ計画であり、当期の高い営業レバレッジがそのまま続くとは見込んでいない保守的な想定と解釈できる。EPS予想は142.59円(当期実績120.59円から+18.2%)、配当予想は49.91円(当期48.24円から増配)となっている。

株主還元

当期の配当は期末48.24円(普通配当42.21円、記念配当6.03円)で、上期は無配であった。配当性向は40.0%で、純利益ベースで算定された水準である。加えて自社株買いを105.5億円実施しており、配当総額127.99億円と合算した総還元性向は約73.1%(233.5億円/純利益320.8億円)に達する。フリーCF283.6億円に対する還元総額は約82%と、現金創出力の範囲内で還元を実施している。次期は配当予想49.91円と増配計画が示されている。

リスク要因

  1. セグメント集中リスク: メディカル事業が売上の87.2%・セグメント利益の大宗を占めており、同事業の需要変動や価格政策の影響を受けやすい構造にある。

  2. 運転資本の積み上がり: 棚卸資産・売上債権がそれぞれ15億円超のキャッシュアウト要因となっており、営業CFが純利益の伸びに対し相対的に伸び悩んでいる。在庫・債権の回転動向は次期以降のキャッシュ創出力を左右する要素である。

  3. 為替・地域集中リスク: 中国向け売上が378.0億円(構成比26.0%)と大きく、為替差損2.6億円が計上されている。中国を含む海外需要・為替変動の影響を受けやすい収益構造となっている。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率31.1%7.6% (4.8%–11.9%)+23.5pt
純利益率22.1%5.9% (2.6%–9.2%)+16.2pt

製造業中央値を大幅に上回る収益性水準にあり、業種内でも上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)21.2%3.3% (-0.8%–9.1%)+17.9pt

売上成長率も業種中央値を大きく上回り、収益性・成長性の両面で優位な位置づけにある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 粗利率70.4%・営業利益率31.1%への改善は、メディカル事業の高採算な製品ミックスとデバイス事業の収益性向上(利益率24.0%、+83.5%増益)が両輪となった結果であり、単一セグメントに依存しない収益改善が確認できる。

  2. 営業CFが純利益の伸びに対し横ばいにとどまっている点は、棚卸資産・売上債権の増加という運転資本の積み増しが要因であり、増収局面における資金効率の変化として今後の推移が注目される。

  3. 総還元性向は約73%に達しており、配当性向40.0%に加え自社株買いを積極的に実施している。自己資本比率79.9%という財務健全性を背景に、還元と成長投資(R&D比率9.2%)を両立させる資本配分が続いている。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)912円
base(基準)951円
bull(強気)1,002円
算出前提
1株純資産(BPS)654円
調整後予想EPS154.4円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向35.0%
予想EPSの信頼度調整×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.46倍 / 6.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 924円〜980円、ω±0.1で 944円〜963円。

注記:

  • のれん償却 0.4円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。