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77232027 第1四半期プライムJGAAP

愛知時計電機(7723) 2027年度第1四半期決算

2027年度第1四半期の売上高は137.8億円(前年同期比+10.1%)、営業損失は7.4億円(赤字転落)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電機・精密/精密機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥137.8億¥125.2億+10.1%
営業利益−¥7.4億¥8.4億−187.8%
経常利益−¥5.8億¥10.7億−154.4%
純利益−¥4.0億¥7.7億−152.2%
ROE−0.8%1.5%-

Executive Summary

売上高が前年比+10.1%増加した一方、粗利率の低下と販管費の急増が重なり営業損益は黒字から赤字へ転落した決算である。売上高は137.8億円(前年125.2億円、YoY+10.1%)、営業利益は-7.4億円(前年8.4億円、YoY-187.8%)、経常利益は-5.8億円(前年10.7億円、YoY-154.4%)、純利益は-4.0億円(前年7.7億円、YoY-152.2%)となった。増収効果を、原価率上昇による粗利率悪化(前年23.5%→20.8%)と販管費率の急上昇(前年16.8%→26.1%)が相殺し、最終的に最終赤字を計上した点が本決算の要点である。

業績変動要因

【売上高】売上高は137.8億円で前年比+10.1%の増収となった。当社は計測器関連事業の比重が高く単一性が強いため、セグメント情報の開示は省略されている。地域別売上構成に関する開示データはない。

【損益】売上総利益は28.6億円で粗利率20.8%と前年23.5%から約2.7pt低下し、原価率上昇が確認される。販管費は36.0億円と前年21.0億円から71.3%増加し、販管費率は26.1%と前年16.8%から約9.3pt上昇したことで、営業損益は前年の8.4億円の黒字から7.4億円の赤字へ転落した。経常利益は営業外収益1.6億円(うち受取配当金1.2億円)を加味しても-5.8億円にとどまり、純利益は繰延税金の益計上により赤字幅が-4.0億円に縮小した。増収でありながら費用構造の悪化により減益、最終的に赤字転落となった点で、実態は増収減益(赤字転落)と結論づけられる。

セグメント別分析

当社グループは計測器関連事業の比重が高く、セグメント情報としての開示重要性が乏しいことを理由に、セグメント別の売上・損益情報の記載を省略している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は-5.3%で前年の+6.7%から約12.0pt悪化し、純利益率も-2.9%で前年+6.2%から低下した。ROEは-0.8%で、純利益が赤字に転じたことが主因である。【キャッシュ品質】現金及び預金は90.5億円で前年91.7億円からほぼ横ばいだが、売掛金は92.3億円と前年124.1億円から25.6%減少した一方、仕掛品は126.2億円と前年120.8億円から4.4%増加し在庫全体(155.0億円)の81.4%を占めている。【投資効率】売上高に対する総資産の回転は緩やかで、総資産は665.3億円と前年702.8億円から縮小した。【財務健全性】自己資本比率は76.6%で前年74.8%から上昇し、有利子負債は7.0億円と少額で、現金及び預金90.5億円との対比で実質ネットキャッシュの状態にある。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の数値開示はないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は90.5億円で前年91.7億円からほぼ横ばいに推移した一方、営業損失の計上と仕掛品(126.2億円、前年比+4.4%)・製品(25.4億円、前年比+8.0%)の在庫増加は、運転資本の資金拘束要因となっている可能性がある。売掛金は92.3億円と前年124.1億円から25.6%減少し資金回収面では改善がみられるが、買掛金も37.2億円と前年46.3億円から19.6%減少しており、支払サイドの資金流出も進んでいる。製品保証引当金が24.2億円と前年11.3億円から大幅に積み増されており、将来的なキャッシュアウトの潜在負担として留意される。有利子負債は7.0億円と少なく、財務面での資金調達依存度は低い。

収益の質

当社の経常的な収益は製品販売に基づく事業損益が大勢を占め、営業外収益は1.6億円(うち受取配当金1.2億円)、営業外費用は0.1億円と限定的で、営業外項目による利益の歪みは小さい。経常損失5.8億円に対し純損失は4.0億円にとどまり、この乖離は主として繰延税金による税負担の減少(-2.06億円)によるもので、一時的な税効果の寄与が最終赤字を圧縮した形である。包括利益は-5.6億円と純利益(-4.0億円)を下回り、有価証券評価差額金-1.9億円や退職給付に係る調整額-0.6億円がマイナス寄与している一方、為替換算調整額は+0.9億円のプラス要因となった。製品保証引当金の急増(前年11.3億円→24.2億円)は将来費用の前倒し認識である一方、品質コストの上振れを示しており、営業段階の利益の質を評価する上で留意すべき点である。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画は売上高604.8億円(YoY+2.3%)、営業利益37.3億円(YoY-20.8%)、経常利益40.7億円(YoY-21.9%)である。これに対しQ1の進捗率は売上高が22.8%と均等進捗(25%)をやや下回り、営業利益・経常利益はいずれも赤字であるため進捗率はマイナスとなり、大幅な未達状況にある。当四半期には業績予想の修正が行われており、通期計画の前提見直しが反映されている。配当予想については修正がなく、年間配当120円が据え置かれている。売上高は下期偏重の計画達成が前提となる進捗であり、利益面では在庫・品質コストの正常化が回復の条件となる。

株主還元

年間配当予想は120円で、前年配当実績45円から増配計画となっており、当四半期に配当予想の修正はない。会社計画の予想EPS232.7円に対する配当性向は51.6%(120円÷232.7円)である。Q1は純損失を計上しているが、現金及び預金90.5億円に対し有利子負債は7.0億円と少なく、財務基盤面での配当継続の耐性は保たれている。ただし通期の利益計画に対する進捗は現時点で大幅未達であり、下期の業績回復状況によっては配当性向の水準についてモニタリングが必要となる。

リスク要因

  1. 品質保証コストの上振れ: 製品保証引当金は24.2億円と前年11.3億円から+114.2%増加し、売上高比17.5%に達している。将来のキャッシュアウトおよび収益への継続的な圧迫要因となり得る。

  2. 在庫・仕掛品の滞留: 仕掛品は126.2億円で在庫合計155.0億円の81.4%を占め、前年比+4.4%で増加している。工程の滞留や検収タイミングの後ずれが運転資本の資金拘束を強めている可能性がある。

  3. 収益性・費用構造の悪化: 販管費率は26.1%と前年16.8%から急上昇し、売上高成長率+10.1%を上回るペースで費用が拡大した。この結果、営業利益率は-5.3%と前年+6.7%から約12.0pt悪化しており、費用構造の適正化が課題となっている。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率−5.3%8.8% (4.3%–14.4%)−14.2pt
純利益率−2.9%7.3% (3.3%–10.6%)−10.2pt

収益性・リターン両指標とも業種中央値を大きく下回り、赤字転落の水準は業種内でも下位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)10.1%6.6% (-0.5%–14.7%)+3.5pt

売上高成長率は業種中央値を上回り、トップラインの伸びは業種内で相対的に良好な水準にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 増収(+10.1%)が確保された一方、粗利率が前年23.5%から20.8%へ、販管費率が前年16.8%から26.1%へそれぞれ悪化したことが同時進行し、営業損益は前年8.4億円の黒字から7.4億円の赤字へ転落した。

  2. 製品保証引当金が前年比+114.2%の24.2億円に急増し、仕掛品も126.2億円と在庫の8割超を占める水準で推移しており、品質コストと在庫の正常化が今後の収益回復を左右する構造的な論点となっている。

  3. 通期計画に対しQ1の売上進捗は22.8%である一方、営業利益・経常利益の進捗はマイナスで大幅未達となっており、当四半期に業績予想の修正が行われている。計画達成には下期における収益性の回復が前提となる。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,082円
base(基準)3,132円
bull(強気)3,195円
算出前提
1株純資産(BPS)3,323円
調整後予想EPS251.2円
株主資本コスト r9.65%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向51.6%
予想EPSの信頼度調整×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.94倍 / 12.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,047円〜3,221円、ω±0.1で 3,126円〜3,136円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。