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77012027 第1四半期プライムJGAAP

島津製作所(7701) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益17%増

2027年度第1四半期の売上高は1,306億円(前年同期比+10.3%)、営業利益は142.6億円(同+17.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電機・精密/精密機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1306.0億¥1183.7億+10.3%
営業利益¥142.6億¥121.8億+17.1%
経常利益¥184.9億¥113.2億+63.3%
純利益¥133.3億¥79.2億+68.3%
ROE2.3%1.4%-

Executive Summary

2027年度第1四半期は増収増益となり、為替差益を伴う経常利益・純利益の伸びが特徴的な決算となった。売上高は1306.0億円(前年1183.7億円、+10.3%)、営業利益は142.6億円(前年121.8億円、+17.1%)。経常利益は184.9億円(+63.3%)、純利益は133.3億円(+68.3%)と、営業利益の伸びを大きく上回る増益率となった。この差は営業外収益に含まれる為替差益33.8億円の発生が主因であり、本業の改善(粗利率+1.1pt、営業利益率+0.6pt)に加え、非経常的な為替要因が損益を押し上げている。

業績変動要因

【売上高】売上高は1306.0億円で前年比+10.3%増収。セグメント別では計測機器803.0億円(+6.0%、全体の61.5%)、産業機器207.3億円(+23.2%)、医用機器169.1億円(+23.5%)、航空機器110.3億円(+11.4%)と、主力の計測機器以外が高成長を牽引した。地域別では日本493.9億円、米州214.3億円、中国242.4億円、その他アジア171.6億円、欧州139.9億円と、いずれの地域も前年から拡大しており、需要の広がりが確認できる。

【損益】売上原価703.4億円、粗利率46.1%(前年45.0%から+1.1pt改善)に対し、販管費は460.0億円(+12.0%)と売上成長を上回るペースで増加した。それでも粗利率改善が吸収し、営業利益率は10.9%(前年10.3%)へ改善。経常利益は営業外収益45.3億円(うち為替差益33.8億円)の押し上げで184.9億円まで拡大し、経常段階の伸び率(+63.3%)は営業利益の伸び率(+17.1%)を大きく上回った。純利益は法人税等51.6億円(実効税率27.9%)を経て133.3億円(+68.3%)。特別損益は僅少(利益0.2億円、損失0.1億円)で影響は限定的。増収増益と結論するが、経常利益以下の伸びは為替差益という一時的要因に支えられている点に留意が必要。

セグメント別分析

のれん等償却前セグメント利益(会社が経営指標として採用)でみると、産業機器38.2億円(+43.6%)、航空機器27.5億円(+33.9%)が高成長を示し、医用機器は11.1億円で前年の損失から黒字転換した。一方、主力の計測機器は76.7億円で前年比-15.2%の減益となり、売上の61.2%を占める同事業の収益性低下が全社マージン改善の重石となっている。セグメント利益合計155.0億円と、のれん等償却費3.7億円・調整額8.6億円を差し引いた連結営業利益142.6億円との整合が確認できる。産業機器・航空機器の高採算化が全社利益成長を牽引する一方、計測機器の収益性回復が今後のマージン拡大の鍵となる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は10.9%で前年10.3%から+0.6pt改善、純利益率は10.2%で前年6.7%から+3.5pt改善した。粗利率は46.1%と前年45.0%から+1.1pt上昇し、コスト・価格環境の改善が確認できる。【キャッシュ品質】現金及び預金は1536.3億円、投資有価証券は334.4億円で前年比+64.3%と大きく増加しており、資産構成における市場性証券の比重が高まっている。棚卸資産は906.7億円で前年867.9億円から増加し、在庫の積み上がりが確認される。【投資効率】ROEは2.3%、総資産回転率は低位にあり、厚い現金・投資有価証券・在庫が資産効率を抑制する構図である。EPSは46.14円で前年27.42円から+68.3%増加した。【財務健全性】自己資本比率は78.7%(前年76.6%)と高水準を維持し、総資産7304.7億円に対し純資産5751.6億円と、資本の厚みに基づく財務安全性は高い。

キャッシュフロー分析

本開示にキャッシュフロー計算書の詳細データは含まれないため、バランスシートの変動から資金動向を分析する。現金及び預金は1536.3億円で前年1673.2億円から減少した一方、投資有価証券が204.6億円増加しており、手元資金の一部が証券投資へ再配分された可能性がある。棚卸資産は906.7億円へ増加し、契約負債(前受金)は448.3億円で前年412.5億円から増加しており、将来の売上化に向けた受注進捗を示す一方、在庫の積み上がりは資金の運転資本への滞留を意味する。流動資産4777.6億円に対し流動負債1318.4億円と流動性は厚く、短期的な資金繰りの余裕は大きい。

収益の質

当期の経常利益184.9億円のうち、営業外収益45.3億円の中心は為替差益33.8億円であり、これは為替市場環境に依存する非経常的な要素の色彩が強い。仮に為替差益を除いた場合、経常段階の伸びは本業の営業利益の伸び(+17.1%)に近い水準にとどまると考えられ、経常利益の伸び率(+63.3%)は本業の改善度合いを上回っている。特別損益は利益0.2億円・損失0.1億円と僅少で、純利益への影響は限定的である。包括利益は211.4億円で、純利益133.3億円との差78.1億円は主に投資有価証券の評価差額65.7億円と為替換算調整額18.1億円によるもので、当期の資産価格変動が包括利益を押し上げている。純利益と包括利益の乖離は、当期の利益の一部が市況要因に支えられていることを示している。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想は売上高6200.0億円(前年比+10.6%)、営業利益800.0億円(+8.5%)、経常利益810.0億円(-2.1%)であり、当四半期時点で予想の修正が行われている。第1四半期の進捗率は売上高21.1%、営業利益17.8%、純利益(親会社株主帰属)22.6%(通期純利益予想590.0億円に対し133.3億円)となり、単純な四半期均等(25%)には届いていない。経常利益は前年の為替差益効果もあり通期では前年比減益を見込んでおり、第1四半期に生じた為替差益が通期を通じて同水準で継続しない前提がうかがえる。契約負債の積み上がりから下期への売上寄与も見込まれるが、進捗ペースは今後の四半期でのモニタリングが必要である。

株主還元

通期の配当予想は1株70円で、当四半期において配当予想の修正はない。通期EPS予想204.19円に基づく配当性向は約34.3%(70円÷204.19円)となる。自己資本比率78.7%、現金及び預金1536.3億円という厚いバランスシートを踏まえると、当該配当性向は現預金・営業基盤に対して過度な負担とはなっていない水準である。

リスク要因

  1. 為替感応度: 当期の為替差益33.8億円は経常利益184.9億円の18.3%、営業利益142.6億円の23.7%に相当する。為替環境が反転した場合、通期の経常利益成長率(-2.1%予想)に整合するように今後の増益ペースが鈍化する可能性がある。

  2. セグメントミックスの偏り: 売上の61.2%を占める計測機器がのれん等償却前セグメント利益で前年比-15.2%の減益となっており、主力事業の収益性低下が全社マージンの制約要因となっている。産業機器・航空機器の高成長が全社利益を支える構図であり、事業ポートフォリオの依存度に留意が必要である。

  3. 運転資本の積み上がり: 棚卸資産は906.7億円で前年867.9億円から増加し、投資有価証券も334.4億円へ+64.3%増加した。資産構成における非現金性資産の比重が高まっており、市況変動時の評価差額のボラティリティや資本効率(ROE2.3%)への影響をモニタリングする必要がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率10.9%8.7% (4.2%–14.3%)+2.2pt
純利益率10.2%7.1% (3.2%–10.6%)+3.1pt

営業利益率・純利益率ともに製造業中央値を上回り、業種内で上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)10.3%6.2% (-1.1%–14.6%)+4.1pt

売上高成長率も業種中央値を上回っており、増収ペースは業種内で相対的に速い。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 粗利率は46.1%(前年45.0%)、営業利益率は10.9%(前年10.3%)と本業の収益性は着実に改善している。一方で経常利益・純利益の高い伸び率(+63.3%、+68.3%)は為替差益という非経常的要因に支えられている部分が大きく、営業利益ベースの改善速度(+17.1%)との差異は決算の質を評価する上での注目点である。

  2. セグメント別では産業機器・航空機器が利益成長を牽引し、主力の計測機器が減益となっている点が全社収益構造の変化として観察される。計測機器の収益性回復動向は、今後の全社マージンの方向性を左右する要素として注目される。

  3. 通期進捗率は売上21.1%、営業利益17.8%と四半期均等(25%)を下回っており、契約負債の増加(448.3億円、前年412.5億円)が示す受注進捗と、今後の四半期における売上化のタイミングが、通期予想との整合性を確認する上での観察点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,001円
base(基準)2,061円
bull(強気)2,122円
算出前提
1株純資産(BPS)1,991円
調整後予想EPS209.0円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向34.3%
予想EPSの信頼度調整×1.024(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.04倍 / 9.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,003円〜2,121円、ω±0.1で 2,059円〜2,064円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。