記事一覧に戻る
76372027 第1四半期プライムJGAAP

白銅(7637) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益258%増

2027年度第1四半期の売上高は219.3億円(前年同期比+28.6%)、営業利益は13.8億円(同+257.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

白銅株式会社

商社・卸売/卸売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥219.3億¥170.6億+28.6%
営業利益¥13.8億¥3.9億+257.7%
持分法投資損益---
経常利益¥14.8億¥4.8億+210.7%
純利益¥10.2億¥2.9億+250.2%
ROE(年換算)15.5%4.6%-

Executive Summary

増収に対し利益が大幅に先行して伸びる増収増益決算であり、粗利率改善と販管費抑制による営業レバレッジが顕在化した。売上高は219.3億円(前年比+28.6%)、営業利益は13.8億円(同+257.7%)、経常利益は14.8億円(同+210.7%)、純利益は10.2億円(同+250.2%)となった。主因は主力の日本セグメントの増収と採算改善であり、通期予想に対する利益進捗も25%を上回る水準にある。

業績変動要因

【売上高】売上高は219.3億円で前年比+28.6%。セグメント別では日本が193.2億円(構成比88.1%、YoY+32.3%)と連結成長を牽引した。中国は6.7億円(同+57.5%)と大きく伸びた一方、北米は13.6億円(同△15.7%)と減収が続いている。その他地域は5.9億円(同+40.2%)であった。

【損益】営業利益は13.8億円(YoY+257.7%)、営業利益率は6.3%と前年同期の2.3%から大幅に改善した。粗利率は16.4%(前年13.9%)に上昇し、販管費率は10.1%(前年11.7%)に低下したことで、増収率を大きく上回る利益成長が実現した。経常利益は14.8億円で、受取配当金・受取利息・為替差益を含む営業外純収益0.98億円が上乗せされた。純利益は10.2億円で、経常利益との乖離は法人税等4.6億円によるもので、一時的要因は見られない。結論として増収増益であり、増収率を大きく上回る利益成長が特徴的である。

セグメント別分析

日本セグメントは売上高193.2億円(YoY+32.3%)、セグメント利益12.7億円(同+142.1%)、利益率6.6%(前年3.6%)と収益性が大幅に改善し、連結利益成長の中心となった。北米は売上高13.6億円(同△15.7%)と減収が続くが、セグメント利益は0.8億円と前年同期の赤字(△1.1億円)から黒字転換した。中国は売上高6.7億円(同+57.5%)、利益0.6億円(前年0.04億円)と大幅増益。その他地域は売上高5.9億円(同+40.2%)、利益0.6億円(同+25.1%)であった。日本市場の量的拡大と採算改善が連結業績を牽引する一方、北米は売上回復を伴わない採算改善であり持続性の確認が必要である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率6.3%(前年2.3%)、純利益率4.6%(前年1.7%)、粗利率16.4%(前年13.9%)といずれも改善した。【キャッシュ品質】営業外収益は売上高の0.5%にとどまり、利益拡大の主因は営業段階の収益性改善である。包括利益は13.7億円と純利益10.2億円を上回り、有価証券評価差額金2.8億円や為替換算調整額0.7億円がプラスに寄与した。【投資効率】年換算ROE 15.5%は、純利益率4.6%、総資産回転率1.716回、財務レバレッジ1.95倍の組み合わせで形成されている。【財務健全性】自己資本比率51.2%(前年53.5%)、流動比率161.1%、当座比率107.8%と短期流動性は健全である一方、在庫回転日数は66日と60日超の水準にあり、在庫の資金滞留リスクは継続監視が必要である。

キャッシュフロー分析

CF計算書の直接開示はないため、BS推移から資金動向を分析する。現金及び預金は80.9億円で前年の76.7億円から増加した。売掛金は132.1億円(前年114.0億円)、棚卸資産は132.3億円(前年125.0億円)と、いずれも売上高の伸び率28.6%を下回る増加にとどまり、運転資本の相対的な抑制が確認できる。買掛金は96.4億円(前年87.2億円)、電子記録債務は118.9億円(前年102.7億円)と仕入債務も増加しており、運転資本サイクル全体が売上拡大に伴って拡大している。投資有価証券は23.0億円と前年比11.2億円増加しており、余剰資金の一部が投資資産に向けられていると見られる。

収益の質

営業外収益合計1.0億円のうち、受取配当金0.5億円、為替差益0.1億円、受取利息0.1億円が含まれ、いずれも経常的な性質の収益であり一時的要因とは言えない。営業外収益は売上高の0.5%にとどまり、経常利益14.8億円の増益要因の大半は営業利益段階の改善によるものである。包括利益13.7億円は純利益10.2億円を上回り、その差は有価証券評価差額金2.8億円と為替換算調整額0.7億円によるもので、保有株式の含み益拡大が寄与している。アクルーアルの観点では、売掛金・棚卸資産の増加が売上高の伸びを下回っており、利益の裏付けとなる現金回収サイクルは相対的に健全と評価できる。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高922.0億円(YoY+35.4%)、営業利益50.6億円(同+76.2%)、経常利益51.9億円(同+62.7%)であり、業績予想・配当予想ともに修正が行われている。Q1実績の進捗率は売上高23.8%、営業利益27.2%、経常利益28.4%、純利益28.3%であり、標準的な25%基準を上回る。ただし通期予想は営業利益+76.2%増を前提としており、Q1の営業利益+257.7%増という高い伸び率が通年で継続するかが焦点となる。残る3四半期で必要な営業利益は約36.8億円であり、粗利率と在庫水準の推移が達成の鍵となる。

株主還元

通期配当予想は1株143.0円で、修正が行われている。期中平均株式数1,134.2万株から算定される年間配当総額は概算16.2億円となる。通期純利益予想35.9億円に対する配当性向は約45.2%であり、一般的な目安である60%を下回る水準にある。会社予想の達成を前提とすれば、利益対比の配当負担は現時点で持続可能な範囲にあると観察できる。

リスク要因

  1. 在庫評価・回転リスク: 在庫回転日数は66日で、一般的な目安である60日を上回る。棚卸資産132.3億円は総資産の25.9%を占め、金属・材料価格の変動が評価・粗利率に影響し得る。

  2. 低マージン構造リスク: 粗利率16.4%は流通業として20%を下回る水準にあり、当期は改善したものの、仕入価格変動や売価転嫁の遅れが利益率を圧迫しやすい構造である。

  3. 北米事業の減収継続: 北米売上高は前年比△15.7%であり、連結成長は主に日本市場に依存している。北米は黒字転換したが、売上回復を伴わない採算改善であり持続性の確認を要する。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(trading)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率6.3%4.3% (1.7%–6.9%)+2.0pt
純利益率4.6%3.8% (1.5%–5.1%)+0.8pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を上回る水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)28.6%3.1% (-0.6%–11.7%)+25.5pt

売上高成長率は業種中央値を大幅に上回り、業種内でも突出した伸び率である。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高+28.6%増に対し営業利益+257.7%増となり、粗利率改善(+249bp)と販管費率低下(△154bp)による営業レバレッジが明確に確認できる。

  2. 年換算ROE 15.5%は業種水準を上回るが、粗利率16.4%は20%未満の低マージン構造にあり、在庫回転日数66日と合わせて在庫評価・市況変動への感応度が構造的な注目点である。

  3. 通期予想に対するQ1利益進捗は27~28%台と標準を上回るが、通期予想は営業利益+76.2%増を前提としており、日本セグメントの採算持続と北米の売上回復動向が今後の確認材料となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,568円
base(基準)2,602円
bull(強気)2,663円
算出前提
1株純資産(BPS)2,308円
調整後予想EPS328.1円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向45.2%
予想EPSの信頼度調整×1.037(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.13倍 / 7.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,531円〜2,677円、ω±0.1で 2,595円〜2,612円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。