記事一覧に戻る
75952027 第1四半期プライムJGAAP

アルゴグラフィックス(7595) 2027年度第1四半期決算

2027年度第1四半期の売上高は169.4億円(前年同期比+1.1%)、営業利益は22.9億円(同-6.0%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥169.4億¥167.6億+1.1%
営業利益¥22.9億¥24.4億−6.0%
経常利益¥24.1億¥25.8億−6.7%
純利益¥15.5億¥17.2億−10.3%
ROE(年換算)12.4%13.4%-

Executive Summary

2027年3月期第1四半期は増収減益となり、主力PLM事業の利益率低下が最大のポイントである。売上高は169.4億円(前年比+1.1%)、営業利益は22.9億円(同▲6.0%)、経常利益は24.1億円(同▲6.7%)、純利益(親会社株主に帰属する四半期純利益)は15.5億円(同▲10.3%)となった。粗利率が25.5%(前年26.1%)へ低下する一方、販管費が売上成長率を上回る+5.1%増となり、増収にもかかわらず減益に至った。

業績変動要因

【売上高】連結売上高は169.4億円で前年同期比+1.1%の小幅増収となった。売上構成比95.9%を占める主力PLM事業は162.4億円(同+0.4%)とほぼ横ばいで、全社成長を規定した。一方、EDA事業は7.0億円(同+19.4%)と高成長を維持したが、構成比4.1%にとどまり、PLM事業の停滞を補うには規模が不足している。

【損益】営業利益は22.9億円(同▲6.0%)、営業利益率は13.5%で前年から低下した。PLM事業のセグメント利益は20.4億円(同▲12.6%)、利益率は12.5%へ悪化し、連結減益の主因となった。対照的にEDA事業は利益2.6億円(同+130.8%)、利益率36.7%へ大幅改善したが、規模が小さく全社を押し上げる力は限定的である。経常利益は24.1億円(同▲6.7%)、受取配当金等の営業外収益が小幅に上乗せしたが、純利益は15.5億円(同▲10.3%)まで縮小した。結論として、当期は増収減益である。

セグメント別分析

PLM事業は売上162.4億円(構成比95.9%、前年比+0.4%)、セグメント利益20.4億円(同▲12.6%)、利益率12.5%(前年14.4%から低下)と、主力事業の採算悪化が連結業績の重荷となった。EDA事業は売上7.0億円(構成比4.1%、前年比+19.4%)、セグメント利益2.6億円(同+130.8%)、利益率36.7%(前年19.0%から大幅上昇)と、製品・案件ミックスの改善を示す高成長・高収益セグメントである。ただし規模が小さく、連結セグメント利益に対する寄与度はPLM88.8%対EDA11.2%と、依然PLM事業への依存度が高い。

主要財務指標

【収益性】営業利益率13.5%、純利益率(親会社株主帰属利益ベース)8.4%はいずれも前年から低下しており、粗利率25.5%(前年26.1%)の悪化と販管費率11.9%(前年11.5%)の上昇が重なった結果である。【キャッシュ品質】包括利益28.4億円は純利益15.5億円を上回り、その他有価証券評価差額金13.2億円を中心とするその他包括利益が純資産を押し上げている。【投資効率】ROE(年換算)は12.4%で、純利益率・資産回転率・財務レバレッジの組み合わせにより構成される水準にあるが、前年からの利益率低下がROEの押し下げ要因となっている。【財務健全性】自己資本比率68.0%、現金及び預金284.4億円、流動資産513.5億円に対し流動負債186.8億円と、資金余力・資本構成は健全な水準を維持している。

キャッシュフロー分析

本決算ではキャッシュフロー計算書の詳細は示されていないため、貸借対照表の変化から資金動向を確認する。売掛金・受取手形は152.0億円で前年から大きく減少しており、債権回収は運転資本面で資金創出方向に働いている。一方で棚卸資産は38.2億円へ増加し、売上高の伸び+1.1%を大幅に上回るペースで積み上がっており、回収資金の一部が案件進行資産へ振り替わる構図がうかがえる。現金及び預金は284.4億円と高水準を維持し、流動比率は流動資産513.5億円に対し流動負債186.8億円と大きく上回っており、短期的な資金創出力・支払能力は依然強固である。棚卸資産の増加ペースと売掛金の回収サイクルの両立が、今後の資金効率を左右する点として注視される。

収益の質

営業利益から経常利益への上乗せは、受取配当金0.7億円、受取利息0.2億円などを中心とする営業外収益1.1億円が中心であり、大きな一時的要因は見当たらない。経常利益24.1億円と税引前利益24.1億円はほぼ一致し、特別損益の影響は限定的である。一方で、税引前利益から親会社株主に帰属する純利益への転換においては、法人税等8.6億円および非支配株主に帰属する純利益1.1億円が差し引かれ、税引前利益に対する親会社株主帰属利益の比率は約59%にとどまる。包括利益28.4億円は純利益を上回っており、有価証券評価差額金13.2億円を中心とするその他包括利益の寄与が大きい。このため、当期の増減益は本業の粗利・販管費構造の変化によるものであり、一時的な損益要因による見かけ上の変動ではないと解釈できる。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高726.0億円(前期比+1.5%)、営業利益103.0億円(同▲4.1%)、経常利益106.0億円(同▲7.2%)であり、会社計画自体が増収減益を前提としている。第1四半期の進捗率は売上高23.3%、営業利益22.3%、経常利益22.7%で、いずれも単純進捗の目安である25%をやや下回る。当四半期において業績予想・配当予想の修正は行われていない。主力PLM事業の利益率低下が継続する場合、通期営業利益計画に対する下振れ余地が生じる可能性がある。

株主還元

通期の1株当たり配当予想は65円で、うち特別配当20円(中間10円・期末10円)を含む。通期EPS予想104.76円に対する配当性向は約62.0%となる。特別配当を除く通常配当相当45円で見た配当性向は約42.9%であり、通常配当ベースでは利益変動に対する耐性が相対的に高い。なお前期は株式分割(1株を4株に分割)の影響があり、年間配当合計の単純比較は行っていない。自己株式は1,127万株を保有しているが、当四半期における新規の自社株買いに関する記載はない。

リスク要因

  1. 主力PLM事業の利益率低下: PLM事業は連結売上の95.9%、セグメント利益の88.8%を占める中核事業である。売上高が前年比+0.4%にとどまる一方、セグメント利益は▲12.6%、利益率は14.4%から12.5%へ低下しており、連結業績を左右する構造的な課題となっている。

  2. 棚卸資産の増加と回収期間の長期化: 棚卸資産は前年同期比+67.2%と、売上高成長率+1.1%を大幅に上回るペースで増加している。あわせて売掛金の年換算回収日数は82日と、一般的な目安である60日を上回っており、案件の検収・請求から資金化までの期間が長期化している。

  3. 親会社株主への利益帰属効率の低下: 税引前利益24.1億円に対し親会社株主に帰属する純利益は15.5億円で、法人税等および非支配株主帰属利益を反映した転換率は約59%にとどまる。この比率が低下すると、税引前利益の改善が親会社株主利益の改善に直結しにくくなる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率13.5%8.0% (2.4%–15.8%)+5.5pt
純利益率9.1%5.9% (1.6%–10.7%)+3.2pt

自社の収益性は業種中央値を上回る水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)1.1%9.3% (0.4%–16.9%)−8.2pt

自社の売上成長率は業種中央値を下回り、IQR下限に近い水準にある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 当四半期は増収減益であり、主因は主力PLM事業の粗利ミックス悪化と、売上成長率を上回る販管費増加である。連結営業利益率は前年から低下し、EDA事業の高成長・高収益化はこれを部分的に補うにとどまっている。

  2. 財務基盤は自己資本比率68.0%、現金及び預金284.4億円と強固であり、短期的な資金余力は高水準にある。一方で棚卸資産の急増と売掛金回収期間の長さは、運転資本効率の観点でモニタリングが必要な項目である。

  3. 通期会社計画は増収減益を前提としており、第1四半期の進捗率は売上高・利益ともに単純進捗目安をやや下回る。下期における主力事業の採算改善が、通期計画達成に向けた注目点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)785円
base(基準)808円
bull(強気)835円
算出前提
1株純資産(BPS)688円
調整後予想EPS109.8円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向62.1%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.17倍 / 7.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 786円〜830円、ω±0.1で 805円〜812円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。