記事一覧に戻る
74762027 第1四半期プライムJGAAP

アズワン(7476) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益27%増

2027年度第1四半期の売上高は300億円(前年同期比+17.0%)、営業利益は39.8億円(同+27.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

アズワン株式会社

商社・卸売/卸売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥300.0億¥256.4億+17.0%
営業利益¥39.8億¥31.3億+27.3%
持分法投資損益---
経常利益¥41.4億¥32.8億+26.3%
純利益¥28.5億¥22.8億+25.2%
ROE(年換算)15.6%12.8%-

Executive Summary

売上成長を上回る営業増益を達成し、増収増益に加え収益性の改善も同時に進行した点が本決算の要点である。売上高は300.0億円(前年比+17.0%)、営業利益は39.8億円(同+27.3%)、経常利益は41.4億円(同+26.3%)、純利益は28.5億円(同+25.2%)となった。粗利率改善と販管費率の低下が重なり、営業利益率は13.3%と前年同期12.2%から約107bp拡大している。

業績変動要因

【売上高】売上高は300.0億円で前年同期比+17.0%増となった。報告セグメントはラボラトリー・インダストリー・メディカル介護分野を対象とする卸売事業の単一セグメントであり、事業性格が類似するため区分開示は行われていない。通期会社予想の増収率6.5%を大幅に上回るペースであり、Q1は成長の立ち上がりが強い。

【損益】売上原価は前年比+16.7%増の207.3億円で、売上高の伸びとほぼ同水準に留まり、粗利率は30.9%(前年30.7%)へ小幅改善した。販管費は52.9億円(同+11.2%増)と売上高の伸びを下回り、販管費率は17.6%(前年18.5%)へ低下した。この結果、営業利益は39.8億円(+27.3%)と増収率を上回る伸びとなり、営業レバレッジが顕在化した。営業外収支は1.6億円の黒字(受取配当0.9億円等)で経常利益への影響は限定的、特別損失も0.01億円(固定資産除却損)とごく小さく、増益の質は本業主導である。総括すると、増収増益であり、費用効率化を伴う質の高い増益といえる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は13.3%で前年同期12.2%から約107bp改善し、純利益率も9.5%(前年8.9%)へ上昇した。改善の主因は粗利率の小幅上昇(+16bp)よりも販管費率の低下(-91bp)であり、固定費吸収による営業レバレッジが効いている。【キャッシュ品質】売上債権(売掛金214.5億円・電子記録債権157.4億円)の合計から算出されるDSOは65日で、60日超の水準にあり回収サイクルの継続的な確認が必要である。一方、棚卸資産は前年比+6.3%増と売上高成長+17.0%を下回り、在庫の過度な積み増しは見られない。【投資効率】年換算ROEは15.6%であり、純利益率9.5%・総資産回転率1.14回・財務レバレッジ1.44倍への分解から、収益力主導のROEであることが確認できる。【財務健全性】自己資本比率は69.5%と高水準を維持し、流動比率も高い。ただし短期借入金は前年の21.2億円から45.1億円へ+112.5%、長期借入金も26.3億円から46.3億円へ+76.2%と借入が急増しており、資金使途と借入構成の変化はモニタリングが必要な項目である。

キャッシュフロー分析

本データにはCF計算書項目が含まれないため、BS推移から資金動向を分析する。現金及び預金は229.6億円で前年同期の200.4億円から増加しており、事業からの資金創出が継続していることを示唆する。一方で短期借入金が21.2億円から45.1億円へ、長期借入金が26.3億円から46.3億円へそれぞれ増加しており、有利子負債全体としても拡大している。現金の増加と借入の同時拡大が併存していることから、成長投資や在庫・債権など運転資本の積み増しに向けた資金調達が進んでいる可能性がある。自己資本比率は69.5%と高水準を保っており、借入増加後も財務構造の安定性は維持されている。

収益の質

純利益28.5億円の増益は主に本業の営業利益拡大に起因し、一時的要因への依存は小さい。特別損失は固定資産除却損0.01億円のみで、経常利益と純利益の差は主として法人税等(12.9億円、実効税率約31%)によるものである。営業外収益2.4億円は受取配当金0.9億円等から構成され、売上高の0.8%程度に過ぎず、利益の中心はあくまで本業である。包括利益は44.5億円と純利益28.5億円を上回り、その差は有価証券評価差額金15.0億円と為替換算調整額0.9億円の増加による。この乖離は市場価格変動に基づく一時的な評価要素であり、事業活動そのものの収益力とは区別して捉える必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高1178.5億円(前期比+6.5%)、営業利益129.0億円(同+0.5%)、経常利益133.5億円(同+0.9%)であり、業績予想・配当予想ともに修正はない。Q1の進捗率は売上高25.5%、営業利益30.9%、経常利益31.0%、純利益31.8%であり、いずれも標準的な四半期進捗率25%を上回っている。特に利益面の進捗が売上高進捗を上回っている点は、Q1の高い増益率が通期計画に対して先行していることを示す。ただし通期の増益率予想は+0.5%と小幅に留まるため、会社側はQ2以降の粗利率・販管費率・需要動向に一定の慎重さを織り込んでいるとみられ、今後四半期の進捗ペースの継続性が確認ポイントとなる。

株主還元

通期の1株当たり配当予想は66.00円、予想EPSは125.86円であり、これらから算出される配当性向は52.4%である。配当予想に修正はなく、持続可能性の目安とされる60%を下回る水準にある。自己資本比率69.5%、現金及び預金229.6億円という財務基盤を踏まえると、現行の配当計画は利益進捗と整合的である。自社株買いに関する情報はデータ上確認できない。

リスク要因

  1. 売上債権の回収長期化: DSOは65日で、60日超の水準にある。売掛金214.5億円と電子記録債権157.4億円の合計残高の増減や回収条件は、卸売モデルにおける運転資本効率に影響する。

  2. 借入金増加と借換え条件: 短期借入金は前年比+112.5%、長期借入金は同+76.2%と急増した。短期負債比率は約49%と高いが、現金及び預金229.6億円、ネットキャッシュ約138億円、高いインタレストカバレッジが緩衝材となっており、借入増加の使途と条件の継続的な確認が求められる。

  3. 粗利率・販管費率の維持: 営業利益率の改善(+107bp)は粗利率の小幅上昇と販管費率低下の両方に支えられている。仕入価格や競争環境、販売ミックスの変化により粗利率が低下すれば、通期営業利益計画(前期比+0.5%)の達成に影響する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(trading)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率13.3%4.3% (1.7%–6.9%)+9.0pt
純利益率9.5%3.8% (1.5%–5.1%)+5.7pt

業種内で営業利益率・純利益率ともに中央値を大きく上回り、収益性は上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)17.0%3.1% (-0.6%–11.7%)+13.9pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、業種内上位の成長ペースにある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高17.0%増に対し営業利益は27.3%増となり、販管費率の低下(-91bp)を伴う営業レバレッジが利益率改善の構造的な原動力となっている。

  2. 通期予想に対するQ1進捗率は営業利益30.9%、純利益31.8%と標準進捗を上回るが、通期営業利益予想は前期比+0.5%に留まり、Q2以降の粗利・販管費動向が計画達成の分岐点となる。

  3. DSO65日、短期借入金の+112.5%増加という2点は、自己資本比率69.5%やネットキャッシュ約138億円という強い財務基盤の中でも継続的な確認が望まれる項目である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,114円
base(基準)1,127円
bull(強気)1,151円
算出前提
1株純資産(BPS)1,027円
調整後予想EPS130.5円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向52.4%
予想EPSの信頼度調整×1.037(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.10倍 / 8.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,097円〜1,160円、ω±0.1で 1,125円〜1,131円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。