クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥172.1億 | ¥169.8億 | +1.3% |
| 営業利益 | ¥36.2億 | ¥35.8億 | +1.2% |
| 持分法投資損益 | - | - | - |
| 経常利益 | ¥38.4億 | ¥37.1億 | +3.5% |
| 純利益 | ¥26.5億 | ¥25.7億 | +1.6% |
| ROE | 6.8% | 6.2% | - |
Executive Summary
増収増益だが伸びは小幅で、純利益の増加には営業外収益の増加と法人税負担の安定が寄与した決算である。売上高は172.1億円(前年比+1.3%)、営業利益は36.2億円(同+1.2%)となった。経常利益は38.4億円(同+3.5%)で、営業利益より伸びが大きい。親会社株主に帰属する当期純利益は26.5億円(同+3.0%)、EPSは88.21円(同+6.0%)で、自社株買いによる株式数減少が1株指標を押し上げた。営業外収益は2.6億円で、うち受取利息は1.4億円と前年の0.6億円から増加し、経常段階の増益に寄与した。
業績変動要因
【売上高】売上高は172.1億円で、前年比+1.3%(+2.2億円)の小幅な増収となった。事業はメディカルウェア等の製造・販売の単一セグメントで、国内売上が9割超を占める。主要顧客のワタキューセイモア向けは34.9億円で、前年の32.9億円から約6.3%増え、売上高の約20.3%を占めた。この顧客向けの伸びが全社の増収を支えた構図である。
【損益】売上総利益率は40.0%で、前年の39.5%から約0.5pt改善した。一方、販管費は32.6億円(前年31.3億円、+4.3%)と増え、販管費率は19.0%に上昇した。この結果、営業利益率は21.1%で前年と同水準にとどまった。経常利益は営業外収益の増加で+3.5%と伸びた。特別損益は特別利益0.1億円(投資有価証券売却益)と特別損失0.0億円で、一時的な影響は限定的である。結論として、増収増益である。
主要財務指標
【収益性】ROEは6.8%で、前年の6.1%から0.7pt上昇した。営業利益率は21.1%、売上総利益率は40.0%である。自己資本が厚く、高い利益率が資本効率に十分には結びついていない。【キャッシュ品質】営業CFは35.3億円(前年比+61.8%)で、純利益の約1.33倍である。ただし売上債権の減少による13.5億円の資金流入が寄与し、棚卸資産増加の7.1億円が資金を吸収した。【投資効率】設備投資は2.2億円で、減価償却費3.0億円を下回る。総資産は421.9億円へ減少し、売上高に対する総資産回転率は約0.41回である。【財務健全性】自己資本比率は92.6%で、現金及び預金は224.0億円(総資産の約53%)である。流動比率は約1,464%で、短期の支払能力は極めて厚い。棚卸資産は77.6億円(前年70.5億円)で、売上原価に対する回転日数は約274日と長い。
キャッシュフロー分析
営業CFは35.3億円と前年の21.8億円から大きく増加した。運転資本変動前の小計は45.0億円で、法人税等の支払は11.0億円であった。増加の背景には売上債権の減少13.5億円があり、この寄与が続くかが持続性の論点である。投資CFは+16.7億円だが、定期預金の払戻し347億円と預入327億円の差額である純払戻し20.0億円が含まれる。このためFCF52.0億円は反復的な余剰資金とは区別して見る必要がある。設備投資2.2億円と無形資産取得1.1億円を営業CFから控除すると約32.0億円となる。財務CFは△50.5億円で、配当金支払30.5億円と自社株買い20.0億円が中心である。還元総額は営業CFから投資支出を引いた額を上回り、手元資金の減少(現金及び預金は前年比△18.5億円)につながった。
収益の質
収益の質は、営業CFが純利益を上回る点で良好である。営業CF/純利益は約1.33倍で、アクルーアルの観点からも利益の現金裏付けは確認できる。ただし売上債権の減少が営業CFを押し上げており、一時的な運転資本要因を含む。営業外収益2.6億円のうち受取利息は1.4億円で、前年の0.6億円から増加した。経常利益の増加額1.3億円に近い規模であり、本業以外の寄与が相応にある。特別利益は0.1億円、特別損失は0.0億円と小さい。包括利益は27.5億円で、純利益26.5億円との差は1.0億円である。主因は有価証券評価差額金0.8億円と退職給付に係る調整額0.2億円で、乖離は限定的である。
業績予想・ガイダンス
翌期予想は売上高175.0億円(当期比+1.7%)、営業利益36.0億円(同△0.7%)である。経常利益は38.9億円(同+1.5%)、純利益は26.2億円(同+1.1%)、EPSは90.48円を見込む。増収でも営業減益の予想であり、原価や販管費の動向が焦点となる。経常利益が増益予想である点は、営業外収益の水準維持を織り込んだ構図と読み取れる。
株主還元
当期の年間配当は1株70円で、中間配当はなく期末配当のみである。配当性向は79.4%で、前年の120.1%から低下した。前期末配当は普通配当60円と記念配当40円の計100円であった。当期の配当金支払額は30.5億円、自社株買いは20.0億円で、現金還元の合計は50.5億円となり、純利益26.5億円を上回った。自己資本比率92.6%と現金224.0億円が還元の余力を支えている。翌期の配当予想も70円である。
リスク要因
-
在庫の長期化: 棚卸資産は77.6億円で前年比+10.0%増加し、回転日数は約274日である。売上高の増加率+1.3%を上回る増加であり、需要とのずれが生じると保管負担や評価損につながり得る。
-
主要顧客への集中: ワタキューセイモア向け売上高は34.9億円で、売上高の約20.3%を占める。前年は32.9億円(約19.4%)で、集中度はやや上昇した。同社の調達方針が業績に与える影響は大きい。
-
販管費の増加と還元の資金負担: 販管費は+4.3%と売上高の伸びを上回り、営業利益率の上昇を抑えた。また還元総額50.5億円は、営業CFから投資支出を控除した約32.0億円を上回る。同規模の還元を続ける場合は手元資金への依存が高まる。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 21.1% | 3.4% (1.5%–4.8%) | +17.7pt |
| 純利益率 | 15.4% | 2.6% (0.9%–4.7%) | +12.8pt |
営業利益率・純利益率ともに業種中央値とIQR上限を大きく上回る位置にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 1.3% | 5.6% (-0.1%–12.1%) | −4.3pt |
売上高成長率は中央値を下回るが、IQRの範囲内に収まる。
※出所: 当社集計
決算上の注目ポイント
-
営業利益率21.1%は業種中央値3.4%を大きく上回り、営業CFは純利益の約1.33倍である。ただし営業CFには売上債権減少の一時的寄与が含まれる。
-
自己資本比率92.6%、現金224.0億円と財務は厚い一方、ROEは6.8%である。資産規模に対する収益性が指標上の論点となる。
-
棚卸資産は+10.0%増の77.6億円、回転日数は約274日である。在庫の推移と、売上成長を上回る販管費増加が、翌期の営業減益予想(△0.7%)と合わせて注目される。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 1,221円 |
| base(基準) | 1,229円 |
| bull(強気) | 1,245円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 1,328円 |
| 調整後予想EPS | 93.8円 |
| 株主資本コスト r | 9.87%(10年国債 2.87% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 77.4% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.037(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.93倍 / 13.1倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 1,197円〜1,263円、ω±0.1で 1,226円〜1,231円。
注記:
- 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-08 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。