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72822027 第1四半期プライムIFRS

豊田合成(7282) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益26%増

2027年度第1四半期の売上高は3,039億円(前年同期比+16.7%)、営業利益は232.2億円(同+26.4%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

豊田合成株式会社

自動車・輸送機/輸送用機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥3039.0億¥2604.2億+16.7%
営業利益¥232.2億¥183.7億+26.4%
税引前利益¥257.7億¥182.3億+41.3%
純利益¥197.8億¥150.2億+31.7%
ROE(年換算)12.6%9.8%-

Executive Summary

2027年3月期第1四半期は、増収に加え粗利率改善と金融損益の好転により営業利益・純利益ともに二桁増益となった。売上収益は3039.0億円(前年比+16.7%)、営業利益は232.2億円(同+26.4%)、税引前利益は257.7億円(同+41.3%)、純利益(親会社所有者帰属)は180.8億円(同+34.2%)となった。増収の主因は日本・米州・アジアなど主要地域での需要拡大、増益の主因は粗利率改善と純金融損益の黒字転換である。

業績変動要因

【売上高】売上収益は3039.0億円で前年比+16.7%増収。地域別では米州が1210.8億円(構成比39.8%、YoY+17.5%)と最大、日本1165.6億円(同38.3%、+19.8%)が続く。アジア(+24.2%)、インド(+23.7%)も高成長を示す一方、中国は174.9億円(-11.6%)と唯一減収した。

【損益】営業利益は232.2億円(YoY+26.4%)、営業利益率7.6%は前年同期7.1%から約58bp改善した。粗利率は16.4%と前年同期比約60bp上昇し、原価管理の改善が確認される。一方、販管費は277.5億円(同+20.4%)と売上成長率を上回り、販管費率は9.1%へ約28bp上昇し増益効果の一部を相殺した。金融収益26.1億円・金融費用6.8億円により純金融損益は前年同期の費用超過から19.3億円の収益超過へ転じ、税引前利益の伸び(+41.3%)が営業利益の伸びを上回った。増収増益の決算である。

セグメント別分析

セグメント利益率は地域間で明暗が分かれた。日本は売上+19.8%、営業利益+143.1%と大幅増益で、利益率は5.3%へ約270bp改善し全社増益の主要な牽引役となった。中国は売上-11.6%の減収下でも営業利益+135.0%(利益率8.6%、+約536bp)と採算が大きく改善し、減収増益セグメントとなった。一方、米州は売上+17.5%にもかかわらず営業利益-2.9%(利益率8.6%、-約180bp)、欧州・アフリカは売上+8.3%に対し営業利益-19.2%(利益率5.5%、-約185bp)、インドも売上+23.7%に対し営業利益+4.3%にとどまり利益率は-約136bp低下した。増収が必ずしも増益に結びついていない地域が存在する点は、コスト転嫁力の地域差を示している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は7.6%で前年同期7.1%から改善、純利益率(親会社帰属)は6.0%で前年同期5.2%から改善した。粗利率16.4%は前年同期比約60bp上昇したが、売上原価が売上の83.6%を占める構造から原材料・労務費・物流費の変動に対する感応度は相応に高い。【キャッシュ品質】営業CFは512.3億円で親会社帰属利益180.8億円の2.83倍に達し、利益の裏付けとなる現金創出力は良好である。【投資効率】ROE(年換算)は12.6%、自己資本比率は57.0%であり、資産回転と抑制的なレバレッジの組み合わせで確保されている。【財務健全性】流動資産5093.7億円に対し流動負債は2859.1億円で流動比率は約178%、現金及び現金同等物1653.3億円は社債・借入金合計1359.0億円を上回るネットキャッシュの状態にある。一方、流動借入金は前期末比+362.2億円、非流動借入金は-236.6億円と資金調達の短期化が見られ、モニタリングが必要な項目である。

キャッシュフロー分析

営業CFは512.3億円(前年比+22.7%)で、営業債権の減少137.3億円と営業債務の増加95.8億円が資金流入に寄与した一方、棚卸資産は28.6億円増加し増収に伴う在庫積み増しが見られる。投資CFは-181.4億円で、設備投資170.6億円に加え芦森工業の完全子会社化に伴う支出84.4億円を含む。財務CFは-10.0億円で、短期借入の増加90.9億円と長期借入の返済215.8億円・配当支払102.9億円が主な内訳である。フリーCF(営業CF+投資CF)は331.0億円のプラスを確保し、能力投資と子会社取得を進めながら内部資金創出力を維持している。現金及び現金同等物は1653.3億円へ増加し、流動性バッファーは拡大している。

収益の質

当期の増益には本業採算の改善と金融損益の好転の両方が含まれる。営業利益の増益率+26.4%に対し税引前利益の増益率は+41.3%と大きく上回り、これは金融収益26.1億円・金融費用6.8億円により純金融損益が前年同期の費用超過から収益超過へ転じたことによるもので、一時的要因を含む可能性がある。営業CFは親会社帰属利益の2.83倍に達し利益の現金化は良好だが、その要因の一部は営業債権の減少と営業債務の増加という運転資本要因であり、同水準の資金流入が今後も反復するとは限らない。包括利益合計は246.9億円(親会社株主分225.8億円)であり、純利益180.8億円との差は主に在外営業活動体の換算差額51.8億円の増加による。純利益と包括利益の乖離は為替要因を反映したものであり、事業の本質的な収益性を大きく損なうものではない。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上収益1兆2000億円、営業利益800.0億円(YoY+0.6%)、EPS97.30円で据え置かれている。第1四半期の進捗率は売上収益25.3%、営業利益29.0%であり、いずれも標準的な進捗率25%を上回る。通期予想達成には残り3四半期で営業利益567.8億円が必要となり、残期間の必要利益率は当第1四半期の7.6%を下回る水準となる。これは会社側が下期にかけての利益率低下を前提としていることを示唆する。なお業績予想・配当予想の修正はいずれも無しである。

株主還元

当四半期の配当支払額は102.9億円で、親会社帰属利益180.8億円に対する現金支払ベースの配当性向は56.9%である。自己株買いは実施されていないため、総還元性向は配当性向と同水準となる。配当支払額は前年同期の69.8億円から+47.5%増加し、フリーCF331.0億円による配当カバー率は3.22倍と資金余力は十分である。なお2026年4月28日の取締役会決議により、2026年9月30日を基準日として1株につき5株の株式分割が予定されており、株式分割考慮前の2027年3月期期末配当予想は90円00銭、年間175円00銭とされている。

リスク要因

  1. コスト転嫁力リスク: 粗利率16.4%は前年同期比約60bp改善したものの、売上原価が売上の83.6%を占める構造から原材料・エネルギー・物流費・労務費の上昇局面における価格転嫁の遅れが利益変動を大きくし得る。

  2. 地域別採算のばらつき: 米州(利益率8.6%、-約180bp)、欧州・アフリカ(5.5%、-約185bp)、インド(7.3%、-約136bp)は増収にもかかわらず利益率が低下しており、増収が必ずしも増益に結びついていない。

  3. 資金調達構成の短期化: 流動借入金は前期末比+362.2億円(+77.4%)増加し、非流動借入金は-236.6億円減少した。流動比率約178%、ネットキャッシュ294.3億円により短期の支払能力に懸念は小さいが、借換条件は継続的な確認が必要である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率7.6%8.7% (4.2%–14.3%)−1.0pt
純利益率6.5%7.1% (3.2%–10.6%)−0.6pt

自社の収益性指標は業種中央値をやや下回るが、IQR内には収まっている。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)16.7%6.2% (-1.1%–14.6%)+10.5pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、IQR上限も超える高成長である。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上収益+16.7%、営業利益+26.4%、純利益+34.2%の増収増益決算であり、粗利率も約60bp改善した。ただし通期営業利益予想は据え置かれ、下期の利益率低下を前提とする進捗構造となっている点は注視点である。

  2. 日本・中国は増益率が大きく利益率が趨勢的に改善しているのに対し、米州・欧州・アフリカ・インドは増収下でも利益率が低下しており、地域間の収益構造の差が拡大している。

  3. 営業CFは純利益の2.83倍に達し、ネットキャッシュ294.3億円・自己資本比率57.0%と財務健全性は高い一方、流動借入金の増加による資金調達の短期化は継続的な確認が必要な構造変化として観察される。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,978円
base(基準)4,003円
bull(強気)4,027円
算出前提
1株純資産(BPS)4,958円
調整後予想EPS107.3円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.103(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.81倍 / 37.3倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,892円〜4,119円、ω±0.1で 3,972円〜4,024円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。