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72012027 第1四半期プライムJGAAP

日産自動車(7201) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益黒字転換

2027年度第1四半期の売上高は2兆9,642億円(前年同期比+9.5%)、営業利益は778.9億円(黒字転換)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

自動車・輸送機/輸送用機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥29642.0億¥27069.1億+9.5%
営業利益¥778.9億−¥791.2億+198.4%
経常利益¥490.9億−¥1092.3億+144.9%
純利益¥82.9億−¥1140.1億+107.3%
ROE(年換算)0.6%−8.7%-

Executive Summary

最大の注目点は、前年同期の大幅な営業損失から営業黒字へ転換したことだが、金融費用と高い税負担により最終利益は小幅にとどまった点である。売上高は2兆9,642.0億円(前年比+9.5%)、営業利益は778.9億円(前年791.2億円の損失から改善)、経常利益は490.9億円(前年1,092.3億円の損失から改善)、純利益は82.9億円(前年1,140.1億円の損失から改善)となった。増収と原価率改善による粗利拡大が営業黒字化の主因だが、支払利息負担と実効税率の高さが最終利益を圧迫している。

業績変動要因

【売上高】売上高は前年比+9.5%の2兆9,642.0億円。セグメント別では自動車事業が2兆6,622.9億円(+8.8%)、販売金融事業が3,626.5億円(+14.8%)と両セグメントとも増収。地域別では北米売上が+24.4%と大きく伸長し全体を牽引した一方、日本・アジア・その他地域は減収であり、成長は北米に偏在している。

【損益】営業利益は778.9億円で前年の791.2億円の損失から黒字転換した。粗利率は15.8%(前年推定8.7%から改善)で、売上原価の伸び(+1.0%)が売上成長を下回ったことが寄与した。一方、販管費は前年比24.1%増と売上成長率を上回り、粗利改善の一部を吸収した。経常利益は営業利益から287.9億円減少して490.9億円となり、支払利息320.0億円が受取利息120.7億円・為替差益142.6億円を上回ったことが要因である。税引前利益407.8億円に対し法人税等324.9億円が計上され、実効税率は約79.7%と高く、純利益は82.9億円にとどまった。増収増益(営業・経常段階)だが、最終利益段階では税負担・金融費用の重さが目立つ結果となった。

セグメント別分析

連結営業利益778.9億円のうち、販売金融事業が861.8億円(利益率23.8%)を計上し、自動車事業は178.0億円の営業損失(利益率-0.7%)となった。自動車事業は前年の同事業損失から改善したものの依然として赤字であり、連結営業黒字は実質的に販売金融事業の高採算性に依存する構造である。所在地別では北米が営業利益959.8億円と最大の利益貢献地域となり、前年の損失から転換した。一方、欧州は261.1億円の営業損失を継続しており、地域間の採算差が大きい。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は2.6%で前年のマイナス2.9%から大幅改善したものの、絶対水準としては低い。純利益率は0.3%にとどまり、粗利率15.8%からの下流での費用(販管費、金融費用、税金)による圧縮が大きい。【キャッシュ品質】営業CFは371.6億円の流入で前年の84.2億円の流出から改善し、純利益82.9億円を大きく上回る現金創出を示すが、投資CFが2,151.5億円の流出となり、フリーCFはマイナス1,779.9億円である。【投資効率】ROE(年換算)は0.6%、自己資本比率は26.5%であり、資本収益性は低水準にある。【財務健全性】総資産は20兆925.9億円、純資産は5兆3,286.5億円で、自己資本比率26.5%は前年からほぼ横ばいである。有利子負債が多く、財務レバレッジの高さが金融費用負担の背景となっている。

キャッシュフロー分析

営業CFは371.6億円の流入で、前年同期の84.2億円の流出から大きく改善した。売上債権の減少1,267.5億円が資金流入に寄与した一方、仕入債務の減少1,711.8億円と棚卸資産の増加766.5億円が相殺要因となり、運転資本変動は営業CFを押し下げる方向に働いた。投資CFは2,151.5億円の流出で、有形固定資産の取得など継続的な投資支出を反映している。この結果、フリーキャッシュフロー(営業CF+投資CF)はマイナス1,779.9億円となった。財務CFは1,104.9億円の流入であり、フリーキャッシュフローの不足分を外部資金調達で補う構図となっている。現金及び現金同等物は期中に435.6億円減少し、期末残高は2兆2,212.4億円である。

収益の質

営業CFが純利益を大きく上回っており、当期の利益計上に対する現金創出という観点では良好な部分がある。ただし、経常利益490.9億円から純利益82.9億円への乖離は、特別損益と税負担の影響が大きい。特別利益103.7億円(固定資産売却益67.0億円を含む)に対し特別損失186.8億円(固定資産除売却損9.2億円を含む)が発生し、差引83.2億円のマイナスとなった。さらに税引前利益407.8億円に対して法人税等が324.9億円と高水準であり、実効税率は約80%に達する。営業外収益では為替差益142.6億円が計上されており、これは営業利益778.9億円の18%超に相当する規模であることから、経常利益の質は為替要因への感応度が高い点に留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高13兆円(前年比+8.3%)、営業利益2,000億円(同+244.8%)である。第1四半期の進捗率は売上高22.8%、営業利益38.9%であり、営業利益の進捗は単純な四分の一(25%)を大きく上回っている。これは前年同期の大幅赤字からの反動および北米採算改善、粗利率上昇を反映したものである。一方、純利益(親会社株主帰属)の通期予想200億円に対する進捗は18.8%と標準を下回り、高い金融費用・税負担が最終利益段階での進捗を抑制している。

株主還元

通期配当予想は1株当たり0円であり、現時点で配当性向は0%である。自己株式取得についても本期のデータからは確認されない。営業CFは黒字化したものの、フリーキャッシュフローはマイナス1,779.9億円であり、投資負担を上回る資金創出力の回復が、将来の株主還元再開の前提条件となる。

リスク要因

  1. 自動車事業の採算構造: 自動車事業は営業損失178.0億円(利益率-0.7%)にとどまり、連結営業利益778.9億円は販売金融事業の861.8億円に依存している。自動車本業の恒常的な黒字化が課題である。

  2. 高レバレッジと金利負担: 有利子負債水準が高く、経常利益は営業利益から287.9億円減少している。支払利息320.0億円は受取利息・為替差益の合計を上回り、金融費用の負担が最終利益を圧縮している。

  3. 高い実効税率: 税引前利益407.8億円に対し法人税等が324.9億円で、実効税率は約79.7%に達する。税負担の変動が純利益の予測可能性を低下させる要因となっている。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率2.6%8.7% (4.2%–14.3%)−6.0pt
純利益率0.3%7.1% (3.2%–10.6%)−6.8pt

営業利益率・純利益率ともに業種中央値を下回り、収益性は業種内で低い位置にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)9.5%6.2% (-1.1%–14.6%)+3.3pt

売上高成長率は業種中央値を上回っており、増収ペースは業種内で相対的に高い。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は前年比で大幅に改善し黒字転換したが、自動車事業単体は依然として営業損失であり、連結利益は販売金融事業への依存度が高い構造にある。

  2. 営業CFは黒字化し純利益を上回る水準となったが、投資CFの流出が大きくフリーキャッシュフローはマイナスであり、財務CFによる資金調達に依存する状況が続いている。

  3. 通期予想に対する進捗は営業利益段階で先行しているが、純利益段階では標準進捗を下回っており、金融費用・税負担の重さが営業改善の最終利益への転換を制約している。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,159円
base(基準)1,161円
bull(強気)1,162円
算出前提
1株純資産(BPS)1,524円
調整後予想EPS6.3円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向0.0%
予想EPSの信頼度調整×1.103(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.76倍 / 183.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,128円〜1,195円、ω±0.1で 1,149円〜1,169円。

注記:

  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 10%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。