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70712026 第3四半期プライムJGAAP

アンビスホールディングス(7071) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は382.9億円(前年同期比+5.3%)、営業利益は36.2億円(同-22.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥382.9億¥363.6億+5.3%
営業利益¥36.2億¥47.0億−22.9%
経常利益¥36.8億¥48.4億−23.9%
純利益¥24.9億¥30.0億−17.1%
ROE(年換算)8.6%11.1%-

Executive Summary

2026年度第3四半期累計は増収減益となり、主力事業の原価率上昇が全社収益性を圧迫した点が最大のポイントである。売上高は382.9億円(前年比+5.3%)と伸長したが、営業利益は36.2億円(同△22.9%)、経常利益は36.8億円(同△23.9%)、純利益は24.9億円(同△17.1%)といずれも減益した。増収の主因は総合医療支援事業の急拡大と医心館の堅調な稼働だが、売上原価が売上を上回るペースで増加し粗利益率が低下したことが減益の主因である。

業績変動要因

【売上高】売上高は382.9億円(前年比+5.3%)。主力の医心館は373.9億円(同+3.9%)で全体の97.7%を占め、依然として業績の中心である。総合医療支援は9.0億円(同+131.2%)と急拡大したが、構成比は2.3%にとどまり全社成長への寄与は限定的である。

【損益】売上原価は281.4億円(前年比+12.8%)と売上成長を大きく上回り、粗利益率は26.5%と前年同期の30.9%から440bp低下した。販管費は65.3億円でほぼ横ばい(同△0.1%)であり、利益率悪化は原価要因が主因で販管費要因ではない。医心館のセグメント利益は30.2億円(同△33.8%)、利益率は8.1%(前年12.7%)へ低下した一方、総合医療支援は6.0億円(同+357.3%)、利益率66.8%と対照的な結果となった。経常利益は営業外収支(補助金収入4.7億円が支払利息5.0億円をほぼ相殺)を反映し36.8億円(同△23.9%)。特別損益は事業譲渡益0.3億円と固定資産除却損0.1億円で純額の影響は軽微。総合すると増収減益で着地した。

セグメント別分析

医心館は売上373.9億円(前年比+3.9%)、営業利益30.2億円(同△33.8%)、利益率8.1%(前年12.7%)と、増収にもかかわらず利益率が大きく低下した。全社利益に対する寄与度が高いため、この利益率悪化が減益の主因となっている。総合医療支援は売上9.0億円(同+131.2%)、営業利益6.0億円(同+357.3%)、利益率66.8%と高収益だが、売上構成比2.3%にとどまり、現時点で医心館の減益を補うには規模が不足している。事業の多角化は進むが、収益源泉としての比重拡大が今後の課題である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は9.5%で前年同期の12.9%から346bp低下、純利益率は6.5%で前年同期8.2%から175bp低下した。粗利益率は26.5%と前年同期30.9%から440bp低下しており、収益性低下の主因は原価率上昇である。【キャッシュ品質】売掛金は90.7億円と現金預金32.7億円を大きく上回り、DSOは65日程度で回収サイクルの長さが目立つ。【投資効率】年換算ROEは8.6%、総資産回転率は0.650回にとどまり、有形固定資産596.4億円が総資産の75.9%を占める資産集約型の構造が資産効率を抑制している。EPS(基本)は25.41円(前年30.73円)。【財務健全性】自己資本比率は49.1%(前年43.0%)へ改善し、流動比率は124.6%で短期債務は概ねカバーされている。現金及び預金は32.7億円で前年同期比69.8%減少しており、流動性水準の推移は注視点である。

キャッシュフロー分析

CF計算書の個別開示は限定的だが、貸借対照表の変動から資金動向を読み取ると、現金及び預金は前年同期の108.3億円から32.7億円へ75.7億円減少しており、資金の流出超過が示唆される。一方で建物及び構築物は13.6億円増加、土地は8.0億円増加しており、施設投資が資金使途の中心となっている可能性が高い。建設仮勘定は10.1億円減少しており、建設中案件の完成・稼働資産への振替が進んだとみられる。長期借入金は前年同期比で微減する一方、短期返済予定の長期借入金は52.1億円と積み上がっており、施設投資と借入返済を内部資金と借入で賄う構造が続いている。自己資本は前年同期比24.2億円増加し、利益の内部留保が財務基盤を下支えしている。

収益の質

経常利益と純利益の差異は主に法人税等12.2億円によるもので、特別損益の影響は限定的である。特別利益0.3億円は事業譲渡益、特別損失0.1億円は固定資産除却損であり、いずれも小規模で一過性の色彩が強い。営業外収益6.1億円には補助金収入4.7億円が含まれ、経常的な収益とは性質が異なる一時的要素を含む点に留意が必要である。営業外費用5.5億円の大半は支払利息5.0億円であり、前年同期比21.4%増加している。包括利益は24.9億円で親会社株主帰属の純利益24.9億円とほぼ一致しており、その他の包括利益項目の影響は小さく、純利益と包括利益の間に大きな乖離は見られない。全体として、利益の質は特別項目や補助金収入への依存が大きくはなく、営業実態を概ね反映していると評価できる。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想(売上高517.0億円、営業利益38.0億円、経常利益33.0億円)に対し、第3四半期累計の進捗率は売上高74.1%、営業利益95.3%、経常利益111.5%、純利益(会社予想21.0億円に対し24.9億円)118.3%となっている。売上高は標準的な進捗(目安75%)にほぼ沿う一方、営業利益・経常利益・純利益は標準進捗を大きく上回っている。これは、通期会社予想が第4四半期に大幅な減益(会社計画上の第4四半期営業利益は1.8億円程度)を織り込んだ保守的な前提を置いていることを示唆する。業績予想・配当予想とも修正は行われていない。

株主還元

第2四半期末配当は1株当たり0円で、通期の会社予想配当は1株当たり4.0円である。通期予想EPS21.53円に対する配当性向は約18.6%となり、一般的な持続可能性の目安である60%を大きく下回る。第3四半期累計EPSは25.41円とすでに通期予想EPSを上回っており、現行配当計画は利益水準に対して低めの還元にとどまっている。利益剰余金は272.8億円と蓄積が厚い一方、現金及び預金は32.7億円まで減少しており、配当余力の評価には資金流動性の推移も併せて考慮する必要がある。自社株買いに関する開示は確認されない。

リスク要因

  1. 主力事業の利益率低下: 医心館は売上構成比97.7%を占める中核事業だが、セグメント利益は前年同期比33.8%減、利益率は12.7%から8.1%へ低下した。原価率上昇が構造的か一過性かにより、今後の全社収益性が左右される。

  2. 売上債権の回収と資金流動性: 売掛金90.7億円に対し現金及び預金は32.7億円にとどまり、DSOは約65日と60日を超える水準にある。現金及び預金は前年同期比69.8%減少しており、短期返済予定の長期借入金52.1億円への資金手当てを含め、資金繰り管理が重要となる。

  3. 金利負担の増加と資産集約型構造: 支払利息は前年同期比21.4%増の5.0億円で、有形固定資産596.4億円は総資産の75.9%を占める。インタレストカバレッジは概ね7倍台を確保しているが、金利上昇や収益性低下が重なった場合のカバレッジ低下には留意が必要である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率9.5%8.3% (3.6%–18.6%)+1.2pt
純利益率6.5%6.1% (2.3%–12.8%)+0.4pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を上回り、収益性は相対的に良好な水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)5.3%10.4% (-0.9%–19.9%)−5.1pt

売上高成長率は業種中央値を下回り、成長性の面では業種内で見劣りする位置づけにある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高は5.3%増加した一方、原価率上昇により営業利益は22.9%減少しており、増収と減益が併存する構造が今回の決算の最大の論点である。主力医心館の利益率回復が今後の焦点となる。

  2. 総合医療支援は利益率66.8%と高収益だが売上構成比は2.3%にとどまり、医心館の利益率低下を補うには規模拡大が必要な段階にある。

  3. 通期予想に対する経常・純利益の進捗率はすでに100%を超えており、業績予想・配当予想の修正が行われていない点は、第4四半期計画の前提や今後の修正動向を確認する材料となる。あわせて現金及び預金の大幅減少と売掛金回収サイクルの長さは、流動性管理の観点でモニタリングが必要である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)345円
base(基準)352円
bull(強気)354円
算出前提値
1株純資産(BPS)393円
調整後予想EPS23.7円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向18.6%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.90倍 / 14.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 342円〜362円、ω±0.1で 351円〜353円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(118%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。