| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1357.4億 | ¥1162.0億 | +16.8% |
| 営業利益 | ¥96.3億 | ¥1.9億 | +4841.0% |
| 経常利益 | ¥112.4億 | ¥24.8億 | +352.6% |
| 純利益 | ¥90.2億 | ¥29.7億 | +203.4% |
| ROE | 1.2% | 0.4% | - |
2027年3月期第1四半期は、増収に加えて営業利益・経常利益・純利益がいずれも大幅増となり、収益性が急回復した四半期決算である。売上高は1,357.4億円(前年同期1,162.0億円、+16.8%)、営業利益は96.3億円(同1.9億円から+94.4億円の増益、+4841.0%)、経常利益は112.4億円(同+87.6億円、+352.6%)、純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)は90.1億円(同29.7億円から+60.4億円、+203.6%)となった。増収に加え、粗利率改善と販管費抑制による営業レバレッジの効きが増益の主因である。
【売上高】売上高は1,357.4億円(前年同期比+16.8%)。セグメント別(内部売上含む)ではICsが625.0億円(+13.2%、構成比約46%)、半導体素子(Discrete)が600.6億円(+24.2%、構成比約44%)と数量回復を主導し、Modulesは80.7億円(+0.4%)、その他は66.1億円(+4.3%)と横ばい圏であった。地域別ではアジアが762.5億円(前年比+12.6%)で構成比56.2%と最大だが、ヨーロッパが107.2億円(+41.6%)と伸び率で突出し、構成比は6.5%から7.9%へ上昇した。
【損益】営業利益率は7.1%と前年同期0.17%から大幅に改善した。粗利率が25.5%(前年22.2%、+330bp)へ改善し、販管費率は18.4%(前年22.0%、-357bp)に低下したことで、増収効果に加え二重のマージン改善が働いた。経常利益は営業利益からさらに+16.1億円上乗せされたが、これは受取利息16.9億円を中心とする営業外収益25.8億円が、支払利息4.1億円・為替差損4.8億円を含む営業外費用9.7億円を上回ったことによる。特別損益は投資有価証券売却益等の特別利益16.0億円と減損損失等の特別損失15.2億円が相殺し、純額+0.8億円と小幅で、純利益比0.9%にとどまり一時的要因の影響は限定的である。税引前利益113.2億円に対し法人税等23.1億円(実効税率20.4%)を控除し、純利益90.1億円となった。結論として、本四半期は増収増益である。
セグメント利益はICsが73.1億円(前年同期比+69.0%、利益率11.7%)と全社利益の中心を担い、Modulesが10.2億円(+18.2%、利益率12.6%)と安定的に推移した。半導体素子(Discrete)は売上が+24.2%と最も伸びた一方、営業損益は-9.4億円の赤字が継続したが、前年同期-62.6億円から損失幅は大幅に縮小した(+84.9%)。その他区分は9.0億円(-11.3%)とやや減益であった。地域別売上(連結ベース)は国内410.9億円(前年比+19.0%、構成比30.3%)、アジア762.5億円(+12.6%、構成比56.2%)、アメリカ76.6億円(+20.0%、構成比5.6%)、ヨーロッパ107.2億円(+41.6%、構成比7.9%)で、アジア偏重は続くもののヨーロッパの伸長が構成比を押し上げている。Discreteの赤字縮小が全社マージン改善の主要な変曲点であり、黒字転換の進捗が今後の収益性の鍵となる。
【収益性】営業利益率は7.1%(前年同期0.17%)、純利益率(親会社株主帰属ベース)は6.6%(前年同期2.6%)といずれも大幅に改善した。ROEはDuPont分解で純利益率6.6%×総資産回転率10.5%(四半期売上高/総資産)×財務レバレッジ1.68倍=約1.2%となり、前年同期の約0.4%から改善したが、四半期値であり年率換算値ではない点に留意が必要である。【キャッシュ品質】キャッシュフロー計算書は開示されていないが、現金及び預金は4,559.0億円(前年同期比+8.8%)と積み増しが進んだ一方、投資有価証券は1,174.5億円(同-25.7%)へ圧縮されており、資産構成が現金重視にシフトしている。【投資効率】総資産回転率は四半期ベースで10.5%(前年同期9.1%)へ上昇し、増収を伴う資産効率の改善が確認できる。【財務健全性】自己資本比率は59.7%(前年同期59.1%)と高水準を維持し、流動資産8,037.3億円に対し流動負債1,927.2億円と流動性は厚い。有利子負債(短期借入金1,000億円、長期借入金1,000億円、社債2,000億円の合計4,000億円)に対し現金及び預金4,559.0億円が上回るネットキャッシュの財務構造である。
キャッシュフロー計算書は開示されていないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は4,559.0億円と前年同期の4,191.4億円から+367.9億円(+8.8%)増加し、同時に投資有価証券は1,174.5億円と-405.6億円(-25.7%)縮小しており、有価証券から現金への資産シフトが進んだ。売上債権は994.2億円(同+20.4%)と売上高の伸び+16.8%をやや上回るペースで増加し、四半期売上高換算のDSOは約64.7日から約66.6日へわずかに長期化した。棚卸資産(製品・仕掛品・原材料の合計)は2,018.4億円と前年同期の2,023.1億円からほぼ横ばい(-0.2%)で、増収下での在庫水準維持は在庫効率のわずかな改善を示唆する。仕入債務は339.8億円(同+43.2%)と仕入・原価の伸び(+11.8%)を上回るペースで増加しており、支払サイトの調整余地を示す。利益剰余金は488.99億円と前年同期の489.64億円からほぼ横ばいで、この間の累積利益に対し配当支払いが吸収要因となったとみられる。総じて手元流動性は拡大しており、投資・株主還元双方の原資は確保されている。
当期の収益は経常的な事業活動に基づく比率が高く、収益の質は良好である。営業外収益25.8億円は受取利息16.9億円を中心とし、営業外費用9.7億円(支払利息4.1億円、為替差損4.8億円)を上回ったことで経常利益を+16.1億円押し上げた。金融収支がプラスに寄与している点は、金利環境の変化を適切に取り込んでいることを示す。特別損益は特別利益16.0億円(投資有価証券売却益等)と特別損失15.2億円(固定資産除売却損等)がほぼ相殺し、純額+0.8億円・純利益比0.9%にとどまり、経常利益と純利益の乖離は主に税負担(実効税率20.4%)で説明できる。包括利益は258.2億円と純利益90.1億円を大きく上回るが、この差異は為替換算調整額+63.8億円および有価証券評価差額金+104.5億円といった評価性のその他の包括利益項目が主因であり、当期の事業収益力そのものを示す指標としては純利益・経常利益ベースの評価が適切である。
通期計画に対する進捗率は、売上高26.6%(5,100億円計画に対し1,357.4億円)、営業利益32.1%(300億円計画に対し96.3億円)、経常利益31.2%(360億円計画に対し112.4億円)、純利益31.1%(290億円計画に対し90.1億円、EPS予想75.12円)と、いずれも四半期の標準的な進捗目安である25%を上回るペースとなった。当四半期において業績予想および配当予想の修正はいずれも「無」であり、会社側は現時点で当初計画を据え置いている。Q1における粗利率改善と販管費抑制が先行した進捗の背景にあり、下期以降のDiscreteセグメントの損益改善継続が通期計画達成の一つの観察点となる。
2027年3月期の年間配当予想は50円で、当四半期において配当予想の修正は行われていない。発行済株式数403,760千株から自己株式17,721千株を控除した386,039千株に基づくと、想定年間配当総額は約193.0億円となる。通期純利益予想290億円(親会社株主帰属ベース)に対する配当性向は約66.5%と算定され、前年同期の1株配当25円から増配となる計画である。自己株式取得に関する情報は開示されておらず、株主還元は配当性向による評価が適切である。現金及び預金4,559.0億円と低い有利子負債水準を踏まえると、手元資金は配当原資として一定の余裕を有する。
半導体素子(Discrete)セグメントの収益性: 売上は600.6億円(+24.2%)と伸長したが、営業損益は-9.4億円の赤字が継続し利益率は-1.6%である。前年同期の-62.6億円からは大幅に縮小(+84.9%)しているが、黒字転換には至っていない。
為替変動の影響: 当四半期は為替差損4.8億円を計上した。地域別売上はアジア構成比が56.2%と高く、包括利益では為替換算調整額が+63.8億円のプラス寄与となっており、為替感応度は損益・包括利益双方で無視できない水準にある。
在庫水準の絶対規模: 棚卸資産合計(製品・仕掛品・原材料)は2,018.4億円と四半期売上高の約1.5倍に相当する規模を維持している。前年同期からはほぼ横ばいで在庫効率の急激な悪化は確認されないが、需要変動時の評価損リスクという観点では引き続き注視が必要な水準である。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 7.1% | 8.7% (4.2%–14.2%) | -1.6pt |
| 純利益率 | 6.6% | 7.0% (3.2%–10.6%) | -0.4pt |
営業利益率・純利益率とも業種中央値をわずかに下回っており、収益性は業種内で中位からやや下位に位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 16.8% | 6.2% (-1.1%–14.6%) | +10.6pt |
売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、業種上位グループに位置する伸び率である。
※出所: 当社集計
営業利益率は前年同期0.17%から7.1%へ急回復した。粗利率+330bp、販管費率-357bpという二重の改善が牽引しており、単なる増収効果にとどまらない構造的な収益性改善の兆候といえる。
通期計画に対する進捗率は売上26.6%、営業利益32.1%と標準的な25%目安を上回っており、現時点で通期計画に対し前倒しのペースにある。
半導体素子(Discrete)セグメントの赤字は前年同期-62.6億円から-9.4億円へ縮小した。この損益改善の継続と黒字化のタイミングが、今後の全社営業利益率の趨勢を左右する観察点である。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 1,710円 |
| base(基準) | 1,725円 |
| bull(強気) | 1,745円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 2,007円 |
| 調整後予想EPS | 81.1円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 66.6% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.86倍 / 21.3倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 1,679円〜1,774円、ω±0.1で 1,716円〜1,731円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。